稲垣えみ子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ひとりは気楽でいいけど孤独を楽しめることが条件
男性の一人飲みは風景の一部だけど、女性はそうならずいつも何か浮いているようだ。
この本で改めて感じたのは、マイペースでありながらも場所や人に配慮が必要だということ。
これが身につけば大抵は楽しめるし上機嫌でいられる。
最後にひとつだけいうなら、上機嫌は自分は同じように行動しても周りが違うことがあるということ。
タイミングのずれや、ちょっとした気持ちの違いから、いつもと同じようでも違う時があって、楽しめない時もあるのだと自覚すること。
それができれば、この本のように楽しくひとりの時間を過ごす術が身につく。
いつの世も受け入れてくれる場所あっての自分なんだとつくづく感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ他人とコミュニケーションを取ろうと思ったら、まず、自分が何者かってことが前提なんだよね。自分が心から知りたいこと、心から興味の持てることがなければ、言葉が多少できようが、コミュニケーションなんて取れない。っていうかそもそも取る必要もない。
なので懸命に考えました。どこに行っても通用する、今私が心から興味があるもの、普段から真剣にやってるものって何だろうと。で、そうだ「生活」だ!って思ったんです。
父の近所にもこんな場所(近所のカフェ@フランスリヨン)があったらどんなにいいだろう。何の目的もなくても、毎朝200円のコーヒーを飲みに行くだけで大歓迎される場所があったなら、人生の孤独は全く違った様相を帯びてくるに違いない。
いくらお金持ちだろうが地位があろうが特技があろうが、態度が悪ければ誰にも受け入れてもらえません。つまりは私はこんな人間なんだといくら言葉で主張してもダメ。そんなこと誰も聞いちゃいない。相手に敬意を表して行動すること。つまりは周囲をよく観察し、場のルールを守り、控えめに徹し、しかし笑顔できちんと挨拶。それを辛抱強く繰り返す。
若い時は「選択」したいと思っていた。でも今は「ご縁」で動くのがウレシイ。
毎日マルシェに行って、新鮮なものを必要なだけ買い、その日のうちに食べる。以上、実に単純。保存のための添加物も、余分なパック包装も必要ない。ついでにフードロスもない。
毎日マルシェに行けば、店の人と顔を合わせて話をすることになる。マルシェではおじいさんやおばあさんが買い物を楽しんでいるのがやたら目につく。年をとると社会のお荷物になったかのような気持ちになる。そんな時、日々の買い物で、馴染の店主がいつもの笑顔で「あらマダムこんにちは!ご機嫌いかがですか。で、今日は何にします?」と言ってくれることが確実に人を救うのだ。
「お世話になった人に感謝を伝えよう」という作業は、思いの他楽しい作業であった。
もはや私の世界は無限であった。私は私であればいいのである。そのことだけで、世界とつながっていけるのだ。 -
稲垣さんと同世代の私
幼い頃のピアノレッスンの話が
まさしく私と同じだったので
共感しながら読んだ
私も40代の頃
山下達郎さんのライブを観て感動し、
音楽をやりたいと
衝動的に電子ピアノを購入
だが上手く弾けずに挫折した
過去あり
家族からはもう弾かないの?と
言われながらも仕事や家事が
忙しいのでリタイアしたらやる!
と言い訳しつつやってない訳である
だから稲垣さんのピアノにのめり込む
様に、
私のピアノへの思いは生半可だった
と反省した
つまづいてもあきらめない
50過ぎてから始めた
先人の知恵と工夫をこの本で拝借して
勇気と希望をもらった
さっそく弾いてみたくなる本である
巻末に稲垣さんが挑んだ曲一覧あり
Spotifyで検索しリストを作り
聴きながら読んだ
ただひとつ気になったのは
53歳で老後はちと早すぎないか?
会社をリタイアしたといっても
まだ現役世代でしょ
減っていく年金
負担が増える医療費
自身の衰えに親の介護
問題は多々あるが
時間とお金さえ許せば
何かに挑戦することのできる世代
それが老後である -
Posted by ブクログ
ネタバレ元朝日新聞記者で、今ではモノを持たない生活でおなじみの稲垣えみ子さんが、思い立ってフランス・リヨンに14日間滞在し、「日本でしていたような生活を海外でする」ことにチャレンジした滞在記である。
……読んでいて、しみじみと、稲垣さんは「人間」というものを愛しているんだなー!と思った。
リヨンで「誰からも必要とされていない」という事実に落ち込み、どうしたら言葉が通じないフランス人たちと心を通わせられるかを試行錯誤し、周囲の人たちを熱心に観察し、最後に発つエアビーアンドビーの部屋を「本当にお世話になるばかりで何もお返しできないから」とピカピカに掃除し、宿主と上階の住人に手縫いの刺し子とお花をプレゼントしたりする。しかもそれら全てが、「私の生き方はこれだから!」というような美意識からではなくて、「そうしたいからそうしよう!」という自然な気持ちから出てくる。
稲垣さんの心を通すと、エアビーアンドビーの宿主からの対宿泊者レビューさえも、評価システムの一部ではなく、「私がこれから世界のどこに行っても通用する『居場所』を作ってくれたのだ」という美しいものに変わる。私は、こんなに美しい「レビュー」というものの捉え方を見たことがない。このくだりには本当に感動した。
一方で、私自身には、ここまで人間、他者に対する愛……というものは、ないな……という事実も実感してしまった。
稲垣さんが笑顔をやりとりした市井の善良な人々を文章に追いながらも、私の脳裏には「こんないい人なのに、もしかしたら裏ではひどいヘイト発言をしてたりするのかもなぁ」「女と見ればすぐにセックスしようとする男も、最初はこういう好ましい言動をするから、気が抜けないんだよなぁ」みたいな哀しい疑いがちらちらと浮かんできたりしてしまった。
稲垣さんは、モノがなくても幸せに生きていけるよ!と高らかに謳うのだけれど、そのためにはもしかしたら、人間や他者への愛が必要で、それがない私には、果たして「小さく生きていく」ということは不可能なのではなかろうか……という恐ろしい思考が、ずっと沈殿している。 -
Posted by ブクログ
ネタバレはまっている稲垣えみ子さん。稲垣さんの献立については別本を読んでおおよそは知っていたけど、今回のは写真付きなのでよりイメージしやすい。ご本人がおっしゃってる通り、飯・汁・漬物の地味飯だ。玄米だし、そこに乾物とかいろいろ混ぜたりしてるので、まぁ色見は悪い。でも前この人にはまった時は真似して干し野菜作ったり、ぬか漬けも試したりしたなーと思いだした。今回はおから漬けとかおから味噌なるものを知って、やってみようかと思った。つーか、またおから食べよう。あと冷めたご飯をおいしく食べるべく、曲げわっぱが欲しくなったけど、おにぎりでいいやと思い直す。こないだ読んだ年収100万生活の人とは大違いだけど、生きるのにそんなにお金はいらない、ということが分かるのは良いことだと思う。