羽田圭介のレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?

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    番組Pの佐久間宣之の『おわりに』が印象的だった。作家さん達の考え方の違いが面白く、文字だけで伝わる人柄みたいなものに押されて何冊か本をポチった。

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    2025年04月12日
  • ご本、出しときますね?

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    オードリーの若林と作家たちが対談し、”自分のルール”についてをメインに小説を書くにあたってのモチベーションや作品の映像化の話、小説には関係ない話まで色々と語る番組の書籍化。各回の最後にはオススメの本が紹介されています。それぞれのこだわりや持ち味が出ていて面白かったです。テレビで実際に話しているのを見たかったかな。

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    2025年03月21日
  • メタモルフォシス

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    会社員としての自己とSMに惹かれてしまう自己の相反するようでないまぜになった姿が描かれていた。表題作のメタモルフォシスもトーキョーの調教も緻密かつ淡白なものでSMの描写としては上手いが、所属する会社や社会に対してやや説明的であり、そこはハードボイルドに描かない方がSMの描写に強弱が出るのではないかと思ったが、あくまでも1会社員としての側面も描くためには仕方ないのかもしれない。

    しかし、収録されているどちらの作品も物語のそして会社員の主人公のその後は読み手が想像できる形で終わる。
    ある意味その先が破滅的なものか、それともまた別の生き方を主人公が取るのか想像の余地があるのは面白いが、少し盛り上が

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    2025年03月14日
  • Phantom ファントム

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    主人公とほぼ同じ投資をしてるので、ちょっとゾッとしました。羽田さんの作品は1作品しか読んだことないのですが、その時も、あー、こういう人たちいるなぁと思ったので、まさか自分がこういう人たち、の方になるとは…びっくりです。
    いわゆる株クラというか、そういう人たちを言語化してくれているなあと思いました。コスプレや新興宗教的な集団、外人部隊とネタ満載で面白かったです。

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    2025年03月01日
  • Phantom ファントム

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    経済的自立のため米国高配当株へ投資している30代女性が主人公。出費を考えるたび、この金を投資に回したら年利何パーだと何年後にいくらに増えている…と計算するのがおかしい。目先の金をケチったために友人からの信頼を失うのはお約束か。30代で手取り年収250万円の正社員というリアルさがいい。

    配当収益による分身、いわば一人ダブルインカムを実現できたとしてもその先にどんな生活を送りたいかのビジョンはあるのか。金融資産1億円を持っている高齢男性たちと会い、彼らが貧乏くさい配当生活を送っているのを知って投資一辺倒な人生の虚しさを悟るあたりまでは面白かった。

    後半は金の代わりに信頼をやりとりして暮らすカル

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    2025年02月15日
  • ご本、出しときますね?

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    若林さんは不思議な人だ。
    めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
    だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
    この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
    人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。

    私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
    この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
    あとは角田光代さん

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    2025年02月13日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    ネタバレ

    介護が必要となった祖父を孫である健斗が苦痛なく死なせるように努力する物語。

    今19歳の若者である私は、健斗の考え方に共感する部分がよくあった。まだ若い健斗は資格の勉強や筋トレなどを通して成長していくが、歳をとり体も悪くなり弱音をよく吐く祖父に対してイライラしたり、また、このような長生きさせても待っているのは死しかない老人たちを支えるために年金を払うことに嫌気がさしたりなど、今の多くの若者が考えていそうなことに共感できた。主人公の健斗は、このような悩みから解放されるために、普段から死にたいと嘆く祖父の願いを叶える、という大義名分のもとに祖父をだんだん衰えさせていってるんだなと思った。
    ただ、一

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    2025年02月12日
  • Phantom ファントム

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    おもしろかった。

    小説読み切れたことなかったけど、初めて読み切った小説

    主人公の境遇や登場する彼氏の設定も共感できる内容だし、後半は若干創作物感すごかったけど前半部の心理描写とかは面白くてさくさく読めた

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    2025年01月26日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    「ひいおばあちゃんもおじいちゃんも83歳で死なはったから、おばあちゃんも、って思ってたけど、全然お迎え来てくれはらんと、もう84歳になってしまったわ」
    つい先日帰省した時、祖母が呟いた言葉である。
    できるだけ自分のことは自分でやるように。毎日買い物に行って料理はしてね、そうしたらボケないから。主人公の母同様、私の母も口酸っぱく祖母にそう言う。おかげで祖母は元気な方で、まだ背骨は曲がっていないし週2で将棋にでかけ、調子のいい時は体操教室に参加する。そんな祖母でも、作中の祖父と同じようなセリフを吐くのだ。体調が悪い時に愚痴が多くなるのも同じだ。老人にしては充実している生活を送りつつも、そんなセリフ

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    2025年01月23日
  • Phantom ファントム

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    ネタバレ

    節約や投資にはまった気持ちがとてもリアル。一万円やそこらを節約するために友達をなくすのも現実のどこかにありそうな話。そんなケチケチ、ギスギス、計算たかくなってしまった子が自分や周りのためにお金を使えるようになっていくのが、なんだか救済に思えた。
    また、今どきのSNSで初めて知った系の情報が、じつは過去に使い古された手で、界隈の人たちがバカにするテレビや新聞などのオールドメディアも見ている人からするとヤバイものなのに、知らずに取り込まれておかしくなっていく様も、怖いけど現実味はある。
    知ることは本当に大事だ。自分の興味がないことも、知りたくなかったことも。怒りや不安を煽られて、誰かに搾取されない

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    2024年11月25日
  • 滅私(新潮文庫)

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    ミニマリスト的生活を送る男性主人公と、同じライフスタイルや価値観を持った人たちとのコミュニケーションがリアルに描かれている。


    ここ最近は「ミニマリスト」という言葉も定着し、異端児扱いされることも少なくなったように思う。


    本書に出てくる人物のように、ミニマリスト的生活を突き詰めると直面する「ジレンマ」や「空虚さ」を疑似体験できる。


    モノに溢れた実家に帰り入浴した際、小さい頃からそのままの古びた椅子を見て、「むしろ自分の方が消費文化に加担しているのではないか」とハッとするシーンがある。自分も同じような感覚を持ったことがあって、所有物がミニマムでも、トレンドを追っていると消費量は決して少

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    2024年11月24日
  • 三十代の初体験

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    羽田圭介さん初読み。
    ずっとやってみたいと思ってたけどできていなかったことを、満を持して実際に体験してみるエッセイ。
    年齢を重ねて自分が作られていくと、決めつけや固定概念が多くなってしまう。
    本書は新しい価値観や流行り物を一歩引いた視点から冷笑するのではなく、実際に体験し感じたことを素直に綴られている。
    ネイルに臨んだり女子高生向けの映画を鑑賞するのには驚いた。
    なんてバイタリティ…
    自分も先入観を打ち破るべくいろんなことに挑戦したいと思わせてくれた。

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    2024年11月06日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    足し算の介護という恐ろしい言葉
    早く死なせるために介護するという

    社会保障費の在り方を考えさせられた。
    経済と倫理のせめぎあい。
    人間が合理的であれば社会保障費なんて全然要らないんだろうな

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    2024年11月03日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子さん、朝井リョウさん、加藤千恵さん、羽田圭介さんなど、多数の著名な作家さんとのトークがとにかく面白い。
    みなさん言葉選びが秀逸で何気ない話でも深さが出て思わず笑ってしまう。
    親交の深い若林さんだからこそ聞ける攻めた質問も多数あって興味深かった。
    いろんな作家さんの人間性が垣間見れる。
    マイルールやオススメの一冊などを紹介してくれていて、読みたい本も見つけらた。

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    2024年11月03日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    この本を読んでから上り下りでエレベーターを使わずに階段を使ったり、家で筋トレをするようになった。使わない器官は衰えてしまうので。

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    2024年10月22日
  • 5時過ぎランチ

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    1.グレーゾーン
    洗車依頼の車に血痕と思しきものが付着しているのを見つけてしまった、
    女性アルバイト。
    2.内なる殺人者
    小麦アレルギー持ちの殺し屋。
    3.誰がための朝食
    国家権力を敵に回した写真週刊誌の女性編集者。

    表題作は存在せず、3篇を読めば、タイトルの意味が解ります。
    って1篇読めば理解するかもしれませんね。
    1作目のグレーゾーンは、ちょっとばかし村田紗耶香のコンビニ人間
    に似てる部分もあるかなって感じました。
    エンタメ性が強く、純文学だとしてもだいぶ読みやすい作品。

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    2024年10月01日
  • 滅私(新潮文庫)

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    話の筋はあってない様なものだと思う。カバーや帯には「不穏さ」とあるが、何かそら恐ろしさを感じる事が出来たら著者の意図に少しでも近付けたのではないか、と感じた。

    本書からは逸れるが、自分は家族で住む家をワンルームや大空間にまとめ上げようとする考えにそら恐ろしさを感じてしまう。ベンサムのパプティコンの様に家族を監視下に置きたいという深層心理が滲み出ている様な感じがして。新たな家父(母)長制の一種ではないか、とすら思ってしまう。

    喜久屋書店阿倍野店にて購入。

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    2024年09月04日
  • 滅私(新潮文庫)

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    持たない暮らしを推奨するウェブサイトの運営などをしている30代前半のミニマリストの男が主人公。
    ミニマルな生活の良さを説く小説かと思いきや、物語の中でどんどんミニマリズムの欠点や矛盾を炙り出していく。
    確かに不用品を捨ててしまうと見せ場はもう終わる、コンテンツにあげることがなくなってしまうからミニマリストインフルエンサーたちはみんなグッズプロデュースをしたりするのか…
    読み終わって自分の価値観や物を見る目がちょっと変わった気がした。
     

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    2024年08月07日
  • ご本、出しときますね?

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    面白い企画。小説家2人とオードリー若林の鼎談。
    お互いへの質問、それぞれのマイルール、おすすめ本という流れで、読みたい本が増えた。
    村田沙耶香さんがすごく個性的で面白い。

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    2024年06月29日
  • ポルシェ太郎

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    太郎がよい具合にいらっとするキャラなので、早く悪いことが彼の身に起きてほしいと願ってしまい、それが見事にかなえられる本。
    太郎、明らかに犯罪に巻き込まれているのにそこまで恐怖していないのは、太郎が男性だからなのか未来を不安に思わない性質だからなのか…
    女体と金の交換、その結果としての離別、ホモソーシャル階層の中で右往左往する太郎、乗用車ヒエラルキー(プリウスよりポルシェは高価だが、ポルシェより高価な車もまた…)に負ける太郎…等、太郎君の”負け”を楽しく消費させていただきました。

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    2024年06月24日