稲垣えみ子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ラジオでの語りが面白くって出演を楽しみにしているイナガキ女史
著書を拝見するのは初めて
六甲辺りにお住まいだったことに親近感があって勝手に顔見知り気分
この時代に冷蔵庫やエアコンなし生活なんて大丈夫なんだろうかと心配もしちゃう
いろんな本をお書きですが今回はこちらを
冷蔵庫なし生活は干し野菜と糠床で成り立ってるようです
なるほどなるほど!
実践するしないは別として身近な食エッセイとしてめっちゃ面白い
なんかイナガキさん暴走気味だよー笑と思いながら
ご自宅に伺ってご飯ご一緒したくなりますね
ごはんを作るだけなのに生きる自由を考えるような壮大なテーマになっている
どんな不幸が訪れても「自分を食わせていく」事ができれば生きていけそうな気がしてきた
自分の意志で自分の考えで行動できるのは幸せだと思った -
Posted by ブクログ
わたしは稲垣さんのファンだ。朝日新聞を購読していたときから彼女のコラムを愛読していた。
50歳で朝日新聞を退職され、その後の生活のまあ潔く充実していること。どの著作も共感する点多々。『魂の退社』は自分が10年勤めた職場を退職した時のことを思い出してしまったし、『老後とピアノ』はピアノを英語に置き換えたらわたしとまったく同じだなと。↓とかね。
「コツコツなんてもんじゃない。バリバリとやった。目を三角にして。しかも毎日。(略)コツコツというようなチンマリした努力では「できないことなどない」どころか、ほんのわずかなことすらできないということが即判明したからであった。1日何時間も、雨の日も風の日も盛大に練習して、ようやっと「ほんのちょっと」進歩するのが大人のピアノというものなのであった。」
そして本書。
すでに他の著書で読んだ内容であり既視感はぬぐえないけれど、でもまったく飽きることなく、書かれていることが100%腑に落ちて、うんうんと共感しながら楽しく読んだ。
彼女は50歳で大企業をやめてから小さな住まいに引っ越すため盛大に断捨離をし、掃除機、洗濯機、冷蔵庫まで処分。でもそれが幸せの始まりだった。
今まで部屋が片付かなかったのはモノがあふれていたから。新しい素敵なものを買うために忙しく、家事は後回し。
「それが会社を辞めて、お金を稼ぐ時間も使う時間もグッと減ったとたん、忙しさもモノも減り、家事は急にとてつもなくラクになった。これまでの家事の労苦を100とするならば、1くらいの労力でこなせるようになったのだ。ってことで、毎日ちゃっちゃとその「ラクな家事」をして、毎日ちゃっちゃと「豊かな暮らし」を簡単に自給していきている。(略)生きている時間が全て楽しいのである。」
いやもう、わかる。ラク家事で豊かな生活が手に入ることは痛いほどわかる。
稲垣さんのラク家事とは、たとえば手洗い。しかも石けんを使わないことも。
わたしもジョギングで汗をかいたシャツや下着は石けんなしで、即じゃぶじゃぶ洗って干す。洗濯物をためるストレスもなく、時間もかからず、常に清潔と良いことだらけ。
掃除はホウキでさーっと床を掃く。わたしもそう。あとたまに雑巾がけ。
うちには洗濯機も掃除機もあるけれど、手洗いが多いし掃除機はめったに使わない。
て、別に家電を使わないほうがいいと言いたいわけじゃないですよ。わたしも洗濯機の特に脱水は便利に使っているし、一番気に入っている家電はフードプロセッサーで、もうこれがないと料理するのに困るくらい。
なので便利な家電はおのおの上手に使い回せばいい。要は気持ちよく、ラクに家事ができればいいのだから。
ただ、家電はシンプルな家事をオオゴトにしてしまう面があって、そこが煩わしいと感じることも。
便利さを手に入れたつもりが、それらを使って何かをしようとするとさらにモノが増えたり(たとえば掃除機の替えのパックをドラッグストアに買いに行かなきゃならなくなるとか)。炊飯器や食洗器はそれ自体のお手入れが面倒…炊飯は鍋で、食器は手洗い、がシンプルで楽だなぁわたしは。
稲垣さんは洗濯機のボタンを押すだけだったころと違い、手洗いをするようになって、夏は水がぬるく、冬は冷たいんだ、と気づいたという。そうやって季節を感じるようになる。
また五感もフル稼働だ。その例として、ご飯を炊くシーンが素晴らしい。タイマーも計量カップも手放してしまったため(徹底ぶりがすごい)、すべての加減が「適当」だという。
「蓋をして強火にかけたご飯が「吹きこぼれる」直前、グツグツいっていた鍋が一瞬、無音になるのだ。そんなこと50年生きてきて全く知らなかったし、私の知る限りどんなレシピ本にも書いてやしないが、10年近く同じ鍋で日々同じ作業を繰り返していればどんなボンヤリでも気づく。なので今じゃ無音になった瞬間、さっと鍋に駆け寄り蓋をずらして吹きこぼれを防ぐ。」
便利なものに頼ることをやめると自分の頭と手を使うことになる。自分に自信がもてるようになり、家事の楽しさ、気持ちよさを知る。逆に言うと、便利さを手に入れるってことはそうした楽しみを放棄するってことだ。
「生きている限り最低限の家事はどうしたってついて回るわけで、その家事が簡単なうえに楽しく、気分を明るくしてくれるのである。つまりは生きているだけでハイレベルな楽しさが保証されているんである。わたしは生きている限り、いつだって満たされているのだ。(略)「足りないもの」など何もない。p29」
「月まで行かずとも、我が幸せの全ては、今のこの小さな家の中に、そして自分の中にあったのだ。窓から見える青い空、白い雲、大きな木、鳥たち、木漏れ日……これ以上何が必要なのだろう。月旅行を夢見てそこに行けない自分を残念に思って生きているヒマがあるならば、キュッキュと窓を拭いてピカピカにすりゃ良かったのだ。(略)
私は無力なんかじゃなかった。わたしは自分で自分の幸せをつくり出すことができたのである。p258」
わかる! わたしもよくそう感じながら暮らしている。とりわけ認知症母の問題が片付いた後、去年あたりから、もう毎日幸せいっぱいではちきれそうなのである。
風やお日さまを感じたり、スイカの種から芽が出ただのぬか漬けがうまく漬かっただのと喜んだり…そんな小さなことでも十分なのに、そのうえさらに、面白い本はたんまりある、英語学習も楽器の練習も終わりがない。日常に小さな幸せがたくさんあって、夢中になれることがあって……これ以上の幸せってあるだろうか。
幸せはどこかにあるんじゃない。ここに、自分の中にあるんだよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレピアノではありませんが、私も大人になってから楽器を再開しました。
共感しまくりです!
昭和のレッスンを思い出し、ビビりながら再開したレッスンで、先生が優しいことに驚き、
YouTubeでいろんな人の演奏が聴けることに驚き、
自分で曲を選んでいいんですよ?と言われて驚き、
あの作曲家、なんでこんな曲を書いたんだー!?と作曲家の検索魔になり…
いつも頭の中にあるのは、理想のあの人の、あのCDの演奏!…なのに、自分の演奏との違いに凹んだり、
先生の見本演奏に惚れ惚れしたり、自分と同じ人間だというのにあまりにも演奏の違いに凹んだり…先生の演奏なんだからそりゃそうだけど(苦笑)
もう、何度『ほんとそれ!!』と思ったことか。
そして発表会のくだりでは「ここまで言語化してくださってありがとうございます!!」という気持ちになりました。私はやっぱり緊張しましたけども。
拙い演奏でも、大人の生徒仲間の演奏って、それぞれの人生が垣間見えて感動するんですよね。
そして、毎日どっぷりピアノ沼にハマって練習頑張っていらっしゃる稲垣さんに尊敬です。 -
Posted by ブクログ
「家事なんてなくなればいい」なんて言ってる場合じゃない。
むしろ家事は我先にと「取り合う」べきものである。
なぜかといえば、老若男女問わず、何をおいても家事をする者、すなわち「自分の身の回りの世話は自分でやる者」こそが人生の真の勝者になるのだ。
いやーー、この本に20代ラストイヤーが迫る今出会えてよかった!
この本を読むきっかけは、4月からのがっつり勤務and元気印の4歳育児シングルマザー生活が始まり
家事の存在が大きく負担に感じていたこと。
タイトルで「家事」か「地獄」か?
どう言うこと??!
と気になって読んでみたら
家事というのは自分の世話を自分でやりきり
自分の生活おいては人生を整えていく力そのものである!と強く強く言い切ってる本だった
本書を読んでからは家事が楽しくて仕方ない
今日はどこを掃除しよう
太陽の力に頼っての洗濯が嬉しい
これまで便利さ、富をたくさん持っていること
広い部屋に住むことこそが社会的な成功かと思っていたけど、
日々きちんと片付いた部屋で、清潔で着心地のよいお気に入りの服を着て、美味しく健康的なものを食べることができたなら、それは幸せなのであると思えた
4歳の息子と台所に立って一緒に料理をすることも増えた
世の中にはたくさん便利なことがあるけど
手で掃除をする、洗濯物を干すなどのアナログ家事が与えてくれる人間力をめいいっぱい享受して、楽しんでこうと思えた -
Posted by ブクログ
タイトルから、家事が地獄っていう話なのかと思ったら全く逆で、家事をすることが人生において何よりも大事という内容だった。
便利であることが家事を面倒くさいこと、大変なことにしてしまっているという話にはうなづくことができる。便利な電化製品をやめること、膨大な服や物を処分してシンプルに生きることが実は幸せへの近道。食事だってご飯と汁物があれば十分だし、家事をできるだけシンプルにすることが自分の生活を豊かにするというのが目からウロコだった。
もし家族がいなくて一人暮らしだったら、こういう生活憧れるなあ。まずはできることを一つずつでもやってみたい。 -
Posted by ブクログ
来たる40代、50代に向けてどう働き、どんな生活をしたいかを考える参考になった。もっと贅沢を、もっと便利に、というすべての人が持っているであろう欲にどう向き合うか。そこを疎かにして歳だけ取ってしまうと、仕事でも私生活でもどんどん苦しくなってしまうのだな、と。自分はこれで十分、これさえあれば大丈夫という基準を明確にしておかないといけない。モノにあふれるこの時代その見極めは極めて難しいだろうけれど、(そして子育て世代にとっては更に至難の業だろうけれど、)30代の今、時間をかけてじっくりと取り組み人生の折り返しに向けてゆっくりとステップダウンしていきたい。稲垣さんの本をいくつか読んで、当面の方針が見えてきた気がする。
仕事とは、会社に入ることでも、お金を稼ぐことでもなく、他人を喜ばせたり助けたりすること。人のために何かをすること。 稲垣さんのこの考えめちゃめちゃ好きだな! -
Posted by ブクログ
確かに家電って便利そうに見えて、家事を複雑で面倒臭くて大袈裟なものにしてるんだなと気づかされた。以前は使っていた食洗機とかがまさにそう。面倒臭いからとりあえず汚れた皿を放り込んでいたけど、それによって自分の中で皿洗いというものがさらに面倒くさいものとして認識が強化されていく感じがした... 手でささっと洗えばものの5分くらいで終わることなのに。生きるために必要なものなのか、自分の欲望なのか、その境目があいまいになると、本当にどんどん苦しくなる一方なんだなと思った。とは言え人生の可能性を削ぎ落としていくのって勇気がいること。それを実践した稲垣さんが本当にすごい。完全には無理だけど、出来ることから真似してみたい。