湊かなえのレビュー一覧
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登る山の難易度が上がるにつれて
女性たちが抱える人生の悩みもより深くなり…
それでも包み込んでくれる山の静かな包容力に
胸が打たれる味わい深い作品でした
イヤミスじゃない湊かなえさんもすごくイイ〜!
険しい道のりに足を踏み出すなかで
山は何も語らず ただそこにあり…
彼女たちの複雑な感情も迷いもすべてを
静かに受け止めてくれる…
山頂に立ったとき 夕日に
照らされる美しい残照のなかで
「苦しかった過去も無駄ではなかった」と思えるような解放感と温かさがあり…
山が見せてくれる景色が
迷える背中を優しく肯定し
これから歩むべき道を
そっと照らしてくれるような
深い感動を味わえました
読後はすっ〜と心が軽くなり
山を歩きたくなる作品でした! -
Posted by ブクログ
ネタバレさすが湊かなえだなという構成。
ただ、前半部分(榊の手記)が長いのと、文字では蝶の見た目をイメージしにくく、退屈に感じる部分が長かった。
(ドラマはかなり忠実につくられていて、やはり映像の方が理解がしやすい。)
最後のどんでん返しは良かった。
犯人のことも含め、母留美から与えられた課題で、才能が目覚めた、ギフトが与えられたという内容も面白い。
ポルトガル語で話すという部分も面白かった。(ドラマでは特にこの描写がなく残念)
ただ、最後まで、なぜ至がそこまで杏奈に協力したのかということの理由があまり感じられなかった。
(最後息子の名を叫ぶ西島さんの演技最高でした) -
Posted by ブクログ
アダルトチルドレン(AC)の連鎖。
そして共依存の病理。
とても社会的な話しだと思った。
物語の最後に娘がみごもって母になる描写がある。
自分がしてもらいたかったことを娘にしてあげようと決意するシーン。
思い返すは祖母。彼女もACだったからこそ娘(母)に与えた愛情のような何かは本来自分が欲しかったものなのでは?
故に美しいが実態はなく空虚ではなかったか。
愛情不足は連鎖していく。
そもそも母性って理屈じゃないから『このようなものかな?』と考える時点で逸れているんだろうと思う。
食べたことないものの味はわからない。
リルケの詩集に理想は書いてない。
本棚にも書いてない。
目の前の人と向き合うことでしか解決しない家族の問題。
家族を何からも守れない弱い父親を含め機能不全家族は連鎖する。
その父は幼少期のDV被害者だ。
娘の名前が最後の方で一度だけ出てくる。
そうか、名前知らなかったわ。と読者も気づく。
母の中では娘が一人の人格であったことはないのだ。
自分物語の脇役。
母に気に入られることが目的の共依存物語。
見捨てられないための物語。
しがみつく物語。
そこにある景色、娘。
多分娘も自分という個(アイデンティティ)を認識していない。
グロテスクな話しだった。
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Netflixで本作のドラマが観られるみたいだったので、その前に原作を読んでおこうと思って手に取った。本作の主人公は2人、1人は脚本家の甲斐真尋、もう1人は長谷部香。長谷部香は新鋭映画監督であり、次の作品は、香がかつて住んでいた町で起きた一家殺害事件を取り上げようと考えており、その脚本を甲斐真尋に依頼するところから話が始まる。
長谷部かおりは、父が自殺したことで母と生活できなくなり、祖父母と暮らす中学·高校生活を送る。
まひろは、ピアノの才能に恵まれた姉を持ち、姉への憧れと嫉妬が交錯するような子供時代を送る。しかしながら、その姉が高校1年生の時に交通事故でしまうしまうのだった。
香と真尋、同じ町に住んでいたことがあるというだけで、接点はなさそうに見えるが、終盤にそう繋がるか、というような結末になって驚いた。
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Posted by ブクログ
ネタバレブックスワップ?とでも言うのか、それで読んだ
愛着障害と思しき母と娘が出てくる。
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子どもは自我が育つまで自他の境界が曖昧で、特に母親は地続きで自分と同じ個体だと認識しているらしい。自我が芽生えてきて他人の存在を知り、母親とも違う個体だと分かるようになる(身体的な自立)。
その後思春期の間に、友人関係や外の世界の繋がりの中で、親の価値観から離れアイデンティティを確立していく(精神的な自立)。これは、中高の保健か家庭科で習ったような気がする。
2つの自立のためには健全な家族関係・社会的繋がりが大事だと言われるよね。
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登場人物の「母(ルミ子)」は母親が好きすぎるあまり、母親の価値観から全く逃れられていない。いつも母親がどう思うかを第一に考え、母親の価値観の通りに行動する、、全ては母のため。
そんなルミ子のもとに産まれた「娘(清佳)」は、無償の愛を知らないまま思春期を迎え、第2の自立で遭難中。。
まとめると、「母親を愛しすぎる娘(ルミ子)」が、今度は「娘を愛せない母親」になり、その娘(清佳)もまた「母親に愛されたい娘」として苦しむという地獄のループ。。。気持ちが悪かった
どうしてルミ子みたいなテイカーが生まれるんだろう、、人間誰しも愛情を求めるけどテイカー気質の愛情の欲求は際限がない。
湊かなえ作品は初めてで、内容には驚嘆したものの、なんだか頭に入ってこない。文体なのかなんなのか。 -
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ネタバレ湊かなえさんの本、昔いくつか読んだことがあるけれど恐らく10年以上ぶり。
ミステリーとして構成が美しいな~と昔、夜行観覧車を読んだときも思った。あちらは絡まった糸がほどけていくようだったけど、こちらは次元と時間が ここに落ちてくる、メタ的な収束。
読者の頭にハテナをひとつおいて、それが1つ、2つ…と溜まってしまってイライラしないよう、わりとすぐ、チャッと回収する。シーケンス図に起こせそうなロジック。テキパキ、ノンストレス。ちょっと男性的。
最後の章は、読者がブワッとするためのタメがあるから、焦らされ感。
「転がる発泡酒の缶」で、成人してることをわからせたり、定量的直接的な表現を避けて読者にその状況をわからせるのがお上手で、感嘆しちゃう。楽しくなる。
そしてトンガでくるんで持ってきた主題、「震災の内側」にいる人の心の描写。実際に体験している人の生々しい主張、怒り、違和感。全く関係ないマリエから始まるのがまたお上手。
杏子の震災から始まっちゃうと、たぶん、心が重くて閉じちゃう。杏子め、と思いながら入るから、震災の話を受け入れられる。
読み終わると、マリエは震災の傍観者側だったことがわかる。
結構強烈に、震災の時の怒りが込められている、きっと湊さんが何度も反芻した拒絶感。
個人的には、杏子と尚美が2人で話す場面、杏子の心が温かくなるところにはとても同期。
涙流しポイントはなかった。でもそれは私が傍観者側だからかな。実際、経験者側の苦痛を知ってる介護系の読み物はやたらと涙が出るし。
そういえば、自分が泣いてることに気がつかない、て私は経験がないのだけど、三回くらいそういう描写があったな。目頭じわあって熱くならずに涙が出ること、あるのか…経験してみたい。
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結衣子が小学校一年生の時、小学校三年生の姉、万佑子は失踪した。
姉の失踪により、結衣子の日常は一変。
それから2年後、失踪していた万佑子発見される。
しかし、結衣子は思う。
あなたは誰?
といったあらすじ。
湊かなえさんらしい、決して晴れやかではなく、暗澹たる雰囲気の中、物語は進んできます。
読者をどんどん暗く、深い闇へ誘う手腕はさすがです。
物語は結衣子の現在と過去を行き来し、姉が失踪したことにより、結衣子の人生がどのように変化したのか、丁寧に描かれます。
まだ小学校一年生の結衣子が、姉の失踪という大きな波に巻き込まれていく姿は、私の心を端から徐々に中心に向かって黒く染めていきました。
そうして迎える第六章「姉妹」で物語の真相が解明されます。
その真相に打ちひしがれる結衣子と私。
でも、追い討ちをかけるように、湊かなえさんは畳み掛けてきます。
そして、最後の一行の問いかけ。
簡単そうで、難しい問いかけ。
印象深い終わり方でした。
家族はなんだろう。
血が繋がっていたら家族?
過ごした時間が長ければ家族?
絆が深ければ家族?
人によって、相手によっても定義が変わりそう。
大切なものなのに、あやふや。
曖昧なものなのだと今更ながら思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ終わり方があまり納得しなかった。タイトルがなぜ夜行観覧車なのか最後まであまり理解できず、、
犯人が最後までわからないというようなドキドキ感はなし。
お父さんを殺したのはお母さん。お父さんは息子である慎司に勉強を強制させているわけでは無く、子どもたちの自由にさせてやればいいという考えだった、
しかし、一番上の息子の良幸は、元妻との子供であり医者を目指し良い大学へ入学している。お母さんと夫との子供である慎司は、あまり勉強が得意では無かった。そのため、お母さんは慎司に部活では無く勉強と押し付けている。慎司に関する口論の末、お母さんは殺してしまった。しかし、世間体を意識して、週刊誌にはお父さんが完全に悪者扱いをされていた。本当の真実は、家族だけがわかっていればいいというのは確かに納得した。
この家族の向かいに住む、遠藤家の3人はとてもキャラが強いと感じた。癇癪を起こしてしまう彩花、彩花を殺しかけてしまう真弓(母)、妻と娘が言い合いをしても仲介せず傍観する啓介。
彩花の言うことを聞いて宥めていた真弓が、彩花の口に土を放り込み殺しかけたのは衝撃だった。
小島さとこさんは、ひばりヶ丘を守ろうと必死だったけど、案外いい人なのではと思った。