湊かなえのレビュー一覧

  • 絶唱(新潮文庫)
    喪失と再生を描いた短編集です。
    どの話も阪神淡路大震災が背景にあり、それに人生を大きく揺さぶられた登場人物たちが描かれています。
    どの話も希望を感じられるもので、読後感は温かい気持ちになるものでした。
    それでも内容はそれなりに重く、人間のグロテスクな一面を見ることが出来るものでした。
    とはいえ、湊か...続きを読む
  • 山女日記
    「山ガール」というワードが流行ったころに出た本でしょうか。
    こちらは「山ガール」ではなく、「山女」。

    その題名の通り、様々な人生の悩みを抱えた女性たちが登場します。
    結婚生活に疑問を持つ主婦、バブル期を引きずった婚活女性、ギクシャクする姉妹・・誰かしらにはわかるわかる!と共感できます。
    彼女たちは...続きを読む
  • 往復書簡
    いわゆる湊かなえのイヤミスではなく、どれも比較的すっきりするお話。
    憶測や噂って、発信者たちの主観とか隠したい部分とかが含まれて歪められて伝わってしまうから怖いし、振り回されるのはろくでもない。こういった表現は湊かなえらしい文章で面白かったです。
    十五年後の補習は、真相かと思ったら嘘で次が真実かと思...続きを読む
  • 境遇
    TVドラマの書き下ろしだったとのことで読後にキャスト
    を見て松雪泰子とりょうだと知った。キャストを知ってしまうと読みながらどうしてもチラつくのでなるべく先に小説を読むようにしているけど最近は映像化が早いから追いつかない。巻末に『あおぞらリボン』という絵本がありそちらも興味深く読めたけれど実際に5歳児...続きを読む
  • サファイア
    湊かなえさんの短編集

    真珠
    ルビー
    ダイヤモンド
    猫目石
    ムーンストーン
    サファイア
    ガーネット

    イヤミスの女王などと評される湊かなえさんだが、本作ではその範疇に留まらず、予想外(といっては失礼だが)に希望すら感じる物語や、人間の愚かさや醜さ、或いは愉しさ等、実に沢山の引出しを持っておられる作家...続きを読む
  • サファイア
    湊かなえさんの短編集。

    嫌な話もほんわかする話もハラハラする話もありますが、どれも面白かったです。

    個人的には「猫目石」と「サファイア」が好きでした。
  • 残照の頂 続・山女日記
    あなたは、『二人で山ガールにチャレンジしてみましょう』と言われたらどうしますか?

    “登山を愛好する女性”を指す『山ガール』という言葉。2009年頃から使われ出したという言葉によって山へ向かう人のイメージは随分と変わった気がします。かつては、いかにも”山男”たちの集う場という印象のあった山。それが、...続きを読む
  • 落日

    一気読みしました。

    ところどころ辛くて目を背けたくなる描写がありました。
    見たくないものに蓋をして現実逃避している私には、途中までとても辛く切ないお話でした。
    でもさすが湊かなえ先生!良かったです。
  • 残照の頂 続・山女日記
    山女日記2作目。
    久しぶりの山岳ですね。
    全4編。1編目、4編目が特に好き。


    喫茶店の女主人と取引先の女性営業マン。歳の差がある他人の女性2人とガイドの男性1人での登山は少し考えにくい組み合わせだった。


    大学生時代の登山友達、女性2人がそれぞれ登山した話を手紙で綴る。
    人生を山に例え、こ...続きを読む
  • カケラ
    色んな人達の視点で描かれてるて、誰が正解とかないんだなと、考えさせられるストーリーでした。
  • 少女

    面白かった

    面白かったが、若干消化不良かなとも思った

    本来の目的である「人が死ぬことを見て、死を悟ること」の回収が、刺されたところを見て「死はただただ消えるだけ」の淡いものだと再認識する…だけというのはちょっと薄いかも
  • 山猫珈琲 下巻
    湊かなえさんは、すごく芯の強い方なんだと思います

    集中力、悔しさをバネにできること、やってみようというチャレンジ精神、継続する力

    すごいなぁと励まされました

    同じ話が少し違う文章で繰り返し読めるところもこの本の魅力でした!
  • 残照の頂 続・山女日記
    2023/06/04
    #残照の頂
    #湊かなえ

    《感想》
    #山女日記 の続編!
    人間の闇深さにフォーカスしていません!
    それよりも、人間の繋がり、山との繋がりに
    フォーカスされて、感動と共感を感じる1冊!

    読んでて最後には良かったねぇ!って思える。

    特に好きだった章は、「立山·剱岳」
    母と娘が一...続きを読む
  • 山猫珈琲 上巻
    湊かなえさんの小説は読んだことがありましたが、エッセイは初めてでした

    淡路島にお住まいとは知らず、、
    というか湊かなえさんの事を何も知らなかったと思いました

    Nのために のあのシチュエーションがとても好きです

    この本を読んで思ったことは、良い意味で、湊かなえさんが普通の人 だったことです
    下巻...続きを読む
  • 残照の頂 続・山女日記
    山に登る女たちの短編集第二弾。
    人生は山あり谷あり、とはよく言ったもの。
    物語それぞれの登場人物たちの背景は異なるけれど、山を登ることで自らの人生を山になぞらえる。
    山を愛する女たちの生き様、信念には共通したものが多い。女たちの直向きさに、第一弾同様今回も心地よい読後感にひたれた。

    目を開けろ。耳...続きを読む
  • 時の罠
    短編集とかアンソロジー物はあまり読んだ事がありませんでしたが、これは楽しめるお話ばかりでした。

    家族愛もの(私にはオヤジの友情もの)やSF物、オチがスッキリとしたものニヤリとさせられるもの。

    いろんな作家さんに少しずつ触れるには持ってこい、な一冊でした。
  • 山猫珈琲 下巻
    湊かなえさんのエッセイ後半。特別収録にコンクールの授賞作品が掲載されている。湊作品の作られ方や旦那さんとの関係、小説を書くに至った経緯や地方で文章を書き続ける大変さなどを感じた。雑誌の連載なども収録されており、湊かなえさんという人物像に近づける一冊。
  • ブロードキャスト【電子特典付き】
    2023.05.02
    何が良いって、若さというか、みずみずしさにあふれているところが良い。
    理屈ではない、若さゆえの言動の数々。
    ただただ若いっていいよなと思う。
    青春をぶつける対象は体育会系だけではないということも描いている。
  • サファイア
    短編だけど様々な要素が入った濃密な作品といった印象。後味の悪いものも多いがそれも含めて満足です。
    特にサファイアとガーネット。連作短編である2編であるが、サファイアの方は後味が悪いが、それを塗り替えてくれるガーネットと併せて読むととても救われた気分になる。それぞれが区切られた端へとなっているところも...続きを読む
  • 残照の頂 続・山女日記

    参考になりました

    今年はある山に登る目標を立てました。
    この続編の中に、その山の名前を見つけてワクワクしながら読みました。自分がその山を登り頂きに立つ姿をシミュレーションするのも楽しかったです。
    前作もそうでしたが、山を登る女性の向こう側が見えて、人それぞれに山に登る理由があることが、改めてわかります。
    自分は何故山...続きを読む