稲垣えみ子のレビュー一覧
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「ピアノは私にとって、老いかたのレッスンなのかもしれない。どれだけ衰えても、駄目になっても、今この瞬間を楽しみながら努力することができるかどうかが試されているのだ。」
この本は単に老後の趣味を綴ったエッセイではありますが、結果として、現代を生きるわたしたちに、時間的な豊かさ、つまり暇とどのように付き合っていけば良いのか。努力せずとも生存できる私たちに、それでも努力する意味を、どうすれば努力できるかを教えてくれます。
感化され、稲垣さんが最初に挑戦したという「きらきら星変奏曲」を聴いてみました。私にもできるだろうかと。全然無理そうでした。この人、思ったより昔取った杵柄がすごい。全然初心者ではない。この本では全然駄目な私でも調だったので、ちょっと裏切られた気持ちになりました。もっと簡単なやつから挑戦してみます。 -
Posted by ブクログ
個人的には前半部分に共感するところが多くて、その通り、そう考えられたら身も心も軽くなるね、と思いました。実際、少し心も軽くなりました。自分の立場や能力で仕事を辞めるわけにはいかない、こう思う時点でダメかもしれないが、少しでも身軽に自由になりたいと思った。
抜粋
大きい幸せは小さな幸せを見えなくするからだ。知らず知らずのうちに、大きい幸せじゃなければ幸せを感じられない身体になってしまう。
仕事も同じである。高い給料、恵まれた立場に慣れきってしまうと、そこから離れることがどんどん難しくなる。そればかりか「もっともっと」と要求し、さらに恐ろしいのは、その境遇が少しでも損なわれることに恐怖や怒りを覚え始める。その結果どうなるか。自由な精神はどんどん失われ、恐怖と不安に人生を支配されかねない。
会社で働くということは、極論すれば、お金に人生を支配されるということでもあるのではないか。
「ない」ことの方が「ある」ことよりむしろ豊かなんじゃないかという、それまでまったく考えたこともない発想の転換を迫る場所となったのだ
欲望も思惑も恨みもすべてを捨て去った時、初めて水を与えられ生き生きと蘇り、表に出てきたのではなかろうか。
私はそれまでずっと、何かを得ることが幸せだと思ってきた。しかし、何かを捨てることこそが本当の幸せへの道なのかもしれない…・・・ -
Posted by ブクログ
考えたら、知り合いと合流する前に、2週間一人旅しただけで、おまけに観光もしないのに、引き込まれた。
目的は「東京と同じ、生活をする」だけど…
東京と同じって、冷蔵庫や洗濯機を持たず、かなりスペシャルな生活をされている稲垣さん、どうなる?と、とっても気になった。
ホントに「生活」だからと、住みかとなる民泊だけ決めて、リヨンへ。
超シンプル生活の経験を駆使し、何とか「生活」しようとするのがいいし、フランス人のことも知れるのもいい。
カフェの店員が、今日は笑ってくれた!ってだけで、こちらも泣きそうになる。
もう少し写真が見たいと思うけど、旅行じゃなかった「生活」でしたね。
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Posted by ブクログ
物、仕事、などから離れて裸一貫になることで、今まで見えていなかった事柄に気付く。
その世界は寂しくも、古来の人としての生活に近く、地球・自然と対話する幸せを感じる。という感じかな。
家電全てを使わない生活は真似できそうに無いが、質素でミニマルな生活は自分にも合いそうな予感がする。
便利=死んでる。ちゃんと行ききるのは不便だが、素晴らしい。
// 以下、引用
自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の手足でやってみるということ。
もしやそのことを、今の世の中は「不便」と呼んでいるんじゃないだろうか。
だとすれば、不便って「生きる」ってことです。
だとすれば、便利ってもしや「死んでる」ってことだったのかもしれない。
もしあなたが本当に解放されたいなら、
生きている限りの時間をちゃんと生ききるってことなんじゃないか。
すべての瞬間を、そして人間を、馬鹿にせず、差別せず、正面から向き合って、生きるってことなんじゃないか。
生きるってね、面倒くさい。
でも面倒くさいからこそね、素晴らしいんだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者の一人飲み修行経験から編み出された極意が書かれている。
一人飲みだからと気負わず、普通のコミニュケーションと同じくお店や他のお客さんやその場全体に対する気遣いができれば自然に溶け込める。
ついついウンチクを語ったり目立ちたがったりしたくなる気持ちを抑えることが大切。
・一人飲みの極意
一人客の多い店を選ぶ
一人客用の席に座る
静かに店内の様子を観察する
間が持たなくてもスマホをいじらない
最初の酒は素早く注文すべし
肴の注文はじっくり全力で行うべし
出された酒と料理は集中して味わうべし
食べたあとは感謝を込めて感想を伝えるべし
手持ち無沙汰になったら他の客の会話に耳を傾ける
会話は強引にするものではない
まずはカウンターの向こうの店主と会話する
隣の見知らぬ人の幸せを祈る。それが一人飲みの幸せである