羽田圭介のレビュー一覧
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又吉じゃないほうとしてフューチャーされて、テレビでちょくちょく見かけてたときの飄々とした印象があったので、何となく作家として向き合うのが憚られこれが初挑戦。
家族ひいては兄弟という非常に限られた世界の中で繰り広げられる攻防。何とも粘着質で気分の悪いやりとりが続くが、後半の展開がどどっと盛り上がり読む手を止めることができなくなった。ほとんどこの兄弟しか登場しないのにこれだけの物語を編み出す力はもう素晴らしい。でも、共感ができるとか前向きになれるとかという感覚は全くなく(この小説に求めてはいけないけど)、何故か2人とも愛しくなってくる。どれだけ成熟してる風でも中高生の感覚から逸脱はしていないし、 -
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新刊のとき読んで、衝撃的な面白さだったんで。文庫見つけて即購入即再読。
この小説の面白さは、主人公サトウが、実直でないが真面目、道徳的ではないけれど倫理のボーダーラインが明確である、とか一見するとわかりにくい背反的な要素を多分に含んでいて、その性質をそのままプレイに活かしているところ。ようは、よく描かれがちな、社会的地位も高く周りから尊敬されていて人徳がある人が実はこんなに…っていう週刊誌的で安置なSM小説とは一線を画し、どちらが本当の自分かなんていう馬鹿らしいといかけもなしに己の価値観倫理観に沿って奴隷として邁進していくその姿が勇ましく、惚れ惚れしてしまうのだ。羽田さんの抑制の効いた文体と相 -
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中野を舞台とした30代後半の男が主人公。
引き込まれて一気に読んだ。
周囲に秘して不妊治療に取組む30代夫婦は少なくないと思う。不妊治療に伴う感情の機微や戦前から姿を変え続けている中野の街に触れつつ、30代後半となり、友人関係も変化していく。
結婚して子育てをしている友人、独身を謳歌する友人、マッチングアプリで婚活していると思いきや実は結婚している友人。
生活の変化とともに、いつの間にか趣味からも遠ざかっていき、人間関係も希薄化していく。
親世代に社会から切り離された孤独を感じる中、親しいと思っていた友人と連絡が取れなくなったりして将来への不安を感じる。
この年になっても新しい友人を作る社交 -
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Posted by ブクログ
残念ながら羽田さんの著作を読んでいないのでどういった小説を書くのかは全然存じ上げないが、羽田さんの思考がすごく人間ぽくて楽しみながら読んだ。
ちょうど家を買うかについて悩んでいたところだったので、読みながら自分は”家を買う”ことが目的になっていたなぁと思った。羽田さんはどんな家に住みたいか、どんな生活を自分が送りたいかをかなり詳細に描いて、それを実現できる家を探していて、本来はそうあるべきなことに気づいた。
理想の家?理想の生活?ないわけではないけど、今の家はそれなりにメリットがある。でも状況も環境も変わるから、ずっとここにいることはない。自分の家という存在は果たして何者なんだろう。 -
Posted by ブクログ
フォロワーさんにお勧めされた本。
自分では手に取らないジャンルで、そういう意味ではとてもエキサイティングだった。でも、普段触れないジャンルなので、話がどんな風に展開するのかわからなくて、読んでいる間中、なんかふわふわした、不安定な感じがした。
主人公はある意味ありふれた感性の、少しだけ外見の良い女性である。彼女の置かれている環境も、周囲の状態も、ひとつひとつを拾えばありふれている。それが後半になると、途端に現実味を失い、日常から逸脱する。前半と後半の温度差が極端に思うのだが、その変化はひたすらシームレスだ。綴られている文章が淡々としていることで、状況の割に感情の起伏が抑制的になっているか