誉田哲也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
青春とは、こんなにも眩しく、切ないものだったのか。
青春小説は、私の好きなジャンルのひとつです。
若者が何か一つのことに夢中になり、汗を流しながらひたむきに努力する姿。
それほど美しいものはないと、私は思っています。
けれども、そんな時間はほんの一瞬。
30代、40代になると、体力も気力も、そして自由に使える時間さえ、どんどん減っていきます。
だからこそ、学生のうちに夢中になれるものを見つけ、全力で打ち込めた人は、本当に幸せなのだと思います。
…自分がそれをしてこなかったぶん、余計にそう思ってしまうんですよね。
この小説は、剣道に打ち込む高校生の女子ふたり――香織と早苗を描いた青春小説 -
Posted by ブクログ
時系列が異なる複数の視点から最終的に1つに繋がる物語。登場人物が多く女性の登場人物ばかりということもあり、章を跨ぐ度にどんな人物かを読み進めながら補完していく読みづらさがあった。
軽快な会話と強さを持つ登場人物を中心に物語が進んでいくため、シリアスな場面もそう感じさせずに楽しめる良さがあったが、作中で頻出する「ドミナン事件」の詳細が描かれず、それは「ボーダレス」という前作を読んでいないとわからないことが一切触れられない点は告知の仕方も悪ければ補足もないことが残念だった。
家族、兄弟の在り方を加藤姉妹を中心に描かれ、軽快なテンポで読み進められる点はプラスで、結末の結び方次第では個人的に良作の可