羽田圭介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フォロワーさんにお勧めされた本。
自分では手に取らないジャンルで、そういう意味ではとてもエキサイティングだった。でも、普段触れないジャンルなので、話がどんな風に展開するのかわからなくて、読んでいる間中、なんかふわふわした、不安定な感じがした。
主人公はある意味ありふれた感性の、少しだけ外見の良い女性である。彼女の置かれている環境も、周囲の状態も、ひとつひとつを拾えばありふれている。それが後半になると、途端に現実味を失い、日常から逸脱する。前半と後半の温度差が極端に思うのだが、その変化はひたすらシームレスだ。綴られている文章が淡々としていることで、状況の割に感情の起伏が抑制的になっているからだと思う。
200頁に満たない文量なので、読むこと自体は難しくないが、色々と考える部分はある。すすめてくれたフォロワーさんには感謝したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミニマリストに憧れた時期もあって、よくブログを読んでいたから、ミニマリスト界隈のあるあるや言動を「わかるわ〜」と思いながらが読んだ。ミニマリストのブログやSNSって、異口同音に同じことしか書いてないのに、すっきりしたいときとかに、つい読んでしまう中毒性がある。
コミュニティの仲間との関係性、過去の暗部を知っている人との絡み、恋人との関係性、ゴミ屋敷に惹かれていくさまなど、一見つながりがなさそうなものが主人公の逡巡とうまく重なりあって、不穏ながら奥深いストーリーになっていた。
複雑なことを考えることを避け、無意識に捨てるという行動をしてしまうことや、行きすぎた行動がかえって家族の精神的安全を奪ってしまうことなど、羽田さんのミニマリストの考察が的確。
後半は現実味がなさすぎるけど、それなりの黒歴史がある冴津ならやりかねないと思ったし、建前で覆って見えづらかった本性の現れかと思った。最後は、これまでの行いが仇となってしまったかと感じたが、あまりにも虚しかった。 -
Posted by ブクログ
物をなるべく持たないようにしたいと思いながら、資本主義特有の流行り廃りの早さに巻き込まれたり、商売によって他人には物を勧める自己矛盾に苦しむ姿に「行き過ぎた結果」を見た。しかし、同時に行き過ぎた、とはどういう状態なのだろうという疑問も湧いた。本人にとっては身の回りをすっきりさせるための正常なこととして物を捨てたり、売ったりするわけで、そこにおかしな点を見出すのは難しく思う。環境にやさしいと言いながらゴミを増やす矛盾や、思想とビジネスの矛盾は結果論だと捉えると問題の所在が一気に曖昧になる。本人の荒れた性格や、突然芸術に走る指向性には危うさを感じながらも、それすら「行き過ぎた結果」の連続だったというのなら、個人の問題に転嫁させているだけだ。事実、そう認識せざるを得ないほど罪を重ねてはいるのだが、個別の罪と、思想の矛盾それぞれの「行き過ぎ」を紐解かないと雑にその範疇に収めて無思考に陥ると思った。