羽田圭介のレビュー一覧
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ネタバレ最近有名な人の本だ。へぇ、SMを描いた本か、おもしろそうだな。
そんな感じで手にとって購入。
メタモルフォシスは死にかけることで生への執着を取り戻すというか、それほどの痛みや恐怖を感じないと生を実感できないというか、そんな人の話だった。一人の同志の死をキッカケにじわりじわりと崩れていき、構築されていく主人公の人生観。マゾヒストって難しそうだな。
トーキョーの調教はマゾヒズムという自己を確率していくことで元々あった自身のアイデンティティーを失っていく話。
一貫して思ったのはSMの女王様ってほんとサービス業なんだなってこと。
すっっっごい尽くしてるよね。そしてマゾヒストは自分のことばかりでめんどくさそうだ。
知らない世界でおもしろかった。書き方も好きです。 -
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ネタバレミニマリスト気質の自分としては、前半の物を減らして合理的に生きようとする思想や生活には共感する部分が多く、興味深く読めた。
物だけでなく人間関係まで必要最低限に整理しようとする主人公。
しかし、過去を知る人物が現れ、捨て去ったはずの記憶や人間関係が再び現在の生活に入り込んでくる。
物は処分できても、過去の行為や他人の記憶まではミニマリズム化では消せない。
この対比は、ミニマリズムの限界を描くものとして面白かった。
ただ、後半から終盤にかけては、物語が急に別の方向へ進んでしまったようにも感じた。
特にゴミ屋敷での創作活動から破滅的な結末へ向かう展開は、どこかホラーめいていて戸惑いが残った。
作者なりの意図や象徴性はあるのだろうが、
自分には前半からの因果のつながりが十分に感じられず、
別の物語が付け足されたような印象もあった。
前半の思想的な面白さと、終盤の異様な展開。
その落差が印象に残る作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ健斗は退職したことで天井を一日中見つめるだけの介護されている祖父の「死にたか」の苦しさを知り、尊厳死させるようあらゆる手助けをして心身を弱らせようとする。その逆をいって鍛えれば自分は有意義に生きられるのだ。でも溺れた風呂から必死に上がろうとする祖父の「生きたさ」。それや祖父の狡猾さに意外性がなかった。「医療の発達は不幸な老人を生む」は共感できた。
脳も含めた己の全身改造に励む健斗の迷いのなさの根底には、老人を弱らせるのと逆をいけばすべての能力は向上し人生も前進するという、シンプルな悟りがあった。
年金は払わない、老人を生かすだけ
祖父になりきり、何もしないと死にたくなることを確認し安堵。
病院で苦しんで死ぬな、安らかに死ね。
祖父をスクラップして若く元気な自分をビルド。
古い筋肉繊維を壊し新たな筋肉をビルド。 -
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ネタバレ全体的に、自分が主となって送っていた(と思っていた)日常に、ある日別の視点が入る、相手主導になるような作品が多いような。
時に、エッセイ風の「渋谷と彼の地」が本人の思い、葛藤を感じ取れて良かった。
東京五輪に否定的な思いを抱きながらも、ラジオでは発しない。ロケで東日本大震災の被災地を訪れても、その詳細や実情は知らない。他の人以上に発信力、影響力を持ちながらも黙し続けることへの葛藤、憤り、歯痒さ。思い立って被災地を回りお金を落とす行動力も見事。
以下、印象に残った部分なと
・彼女が来たがっていた場所に連れてきても、ひとしきり写真を撮った後はもうここではないどこかの景色や料理を夢見ている。
・結婚のふんぎりが付かないまま、毎週末に自分の時間を作るべく彼女を目覚めさせる朝食作りに専念。ある日突然、結婚相談所で出会った人との結婚を宣言されて自分の時間を手に入れる。
・ジムのムック本企画でパーソナルトレーニングを無料体験。地獄のようなトレーニングと周りに気を遣わせるほどの食事制限に根を上げると、編集サイドはあっさりOK。一方、担当トレーナーは顔面蒼白に。使命感が湧き、信頼関係のために身体をいじめ抜く。
・両家顔合わせで出会い交流が始まったが、息子と娘夫婦が泥沼の離婚劇。父親同士の友人関係に白い目が向けられ、今回の集まりが最後かと思っていたが、次の約束をすることで自立を感じる。 -
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ネタバレ投資とお金の話がメインだから漢数字がたくさん出てきてそこはちょこちょこ飛ばしながら読んだけど、続きが気になるからサクサク読み進められる!
人は簡単に自分の考えを変えることはできないよね〜
信じているものが周りから見たら間違っていたとしても自分が否定してしまったら、今までの自分を否定してしまうことになるから。認められないって気持ちもあるのかな。
他者が働きかけても自分が変わろうとしなければ変わることができないのももどかしい。
傭兵と末の村の在り方の対比もすごいし、観葉植物が大きくなって生活に支障がでること・投資によって生活のランクを下げることの対比もいいし。
表現が素晴らしいところがたくさんあった!
積読チャンネルでおすすめされてるのを見てから読んだので、末が出てくる度に堀元さんが頭の中に現れていた。 -
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羽田圭介氏の芥川賞受賞作であり、青年と祖父による介護小説。体が弱り、「死んだほうがまし」が口癖の祖父を見て、主人公の青年は祖父が死ぬ手伝いをしようとする。その方法とは、祖父の行動を手伝ったり、生活の障害をなくすことで身体と頭を使わせず、はやく弱らせること。
題名の「スクラップ・アンド・ビルド」は、将来を生きていく青年と老いて死にゆく祖父との対比である。同時に、祖父の現状を見てマッチョイズムに目覚め、「自分を鍛えてより良い生活を手に入れよう」と筋トレに励む主人公の行動をも象徴している。この態度は結末部分に現れる男根のメタファーにも表れている。この筋トレは少々度を越しており、彼女とのセックスも「セックスでしか鍛えられない筋肉がある」としてトレーニングの一環として捉えている。そのせいか彼女にはあっさり振られる(自業自得ダネタ!)
そしてこの小説では「死んだほうがまし」の口癖とは裏腹の老人の狡猾さ(生への執着とも言える)も描いている。これにより、読者の老人に対する認識は、「かわいそうなおじいさん」から徐々に変容していくことになる。
青年と老人の関係をユーモラスに描いているのは面白い。親戚が集める場面での主人公の悪態(アフォリズム)には思わず笑ってしまう。ただ主人公は20代後半にも関わらず独善的で、言動も幼稚なのである。信じられないぐらいに。これがこの小説を読む妨げだと感じるかどうかで評価が変わってくる。また、特筆すべき(文学的)新鮮さはあまりないし、振り切った狂気のような凄みも感じない。よって評価は⭐︎3。「普通」。 -
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あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
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ネタバレまずは女性側で不妊治療を経験した視点からの感想として、、
男性側が、不妊治療に向き合う上での心情の変化がとてもリアルに感じた。
上手くいかなかったことを受け入れる覚悟をした矢先。本来は喜ばしい妊娠発覚だが、奥様の心境の変化にもついていけず、取り残されたような感覚に。最後は突拍子もない行動に出るも、結局は変化してしまった世界を受け入れる覚悟をしたのかな?と読み取りました。
周りの人間に色々な変化・出来事が起こる中で、最後まで回収されないことも多く、どういう感情で読めば良いものか難しいなとも思いましたが、いろんな感情が交錯しよくわからなくなってるところが、人間のリアルだな〜と思い、一気読みさせていただきました。