稲垣えみ子のレビュー一覧
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ネタバレ読んだきっかけ
還暦を過ぎ、丁度働くことを見直しているところだったので「会社を辞める」ことが、どういう意味を持つのか、興味を持った。
感想
著者が50歳で会社を辞める決断をした背景と、その後について、興味深く読んだ。価値観が転換するきっかけとして、地方へ飛ばされた時のことが書かれている。直売所や山歩きを通じて新しい暮らしを始め、「お金」や「働くこと」に対する価値観が大きく変わっていったことが描かれている。特に香川県での「うどん一杯」を基準にした独自の経済感覚や、「林住期」という生き方の思想が印象的だった。
この本は、第二の人生は、真剣に時間をかけて探るべきであること。会社に(お金に)依 -
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「ピアノは私にとって、老いかたのレッスンなのかもしれない。どれだけ衰えても、駄目になっても、今この瞬間を楽しみながら努力することができるかどうかが試されているのだ。」
この本は単に老後の趣味を綴ったエッセイではありますが、結果として、現代を生きるわたしたちに、時間的な豊かさ、つまり暇とどのように付き合っていけば良いのか。努力せずとも生存できる私たちに、それでも努力する意味を、どうすれば努力できるかを教えてくれます。
感化され、稲垣さんが最初に挑戦したという「きらきら星変奏曲」を聴いてみました。私にもできるだろうかと。全然無理そうでした。この人、思ったより昔取った杵柄がすごい。全然初心者では -
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個人的には前半部分に共感するところが多くて、その通り、そう考えられたら身も心も軽くなるね、と思いました。実際、少し心も軽くなりました。自分の立場や能力で仕事を辞めるわけにはいかない、こう思う時点でダメかもしれないが、少しでも身軽に自由になりたいと思った。
抜粋
大きい幸せは小さな幸せを見えなくするからだ。知らず知らずのうちに、大きい幸せじゃなければ幸せを感じられない身体になってしまう。
仕事も同じである。高い給料、恵まれた立場に慣れきってしまうと、そこから離れることがどんどん難しくなる。そればかりか「もっともっと」と要求し、さらに恐ろしいのは、その境遇が少しでも損なわれることに恐怖や怒りを覚 -
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2025年 audible10冊目
ほぼ同時代を生きてきたからか、共感できすぎる。
頑張ってきた数々を手放すことで得られた自由。
ピアノ、体操、シンプル家事で満たされる日々。
でも、カフェでできる「仕事」や読みたい本、聴きたい音楽や描きたい絵があることもポイント。
たまに訪れる独立した子どもたち家族と共に楽しむ食事のためのキッチングッズは手放せそうにないけど、そこまでも想定、書き尽くしてくれている。
総理大臣が、もし日々調理をしているんだったら、日本の失われた30年はなかったと思う。
日本人の働き方も女性の雇用etc.の問題もきっと解決されてたと思う。総理大臣も早く家に帰らなきゃだし、ね。 -
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考えたら、知り合いと合流する前に、2週間一人旅しただけで、おまけに観光もしないのに、引き込まれた。
目的は「東京と同じ、生活をする」だけど…
東京と同じって、冷蔵庫や洗濯機を持たず、かなりスペシャルな生活をされている稲垣さん、どうなる?と、とっても気になった。
ホントに「生活」だからと、住みかとなる民泊だけ決めて、リヨンへ。
超シンプル生活の経験を駆使し、何とか「生活」しようとするのがいいし、フランス人のことも知れるのもいい。
カフェの店員が、今日は笑ってくれた!ってだけで、こちらも泣きそうになる。
もう少し写真が見たいと思うけど、旅行じゃなかった「生活」でしたね。