羽田圭介のレビュー一覧
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ネタバレ全体的に、自分が主となって送っていた(と思っていた)日常に、ある日別の視点が入る、相手主導になるような作品が多いような。
時に、エッセイ風の「渋谷と彼の地」が本人の思い、葛藤を感じ取れて良かった。
東京五輪に否定的な思いを抱きながらも、ラジオでは発しない。ロケで東日本大震災の被災地を訪れても、その詳細や実情は知らない。他の人以上に発信力、影響力を持ちながらも黙し続けることへの葛藤、憤り、歯痒さ。思い立って被災地を回りお金を落とす行動力も見事。
以下、印象に残った部分なと
・彼女が来たがっていた場所に連れてきても、ひとしきり写真を撮った後はもうここではないどこかの景色や料理を夢見ている。
・結婚のふんぎりが付かないまま、毎週末に自分の時間を作るべく彼女を目覚めさせる朝食作りに専念。ある日突然、結婚相談所で出会った人との結婚を宣言されて自分の時間を手に入れる。
・ジムのムック本企画でパーソナルトレーニングを無料体験。地獄のようなトレーニングと周りに気を遣わせるほどの食事制限に根を上げると、編集サイドはあっさりOK。一方、担当トレーナーは顔面蒼白に。使命感が湧き、信頼関係のために身体をいじめ抜く。
・両家顔合わせで出会い交流が始まったが、息子と娘夫婦が泥沼の離婚劇。父親同士の友人関係に白い目が向けられ、今回の集まりが最後かと思っていたが、次の約束をすることで自立を感じる。 -
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ネタバレ投資とお金の話がメインだから漢数字がたくさん出てきてそこはちょこちょこ飛ばしながら読んだけど、続きが気になるからサクサク読み進められる!
人は簡単に自分の考えを変えることはできないよね〜
信じているものが周りから見たら間違っていたとしても自分が否定してしまったら、今までの自分を否定してしまうことになるから。認められないって気持ちもあるのかな。
他者が働きかけても自分が変わろうとしなければ変わることができないのももどかしい。
傭兵と末の村の在り方の対比もすごいし、観葉植物が大きくなって生活に支障がでること・投資によって生活のランクを下げることの対比もいいし。
表現が素晴らしいところがたくさんあった!
積読チャンネルでおすすめされてるのを見てから読んだので、末が出てくる度に堀元さんが頭の中に現れていた。 -
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羽田圭介氏の芥川賞受賞作であり、青年と祖父による介護小説。体が弱り、「死んだほうがまし」が口癖の祖父を見て、主人公の青年は祖父が死ぬ手伝いをしようとする。その方法とは、祖父の行動を手伝ったり、生活の障害をなくすことで身体と頭を使わせず、はやく弱らせること。
題名の「スクラップ・アンド・ビルド」は、将来を生きていく青年と老いて死にゆく祖父との対比である。同時に、祖父の現状を見てマッチョイズムに目覚め、「自分を鍛えてより良い生活を手に入れよう」と筋トレに励む主人公の行動をも象徴している。この態度は結末部分に現れる男根のメタファーにも表れている。この筋トレは少々度を越しており、彼女とのセックスも「セックスでしか鍛えられない筋肉がある」としてトレーニングの一環として捉えている。そのせいか彼女にはあっさり振られる(自業自得ダネタ!)
そしてこの小説では「死んだほうがまし」の口癖とは裏腹の老人の狡猾さ(生への執着とも言える)も描いている。これにより、読者の老人に対する認識は、「かわいそうなおじいさん」から徐々に変容していくことになる。
青年と老人の関係をユーモラスに描いているのは面白い。親戚が集める場面での主人公の悪態(アフォリズム)には思わず笑ってしまう。ただ主人公は20代後半にも関わらず独善的で、言動も幼稚なのである。信じられないぐらいに。これがこの小説を読む妨げだと感じるかどうかで評価が変わってくる。また、特筆すべき(文学的)新鮮さはあまりないし、振り切った狂気のような凄みも感じない。よって評価は⭐︎3。「普通」。 -
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あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
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ネタバレまずは女性側で不妊治療を経験した視点からの感想として、、
男性側が、不妊治療に向き合う上での心情の変化がとてもリアルに感じた。
上手くいかなかったことを受け入れる覚悟をした矢先。本来は喜ばしい妊娠発覚だが、奥様の心境の変化にもついていけず、取り残されたような感覚に。最後は突拍子もない行動に出るも、結局は変化してしまった世界を受け入れる覚悟をしたのかな?と読み取りました。
周りの人間に色々な変化・出来事が起こる中で、最後まで回収されないことも多く、どういう感情で読めば良いものか難しいなとも思いましたが、いろんな感情が交錯しよくわからなくなってるところが、人間のリアルだな〜と思い、一気読みさせていただきました。 -
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【あらすじ】
・得意なもの、誇れるものも特になく、5年間続けた仕事もやめ、母と祖父と3人で暮らしている30歳ぐらいの男、健斗が主人公である。メリハリのない日々を送っていく中で、肉体・精神的に弱っていく、「じいちゃんなんか、早う死んだらよか」が口癖の祖父の姿を見て、感じることがでてくるのであった。「日々やることがなく、睡眠と覚醒のはざまをいったりきたりしながら、全身の痛みに悩まされている祖父にとっての生きる意味とはなんなのか」。高齢者にとっての尊厳死が現実味を帯びて感じられるようになり、間接的に祖父の尊厳死をかなえてあげたいと思うようになる。そのために健斗がとった方策は、徹底的に祖父の介助をしてあげることによって、身体・そして脳を廃用性萎縮に追い込むことであった。
そしてその疑問は、程度、年齢こそ違えど、漫然とした日々を過ごす自分に直接にはねかえってくる。この思いを振り切るために、肉体鍛錬に励むようになる。肉体鍛錬により、自分が高い位置にのぼったと感じることで、本当はできることをせずに助けを求める祖父の姿をみて、いらだちを隠せなくなる。そのいらだちにより、尊厳死の間接的なほう助にとどまらず、浴槽で直接的に祖父を殺めるような行動をとってしまう。その時のもがく祖父の姿を見て、祖父を生に執着していることに気が付く。
人間は、生きている限り、もがきながらも生きていくことしかできない。
【感想】
・尊厳死に関する問題提起のような出だしかと思えば、最終的には、生への肯定ととれる終わり方であった。人間は、どんなに弱っている状況でも、生に執着する生き物である。しかし、執着は苦しみを生み出すもととなる。
終末期医療の文脈で、尊厳死・安楽死、またそこにいかないまでも積極的延命治療の是非の問題はかならずでてくる。満足なACPをすることなく、本人が意志を表明できなくなったときに、家族が本人の推定意思を推し量り、「命の選択」を迫られることを求められる。これは、残された家族にとって、他人の生命を決めなければならないというとんでもない重圧をおしつけられることになる。また、ACPを行っていて延命治療を行わないとなっていたとして、本人が生への執着を捨てきれていない場合、結局家族にとって他人の命を奪うという決断をしなくてはいけないこととなる。そして、本人が生への執着を捨てられていたとしても、家族が生への執着を捨てられていない場合、本人の意思に反した延命治療が行われることとなる。
こういった事態を避けるためには、生への執着を捨てるという悟りを、家族全員が共有している必要がある。
これはあくまで理想論であり、われわれ医療者は、こうした境地に達していない患者およびその関係者に対して、終末期の選択を強いていく必要がある。生への執着を本人が捨てられていない状況では、どのような説明も無効であり、おそらく最大限の治療をすることしか道はないと思われる。 -
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ネタバレ八王子に住む高校2年生の本田は陸上部の練習に自転車で向かう。そのまま北に走り続けて、ついに青森へ。
学校もさぼり、彼女や友達にも風邪と嘘をつきながら、ただ走り続けていってしまう。観光するわけでもなく、ただ走り、走っていることに反応がよかった小学校の時の知り合いにメールを送り、彼女には反応が悪いからと嘘を突き通す。仲間たちとのくだらない会話も嫌いではないんだろうけど、行ったことのないところに気の赴くまま行ってしまう。考え方や会話に知性の高さも感じるが、なぜか帰る方向には進めない。
やっていることがよくわからないけど、これが高校生なんだろう。