湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幼い頃に出会った晴美と陽子。境遇の似た二人の絆と、ある誘拐事件を軸に物語は進んでいく。
序盤から登場人物それぞれに違和感があり、「誰が何を隠しているのか」を考えながら読める作品だった。
ただ、真相や展開については比較的予想しやすく、個人的には大きな驚きはなかった。誘拐事件の真相についても途中である程度見えてしまった印象。
決してつまらないわけではない。最後まで一気に読めるし、物語としてもよくまとまっている。
ただ、湊かなえ作品として読むと少し物足りなかった。自分がこの作者に期待する「人間の闇」や嫌な感情のぶつかり合いがやや控えめで、読後の衝撃も少なかった。
面白かったが、評価としては星3。 -
Posted by ブクログ
読み終えたあと、しばらく窓の外を眺めていた。特別な景色があったわけではない。ただ、物語の中で何度も姿を変えた「真実」というものについて考えていたのだ。
この小説では、一人の女性の死を巡って多くの人が語る。けれど彼らが口にする言葉は、どこか少しずつ歪んでいる。悪意や嫉妬、思い込みや保身が混ざり合い、まるで曇った鏡を何枚も重ねたように、本当の姿が見えなくなっていく。
僕たちは普段、自分が見たものを真実だと思っている。でも実際には、自分の都合の良い物語を作り、その中で世界を理解しているのかもしれない。SNSが広がった現代では、その傾向はさらに強くなっているように思える。
湊かなえは、ミステリーという形を借りながら、人間の不安定な認識や集団心理の怖さを静かに描き出している。犯人探しの面白さよりも、「人は他人をどれだけ簡単に誤解するのか」という問いのほうが深く心に残った。
読み終えたあとに残るのは驚きではなく、少し冷たい余韻だ。そしてその余韻は、ふとした瞬間にもう一度こちらを振り返る。そんな小説だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯人が誰なのか、という事はこの小説の本質では無い気がして、境遇について考えながら読み進めていったら。
陽子が1回目の悩み(結婚について)を晴美に相談した場面で『私達が親友になれたのは、同じ境遇だからなのかな』と尋ねた時点では、お互いにそれを否定できるほどの自信が無く、自分は誰の子なのかを知りたいという共通の目的があるから親友でいれてるのかもしれないという気持ちが汲み取れた。
しかし、晴美が犯人だと知っても通報しなかったことや、母親について真実を知った後も彼女達が親友であるということ自体が答えだと思った。
きっかけが境遇だろうと、彼女達が出会えた事は運命であり今も見えないリボンで繋がってる事だろう。