湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クマ被害でなかなか山に登ることができなくなってしまったので、せめて山に登った気になれるかなと思って読んでみました。山の描写や山を愛する人物の心情描写もうまく、やっぱり山に登りたくなりました。
よかったところ
・山の名前が短編のタイトルなんてオシャレ
・初心者にも山の魅力が伝わってくる描写の巧さ
・それぞれの短編に主人公がいるが、どこか繋がりがあるところが巧い。青山美智子の小説を読んでいるかのよう。
・湊かなえと言えばイヤミスの女王だけど、そのような要素はない新境地。人が殺される狂気や不安・不審点などがないので安心して読める。
・何よりも、山に登りたくなる。
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Posted by ブクログ
湊かなえ氏の描く青春ミステリー小説。「イヤミス」という称号で語られることが多い著者だが、こういう爽やかでキャッチ―な文体でこうした清爽感のある物語も書き上げる才能の豊かさに驚かされる。
著者の十八番である登場人物各々の視点の違いを生かしながら、起こる事件は感情に基づいた、だけど利己的ではなく、青春小説ならではの乗り越えた成長もある。また、監視社会へのテーゼや(小説内では名言されていないが)新型コロナによる理不尽な出来事、ミステリーとしての二転三転のハラハラ感もしっかりあり、鳥瞰的視座の高さがあるのはさすが。作中のABC受賞作なんかは「高校生らしさとは何か?」の可視化が絶妙。
小説としてはある意 -
Posted by ブクログ
手紙形式で語られる真実。「十年後の卒業文集」では、千秋の行方と事故の真相を悦子が暴こうと、文面を疑い、過去の思い出を掘り返して本人確認しようとするところが怖い。千秋が悦子に化けていたなんて、久しぶりに会うと人の特徴なんて忘れてしまうものなのだろうか。整形で他の人になれると思うと、自分が見てきた、関わってきたあの子は誰だったのだろう…と自分自身の目を疑ってしまう。「二十年後の宿題」は竹沢先生の旦那さんが死亡した事故の真相について大場くんとやり取りするが、大場くんと仲良くしていたのは事故の原因を作った人物とされていた利恵だった。偶然にしてもできすぎてしまっているが、出会いたいと思った人と出会えるよ