湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ山中柔太朗が出ている作品とのことで、鑑賞前の予習として購入。
かなりのグロさを期待していたので、ハードルが上がりすぎて拍子抜けしてしまった。
前半は何を見せられてるんだ、、という感想を抱いたが、諦めずに読み進めた。
結論から言うと、諦めなくてよかった!
ここまで結末が予想できなかった作品は初めてだった。
鳥肌の立つような伏線回収が随所に散りばめられており、湊かなえ作品の凄さを痛感。
特に、私はずっと史朗の立場になって犯罪記録を追っていたつもりだったが、まさか「事件が明るみになった後に、無料で公開された手記を読むことになった大衆」と自分が同じ立場だと気付いた時以降、読み進める手が止まらなかった。
本著はドラマとして映像化されている。
芸術作品として表現された美少年達の死体、蝶から見た世界、留美や少年一人一人の作品が映像化され、この世に残されているなんて…
早く映像版も見たくなった。 -
Posted by ブクログ
皆が皆、それぞれに想い人がおり、ほんの僅かなことからすれ違いが生じていく。そして、そのすれ違いが積み重なり、物語は思わぬ方向へと向かっていく。
湊かなえ先生らしく、登場人物たちはそれぞれ暗い過去を背負って生きている。個人的には成瀬が好きな登場人物で、彼に自分を投影して読むことも多く、共感する場面も多かった。一方で、これまた「イヤミスの女王」と言われる著者らしく、読んでいて「この人物は嫌だな」と思ってしまう登場人物もいる。
しかし、誰が悪くて誰が良いという単純な話ではない。皆が誰かを想い、誰かのために行動した結果、ほんの僅かなすれ違いが生まれ、それが大きな悲劇へと繋がっていく。大きな愛情と、ほんの僅かなすれ違いが生んだ悲劇の物語だったと思う。
読みやすく、すれ違いから生じる「愛のパズル」は、読んでいるこちらの心を揺さぶる。さらに、読み終わった後に第1章だけを読み返すと、そこに隠されていた伏線に気づかされることにも驚いた。最初に読んだときとは、同じ文章なのに見え方がまるで違う。
ただ、前述したように「???」となる場面や、「この登場人物は嫌だな」と思ってしまうところには、個人的にはマイナス評価もある。
けれど、それこそが湊かなえ先生の魅力であり、好きなところでもある。
これから先も、きっと読みながら「うわぁ……」と思うことはあるだろう。それでも、読み終えた後にはまた次の作品を手に取ってしまう。
嫌な気持ちにさせられるのに、なぜか読み続けたくなる。そこも含めて、湊かなえ作品の魅力なのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレところどころ時期が飛んで、はてなになるシーンもあったけど、最後まで気になって一気読み。
最後は予想外で読んでて楽しかった!
結衣子にとっての本物の姉は、記憶の中の万祐子だったんだろうね。
でも、結局本人に会ったら、それはただの幻想で、思っているような人ではなかったのだから....
父も母も嘘をついてたし、亡くなったばあちゃんは最後に信じてくれなかったし、ブランカは死んでたし、それも嘘をつかれてたし、同級生の証言も嘘だったし....なんなら警察官は嘘だって見抜いてたのにそれを言わなかったし....それのせいでいじめられるって...可哀想すぎる
思えば、結衣子は誰も信じれる人がいない。
本当の事を言ったやつの罪はでかい -
Posted by ブクログ
ネタバレ告白に続いて有名なニアミス作品で嫌な人間味が存分に詰め込まれており、人間のイヤなところと心理描写が絶妙でゾクゾクした。誰も得してなく、全員不幸になってしまった。登場人物それぞれの「贖罪」が描かれるものだと思ったら、このタイトルは、エミリの死に直接的な責任は無い3人のトラウマをさらに引きずらせることになったエミリの母による「贖罪」という意味で回収されているような気がした。4人の子供が殺された子供の母から許してやらないという言葉を受けたばかりに、大人になっても、心に罪を抱えたまま、4人の人生が過ぎていく。 母と子供の関係、過去の出来事が全てが重なって、全てが起こり、全てが過ぎていく感じだった。
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Posted by ブクログ
ネタバレドロドロ昼ドラ感があって非常に面白かったのですが、最後突然取ってつけたようなハッピーエンドが繰り広げられたので、(もしかしてこれは妄想か夢オチなのでは…?)という考えが頭から離れない
最後の章は、ルリ子が娘のフリをして書いた理想的な未来(妄想)なのではないかなと思った理由
・哲志、そんな都合よく帰ってきて頭下げるタイプか?なんでみんな受け入れてるの?
・認知症の姑がほかの子供全員認識できないのにルリ子だけ本当の娘扱いするという、ルリ子にとってこの上ない褒美の扱い
・↑このことを微笑ましく受け入れてる娘。「ママに散々ひどいことしてたくせに」とはならんのか?
・何故か田所家と良好な関係の娘(もっと憎んでいいし成人後に疎遠になってもおかしくない)
・娘が学生時代の(前科持ちになった)彼氏と結婚した突然の展開。これは亨が、ルリ子の知っている娘の唯一の交際相手だったからでは?
・ルリ子、仁美、田所家の人間全員クズだけど許されてるのは何故…その展開が幸せで都合良いと思うのはルリ子だけでは -
Posted by ブクログ
ネタバレ子育てとは、母親のエゴなのかもしれない。
母親が「こんな娘に育ってほしい」という理想を抱き、その理想を子どもに押し付けてしまう。一方で娘も、母親の期待に応えようと、母からの愛情や承認を得ようとする。そんな二人の間に生まれる「愛」を、俯瞰して見つめることができた。
本作で特に印象に残ったのは、不幸な母を助けたいという一心で、娘が行動していたにも関わらず、その行動がかえって母を苦しめていたことだ。どちらも相手を思っているのに、その想いが相手にはうまく届かない。皮肉なすれ違いだったように思う。
私はこの作品を読んで、愛とは「相手のために何かをしてあげること」だけではないのだと思った。どれだけ相手を大切に思っていても、自分の理想や「こうあってほしい」という気持ちを押し付けてしまえば、相手そのものを見失ってしまうことがある。だからこそ、相手の気持ちを言葉にして確かめることが大切なのだと思う。嬉しい、楽しい、悲しいという感情だけでなく、日頃の感謝や大切に思っている気持ちも、言葉で伝えなければ相手には届かない。
私自身、将来どんな家庭を築きたいかという理想を持つことはある。しかし、もし子どもを持つことがあれば、「こんな子に育ってほしい」という自分の理想を押し付けるのではなく、目の前にいるその子自身を見て、その子自身を愛せる親になりたいと思う。
父親の言動には終始苛立ちを覚えたが、最後に母と娘、それぞれの想いが通じたことには救われた。
私は「愛」とは何なのかを考えさせられた。
本当に相手を愛するということは、自分の理想を重ねることではなく、その人がその人であることを受け入れることなのかもしれない。