【感想・ネタバレ】絶唱(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵――。奪われた人生を取り戻すため、わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、取り消せない自分の言葉、守れなかった小さな命。あの日に今も、囚われている(「約束」)。誰にも言えない秘密を抱え、四人が辿り着いた南洋の島。ここからまた、物語は動き始める。喪失と再生を描く号泣ミステリー。(解説・中江有里)

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感情タグBEST3

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阪神淡路大震災を経験した人たちの物語
彼らは傷ついてトンガへと辿り着く
時間は経っても彼らが傷ついた事実は決してなくならないそんな厳しいことをトンガの人たちが優しく包み込む温かな小説だった

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2025年09月28日

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震災について考えることは多い。自分は被災したことがないため、他人事のように思ってしまう。震災を利用した商売だけはしてはいけない。

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2025年09月19日

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トンガに関係する素敵な人、出来事と震災というテーマが混ざり合ったノンフィクションのような話。
誰かの背中を押すこと、押されること。
両方できることが幸せなんだと思います。

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2025年08月10日

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湊さんの経験に基づいた話だと知った時、鳥肌が止まらなかった。
トンガの温かい人たち。いつか行ってみたいな。

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2025年07月18日

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トンガの人たちの明るく前向きな気持ちでいようとする姿勢がまぶしいです。悲しみに耽って、感情のままに泣いてばかりいることは簡単な一方、明るくいることって努力がいるんですよね。賑やかに故人を送り出す葬式もそうだし、見知らぬ人でも外で会ったら手を振ったり、声をかけて助け合ったり、先祖に感謝するのも、子どもを尊ぶのも、宗教が影響している場合もあると思うけど、とても素敵だなと思いました。

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2025年07月15日

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他の作品とはだいぶ作風が異なるけど、とても良かった。湊かなえの小説で一二を争うくらい好きかもしれない。
南の島トンガと阪神淡路大震災というかけ離れた取り合わせだけど、それがとても良く合っている。挨拶や文化などトンガの描写が具体的で、リアリティを感じるところも良かった。
他の話も良かったけれど表題作の『絶唱』は特に読んでいて呆然としてしまう出来栄えだった。当事者だったとしてもそうじゃなくても、あれを書けるのはすごい。

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2025年08月16日

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ネタバレ

トンガと災害のお話。
それぞれの喪失と再生のお話。
外からじゃ語る資格ないって本当に思った。もっと深い傷を受けている人、もっともっと深い傷を受けている人なんて無限にいる。
湊かなえ作品の中でトップレベルに好き

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2025年12月03日

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人間交差点。(大体の小説がそうだから、1行無駄使い)

震災や南国の島が舞台。心の窮屈さ=逃げ場となりうる南国の楽園。

言動の裏に利他があるか利己があるか、、ただ見た目では分からないのが他人の気持ちと過去。(大体の小説がそうだから、全文無駄使い)

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2025年11月22日

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私は、湊かなえ先生の小説は''母性''と''告白''しか読んだことなかったので、この本は比較的明るいように感じた。自分もバカンスに行っているような描写が楽しかったが、それぞれの登場人物が抱える悩みが見えたとき、ただ楽しいだけではなく、色々かんがえさせられた。私は阪神淡路大震災を経験していない。もし私がそれを経験していたら、“内側”の人間だったら、静香と泰代に対してどう思うのか。“外側''の人間だったら何か行動を起こせるのか。深く考え込んでしまった。そして後半、フィクションではないことに気づく。そうだよなぁ、自分は経験していないけど、こんなこと本当に起こりうるんだよなぁとハッとさせられた。かなえ先生は、イヤミスだけじゃない。新しい一面を見れた気がした。
ミステリーというよりはヒューマンドラマな感じたった。

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2025年10月29日

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「楽園」。この言葉からイメージされる楽園像は人それぞれ違ったものだろうが、この物語に出てきたトンガは私が思い描く楽園そのものだった。遠い遠い国の美しい島、濁りのない透明な空と海、白い砂浜に自分ただ1人。
自分を殺して、押しつぶされながら、やっと辿り着いた楽園に心が震えた。

また、「太陽」では、見事に”リアルな人間”が描かれており、自分の中のエゴや偽善に迫ってきて、1人でばつが悪くなる(これがあるから、湊さんはやめられない...!)。見えない傷を抱えていること、それぞれが思い通りにならない人生を一生懸命に生きていることに気付かされる。

救いと寄り添いを感じ、毒気が少ない作品だったため、湊かなえさんに猛毒を求める人には物足りないかもしれない。
しかし、トンガの文化や震災の話を交えながら、生死や人との繋がりについても思いを巡らせることができる。ただのエンタメ小説に留まらない、非常に考えさせられる作品だと思う。

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2025年10月12日

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それぞれのキャラクターと災害が様々な形で関わりあう。それによって登場人物がトンガ王国に行き、尚美さんと出会い、それぞれが抱える悩みや不満が事細かに描かれている。

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2025年09月30日

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登場人物が多く、少々読むのに苦労した。
トンガの情景が美しく思い浮かんだ。イヤミス作品ではなく、ある種のヒューマンドラマのように感じた。
最終章で、あぁなるほどと思った。

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2025年09月24日

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これまで震災について考えたことなんてなかったけど表題作の絶唱を読んでこんなことが起こり得るんだと恐ろしくなった。

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2025年09月14日

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ネタバレ

最初は震災小説だと思わずに読み進めていた。トンガが舞台だったこともあって、どこかファンタジーや異世界ものの雰囲気すら感じていた。けれども最後には、すべての物語が阪神淡路大震災につながり、尚美やトンガという要素を中心にして一つにまとまっていく。その流れの巧みさに圧倒された。

一番印象に残ったのは、第4章で静香が亡くなったあと、泰代が千春にかけた言葉の場面。震災のなかで友人を助けに行こうと奔走する泰代と、自分のことで精一杯になった千春。どちらが正しいとか間違っているとか、他人が評価できることじゃないと思う。だけど泰代の責めるような言葉は千春の心の深く根付き、その後の人生に影響を与えたことは痛々しかった。辛い経験を糧にして「だからこそ今がある」「だからこそのこの縁だ」と思えることもあるけれど、罪悪感や憎さからそれを壊してしまいたくなる気持ちも確かにある。心が理性に追いつかない瞬間、震災や戦争のような出来事が人を大きく変えてしまうんだと実感した。

トンガの文化について描かれた部分も面白かった。自分が留学したときのことを思い出したし、異なる文化を知る楽しさを改めて感じた。

最後に登場するマリエの恋人ゆうたは完璧すぎて、もっと彼とマリエのエピソードを読みたいと思ったほど。

喪失や苦しみを描きながらも、読後には痛みと同時に、不思議とあたたかい余韻が残った。

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2025年09月03日

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各章は実はどこかで繋がりがあって、過去や同じ時を分かりやすく行き来することができる。辛く悲しい出来事が人を強くしたり優しくしたり、逆に醜くさせたりと、人間の内面にひそむものを改めて考えさせられた。

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2025年07月09日

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家にあるの気づかず、内容もすっかり忘れていて2冊目買ってた。
何回読んでも楽しませてくれてありがとう

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2025年07月06日

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楽園、約束、太陽、絶唱の四部構成でそれぞれ震災がテーマになったオムニバス作品である。
特に絶唱は湊かなえ自身の経験に基づいて描かれた作品だと最後に分かり、鳥肌がたった。
この中で一番好きな作品は約束で、最後に宗一がかけてくれる言葉が感動的。

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2025年06月29日

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舞台のトンガはあまり馴染みがない土地。南の島で、ラグビー選手が多いくらいのイメージ。
登場人物は日本人で、連作短編になる。それぞれの短編に出てくる人が少しずつ関わる。人は見かけによらないというか人は多面的で、嫌な感じの人がどうして嫌な感じになるのかとか、前の短編の主役が別の視点で見るとあらららという風に見えたり。
いつもの湊かなえさんのイヤミスではなくて、心の傷と再生の物語だった。
みんないろいろあっても生きてる。そんな心強くなれる作品だった。

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2025年05月18日

購入済み

ミステリーではないかな?

尚美さんがとにかく素敵な人。
自分もそんな人間になりたいと思った。

出てくる主人公それぞれにいろんな想いがあるけど、1番共感できたのは千晴だった。
自罰的でどこか孤独を感じている。
でも千晴のようになにがきっかけで人生が変わるかわからないから今生きづらいけど少し希望が持てた。

震災のことはあまり知らなかったけれど、この小説を読んで過酷さを知った。
ネガティブなことを考えるたび自分は不幸だと思っていたけど、家族が生きていること安心できる家があることが幸せなことなんだと改めて感じた。

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2023年01月15日

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始めは雪絵が異国の地トンガで何かを追い求める物語かと思っていたが想像を裏切られた。
島国トンガの陽気な雰囲気を感じられる描写が多く今まで国名しか知らなかったトンガに少し興味が湧いた。

1章の"楽園"では他の章に比べ前向きな話でトンガの文化に触れたり一人で旅する様子は読んでいて楽しかった。それに加え毬絵が探し求めていた楽園の圧巻の描写や主人公は雪絵ではなく毬絵だったことのどんでん返しなどもあり1番好きな章だった。

2章の"約束"では毬絵より前にトンガで暮らし教師をしていた理恵子目線で話が進む。在住期間が毬絵よりも長くより詳しくトンガの文化に触れることはできたがストーリー的にはありきたりに感じた。

3章の"太陽"では1章では毬絵目線で語られた自分勝手な杏子の話だったが、読んでいるうちに杏子の過去を知ると身勝手な言動にも共感できる部分があった。それでも娘を放置するのは良くないと思うし、最後は杏子もそこに気付き花恋に感謝することができてよかった。
セミシさんと尚美さんが夫婦であった展開も良かった。

最終章の"絶唱"では著者目線で阪神・淡路大震災の経験談が描かれる。
これまでのトンガの陽気な雰囲気とは一変し、震災の現実や被災後の人々の行動など深いテーマへと変わっていった。
著者から尚美さんへの手紙という形式だったが、個人的にはこれまでの物語が重なるような展開が見たかった。

それぞれの物語は読みやすく面白かったがもう少し伏線回収や重なる場面なんかがあったらもっと楽しく読めたのだと思う。

解説の本当の絶唱は本話そのものなのだと感じるという考えには深く共感した。

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2025年12月07日

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最初は、短編集ってやっぱ話が薄いなーと思ったけど最後まで読み終えてほんわり通じていることがわかって星が増えた

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2025年11月29日

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ネタバレ

トンガっていう国の知識が全く無かったからお話の舞台としてすごく新鮮だった。
何事もなく平和に終わるのかなと思ったけど、最後は少し意外だった。
さすが湊かなえさん。
ここでも裏切ってきた。

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2025年11月27日

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阪神淡路大震災とトンガを絡めた4部作。
罪悪感や後悔、どうして自分が生き残ったのか、忌々しい災害の記憶とその中でそれぞれが希望を見つけられていることに救われる。

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2025年11月14日

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ネタバレ

震災の話と思わず読んだから、思いがけず暗くなってしまったけど、南の島との関係を描いているところが、斬新で、暖かさを残してくれていたので、すんなり読むことができた。ボランティアを色んなとこでやってる身としては刺さる言葉もたくさんあったけど、色んな思いを抱えながらも生きていくみんなの姿に勇気をもらった。

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2025年10月23日

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湊かなえらしくない面白さだった。実際に体験してきたことだからかもしれないが、文章が生きててたのしかった。得に第1章

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2025年09月13日

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【2025年83冊目】
日本との時差は4時間、170以上の島々からなるトンガ国には、ちょっと訳ありの日本人達がやってくる。双子の片割れをなくした女、結婚を間近に控えた女、夜職のシングルマザー、友人を亡くした女――阪神・淡路大震災でに被災し、心に傷を追った女達の過去と今と未来の物語。

あらすじ未読で読み始めました。イヤミスの女王の新境地と言いますか、新たな一面と言いますか。震災を題材に描くのは結構な勇気があったはず。解説を読んで湊さんがトンガにJOCVとして行っていたことを知りました。そうか、だからあんなに描写がリアルだったのかと納得。トンガでの生活や文化と、震災と、それに関わる登場人物たちを絶妙なバランスで描いています。

改めてあらすじを読むと「喪失と再生を描く号泣ミステリー」とありました。全く泣きはしませんでしたが、考えさせられる話であることには間違いなく、そこまで厚くないので課題図書みたいにしてもいいんじゃないかなと。面白かったといえば不適切な気がしますが、引き込まれる短編集でした。

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

何年か経った後に、また読みたくなるような作品。また、現地に行きたくなるような感覚に引き込まれていく。震災の地にもゆかりがあるので手元に置いておきたい。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリーではなく、実体験を混ぜた小説。
不思議な出来事もあるから、少しはミステリーっぽい?でも物足りない。
4つの短編集がそれぞれちゃんと混ざっていて、さすが湊かなえ。
阪神淡路大震災やトンガのことが知れて良かったきな。私も杏子と花恋みたいに、トンガにバカンスに行きたい。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

阪神淡路大震災とトンガ王国を絡めた短編集。
最後の絶唱の内容から、各話にモデルがいて取材してきたのでは?と検索をかけてみたが、特別そう断言できるような記事は見つからなかった。
創作話としては物足りないところだが、実話として見ればしんどい話でもあり、おそらく両方混ざってるのだろうが、終わり方は思わせぶりなのでどっちなんだと。

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2025年05月16日

Posted by ブクログ

タイトルの絶唱だけか、それ以外の話で別の本にした方が良かったなぁと。絶唱以外を読み進める上では、伏線の張り方やワクワク感的なものもあり面白かったが、絶唱だけ、話がやや別物に感じ、1人の登場人物が共通するだけであまり繋がらなく、「?」のままそれなりに良い終わりに。
なんだか勿体無いなぁと。
湊かなえのバックグラウンドを使った作品にも関わらず、本人のWikipediaの中での扱いが地味な理由がわかった気がする。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

震災をテーマにした作品。
3部構成でそれぞれ繋がりがあるのが好きでした。
登場人物が人間臭くて、読んでて面白かった。

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2025年04月05日

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