湊かなえのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読みながら、恐ろしい本だと思った。幼少期に受けた虐待が、成長して思わぬ形で発現する。
愛するってなに?どういうこと?母親の愛とは、何か?
愛されることの難しさ。そして、母親に愛されるとは、どんなことなのか?
黒澤明監督の『羅生門』の手法のように、登場人物の語りで構成される。
そこでの微妙なニュアンスの違いが、ドラマを生み出している。湊かなえは巧みな書き手である。
杉下希美が、キイマンだ。大学生で英文科の4年生。田舎の離小島に住んでいた。高校2年生までは、壁も屋根も真っ白な洋館に住んでいた。地元の人から、その家を白いお城と言われ、母親はお嬢様と呼ばれていた。ところが、父親が、50歳を手前にして -
Posted by ブクログ
湊かなえさんの『未来』は、凄絶な境遇に置かれた子供たちが、幻想を突き抜けて「現実の救済」へと手を伸ばすまでの、あまりに痛切な物語です。
本作で描かれる「未来からの手紙」は、決して欺瞞的な嘘などではありません。子供のための健気な「祈り」であり、現状の枠組みの限界を超えたところにある、もう一つの救いの形(奇跡)だったと感じます。
しかし、彼女たちを取り巻く現実は、その奇跡的な可能性すらも無に帰してしまうほどに残酷でした。あまりに可哀想な状況下で、唯一の命綱だった手紙さえ嘘だと判明したとき、彼女たちは立ち止まります。
しかし、最終的に、彼女たちは、手紙が示した「30歳でドリームランドに行く」と -
Posted by ブクログ
ネタバレ日曜日の午後から読み始めて2時くらいまで一気読みしてしまった作品。ミステリーとしても面白いし、ケア労働が女性に集中してしまう現代社会の病巣も抉り出しておりとても勉強になった。
育児や介護をするのが結局女性の役割として固定化してしまっていたり、それを原因にキャリアを断念しなければならない事実、そしてそれに無関心な男性たちと負の連鎖を断ち切れない姑の存在、色々な立場の人が登場する。それぞれの人生の物語がページをめくるごとに明かされていく構成はとても面白かった。
久しぶりに小説を読んだがおしゃれな表現もたくさんあって、こんな文章書いてみたいとおもわされた。勉強にもなるし、面白いし刺激も受けて良き