湊かなえのレビュー一覧
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ネタバレまずは、衝撃事実。どうやら「ブロードキャスト」と言う作品の続編だったらしい。知らずに読んだので問題ないことをした。
内容は放送部を題材とした青春物語。湊かなえのイメージになかったからこんな軽やかな作品も書くんだと意外に思った。と思いきや、中盤にきちんと陸上部タバコ事件を入れてくるあたりはドロドロな感じを忘れてないんだな、と感心。でも、テイスト的には恩田陸っぽい?
個人的にはタバコ云々の事件よりも、物語の締め方の方が感心した。ひとことも「コロナ」というキーワードを使わずとも暗に読者に伝え、高校生らしい感受性と視点で締められていたのが印象的だった。 -
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ネタバレ結末はなんとなく予想した通りに。それゆえに誘拐のハラハラ感はなく、裕太は無事に帰ってくるだろうと思いながら読み進めることができました。
晴美の友人という言葉が2回目に出てきた時にはぞくぞくしました。やっぱり湊さんは伏線がたくさんあるなと。
陽子がとても温かく、血が繋がってなくても両親に大切に育てられたんだなと感じられ、反面、晴美は寂しさやコンプレックスが常にあったんだろうなと思いました。始まりが似ていたとしても、その後どのように進むかが人格形成に影響するのかなとも。決して施設で育つことが悪い訳ではなく、自分にだけ注がれている愛情というのは大きいのかなと。
とにかく湊かなえにハマっています -
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第一印象は想像していた湊かなえ先生とは全然違う⁉️それも私が行ってみたい所の第一希望は広島なんです。大林映画監督の尾道三部作が好きで好きでいつかは行ってみたいとずっと思っていました。湊かなえ先生も広島の因島出身だったんですね。それもお嫁さんに行った所が淡路島なんてビックリです。淡路島も行ってみたい所の上位でした。エッセイ集を出していた事も知りませんでした。湊かなえ先生の頭の中を覗いて見たかった私はなんだか私と余り変わらない生活をしている事に嬉しいやらビックリするやら猫と珈琲は私も好きだけど山はたまに主人に誘われて八幡平や十和田湖の奥入瀬散歩などハイキング程度なので、湊かなえ先生を尊敬してしまい
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中学時代、駅伝に打ち込んでいた町田圭佑は、高校受験の合格と同時に起きた交通事故によって競技人生を断念してしまう。
虚な表情で高校の新入生オリエンテーションを眺めていた圭佑が出会ったのは、脚本家を目指している同級生・宮本正也。正也に声の良さを買われてスカウトされた圭佑は、彼と共に全国大会に9年連続で出場している青海学院高等学校の放送部の扉を叩くことになる。
名門校の陸上部で親友と走るという夢を絶たれてしまった圭佑だが、皮肉なことにそのきっかけとなった交通事故がなければ、彼は自分の声の良さに気づかなかっただろうし、放送部の活動とも縁がなかっただろう。
陸上を愛していた圭介をプロローグから緻密に描 -
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湊かなえ氏の作品は『リバース』『告白』以来に読む三作品目。
県下有数の進学校・橘第一高校(通称・一校)の入試で起きる事件を描いた物語。
役割を分担する教師たちそれぞれに、ひとつひとつを見れば事件と呼べないほど些細な出来事が次々に発生。各事件は伏線を回収するかのように、絡み合い膨張していき、犯人の手のひらで踊らされていることを理解した教師たちは、事件の収束を目指し行動を開始する。
登場する教師12名は、それぞれが隠している秘密や過去があり、それを緻密に描いているのはさすが湊かなえ氏といったところ。その反面、序盤から登場する人物が多く、冒頭の相関図を定期的に見ないといけないほどにややこしい。
し -
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映画「朽ちない桜」つながりで、この作品に。
短編集の中で、気に入ったのはふたつ。
・泣く猫 柚月裕子
17年音信不通であった母が死んで、真紀は母の住処に訪れる。母の同僚サオリが弔問に訪れる。
母が大切にしていた猫・マキは母のために泣いたという。
P.76
(中略) あっけらかんとした人生じゃなかったと思うよい サオリは俯いたまま、自分のことのように語る。
「男に夢中になると、ほかが見えなくなっちゃう。男と別れたあと、自分がしでかしたことを後悔する。そんときは、もう男なんかいらないって思うけど、好きなやつができ ると、また突っ走る。そして別れて悔いての繰り返し、心底、自分で自分がいやに