湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『白ゆき姫殺人事件』(湊かなえ)を読んで、いちばん残ったのは「本当の自分って、誰が知っているんだろう」という問いでした。
人はひとつの顔だけで生きていない。職場、友人関係、SNS――属する場所が増えるほど、“語られる私”も増えていきます。この作品は、ひとつの事件をきっかけに、噂や憶測がどれだけ人の印象を塗り替え、空気が「それっぽい真実」を作ってしまうのかを描いていて、10年以上前の作品とは思えないほど今の時代に刺さりました。
怖いのは、悪意だけじゃなく、善意や正義感もまた、簡単に誰かを追い詰める側に回ってしまうこと。読み終えてからしばらく、言葉を投げる前に一呼吸おきたくなる――そんな教訓を -
Posted by ブクログ
最近新刊の『暁星』や映像化されるという『人間標本』や『未来』のニュースで、沢山目にする『湊 かなえ』という名前。デビュー当初は、割りと新作が出ると読んでいましたが、ちょっとほっこりとする作品もあるものの、全体的にはずっしりと思い内容で、読むと少し放心状態になってしまうこともあり、少し遠ざかっていました❗️
本書は3年前に文庫化されて、積読していましたが、ようやく重い腰を上げて読み始めました❗️
タイトルから想像すると、彼女特有のイヤミスかと少し構えて臨みましたが、想像していた展開とはイイ意味で違って、ちょっと温かい気持ちで読み終えました。
長谷部 香監督がどのような作品を作ったのか⁉️そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前に読んだ彼女の著書「カケラ」「贖罪」と同じく、主人公の取材形式で事件を追っていく流れ。このタイプは湊かなえさんの3作品でしかまだ呼んだことがないが、相手の情報はたっぷり得れるのに対して主人公のことが全くわからないので、後々相手の発言によりタチの悪い主人公だと露呈される。そこを見抜こうとするのが楽しかった。
「自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作られる過去。正しいのはどちらなのでしょう。」
主観と客観は全く異なるのだなあ、と。自分の中に華やかな思い出として残っていたとしても、他人からしたら別物かもしれない。
噂に関してもそうです。見たもの聞いたものが、どんどん誇張され見栄や妬みが含むこ -
Posted by ブクログ
この物語は田舎の港町で、3人の女性がさまざまな経験や子どもたちを通して個々の心情や他者との関係の変化をかいている。
この物語を語る上で「翼」という言葉は欠かすことができない。この言葉の意味は彩也子の書いた作文で述べられている。人はみんな片翼であり誰かと繋がることで一緒にどこまでも遠くへ行ける。この物語ではこの言葉が良い意味でも悪い意味でも表れている。
田舎と人の繋がりとなると悪い意味で捉える人も多いだろう。当然私も同意見だ。そしてこの物語でも同様に噂や陰口なんかがたびたび表れて不快感があるシーンも多々あった。だがこの本を読んでそれは田舎だからという理由ではないのだろうと思った。それは「都会では