湊かなえのレビュー一覧
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アダルトチルドレン(AC)の連鎖。
そして共依存の病理。
とても社会的な話しだと思った。
物語の最後に娘がみごもって母になる描写がある。
自分がしてもらいたかったことを娘にしてあげようと決意するシーン。
思い返すは祖母。彼女もACだったからこそ娘(母)に与えた愛情のような何かは本来自分が欲しかったものなのでは?
故に美しいが実態はなく空虚ではなかったか。
愛情不足は連鎖していく。
そもそも母性って理屈じゃないから『このようなものかな?』と考える時点で逸れているんだろうと思う。
食べたことないものの味はわからない。
リルケの詩集に理想は書いてない。
本棚にも書いてない。
目の前の人と向き合うことでしか解決しない家族の問題。
家族を何からも守れない弱い父親を含め機能不全家族は連鎖する。
その父は幼少期のDV被害者だ。
娘の名前が最後の方で一度だけ出てくる。
そうか、名前知らなかったわ。と読者も気づく。
母の中では娘が一人の人格であったことはないのだ。
自分物語の脇役。
母に気に入られることが目的の共依存物語。
見捨てられないための物語。
しがみつく物語。
そこにある景色、娘。
多分娘も自分という個(アイデンティティ)を認識していない。
グロテスクな話しだった。
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Netflixで本作のドラマが観られるみたいだったので、その前に原作を読んでおこうと思って手に取った。本作の主人公は2人、1人は脚本家の甲斐真尋、もう1人は長谷部香。長谷部香は新鋭映画監督であり、次の作品は、香がかつて住んでいた町で起きた一家殺害事件を取り上げようと考えており、その脚本を甲斐真尋に依頼するところから話が始まる。
長谷部かおりは、父が自殺したことで母と生活できなくなり、祖父母と暮らす中学·高校生活を送る。
まひろは、ピアノの才能に恵まれた姉を持ち、姉への憧れと嫉妬が交錯するような子供時代を送る。しかしながら、その姉が高校1年生の時に交通事故でしまうしまうのだった。
香と真尋、同じ町に住んでいたことがあるというだけで、接点はなさそうに見えるが、終盤にそう繋がるか、というような結末になって驚いた。
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ネタバレブックスワップ?とでも言うのか、それで読んだ
愛着障害と思しき母と娘が出てくる。
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子どもは自我が育つまで自他の境界が曖昧で、特に母親は地続きで自分と同じ個体だと認識しているらしい。自我が芽生えてきて他人の存在を知り、母親とも違う個体だと分かるようになる(身体的な自立)。
その後思春期の間に、友人関係や外の世界の繋がりの中で、親の価値観から離れアイデンティティを確立していく(精神的な自立)。これは、中高の保健か家庭科で習ったような気がする。
2つの自立のためには健全な家族関係・社会的繋がりが大事だと言われるよね。
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登場人物の「母(ルミ子)」は母親が好きすぎるあまり、母親の価値観から全く逃れられていない。いつも母親がどう思うかを第一に考え、母親の価値観の通りに行動する、、全ては母のため。
そんなルミ子のもとに産まれた「娘(清佳)」は、無償の愛を知らないまま思春期を迎え、第2の自立で遭難中。。
まとめると、「母親を愛しすぎる娘(ルミ子)」が、今度は「娘を愛せない母親」になり、その娘(清佳)もまた「母親に愛されたい娘」として苦しむという地獄のループ。。。気持ちが悪かった
どうしてルミ子みたいなテイカーが生まれるんだろう、、人間誰しも愛情を求めるけどテイカー気質の愛情の欲求は際限がない。
湊かなえ作品は初めてで、内容には驚嘆したものの、なんだか頭に入ってこない。文体なのかなんなのか。 -
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ネタバレ湊かなえさんの本、昔いくつか読んだことがあるけれど恐らく10年以上ぶり。
ミステリーとして構成が美しいな~と昔、夜行観覧車を読んだときも思った。あちらは絡まった糸がほどけていくようだったけど、こちらは次元がひとつ減って、時計の針が高速に進んでここに落ちてくる、メタ的な収束。
読者の頭にハテナをひとつおいて、それが1つ、2つ…と溜まってしまってイライラしないよう、わりとすぐ、チャッと回収する。シーケンス図に起こせそうなロジック。テキパキ、ノンストレス。最後の章以外は!(最後のページでブワッとするためのタメ)
他にも、直接的な表現を避けて読者にその状況をわからせるのがお上手で、おお~と楽しくなる。
「震災の内側」にいる人の心の描写。実際に体験している人の生々しい主張、怒り、違和感。それがこの主題なのに、全く関係ないマリエとトンガから始まるのがまたお上手…。震災から始まっちゃうと、たぶん、心が重くて閉じちゃう。読み終わると、マリエは傍観者側だったことがわかる(震災の外側の人)。
個人的には、杏子と尚美が2人で話す場面、杏子の心が温かくなるところにはとても同期した。 -
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結衣子が小学校一年生の時、小学校三年生の姉、万佑子は失踪した。
姉の失踪により、結衣子の日常は一変。
それから2年後、失踪していた万佑子発見される。
しかし、結衣子は思う。
あなたは誰?
といったあらすじ。
湊かなえさんらしい、決して晴れやかではなく、暗澹たる雰囲気の中、物語は進んできます。
読者をどんどん暗く、深い闇へ誘う手腕はさすがです。
物語は結衣子の現在と過去を行き来し、姉が失踪したことにより、結衣子の人生がどのように変化したのか、丁寧に描かれます。
まだ小学校一年生の結衣子が、姉の失踪という大きな波に巻き込まれていく姿は、私の心を端から徐々に中心に向かって黒く染めていきました。
そうして迎える第六章「姉妹」で物語の真相が解明されます。
その真相に打ちひしがれる結衣子と私。
でも、追い討ちをかけるように、湊かなえさんは畳み掛けてきます。
そして、最後の一行の問いかけ。
簡単そうで、難しい問いかけ。
印象深い終わり方でした。
家族はなんだろう。
血が繋がっていたら家族?
過ごした時間が長ければ家族?
絆が深ければ家族?
人によって、相手によっても定義が変わりそう。
大切なものなのに、あやふや。
曖昧なものなのだと今更ながら思いました。 -
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ネタバレ終わり方があまり納得しなかった。タイトルがなぜ夜行観覧車なのか最後まであまり理解できず、、
犯人が最後までわからないというようなドキドキ感はなし。
お父さんを殺したのはお母さん。お父さんは息子である慎司に勉強を強制させているわけでは無く、子どもたちの自由にさせてやればいいという考えだった、
しかし、一番上の息子の良幸は、元妻との子供であり医者を目指し良い大学へ入学している。お母さんと夫との子供である慎司は、あまり勉強が得意では無かった。そのため、お母さんは慎司に部活では無く勉強と押し付けている。慎司に関する口論の末、お母さんは殺してしまった。しかし、世間体を意識して、週刊誌にはお父さんが完全に悪者扱いをされていた。本当の真実は、家族だけがわかっていればいいというのは確かに納得した。
この家族の向かいに住む、遠藤家の3人はとてもキャラが強いと感じた。癇癪を起こしてしまう彩花、彩花を殺しかけてしまう真弓(母)、妻と娘が言い合いをしても仲介せず傍観する啓介。
彩花の言うことを聞いて宥めていた真弓が、彩花の口に土を放り込み殺しかけたのは衝撃だった。
小島さとこさんは、ひばりヶ丘を守ろうと必死だったけど、案外いい人なのではと思った。
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湊かなえさんの文章が好きだ。
ありありと伝わる情景、説明口調じゃないのにわかる描写。
以前、告白を読んで衝撃を受けて以来、久々に読んだ。
正直、ストーリーはそこまでではなかった。告白のショックと面白さがヤバかったので、期待が大きすぎたかもしれない。
帯に書かれていた大どんでん返しってほどのオチは結末になくて、ある程度予測できた結果。
ただ、結衣子の気持ちとか語彙力、感性の鈍さあたりと、だからこそ殻に閉じこもる性格になってしまった背景、母親の世間知らずさとメンヘラ感など、人物像がとても的確でよかった。
人が家族とか兄弟と認識するのは血の繋がりだから、なのか?それとも一緒に過ごした時間なのか?
あの後、衝動的に動いた結衣子がどうしたのかは、読者それぞれが考える世界なのかな。
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山頂に立ったときの解放感!
山が背中を押してくれる感動の連作短編集
人間関係や人生の悩みを抱えた女性たちが
それぞれの思いを背負って山に登る連作短編集
嫌なことやモヤモヤを抱えていても
一歩一歩足を前に出し続けるうちに
不思議と心が澄んでいく過程が
とても丁寧に描かれていて…
息を切らしながら登りきり
頂上にたどり着いた瞬間に広がる
絶景と圧倒的な達成感〜!!
毎日色々あるけれど…
明日からまた前を向いて歩いていこう!!と
思わせてくれる山の魅力と美しい景色が
本の向こう側に見えた気がして…
私も登山したくなりました〜!!
苦しい登り坂の先には
必ず素晴らしい景色が待っている!
人生の励みにもなるような…素敵な作品でした! -
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ネタバレ悠子先生による少年Aへの復讐には納得がいかなかった。
終盤の少年Aは、母親への愛ではなく「自分を見捨てた存在」としての憎しみに変化していたように見える。そのため、ラストの電話で「母親を死なせてしまった」と知らされても、先生が狙ったような絶望や悔しさを抱くのか疑問だ。むしろ「自分を見捨てた母親が死んでせいせいした」とすら感じるのではないだろうか。
本作は少年犯罪に対する法的制裁の不十分さや、被害者遺族による私的制裁の善悪を問うテーマだと受け取った。しかし、少年Bが徹底的な制裁を受けたのに対し、少年Aへの制裁はどこか不完全に思える。最初から法と警察に委ねていれば委員長が犠牲になることもなかったはずで、結果論ではあるが「普通に通報すべきだったのでは」と、作品の前提そのものに疑問を抱かずにはいられなかった。
物語の展開に口を挟むのは一読者として野暮な行為だと自覚した上で、
少年Aがまだ母親に会いたい、愛されたいと切望しているうちに母親を殺してしまい、二度と会えなくなってしまう展開のほうが効果的だったのではないか。
母親への執着が残っているからこそ、その死によって少年Aの命に対する価値観も大きく変わったのではないかと、そう感じた。