湊かなえのレビュー一覧

  • 往復書簡

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    冒頭から短いスパンで匂い立つ違和感に、わくわくというか、ゾクゾク。

    湊かなえさんらしい、どストレートな嫌ミス本ではないけど、短編集のような形で手紙のかたちを取っていても、彼女の書く色になっていた。

    手紙というものが好きなので、手紙とは…というテーマも魅せてくれた気がします。

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    2025年06月29日
  • ブロードキャスト【電子特典付き】

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    湊かなえさんが描く青春小説で、さすがと思える制作側に詳しい叙述が新鮮。
    中学時代、駅伝の全国大会を目指すもあと一歩力及ばず。エースの友人とともに一般受験で陸上の強豪高校に進学するも交通事故で夢を絶たれる。
    屈折した気持ちを持ちながら高校の放送部に入るが、当初見下していた気持ちから次第に熱量に感化され再び全国を目指す。
    放送部での脚本作り、ドラマ撮影をめぐる役割やスタッフの動き、ノンフィクションとドラマの違い、そこに学年間の軋轢やクラス内のイジ、陸上部時代の駅伝メンバー選考にかかわる謎も折り重なって展開。
    報道作品への批評場面や作品制作にか変わって主人公が成長していく様が爽やかに描

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    2025年06月29日
  • 絶唱(新潮文庫)

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    楽園、約束、太陽、絶唱の四部構成でそれぞれ震災がテーマになったオムニバス作品である。
    特に絶唱は湊かなえ自身の経験に基づいて描かれた作品だと最後に分かり、鳥肌がたった。
    この中で一番好きな作品は約束で、最後に宗一がかけてくれる言葉が感動的。

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    2025年06月29日
  • 高校入試

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    公立高校の入学試験を舞台にしたミステリー、というよりはサスペンス、ドラマの脚本を小説に再構成したというのも納得する多くの登場人物に多くの視点、情景を人物像をイメージしながらなんとなく感情移入というよりも観測者として物語に関わる読みを読み手はした方が良いと思う。
    出てくる人物は色々と癖があり、課題を抱える子どもたち、事なかれ主義に見える管理職、意見や思想の違う教職員、我が子のために入試に介入してくる保護者。グチャグチャのこの世の嫌なところが煮詰まったような人物たちが「高校入試」という閉鎖空間で様々な関わりと、行動、思いのぶつけ合いをするのはある意味クローズドサークルものという側面もある。
    今作は

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    2025年06月29日
  • 山女日記

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    初めて読む作家さん。
    先日、BSのあの本読みましたに出演されてました。
    何故、辛いのに山に登るのか?
    たどり着いた先に見えるもの、
    世の中にはすごい場所やきれいな景色がいっぱいあるのに、それを知らずにすごすのか。
    山は考え事をするのにちょうどいい。
    など、印象に残った言葉がありました。
    残照の頂 続 山女日記も読んでみたい。

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    2025年06月28日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

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    豆類がそんなに好きじゃないという理由で放置されていたけど急に手に取った。読んでいるあいだ、ずっと頭の片隅にお茶の水女子大学がちらついていた。
    本筋については、(どの登場人物が狂ってる奴なんだ......!?)と考えながら読み進めていたけど、結局狂気も悪意もなくみんなじんわり自分本位なだけで、著者らしい組み立てだった。各々の思考の癖とか視野の狭さを切り分けて描写するのが上手いなあと思った。
    自己同一性の危機みたいな心理が他者に投影されるケース、それこそお茶女らへんが研究してそう(適当)

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    2025年06月21日
  • 山女日記

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    山登りに興味はないけど十分に楽しめた。
    30代、40代あたりの女性の胸の内が語られ、内容がスッと入ってきてとても読みやすい。
    各章に少しずつつながりもあり、前の章のその後が知れるのもよい。
    山登りというと、抱えている悩みと向き合って答えが出たり、乗り越えたりするイメージがある。
    本書の女性たちも、結婚をどうするかとか、答えを出す心意気で登山に臨んでいて、果たしてそんな確実なものなのかと不思議に思った。
    だけど登山中は考える時間がたくさんあって、動いていることでより頭が冴えるから良さそうということは想像できた。
    時々、人生にも通じる格言っぽい一文が出てくるのでハッとしたけど、私が登山して体感した

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    2025年06月19日
  • 境遇

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    一気読み、二日間の通勤で。

    独特の作風、言い回し。ついつい先を急いで読みたくなった!

    内容はネタバレになりやすいので割愛笑

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    2025年06月11日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。
    中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。
    同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが…。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く(「ポイズンドーター」)。
    呆然、驚愕、爽快、感動―さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!
    母親にえこひいきされた妹に対する憎しみと嫉妬がこうじて心を病んだ姉の破滅を描いた「マイ・ディアレスト」、脚本家志望の3人の表面的には励まし合いながら裏では中傷メールや書き込みや足の引っ張り合いをする嫉妬と泥沼を描い

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    2025年06月11日
  • 花の鎖

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    女の情念とまで強い言葉ではないが、湊かなえのとらえる女性像はとても現実的で、目を背けたくなるときがある。
    ドロドロしているわけではないが、そこには登場人物が女性だからこそ説得力のある独特の感情が確かに存在しており、柔らかいナイフでゆっくりと斬られているような痛みを感じる。
    本作は3人の似ているようで少しずつ違う女性が織りなす物語で、典型的なミステリではなかったが、何が起きたのかを予測しながら読む作業はしっかりミステリ然としていた。
    よくぞまあ主人公の名前を最後までうまく伏せていたものだ、なるほどこういう見せ方もあるのか、と驚いた。
    とにかく登場人物が多くて頭を切り替えるのが大変だったが、エッセ

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    2025年06月10日
  • カケラ

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    やっぱり湊かなえ好き
    最初はペラペラずっと語りが続いて読みにくかったけど、読んでいくうちに面白くなった
    少しずつ繋がってくる

    ルッキズム
    太ってる
    ドーナツ
    動けるデブ
    整形外科

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    2025年06月07日
  • カケラ

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    おもしろい。ガッツリイヤミスという訳ではなく、明示されているオチを追求する形だが、体型ひとつとっても人によってその印象は食い違うこと、今や社会問題レベルで蔓延しているルッキズムについても、湊かなえ先生特有の生々しさをもってして描かれていてゾクゾクする。確かに小学校の頃は太ってる人に対して陰険だとか、そういうイメージ抱いてたな…

    友利新先生の解説も、現役医師としてのお話が面白くて、読み応えがあった。

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    2025年06月05日
  • 花の鎖

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    湊かなえ作品初読でこの作品を読みました。

    いわゆる叙述トリック物なのかなと思いましたが、ラスト数ページでガッと畳んでくるような感じではなく中盤からラストに向けて所々であれ?と違和感や何か見覚えのある言葉に気づくような仕掛けになっていました。

    様々な視点、一見関係ないような物語が1つの線として繋がっていくのはかなり爽快です。

    叙述トリックが好きな方、特に自分で読み進めながら謎を解いていきたい方には面白いのではないかと思います。

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    2025年05月30日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    湊かなえの短編集。さすがイヤミスの女王、読後はちゃんと嫌な気分になりました(笑)
    さて、このタイトルだが湊かなえ本人がインタビューでこう語っている。
    「毒親というのは、ここ最近急速に使われるようになった言葉ですよね。新しい言葉ができた時、やたらと使われるので『それも当てはまるの?』と思うことってありませんか。いろいろ話を聞いていると、『それも毒親ってことになるの?』という内容で騒いでいる人が多い気がしたんです。」
    本当に毒を持っているのは娘の方なんじゃないの?ということですね。
    もちろん「毒親」と言われても当然の親はいる。ただこの作品に限らず、例えば犯罪者のコメントなどは自分がそうなったのを他

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    2025年05月30日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    ネタバレ

    母と娘、姉と妹、友だち、男と女。善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる、6つの短編集。

    マイディアレスト
    ベストフレンド
    罪深き女
    優しい人
    ポイズンドーター
    ホーリーマザー

    1人の視点だけでは物事は分からないなと思わされる話ばかりでした。ポイズンドーター、ホーリーマザーは特に題名の意味を考えさせられる作品でした。

    罪深き女のラストがイヤミスで、中学生の頃読みあさった湊かなえ作品を思い出しました
    すごく懐かしい感覚でよかったなぁ、また久しぶりに湊かなえさんの作品読んでみたいと思いました

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    2025年05月29日
  • 残照の頂 続・山女日記

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    短編集。読みやすいし、どの話も面白い。
    タイトルにもなってる『残照の頂』が1番好きだった。
    読んでると山に登りたくなるとかは無かった。

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    2025年05月25日
  • 境遇

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    人との関係(繋がり)はお互いの境遇で変わってしまうのか…。
    産まれた境遇を断ち切れないやるせなさを感じました。
    絵本で泣きました…

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    2025年05月24日
  • ユートピア

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    語り手によって出来事の捉え方が全く変わる。自分は正しいと思いたい、という人間らしさを描いており、まさに「主観と主観の殴り合い」だった。最後には驚く事実も発覚して面白かった。

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    2025年05月20日
  • 山女日記

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    ミステリーではない湊かなえ作品。
    1人1人色んな思いを持って山に登る姿が描かれていた。自分は低山ばかり行っているけれど、アルプスやもっと渋い山に登りたくなった。

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    2025年05月19日
  • 絶唱(新潮文庫)

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    舞台のトンガはあまり馴染みがない土地。南の島で、ラグビー選手が多いくらいのイメージ。
    登場人物は日本人で、連作短編になる。それぞれの短編に出てくる人が少しずつ関わる。人は見かけによらないというか人は多面的で、嫌な感じの人がどうして嫌な感じになるのかとか、前の短編の主役が別の視点で見るとあらららという風に見えたり。
    いつもの湊かなえさんのイヤミスではなくて、心の傷と再生の物語だった。
    みんないろいろあっても生きてる。そんな心強くなれる作品だった。

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    2025年05月18日