湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ難しいご近所付き合いや古い慣習、新参者への興味や不信感はよく聞く「田舎の嫌な部分」を感じさせた。
この作品は、いくつかの視点から書かれている。
そのため、大人同士の友人関係の陰も見えた。
お互いがお互いに思う所があってもなるべく友好でいられるよう、胸に収め言葉を選び合う様子が分かった。
私も同じように過ごしている。
平和に過ごすために波風を立てたくない。
そのためとはいえ、登場人物と自分を重ね合わせて読んでいるせいで不安や不満が湧いてきて、他人と関わることに疲れてしまったり…。
さすがイヤミス。
1番最後に子どもの強かさが明らかになった時、ドキリとしたがスッキリもした。
この2人は何か隠し -
Posted by ブクログ
ネタバレ10年前くらいに一読したはずがほぼ記憶がなく再読。エミリ母が許してくれたと見せかけて最後まで冷徹で4人を恨んでいる、みたいなイメージだったけどなんか違った。少なくともそうじゃないように振る舞っている。何かの作品と混同してるのかも…
湊さんの独白リレー形式がヒヤヒヤして大好き。誰に向かって?彼?あの人?ってわからない部分がたくさんあるところからスタートして、登場人物が順番に語ることで全容が明らかになる。この過程の中毒性がすごい。
登場人物ほぼ全員が想像以上の結末を辿るからヒエェが止まらなかった。
⚫︎フランス人形(紗英→麻子の手紙)
・紗英母「紗英じゃなくてよかった」。この状況の親なら誰もが -
Posted by ブクログ
言葉にするのが難しい
おもしろいと言っていい作品ではないと思うが、考えさせられる深い話だった。
こういう辛い境遇にいるようなお話の中には自分だけが辛い中にいる言い方は悪いが浸っているような主人公も多く少しイラッとしてしまうこともあるのだが、この作品はそういう感じはしなかった。
徐々に過去の出来事が明らかになるにつれ、最初の方の印象がどんどんと変わり、パッと見た印象で判断できることはほとんどないのだと、道に歩いている普通の家族でも自分の周りに溢れているような普通の境遇の家族とは限らず、私の周りの一見普通の家族に見える家もなにがあるのかわからないのだと感じた。