湊かなえのレビュー一覧

  • 絶唱(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最初は震災小説だと思わずに読み進めていた。トンガが舞台だったこともあって、どこかファンタジーや異世界ものの雰囲気すら感じていた。けれども最後には、すべての物語が阪神淡路大震災につながり、尚美やトンガという要素を中心にして一つにまとまっていく。その流れの巧みさに圧倒された。

    一番印象に残ったのは、第4章で静香が亡くなったあと、泰代が千春にかけた言葉の場面。震災のなかで友人を助けに行こうと奔走する泰代と、自分のことで精一杯になった千春。どちらが正しいとか間違っているとか、他人が評価できることじゃないと思う。だけど泰代の責めるような言葉は千春の心の深く根付き、その後の人生に影響を与えたことは痛々し

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    2025年09月03日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

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    ネタバレ


    面白かった〜〜〜

    湊かなえを読んだ後の満足感、他では味わえない心地良さですごく好き。

    不気味というよりは違和感。

    このタイトルの意味や、キャンパスの上にどんどん塗り重ねていかれる油絵の具、その表現がすごくわかる。

    読みながら、でも本当に疑いすぎなだけじゃない?と私も思ったりして。本当にもう見逃してもいいような、そんな小さな豆を、読みながら共に体感できたのが良かった。




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    2025年09月03日
  • 残照の頂 続・山女日記

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    最近山登りをゆっくり始めた。だからこの本を手に取ったのもある。正直始めた理由は山を登ってる人かっこいいから自分もやろかなくらいのしょうもない理由。
    山を登る行為は正直自分にとって特別ななにかではないけど、お父さんが週末に山に籠もって登りに行く姿はなんか小さいながらにいいなと思ってた。帰ってきて見せてくれる景色と山飯とたまにサムズアップしたお父さんの写真。
    お気に入りの石を一個持って帰ってきて部屋に飾るお父さんの部屋が好きだったな〜、とか思いながら読んだ。
    3つ目の話が好きだった。読みながらいつかお父さんと山に登りたいとも思った。その時がくる時にはお父さんはおじいさんで登れなくなってるかも…なん

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    2025年09月02日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

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    本ものとはなにか?
    誘拐され、2年間いなかった姉が戻ってきて、別人だとおもわれるのに、本人のフリをしているのは何故?どこにいたの?何があったの?
    妹 結衣子が2年間苦しめられ、姉を探すために母親に使われ、怖くて辛い思いもし、そして戻ってきても疑問をもち、モヤモヤモヤモヤとした話。
    後半は急展開にびっくりしながらも、この重い嫌な感じが癖になります。すごく面白かった!

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    2025年09月02日
  • 白ゆき姫殺人事件

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    後ろの方に捜査資料や、新聞記事や、週刊誌などが乗っていて途中でそれらを読むというのが新鮮で面白く読めた。
    犯人は最後まで分からなかった。最後まで読むと犯人に納得できた。

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    2025年09月02日
  • ユートピア

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    人間の奥深さと、違う人間が関わり合うことで産まれるドラマがすごい。

    車椅子生活の娘をもつ主婦菜々子、認められたい陶芸家のすみれ、夫の転勤で街へ来た光稀が、ボランティア基金「クララの翼」として活動をはじめる。
    最初は順調に活動していたが、徐々に歯車が噛み合わなくなってきた3人、さらには別の事件も絡んできて……。
    という、ハラハラドキドキ。

    事件そのものというよりも、立場も町に住むようになった経緯も違う人たちが同じ時間や事柄を共有しながら何を守り、どの部分を人に語るのかで展開していく物語が面白い。

    ラスト、とんでもない不愉快さはないけれどザラリとした手触りの終わり方。

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    2025年08月31日
  • 少女

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    ネタバレ

    2人の子供の入れ替わりや遺書のミスリードにはとても驚かされ、主人公たちの少し奇妙な心を描いた語り方には引き込まれました。
    全ての登場人物が死を挟んで意外なところで繋がっていること、それらの伏線には感動しつつも、ご都合主義を感じてしまいました。
    ミステリーとしての完成度はとても高かったですが、主人公2人の人間性のストーリーが省かれていると感じるところが多かったです。

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    2025年08月30日
  • 花の鎖

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    ネタバレ

    徐々に話がつながっていくのが面白い。しかし、私が美雪だったら、陽介のことも夏美のことも森本のことも、最後まで許せないと思う。幸せとはいえ、シングルマザーで苦労しながら生活してきた家と、清里に別荘まで持つ有名な建築家の家。せめて葬式の時に、本当のことを言ってくれていたら… ここが湊かなえの小説という感じ。

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    2025年08月29日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初めて湊かなえの小説を読んだ。
    映画化されたのは何個か見たことがあったけど、小説はなんとなく難しそうだと思ってお母さんから面白いよと言われたことがあっても読もうとは思わんかった。けど読んでみたら普通に読みやすくて面白かった。
    小学生視点で書かれてて、お姉ちゃんが2人いるのかってなったときは少しぞわってした。

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    2025年08月29日
  • 山女日記

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    今すぐ山に登りたくなった。

    山に登ったらなにか変わるんじゃないか、今抱えてるちっぽけな悩みもスッキリするんじゃないか、新しい世界が私を待っているのではないか、と期待してしまう。

    それぞれの主人公はみんな同じ世界線にいて、それぞれの話にちらっと脇役で登場したりする、という短編集が個人的にすごく好みなのでよかった。

    大人になった今だからこそ彼女たちの状況や思いに共感できたし、彼女たちが山に登ってなにかを得るたびに、私も何かを得たような気がした。

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    2025年08月27日
  • カケラ

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    ネタバレ

    整形をしたからって幸せに他人からの評価が上がるとは限らない。
    他者からの評価が悪いのは実は外ではなく内面が原因かもしれないとも気付かずに。

    自分が正しいと理想だと思っていることは他人にとってはそうでは無い。それを誰かに押し付けることは決してしてはいけないこと。

    頑張って耐えて枠に当てはまろうとした有羽ちゃんは少しずつ心の袋が避けて砂が漏れてしまったんだろうな。
    皆、母親が娘をここまで追いやったと押し付け自分じゃないと正当化する。だけど母親だけでなく、教師や友人、家族の全てが有羽を苦しめるてしまったのだと思う。

    皆自分の考えだけを一方的に押し付け当本人の意見を全く聞く耳も持たなかったのが要

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    2025年08月25日
  • 山女日記

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    一つの山に一つの物語。
    色んな思いを抱えて山に登る女性たち。その後が気になるが、違う山でサラッと登場するのでその後が分かり安堵しました。
    山に登りたいなぁと思わせてくれた小説。あ、低い山に限りますけど 笑

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    2025年08月24日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

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    姉妹の話としては面白かった。
    最後も考えさせられる終わり方だけど、オチに無理があってそこだけ現実離れしている。

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    2025年08月21日
  • サファイア

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    ゾクゾクっとするのから、なんかジーンとするものまで短編で、いろんな要素がありあっという間に読み終わりました。サファイアとガーネットがよかった。

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    2025年08月21日
  • 贖罪

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    呪いのようなある約束を課せられた4人の少女と、その約束を課した女性のそれぞれが、事件が起こってから現在に至るまでの15年間の苦しみ・想いを、章ごとに手紙やスピーチ等の形式で独白する形となっていて、1つ1つの独白に人間の愚かで醜い感情、行動がリアルに描かれていて、怖いもの見たさのような感じで読み進められた。

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    2025年08月21日
  • 山女日記

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    登場人物が悩みや苦悩を抱えながら山に登る。
    道中、気づかされたり、答えを見つけたり、オムニバス型式でお話が交差する。まるで、いく通りもある頂上へのルートが交差しながら続いている登山道のように。
    山に登ることで、問いの答えが見つかるのか?
    心がクリアになるのか?
    山は奥深いんだな。

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    2025年08月21日
  • 夜行観覧車

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    ミステリー要素は控えめです。
    私は湊かなえ作品には余りミステリーを求めないので読みやすく気に入りました。
    ちなみに他に気に入っている作品は母性で、ミステリー要素が強い少女や落日などは好みではありません。

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    2025年08月20日
  • 夜行観覧車

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    やっぱり湊かなえはの描く毒女は本当に目が離せなくなる。
    もちろんそういう人たちの心情を覗きながら読んでいくのも楽しいんだけど、語る側として登場しない高橋家の父や母については想像ばかり掻き立てられて面白い。

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    2025年08月20日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

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    結衣子と同じように無意識のうちに自分も本ものの万祐子を追い求めていて、それが幻想だったという事実を突きつけられた時のダメージのでかさ。。文字だけで読者にそんな感情を与えられる湊かなえさんの筆致に拍手喝采。

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    2025年08月18日
  • 落日

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    !大事!
    実際に自分の目で見ること
    自分の頭で考えた意見を持つこと
    自分のものの見方を疑うこと
    事実・真実を知る覚悟

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    2025年08月15日