湊かなえのレビュー一覧
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久しぶりの湊かなえさんでしたが…やっっっぱり大好きーーー!と思えました。するする読めてテンポがいいのに、独特の雰囲気をずっと感じられて大満足。さらに短編集なので異なる環境のお話をたくさん読めて超お得。
各話に必ず「えっ?!」って驚かされるポイントが用意されてて、そのどれもが予想を超えるので「くるか…?くるか…?!」とハラハラドキドキしっぱなし。この感覚が本当に大好き。
不穏な仕掛けもあれば優しい仕掛けもあって、そのバランスが最高でした。
特に「ダイヤモンド」が最初っからずっと不穏で1番好きでした。他の話と比べて展開を予想しやすい話かと思ったら、斜め上の結末で湊さんさすかだーーー!モノローグ -
Posted by ブクログ
人と人を行き交う書簡で紡ぐ三つの連作と+α。高校時代をともにした者たちの「十年後の卒業文集」、恩師と生徒の「二十年後の宿題」、同級生であり恋人であるふたりの「十五年後の補習」、そして「一年後の連絡網」、各々の物語を描く。三者三様、手紙の特性を生かした作品。手書きの文字と文章だけで人物を判断すること、事実の解釈は人それぞれで思い違いや錯誤があること、会話ではないゆえに感情の虚偽も吐露もなし得ること。
どの作品も俊逸なのだが、やはり「一年後の連絡網」で脈絡なく触れられる数行に、往復書簡を通じた結果が描かれ、便りを伝える連絡網として本作品ではもっとも好きな書簡である。 -
Posted by ブクログ
湊かなえさんが描く青春小説で、さすがと思える制作側に詳しい叙述が新鮮。
中学時代、駅伝の全国大会を目指すもあと一歩力及ばず。エースの友人とともに一般受験で陸上の強豪高校に進学するも交通事故で夢を絶たれる。
屈折した気持ちを持ちながら高校の放送部に入るが、当初見下していた気持ちから次第に熱量に感化され再び全国を目指す。
放送部での脚本作り、ドラマ撮影をめぐる役割やスタッフの動き、ノンフィクションとドラマの違い、そこに学年間の軋轢やクラス内のイジ、陸上部時代の駅伝メンバー選考にかかわる謎も折り重なって展開。
報道作品への批評場面や作品制作にか変わって主人公が成長していく様が爽やかに描 -
Posted by ブクログ
公立高校の入学試験を舞台にしたミステリー、というよりはサスペンス、ドラマの脚本を小説に再構成したというのも納得する多くの登場人物に多くの視点、情景を人物像をイメージしながらなんとなく感情移入というよりも観測者として物語に関わる読みを読み手はした方が良いと思う。
出てくる人物は色々と癖があり、課題を抱える子どもたち、事なかれ主義に見える管理職、意見や思想の違う教職員、我が子のために入試に介入してくる保護者。グチャグチャのこの世の嫌なところが煮詰まったような人物たちが「高校入試」という閉鎖空間で様々な関わりと、行動、思いのぶつけ合いをするのはある意味クローズドサークルものという側面もある。
今作は -
Posted by ブクログ
「イヤミスの女王」の異名を冠せられている著者だが、これまでも『山女日記』や『境遇』『花の鎖』など、幅広い作品がある。さらに本作は、王道の青春小説といってもよく、異名は返上といきたいところ。
交通事故により陸上競技を断念した主人公圭祐が、脚本家を目指す正也から声の良さを買われて放送部へ入部。
彼は次第にその活動にのめり込み、やがて全国高校放送コンテスト出場を目指す。
各放送部員たちのキャラもそれぞれ個性豊かに描き分けられ、放送部の活動はこういうものかと読者に表出される。
コンテストの場面もその場にいるかのような描写に、彼らを応援する気持ちがいや増す。
続編があるようなので、それも手に取ってみたい