湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレグロテスクは苦手なので耐えられなかったら途中でやめようと思っていたが、血の描写などは少なくさらりと書かれているので案外苦労なく読めた
湊かなえさんはイヤミスと呼ばれる前から立て続けに読んでいたら辛くなり一時離れていたが、傷口が癒えると読みたくなる
途中までは少し丸くなったのかしら…と思うほど先生にしてはシンプルな話だと思いきや、やはり今回も最後に先生らしい辛さが待っていた。
同じ歳の子を持つ親として、もう抱きしめられない、笑い合えない、その辛さ。
良い関係だったからこそ、余計辛い。
才能のある息子、けど年相応の純粋さをもっていて…その罪に耐えられるはずがない、と我が子を思い苦しかった
親が子を思う故の思い違い、すれ違い
これがただのサイコパスの話では面白くなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ湊かなえらしい
いい意味で嫌な気分にさせてくれる話で
読みやすい上に付録を使って三つの形で事件に迫る形式も斬新で面白かった
犯人はまぁ割と予想通りな感じはあるし
トリックとかがあるわけではないから
タイトルに反してミステリーという感じはあまりなく
社会風刺というかドキュメンタリーに近い感じなのかな
真犯人は計画的に容疑者を利用して殺人したのかと思ったけど
真犯人の初めの意図としては嫌がらせ程度の計画で
殺人まで至ったのは偶然が重なって衝動に身を委ねた結果なのかな?
だからこその杜撰さなんだろうけど
そうだとすると容疑者の過去にあたったように本当に呪いの力なのかなって気もしてくるよね
しかしこれ10年前の作品なのか
今でも全然ありそうな話だな
悪意ある人や無責任な他人のせいで状況が悪化するならともかく
善意の友人や家族ですらあんな感じに歪められるのは怖いよね
やはりSNSもオールドメディアも悪
自分自身の触れたもの、後は自分の身近な人だけを大事にして生きていたいね -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに一気に読んだ。そうせざるを得ない引力があった。
「蝶博士」の榊教授が美しい少年たちを標本にした、という前提で読み進めた前半は、なんとも気味が悪く、ザラりとした手触りそのものの中を覗いているような感覚だった。
それが、息子である至くんのレポートで一変する。驚くほど父親と同じ視点を持っていたのだな…という違和感が、必然であったと分かり、事件は表情を変えた。無垢な少年の無垢な探求心が招いた狂気なのかと。
でもそれもまた擬態であり、刑務所の面会室で真に毒を持っていたのが誰なのかが分かる。
なんて構造なんだ。
とても視覚的な情報である「標本」の製作過程や、出来上がった「作品」の描写を文章で成立させているのも、この小説のすごいところ。映像だったらトラウマものかも…と思っていたら、アマプラでドラマ化しているらしい。観たいような怖いような…。 -
Posted by ブクログ
鈴木保奈美さんが司会している番組の山が出てくる小説の回で紹介されてて気になったので読みました。
所々で各編の登場人物が出てくるのが良い。
山登りって『孤高の人』ではありませんが孤独な挑戦?自分との戦い?みたいなイメージで描かれてるのを想像してたのですが、登場人物は全員、山とは別の下界や同行者について思いを巡らせながら登っていきます。
この心理描写が湊さん特有の仄暗い感情をいやらしくなりすぎない感じで書かれています。
山登りの過酷さや素晴らしさを伝える小説というよりは山に登る女という性を背負った、もしくは背負わされた人物たちの物語。
だから一つ一つの物語が独立してるのではなくて、多少なりとも誰かの物語に被っているのに私は意味を感じました。 -
Posted by ブクログ
ドラマと並行しながら読んだんだけど、ドラマも小説もどちらも良くて、それぞれ自分の想像では足りなかったところをお互いが補完しあってくれる感覚があって、すごく満足度が高かった。
誰かを守るためにつく嘘、誰かのためにする行動——「誰かのために、誰かのために」というのがずっと続いていく物語で、それが美しく描かれていたなと思う。
私はまっすぐなNが好きだった。「Nでいいじゃないか、Nの手を取ればそれでよかったのに」って思う瞬間もあるんだけど、でもやっぱり一番辛い時期のNのことも思っていたいよね、って気持ちになる。
どのNも個性的で、優しくて、暖かくて。最後まで本当に楽しめた一冊でした。 -
匿名
ネタバレ 購入済みその先
題名が衝撃的で(まあ内容も少し)BookLive for docomoでは扱って無かったのだけど、どこかでドラマ化もされていて、ただのグロとは全然違う。むしろ、この作者さんならではのさすがの腕前を感じる。 読んでいて、禁忌を犯してまでの作品に、何故か美しいとか素晴らしいとは思えなくて…。それは自分が正常である事の証明なのか?にしても…と違和感があった。でも、やはり内容的に読んでて疲れる。終わった、と思った時に、残量からまだ一部である事に気付いて。これは短編集だったっけ?と思いながら読み進めると、違う人目線での語りが始まる。目線が違えば、ままあるけれど、一部違っていたりして…。と思っていたら…そう来たか!成る程、だから美しいとか素晴らしいとは感じなかったんだ。なんと!さすが安定の表現力。その後も、何層にも重なる。もう終わりかと思えば、またまた層が重なる。そして見えてくる本来の姿。そういう事だったのか。一旦離れたのに、また戻って来た場所は、やはり作品の作者ならではの生々しさ。同調も何もやはり出来ないけれど、納得。 これはグロとか猟奇物とは全く異なる。素材としてそういうのを扱っているにすぎない。とは言え、目先のピースに囚われる子供には、やはり止めた方がいいかも。これはその先を楽しむ、そういう意味での大人用の作品かも。
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Posted by ブクログ
あまりにも重すぎました。
今後、湊かなえさんの作品は、自分のメンタルに余裕がある時に読もうと心に決めた一冊。
読み進めながら、こんなに不幸が重なることってある?とずっと感じていた。フィクション特有の過酷な設定だと思いたかったが、あとがきが肝だった。こんなにも過酷で不幸な出来事は、物語の中だけの特別なことではないという。実は自分が気づこうとしていないだけで、同じような苦しみを抱えている人は、現実の世界にたくさんいるらしい。
自分がいかに、見たいものだけを見て生きているのかを思い知らされた気がする。本編の重苦しさに加えて、あとがきで突きつけられたその事実がかなり重い。
読むのにかなり体力はいるけれど、目を背けてはいけない現実を教えてくれる作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山中柔太朗が出ている作品とのことで、鑑賞前の予習として購入。
かなりのグロさを期待していたので、ハードルが上がりすぎて拍子抜けしてしまった。
前半は何を見せられてるんだ、、という感想を抱いたが、諦めずに読み進めた。
結論から言うと、諦めなくてよかった!
ここまで結末が予想できなかった作品は初めてだった。
鳥肌の立つような伏線回収が随所に散りばめられており、湊かなえ作品の凄さを痛感。
特に、私はずっと史朗の立場になって犯罪記録を追っていたつもりだったが、まさか「事件が明るみになった後に、無料で公開された手記を読むことになった大衆」と自分が同じ立場だと気付いた時以降、読み進める手が止まらなかった。
本著はドラマとして映像化されている。
芸術作品として表現された美少年達の死体、蝶から見た世界、留美や少年一人一人の作品が映像化され、この世に残されているなんて…
早く映像版も見たくなった。 -
Posted by ブクログ
皆が皆、それぞれに想い人がおり、ほんの僅かなことからすれ違いが生じていく。そして、そのすれ違いが積み重なり、物語は思わぬ方向へと向かっていく。
湊かなえ先生らしく、登場人物たちはそれぞれ暗い過去を背負って生きている。個人的には成瀬が好きな登場人物で、彼に自分を投影して読むことも多く、共感する場面も多かった。一方で、これまた「イヤミスの女王」と言われる著者らしく、読んでいて「この人物は嫌だな」と思ってしまう登場人物もいる。
しかし、誰が悪くて誰が良いという単純な話ではない。皆が誰かを想い、誰かのために行動した結果、ほんの僅かなすれ違いが生まれ、それが大きな悲劇へと繋がっていく。大きな愛情と、ほんの僅かなすれ違いが生んだ悲劇の物語だったと思う。
読みやすく、すれ違いから生じる「愛のパズル」は、読んでいるこちらの心を揺さぶる。さらに、読み終わった後に第1章だけを読み返すと、そこに隠されていた伏線に気づかされることにも驚いた。最初に読んだときとは、同じ文章なのに見え方がまるで違う。
ただ、前述したように「???」となる場面や、「この登場人物は嫌だな」と思ってしまうところには、個人的にはマイナス評価もある。
けれど、それこそが湊かなえ先生の魅力であり、好きなところでもある。
これから先も、きっと読みながら「うわぁ……」と思うことはあるだろう。それでも、読み終えた後にはまた次の作品を手に取ってしまう。
嫌な気持ちにさせられるのに、なぜか読み続けたくなる。そこも含めて、湊かなえ作品の魅力なのだと思う。