羽田圭介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の自己認識が狂っていって、何が現実で何が妄想なのかわからなくなって終わる作品。
P.332の編集者の言葉
『(前略)というか、もうひょっとして、Kくんの現実は書き換えられてしまっているんじゃないか?』
というのが答えなんじゃないかと思っている。
自分が書いた小説世界に現実が飲み込まれてしまう男の話。
違うかな。あとでみんなの感想をチェックしてみよっと。
内容自体は同じことを繰り返し読んでいるような感じなんだけど、妙に読みやすいのでそのまま読み続けてしまう。
執拗に繰り返される女漁り・セックス描写とか、読んでて虚無の時間なんだけど。
でもそれが作中に頻出する「成功者K」という呼び名と合 -
Posted by ブクログ
叔父の家に住まわせてもらいながら、
予備校に通い、親には息抜きという体でバイトもしている。
バイト先は自転車で通うものの、20キロと遠い。
そんな折に、仕事先で仲良くなった仲間のうちホストもしているという、
仲間から車検が切れかけてる車をもらえることになるのだが・・・。
表題作の中編と「一丁目一番地」の短編からなる2部構成。
2作品の共通点は、好奇心ってところでしょうか。
人にはそれぞれ好奇心があり魅了されるものがある、
と思いますが、
その対象が、いつ現れて、それが何かってことになる。
表題作では、車に魅了され、2作目では、競馬に魅了される。
本を読む人たちは、次読みたい本に魅了され、
読 -
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Posted by ブクログ
『あさり中毒』
『冷たい流動体は、心臓に開いた穴からじわじわと周りを侵食していく…流動体、という表現も間違っている。もっとサラサラとしていて、澄んでいる。黒の原色であって、尚且つ澄んでいる。そしてそれは、凍えるほどに冷たい』
『熱湯を頭から修作に浴びせ、悶えているところをヤカンで殴りつける。包丁の柄の部分で五指をすべて潰してやり、強引に瞼を開かせ、塩素系洗剤をぶっかけて目玉を蒸発させる。髪の毛を掴んで、点火したガスコンロに何度も何度も顔面を打ちつけてやる。そして家の外のごみ置き場に蹴り倒して放置する』
やられたらやり返す!壮絶な兄弟喧嘩のお話。正気な兄と狂気な弟を兄目線で書かれている。
現 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ序盤からは、弟のアサリと、それに気づきつつも冷静さを保っている兄の描写がひたすら続き、そこまでの波乱はなく進んでいきます。
カウンセリングを経て、弟を許そうと決意した兄が、帰宅してからはじまるストーリーからが、この小説のスタートとも言えるのではないでしょうか。
初めて黒冷水という言葉が出てきてから、引き込まれるようにして読みました。
完 までのエンディングは、兄の改心とともに、それまでの戦争に終止符が打たれるような描写で、綺麗に丸く収めるのか〜と思いつつ、あまりしっくりこない感じでした。
が、その後の展開で、この本が評価される意味がわかりました。
最初は夢オチ?と言う感じで、なんだよーと思い -