湊かなえのレビュー一覧
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ミステリーというカテゴリーではあるみたいだが、事件が起こらないので、なかなか読み進められず、中盤まで進むのに時間がかかった。3人の女性をそれぞれ主人公とし、3つのストーリーが進んでいくが、同じ物が所々に出てくるので、繋がっているんだろうなとは思っていたが、こちらの想像を超えた繋がり方で終盤でびっくりした。繋がりが見え始めるとあとは展開が気になって一気に読み進めた。
3つのうち、2つが繋がったところで、あと1つは…となったときに「あー!」と自分の中で全てが繋がって爽快だった。
湊かなえさんといえば、イヤミスだが、この本は最終的には後味が良い話だった。 -
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一時一緒に暮らした叔母について、行政からの連絡でしばらくぶりに帰省した主人公は、認知症の症状を見せる叔母と、ゴミ屋敷となったその家にショックを受ける。そこでの暮らしを回顧しながら片付けを始めると、知らなかった叔母の過去が明らかになってくる。その秘密とは・・・
帯にもあるとおり介護ミステリですが。介護8ミステリ2くらいでしょうか。各章のタイトルはCで始まる単語で、介護のテーマに絡めてあることもわかります。
介護については、著者、それから主人公と同年代の自分には、とても共感できる心情もありました。さすがに森に逃げるという選択は共感しませんが、介護相手を取り換えるというのはイライラが少なくて済みそ -
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ネタバレ湊かなえさんの作品に出会ってから、読書の楽しさが再熱し、日々新しい本に出会うことで生活が改善されてきた。
告白を経て、この本を手に取る。
告白ほどのページを巡る手が止まらない作品ではなかったものの、人の心の闇が人の生活の日常にあることをまるで隣人として、
または内側から見てきたかのような描写や会話。
本当にすごい作家さん。
パートしながら子育てして、夫は無関心、周りに引け目を感じながらも
耐える母が可哀想に思った。
母の背中を見ろ
親の期待もあるが、
自分でもよく生き方を決めろ
と言いたかった
なんとなく、あのひとに重なる…とか自分の人間関係を見渡してしまう作品でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ【歪む母子間愛を見守ることしかできない本】
母親にしか愛されていないと思っている女性の独白から始まる。神父に向かって綴る今までの行いとその想い。自殺か事故か原因不明で意識不明の自分の娘に対しての懺悔と、自分の行いが正しかったか、ひとつひとつ確認していく。
物語は母親と娘の群像劇で進んでいく。
母親はひとり親の母に愛されて育った。その母は台風の土砂災害が原因で、自己犠牲の精神で孫を助ける。世界に一人だけの味方を失った母親は、義母の家で散々な仕打ちを受け、自分の夫にも、娘にも味方されないと感じ続ける。
一方、娘は台風で祖母を失った後、義祖母にいびられる母親を守らなければと気丈に振る舞い、成