10年前くらいに一読したはずがほぼ記憶がなく再読。エミリ母が許してくれたと見せかけて最後まで冷徹で4人を恨んでいる、みたいなイメージだったけどなんか違った。少なくともそうじゃないように振る舞っている。何かの作品と混同してるのかも…
湊さんの独白リレー形式がヒヤヒヤして大好き。誰に向かって?彼?あの人?ってわからない部分がたくさんあるところからスタートして、登場人物が順番に語ることで全容が明らかになる。この過程の中毒性がすごい。
登場人物ほぼ全員が想像以上の結末を辿るからヒエェが止まらなかった。
⚫︎フランス人形(紗英→麻子の手紙)
・紗英母「紗英じゃなくてよかった」。この状況の親なら誰もがそう思うけど、文字や言葉になって出てくるとギョッとする。
・人形のために執念で紗英を探し出す孝博。最初から紗英のことは人形としか見てなかったんだなぁ。25で生理が来てない紗英は孝博にとって最高のお人形だったのね。
・紗英の家の人形を手に入れるためだけに、みんな外出する祭りの日に犯行を行い、カモフラージュのために他の家の4体も盗む(しかもそのまま捨てる)という計画を当時小学6年の孝博が考えて実行したの怖すぎる。東京に戻ってからも休みごとに紗英の様子を見るためにあの町に行ってる狂気。
・人間版お人形でしかない紗英が「変態!」と罵って反抗してきたことで更に豹変した孝博。その時紗英に初めての生理が来て今まで経験したことのない体調不良とイライラが紗英を襲っていたせいだけど…
夜な夜な繰り広げられたお人形ごっこのせいで紗英が刺激されて生理が誘発されたんだろうなぁ。紗英のお人形らしさを奪って人間の女にしたのは結局孝博。
・生理が始まった瞬間に紗英が犯人の情報を思い出す。40〜50代ではなく30代中頃の男。
⚫︎PTA臨時総会(真紀が保護者+麻子に向けて)
・真紀はなんでPTAの前で喋ってるんだろう?と思ったら。過剰防衛と槍玉にあげられてたのね。不審者撃退で、傷を負った生徒はいるものの生徒の犠牲者はなし。すごい!と思ったら、犯人の男が死んでいた〜
・奥井養護教諭がジョーカーすぎ。
「どこかの警察にウイルス送りつけちゃった」←これって由佳の義兄じゃん!由佳の不倫のきっかけ作ったの奥井教諭…
田辺教諭(奥井と付き合ってた)が糾弾されて大量の睡眠薬を飲んで病院に運ばれた翌日には、真紀が世間の批判の的になるようなタレコミを出版社に電話してる。手慣れすぎてて怖いて…
・関口(不審者)を蹴り上げた時に犯人の顔を鮮明に思い出す。南条弘章に似ている。
⚫︎くまの兄妹(晶子→カウンセラー)
・こんな契約関係を持ち出す方も受ける方もどっちも最悪。晶子が救い出してくれたのが不幸中の幸い。また罪のない子供が被害を受けた(泣)
・「余計なことを…」が誰の声なのか最初わからなかったけど、春花か。
・誠司と美里の登場意義がわからなかったけど最後のパートで、美里があの町で14年前に見かけた男が小学校の時の先生(=南条)で間違いないと断定する場面でなるほど、となった。
⚫︎とつきとおか(由佳→麻子 陣痛の中、深夜の総合病院の待合室で)
・病弱なお姉ちゃんへの執着
・万引き・不倫など逸脱行為わかりやすい逸脱行為。事件の影響がいかに大きかったかがわかる。麻子への態度も挑戦的で、これまでの3人とは印象が違う。
・5人が宝物+手紙(誰かを死んだことにして書いた手紙)を暖炉に入れた時期に、廃別荘を見学しにきた南条。なんというタイミング。よりによって麻子の指輪と秋恵の遺書が南条のもとに…
⚫︎償い(麻子)
・元々惹かれあってた秋恵と弘章を、麻子が意図せず引き裂いたってことか。弘章が結婚に向けてノリノリだったように見えたのはお金目当てだったのかな?秋恵も弘章と麻子をくっつける作戦に応じてるから、自殺するほどの感情ならもう少しやりようがあったのではと思ってしまう…
・復讐のために殺したエミリは、弘章の実の娘だった。復讐のために無関係な小4の娘に手をかけれらる人に対して、「エミリの父親はあなたです」と言ったところで暖簾に腕押しでは?
それでも少しは動揺したのだろうか。小学生を強姦殺人する時点で狂いすぎてるから実の娘がどうこうは弘章からしたらどうでもいいのかなと思ってしまうけど…弘章の人物像がほとんど見えないので何とも言えない
⚫︎終章
・やっとエミリちゃんの死を純粋に悼んでもらえたのかなぁ。1番の被害者なのに、ずっと蚊帳の外だった。罪のない人が殺されるのはフィクションでも悲しい。