湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ありきたりな山歩きかもしれないが、柔らかい言葉に沿って辿って行きながら、主人公の心境に共感を覚える。
湊さんは山好き花好きでした、この本を読んで知ったのだが、日記という題名は本人のものではなく、参加して登山情報を得ているSNSの名前でした。
8つの題名のように登った8か所の山にまつわる話で。薄ぅく繋がっている。
主人公はアラサー女子。
もう遠くなったが、軽々と峰を超えていた頃を思い出す。あの頃の穂高や白馬を、足が追いつかなくなってからも未練たっぷりに麓から仰いだことも何度かある。
ガレ場を歩く感じや鎖場の感触など懐かしいシーンに、うら悲しいような気持でメンバーの顔を思いだした。
アラサーが微妙かどうか。生き方を自由に選ぶことができるようになってきた現代。女子の年齢に不自由な時代が、少しずつ変化してきているし、独身であろうとなかろうと、自立さえしていれば周りは大目に見てくれている。
それぞれの生き方や周りの思惑まで山に引き摺っているのは、適齢期とか生産年齢とか、親の気持ちとか何やかやの生きづらい思いがまだ絡みついているからだろう。
異性に惹かれる年頃になると、いやだと言っても面倒なことが山にまでついてくる。
という山の風景と心の風景がリンクしたり離れたり、メンバーに寄り添ったり、迷惑だったり、地上と変わらない気持ちからは解放されないことよくわかる、それでも湊さんの飾らない山歩きが心地よかった。苦しい道を踏破しながらじっくりと自分を見つめなおしたり、頂に立って大きな広い世界を見て少し違った生き方に目覚めたりする。
目次
* 妙鉱山
こんなはずでなかった結婚
⋆ 火打山
捨て去れない華やいだ過去
⋆ 槍ヶ岳
父に言ってしまったあの言葉
* 利尻山
ぬぐい切れない姉への劣等感
⋆ 白馬岳
夫から切り出された別離
⋆ 金時山
突然見失った将来の目標
* トンガリロ
いつの間にか心が離れた恋人
そして、ア~~私も行きたかった!!
ニュージーランド、ロード・オブ・ザ・リングのトンガリロ、三色のクレーター・火山湖
ニュージーランドのトレッキングとともに終わった吉田君との登山行。
彼女もまたいつか、登山のように紆余曲折した思い出の道を辿るのかも。
望郷 海の星
白雪姫殺人事件
Ǹのために -
Posted by ブクログ
初めは登場人物の数が多く感じ、混乱してしまったがそれぞれの登場人物の主観を丁寧に描かれていたので何が起きているのかをしっかりと捉えることができた。小さなコミュニティで起きがちな人間模様に加えて外部からやってきた人と織りなされる複雑な化学反応が現実的でぞくぞくした。どんなに仲良くなったと思っていても、大人になると相手の行動を深読みし善意をそのまま受け止めるのが難しくなることが描かれている。それに対して二人の少女が織りなす友情は誰にも邪魔されない眩しいものとして描かれている。自分が真っ正面からぶつかっていったとしても自分の思い通りに受け取ってもらえないもどかしさを感じることはこれから私にもたくさんあるのかもしれない。そんな時にまたこの本を読み返し、どんな感想を抱くのか自分でも興味深い。