湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレイヤミス……いやこれはグロミス…
美しい青い蝶の表紙を開いて、その蝶を思わせるような青の厚紙。そしてたくさんの色がぬたれた背景の真ん中にタイトル。
次のページから6枚の口絵。
少年が標本にされた作品……
これだけで気味が悪かった…
そして始まる蝶博士「榊 史朗」の手記【人間標本】
幼少期の話。糾弾された芸術家の父。逃げるように引っ越した山の中のアトリエ。その周りの蝶の群れ。父と一緒に作った蝶の標本。それを生かした夏休みの作品。父が書いていた肖像画の人物。その娘。父の死。退屈で窮屈な学校生活…
蝶に取り憑かれた結果…蝶のように美しい少年たちを殺し標本にし、我が子まで手にかけた異常殺人者。との告白…
…え?まだ40ページくらいですけど…こんな爆弾落として大丈夫!?
って思えたのは、まだまだかわいい…
そこからよ…一人一人、夏休みの自由研究の課題かのようなレポート…気味悪すぎて、頭パニックだし吐き気するし、とりあえずスマホゲームで気分転換して…いや本当に最後まで読めるか心配だった…
でも読んでよかった!!
蝶々の名前がたくさんでてきたけど、金田一少年の事件簿の黒死蝶殺人事件にでてきた蝶が多かったから助かった(笑)
そんなことはどうでもいいけど、前半のグロミスから中盤のゾワゾワする気味の悪さ…そして最後のイヤミス感…
最高でした! -
Posted by ブクログ
ネタバレ瞬間最高風速、読み手にとって小説の物語の最高潮をそう表現するとしたら、本書はまさに瞬間最高風速で終わり、満足感が後から込み上げてくるような作品だと感じた。
そうはいっても、書き手の意図通りに読み手がラストのページを最高潮と捉え、終わるのは難しいと思う。ミステリーならば、犯人はお前だ!とわかってもあとがきとして推理の裏側や犯人、他容疑者のバックボーンが書かれたりサイドストーリー的に展開されていた主人公たちのアフターストーリーが必要だ。
この本は後半にクライマックスを迎えるところまでは上記と変わらず、ストーリーの締めくくりとして故人を惜しみ、故人の愛した蜂蜜コーヒーを飲んでいるときに突如として本当のクライマックスが待っているといった形であり、最後の一行を読み切り、本を閉じた瞬間に鳥肌が止まらなくなった。
圧巻だと。これまで湊かなえといえば、告白を読んだことがあったが、そこまで自分の中では印象に残っているものははなかった気がする。
この本は本当に無駄のない、最後の一言に尽きる作品だと思った。リバースというタイトルは反転や、ひっくり返るという意味だろう。親友だと思っていた自分は、相手にとっては複数いる友人の1人にすぎない。自分こそは殺人に関与した中でも比較的罪は軽い、その認識がひっくり返る。反転した価値観の中で故人へのエピソードをもとに解像度が上がっていき、最終的には故人にとっても特別な存在だったのだと再認識する。認識の反転が2回起こり、もとに戻る。同様に自分は犯人ではない→加担していたと自覚し直す→実は自分は…というようにストーリーを読み進めていくことで、主人公の認識が表裏と反転していく。ここまで本のタイトルであるリバースを意識して、内容を読み込み、反転した箇所からタイトルを噛み締めるという風に書籍を読んだのは初めてであった。 -
Posted by ブクログ
運命の歯車、
なんて言葉を使ったことはないけれど
この小説の中では自然と、
それが頭に浮かぶように
決断がひとつ違えば、まるで違う人生だったのにと
真実は最後まで読んでもわからない
けれど、私たちは点と点を
つなぎ合わせることができる
知ろうとすることができる
複雑に複雑に絡み合っている人生も
たくさんある分岐点において、
運命の人や出来事と交わってるかもしれないと思うと
そんなにドラマチックで、奇跡的で、
面白いことはないなと、
平凡だと思っていたけど、
人の一生って案外捨てたもんじゃないどころか
すごいものじゃんって、心に響きました
本当に、湊かなえさんってすごい