あらすじ
自分の面倒を自分でみる
これがほんとうの
お金に頼らない生き方
今の私の目標は、最後まで幸せに生きること、
すなわち死ぬまで家事をやり続ける、自分で自分の面倒をみて生きていくことだ。
そのためには身の丈にあった暮らしをすればいい。
歳をとり体が動かなくなったら、食べるものも、着る物も、住まいも、持ち物も、どんどん小さくしていくだけ。
そう考えたら安心だ。
だって増やすことは難しくとも、減らすことなら誰だって実現可能だから。
デフレ・インフレ・不況災害・老後もなんのその
一人一家事の提案。それで全員が確実に救われる!
人生100年時代のまさかの出口戦略
…………
目次
はじめに 家事なんてなくなればいい?
1 私が手にしたラク家事生活
私のラク家事メモ①手ぬぐい一本あれば
2 あなたの家事がラクにならない本当の理由
・その1 「便利」をやめる
私のラク家事メモ②「洗わない」という究極の選択
・その2 人生の可能性を広げない
私のラク家事メモ③いきなり一汁一菜はムリな方へのアドバイス
・その3 家事の分担をやめましょう
私のラク家事メモ④ゼロから料理を始めるあなたへのアドバイス
3 家事こそは最大の投資である理由
私のラク家事メモ⑤生ゴミ堆肥で「一石五鳥」を体感する
4 老後と家事の深い関係
5 老後を救う「ラク家事」
私のラク家事メモ⑥私の「お手伝いさん」たち
6 モノの整理が天王山
7 実録・人はどこまでモノを減らせるか
その1 怒涛のイメージ作り編
私のラク家事メモ⑦マジで錆びついていた五感
8 実録・人はどこまでものを減らせるか
その2 怒涛の実践編
・洗面所まわり編
・洋服編
・台所編
私のラク家事メモ⑧結局最後は宅配弁当?
9 死ぬまで家事
おわりに 総理、家事してますか?(ラク家事えみ子、政治経済を語る)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
目から鱗。
でも、すごく自分にしっくりと来る生き方指南書だった。
私の目指すべき方向は、きっとこっち。
稲垣さんとそっくり同じにすることは難しいだろうけど、目指したい。
モノは、管理しきれなくて、常に片付けないと減らさないとという気持ちが頭のすみにあって落ち着かない。
このモヤモヤはきっとこのまま一生消えないよ、と突きつけてくれた。
思いきらねば。
Posted by ブクログ
家事に対しての考えが変わり、読んでいて楽しく、元気になる。そんな本だった。
確かに、家事がシンプルだと心地よい。さっそく、生活に晒(さらし)を取り入れたら、その快適さにびっくりした。今まで布巾にかけていた時間が大幅に短くなって「そういうことか」と思った。
今まで何かを目指していたけど「あ、これでいいのだな」と気づくことができた。
わたしも自分の生活をもっとシンプルに、心地よくしていきたい。
Posted by ブクログ
わたしは稲垣さんのファンだ。朝日新聞を購読していたときから彼女のコラムを愛読していた。
50歳で朝日新聞を退職され、その後の生活のまあ潔く充実していること。どの著作も共感する点多々。『魂の退社』は自分が10年勤めた職場を退職した時のことを思い出してしまったし、『老後とピアノ』はピアノを英語に置き換えたらわたしとまったく同じだなと。↓とかね。
「コツコツなんてもんじゃない。バリバリとやった。目を三角にして。しかも毎日。(略)コツコツというようなチンマリした努力では「できないことなどない」どころか、ほんのわずかなことすらできないということが即判明したからであった。1日何時間も、雨の日も風の日も盛大に練習して、ようやっと「ほんのちょっと」進歩するのが大人のピアノというものなのであった。」
そして本書。
すでに他の著書で読んだ内容であり既視感はぬぐえないけれど、でもまったく飽きることなく、書かれていることが100%腑に落ちて、うんうんと共感しながら楽しく読んだ。
彼女は50歳で大企業をやめてから小さな住まいに引っ越すため盛大に断捨離をし、掃除機、洗濯機、冷蔵庫まで処分。でもそれが幸せの始まりだった。
今まで部屋が片付かなかったのはモノがあふれていたから。新しい素敵なものを買うために忙しく、家事は後回し。
「それが会社を辞めて、お金を稼ぐ時間も使う時間もグッと減ったとたん、忙しさもモノも減り、家事は急にとてつもなくラクになった。これまでの家事の労苦を100とするならば、1くらいの労力でこなせるようになったのだ。ってことで、毎日ちゃっちゃとその「ラクな家事」をして、毎日ちゃっちゃと「豊かな暮らし」を簡単に自給していきている。(略)生きている時間が全て楽しいのである。」
いやもう、わかる。ラク家事で豊かな生活が手に入ることは痛いほどわかる。
稲垣さんのラク家事とは、たとえば手洗い。しかも石けんを使わないことも。
わたしもジョギングで汗をかいたシャツや下着は石けんなしで、即じゃぶじゃぶ洗って干す。洗濯物をためるストレスもなく、時間もかからず、常に清潔と良いことだらけ。
掃除はホウキでさーっと床を掃く。わたしもそう。あとたまに雑巾がけ。
うちには洗濯機も掃除機もあるけれど、手洗いが多いし掃除機はめったに使わない。
て、別に家電を使わないほうがいいと言いたいわけじゃないですよ。わたしも洗濯機の特に脱水は便利に使っているし、一番気に入っている家電はフードプロセッサーで、もうこれがないと料理するのに困るくらい。
なので便利な家電はおのおの上手に使い回せばいい。要は気持ちよく、ラクに家事ができればいいのだから。
ただ、家電はシンプルな家事をオオゴトにしてしまう面があって、そこが煩わしいと感じることも。
便利さを手に入れたつもりが、それらを使って何かをしようとするとさらにモノが増えたり(たとえば掃除機の替えのパックをドラッグストアに買いに行かなきゃならなくなるとか)。炊飯器や食洗器はそれ自体のお手入れが面倒…炊飯は鍋で、食器は手洗い、がシンプルで楽だなぁわたしは。
稲垣さんは洗濯機のボタンを押すだけだったころと違い、手洗いをするようになって、夏は水がぬるく、冬は冷たいんだ、と気づいたという。そうやって季節を感じるようになる。
また五感もフル稼働だ。その例として、ご飯を炊くシーンが素晴らしい。タイマーも計量カップも手放してしまったため(徹底ぶりがすごい)、すべての加減が「適当」だという。
「蓋をして強火にかけたご飯が「吹きこぼれる」直前、グツグツいっていた鍋が一瞬、無音になるのだ。そんなこと50年生きてきて全く知らなかったし、私の知る限りどんなレシピ本にも書いてやしないが、10年近く同じ鍋で日々同じ作業を繰り返していればどんなボンヤリでも気づく。なので今じゃ無音になった瞬間、さっと鍋に駆け寄り蓋をずらして吹きこぼれを防ぐ。」
便利なものに頼ることをやめると自分の頭と手を使うことになる。自分に自信がもてるようになり、家事の楽しさ、気持ちよさを知る。逆に言うと、便利さを手に入れるってことはそうした楽しみを放棄するってことだ。
「生きている限り最低限の家事はどうしたってついて回るわけで、その家事が簡単なうえに楽しく、気分を明るくしてくれるのである。つまりは生きているだけでハイレベルな楽しさが保証されているんである。わたしは生きている限り、いつだって満たされているのだ。(略)「足りないもの」など何もない。p29」
「月まで行かずとも、我が幸せの全ては、今のこの小さな家の中に、そして自分の中にあったのだ。窓から見える青い空、白い雲、大きな木、鳥たち、木漏れ日……これ以上何が必要なのだろう。月旅行を夢見てそこに行けない自分を残念に思って生きているヒマがあるならば、キュッキュと窓を拭いてピカピカにすりゃ良かったのだ。(略)
私は無力なんかじゃなかった。わたしは自分で自分の幸せをつくり出すことができたのである。p258」
わかる! わたしもよくそう感じながら暮らしている。とりわけ認知症母の問題が片付いた後、去年あたりから、もう毎日幸せいっぱいではちきれそうなのである。
風やお日さまを感じたり、スイカの種から芽が出ただのぬか漬けがうまく漬かっただのと喜んだり…そんな小さなことでも十分なのに、そのうえさらに、面白い本はたんまりある、英語学習も楽器の練習も終わりがない。日常に小さな幸せがたくさんあって、夢中になれることがあって……これ以上の幸せってあるだろうか。
幸せはどこかにあるんじゃない。ここに、自分の中にあるんだよ。
Posted by ブクログ
「家事なんてなくなればいい」なんて言ってる場合じゃない。
むしろ家事は我先にと「取り合う」べきものである。
なぜかといえば、老若男女問わず、何をおいても家事をする者、すなわち「自分の身の回りの世話は自分でやる者」こそが人生の真の勝者になるのだ。
いやーー、この本に20代ラストイヤーが迫る今出会えてよかった!
この本を読むきっかけは、4月からのがっつり勤務and元気印の4歳育児シングルマザー生活が始まり
家事の存在が大きく負担に感じていたこと。
タイトルで「家事」か「地獄」か?
どう言うこと??!
と気になって読んでみたら
家事というのは自分の世話を自分でやりきり
自分の生活おいては人生を整えていく力そのものである!と強く強く言い切ってる本だった
本書を読んでからは家事が楽しくて仕方ない
今日はどこを掃除しよう
太陽の力に頼っての洗濯が嬉しい
これまで便利さ、富をたくさん持っていること
広い部屋に住むことこそが社会的な成功かと思っていたけど、
日々きちんと片付いた部屋で、清潔で着心地のよいお気に入りの服を着て、美味しく健康的なものを食べることができたなら、それは幸せなのであると思えた
4歳の息子と台所に立って一緒に料理をすることも増えた
世の中にはたくさん便利なことがあるけど
手で掃除をする、洗濯物を干すなどのアナログ家事が与えてくれる人間力をめいいっぱい享受して、楽しんでこうと思えた
Posted by ブクログ
タイトルから、家事が地獄っていう話なのかと思ったら全く逆で、家事をすることが人生において何よりも大事という内容だった。
便利であることが家事を面倒くさいこと、大変なことにしてしまっているという話にはうなづくことができる。便利な電化製品をやめること、膨大な服や物を処分してシンプルに生きることが実は幸せへの近道。食事だってご飯と汁物があれば十分だし、家事をできるだけシンプルにすることが自分の生活を豊かにするというのが目からウロコだった。
もし家族がいなくて一人暮らしだったら、こういう生活憧れるなあ。まずはできることを一つずつでもやってみたい。
Posted by ブクログ
可能性を広げるためにと買っていた様々な物たちが、実は自分自身の可能性を狭めていたのかも...
お金をたくさん稼げることよりも、「自分で家事ができること」や「人に親切にできること」等自分自身の内なる力がしっかりしていることの方が尊いなと思った。
家事をもっとシンプルにするために、家の中の物を減らすことから挑戦したい...
Posted by ブクログ
"家事か地獄か"
タイトルが秀逸すぎる。お金に頼らない生き方。無理をせず、自分の面倒を自分でみるその心意気。
痺れる。我が心の師匠。
"家事をやめるためのイナガキ流3原則"
その1、便利をやめる
その2、人生の可能性を広げない
その3、家事の分担をやめましょう
この3原則の先に待つ夢の世界とは、圧倒的なローコスト、そしてお金の方から寄ってくるラッキーパンチ、災害にビクともしない、自分が育つ、究極のエコライフ、そして老後対策ときた。
なんと希望に満ちたことか!
イナガキ師匠についていきます!といいたいが、まだまだこの境地にはいけず、ついていきたいです。止まりが現実笑
Posted by ブクログ
衝撃を受けました。
作者は、この令和の時代に
江戸時代的な生活を営む女性。
家に冷蔵庫がない。
とか
洗濯機がない。
とか
えっと···どうやって生活するんですか??
なんだか怖いもの見たさで
読み進めることに。
しかし元新聞社勤務していただけあって
彼女の世界観に引きこむ文章力が
やたらとすごい。
するりと心に入ったと思ったら
ガッチリつかまれました。
豊かな生活のために買った便利なモノたち。
あれも欲しいこれも欲しい···
欲望は留まることを知らず
モノはどんどん増え続けていく。
本当の幸せってなに。
自分が本当にやりたいことってなんだろう。
自分自身に問いつつ読みました。
いずれやってくる老後。
モノであふれ埃まみれの部屋で、
でも体力気力が落ちて片付けられず
途方にくれてぼんやりしている自分を
想像して···
ああ恐ろしい。
お片付け系の本や雑誌の家事特集はよく見るけど、
さらに一歩というか百歩くらい踏み込んで
人生を問う本書は貴重。
心に響きました。
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった本
私も家事は苦手 というかやらなくていいのならやりたくない笑
でも、家族を持ち、子供もいるのでやらなければいけない
仕事して疲れて帰ってきて、ご飯作り、必ず夜は洗濯
もちろん相方もやってくれます!それはもう助かってます
でも、やっぱり大変です
お金がたくさんあったら、毎日外食したいくらい
でも、外食のご飯を毎日なんて食べ続けられない
飽きてしまうし、身体に良くない
女の人は本当に大変だな、、、と思っていましたが、稲垣えみこさんの考え方からヒントたくさんもらえました!
結局は「欲望」なんです
まずはお洋服を減らします
来年は仕事も辞めてとても良いタイミング!!
今だからこそこの本に出会えて良かった
家事を見直す良い機会です
やる気出ました!!
Posted by ブクログ
最初から最後まで面白く読めた。
既に老後の私には、毎日の家事(特に炊事)が苦痛で、そうそう、そうなんだ!と味方を得た気分になった。
毎夕、翌日の献立を決めておかないと落ち着かない。
そこで、著者オススメの「調理法別に3種類作る」(①火を通さないおかず②さっと火を通すおかず③じっくり火を通すおかず)を、実践することに決めた!
お陰で、料理ストレスが減りそうだ。
しかし、それ以外の断捨離は家族持ちには、実現は難しい。
ただ、自分の服や持ち物だけは、可能な限り、減らして、残りの人生を快適に過ごしたい。
読後に、断捨離熱が上がりました!
Posted by ブクログ
ミニマリストの究極の姿を見せていただいた気がしました。自分は家族持ちなので、ここまで徹底は出来ませんが、少なくとも自分のものは出来るだけ減らそうと思います。また、家事を自分で行うことで、自分自身の尊厳を守ることが出来るのだと感じました。
Posted by ブクログ
実体験からの境地。
まねできれば、その境地感じてみたいけど、まねができない。
便利が大事にしているとは、目からうろこ。
その視点から、自分にできることを試してみたい。
Posted by ブクログ
考えが楽になる
あ、それだけでいいんだ、と気づかせてくれる
もっと稲垣さんの本を読みたい。
料理、凝らなくていいんだ
一汁一菜、漬物、でいいじゃん。
ハレトケ、で使い分けたらいいじゃん
安心した。
Posted by ブクログ
家電やサービスに頼らない家事能力という資産の有用性を説く
走り続けて金の出入りで全て賄うのもアリだが、天災や戦争などで物流やインフラが不足した時に金があったからといって全て賄えるか? というところに切り込む
食材調達は栄養素の偏りが懸念されるので完全自給を目指すのはなかなかしんどい……
Posted by ブクログ
元新聞記者の稲垣さんのご著書。退職を機にミニマリスト的な「ラク家事生活」を始めた顛末や内容を紹介しています。印象的なのは老後まで見据えた「修道院」的な生活を見据えていること。これまで考えたことがなかったのではっとしました。Audible で聴きました。
Posted by ブクログ
2025年 audible10冊目
ほぼ同時代を生きてきたからか、共感できすぎる。
頑張ってきた数々を手放すことで得られた自由。
ピアノ、体操、シンプル家事で満たされる日々。
でも、カフェでできる「仕事」や読みたい本、聴きたい音楽や描きたい絵があることもポイント。
たまに訪れる独立した子どもたち家族と共に楽しむ食事のためのキッチングッズは手放せそうにないけど、そこまでも想定、書き尽くしてくれている。
総理大臣が、もし日々調理をしているんだったら、日本の失われた30年はなかったと思う。
日本人の働き方も女性の雇用etc.の問題もきっと解決されてたと思う。総理大臣も早く家に帰らなきゃだし、ね。
女性が家事を「頑張る」ことが「伝統的な家族観」で「幸せの形」という社会から、いつになったら脱するのだろう。
追記
紙の本でも読みました!
写真が素敵!
そして、社会学部を卒業された稲垣さんは今、社会学者の域に達しておられたのだと感じました。
文庫本になったら、メンバーが年金生活に入りつつある読書会での、お題の本にします!
Posted by ブクログ
家事ができるとは「自分のことは自分でできる」ということ。家事が苦手な人、家が散らかりがちな人に読んで欲しい。しかし、かなり極端な例なので、全てこの本通りに実行しようとせず、やってみたいと思うことから試してみるのがおすすめ。
便利家電を揃えていくと、なぜか家事が億劫になるのはよくわかる。結局、ほうきとちりとりが1番心地良くて使ってしまう。
家族論、認知症の話も面白かった。
Posted by ブクログ
50歳からの人生を振り切ったようなシンプルな暮らし方と、そこに至った思いなどが綴られている。
原発事故での節電生活で家電を減らし、お母さんが老いのためにできることが減っていく姿を目の当たりにし、そして退職によって、いよいよ暮らしをコンパクト可せざるを得ない状況になる。
モノを持っているが故のストレスから解放されることがどんなに快適か。必ずやってくる老後には小さな暮らしで自分の世話ができることがどんなに安心か。ここまでできるのかという実証実験のようだ。共感するも、これは稲垣さんスタイル。快適と安心を手に入れるには、自分にあったスタイルを試行錯誤しながら見つけていくしかないかなぁ、と思う。
Posted by ブクログ
著者の家電に頼らない生活は一見ストイックだが、その裏には家事を自分のペースに取り戻す知恵がある。家事を負担ではなく日々を味わう時間に変えるヒントが詰まった、軽やかで実践的な一冊。家事力って大事だなと改めて。
Posted by ブクログ
家事は地獄だと日々思っている私。
読み終えてもその気持ちに大きな変化はなし。
稲垣さんも仰っているように、一人暮らしだったら家事をすること自体の幸せを感じたかもしれない。
提案通り「それぞれで自分の身の回りのことをやるのがいいんじゃない?」と言ってみたけど、予想通り「えー!」となった。
家族を説得する方が労力がかかるので、結局諦めモードに。
素手でトイレ掃除は出来そうにないけど、他のことはいつか一人暮らしになったらやってみたいな。
Posted by ブクログ
モノにまみれ、モノに執着することこそが人生の原動力だった過去の自分から、必要最低限のものだけに囲まれた静かな暮らしへの転換。
モノを手放すことはシアワセを手放すことではない。
何もかも揃った贅沢な家はそれはそれで豊かさのパターンの一つでしかない。
自分に稼ぐ力が無くなったときでも「モノ・カネ」に頼らず自分の能力・工夫で生きていけるようにするための重要な一歩としてモノを減らす。
単に「物を減らせば家事が減って楽になる」というだけでなく、ものを処分し暮らしを小さくすることで自分の五感が磨かれ、あらゆることに感謝の念が生まれるという説法のような内容。しかしとても軽い書き口であるので非常に読みやすい。
筆者が「便利」に振り回されずに生きるミニマリスト生活に変貌するまでの実録。
「これを処分したら不便だろうなぁ」と思いつつも手放し、結果として特に不便を感じなかったどころか管理の手間がなくなり楽になったという実体験があったため、結構フンフンと納得しながら読めた。この筆者のように冷蔵庫や洗濯機を手放すようなところまではいかないだろうが、少なくとも炊飯器は今の物が壊れても新しく買うことはないと思う。
「便利」のおかげで馬鹿になってしまった自分に喝を入れて、理想の暮らしを追求していきたい。
Posted by ブクログ
稲垣さんは、悟りの境地に達したようですね。
自分の面倒を自分でみる。それができることそのものが自分の幸せ。手に負える人生を手に入れること。
それが、家事をするってことなのだ。
でも、読んでる途中から、私にはできないな、いや、やりたくない…と思ってしまった笑
トイレに手を突っ込んで毎日掃除するのは、ムリ…。
それに寒いの苦手だし。
稲垣流ミニマリストになるには、やはり多くのものを捨てなければならないようです。私は捨てられない人だということを再確認してしまった読書でした。
Posted by ブクログ
地獄のようにがんばる家事はやめて、もっとラク家事をしよう!ってことか。
ラク家事なら、時間、お金、家族の揉めごとまで、すべて解決しそう。
災害の備えも、日ごろから一汁一菜なら、缶詰めもカップ麺もいらないか。
洗濯機もやめて、各自がタライで洗濯するのはどうかな?誰かがまとめてやった方がいいかな。
ただ、家事を全くせず、頼りっぱなしは、自分の可能性まで丸投げしていると。
驚いたが、稲垣さんが「こんまり本」を参考にされていた。
理想は江戸時代の貧乏長屋!
「ときめき」を越え、「それ、ないと死ぬ?」って、そりゃ物捨てられそう。
あと、認知症のお母様が、物が溢れた家で、今まで通りにできず茫然とするはなしや、修道女のシンプルな暮らしなど参考になる。
ここのところ、なにかとシンプルが好まれるけど、若い人が欲まみれの生活をしてみるのも、悪くない気はしてる。
Posted by ブクログ
読んでて参考になるところは大いにあるのだが、極端でもあるので全く同じような生活を目指すのはかなりハードルが高いと思われる。
個人的には、著者のお母様が認知症になった時に凝った料理が作れなくなる話が印象的だった。著者は家族がそれを母に求めた結果だと書いていたけど、本当に凝った料理を作るのが楽しくてそれが趣味だった場合、どうしたら良かったんだろうね。
私も編み物するけど、凝ったもの作るの好きだし、それを周りに「それ作らなくてもいいんだよ」と言われても途方に暮れると思う。
生活と趣味は密接で、老いた時の付き合い方を考えさせられた。
あと、こんまりの本をちゃんと読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
炊事、掃除、風呂、洗濯。一人暮らしゆえに営みとして日々こなしている。9割を捨てると決断すると自分が無くなるのか残した1割の中に自分を見出すのか。手放し、削ぎ落とした先に待つのは軽さかあるいは喪失感か。自分の面倒を自分で見るという営みそのものが実は自分を形づくっているのだと。単なる作業ではなく自分という存在を映す鏡だ。家事を通じて自分を支える行為そのものが自分の生き方であり幸せそのものであろう。