羽田圭介のレビュー一覧
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中編と短編の2作品からなる。
表題で中編の御不浄バトルの主な舞台は、トイレの個室と職場。
主人公は、仕事に向かう途中で必ずトイレの個室で大便をすることが、
日常となっていた。
職場は、新卒で就職したが、とんでもない悪徳企業であった。
大卒ということもあって、悪徳業務ではない事務として採用されていた。
しかし、その悪徳業務に携わらざるを得なくなり、仕事を辞めるために翻弄する。
短編のほうは、ヤング男性向けファッション雑誌を出版している零細出版社に
務める社員と部下やバイトとのやり取りを描いた作品。
御不浄バトルでのトイレシーンがどうしても受け入れられない人も
いるかもしれないし、受け入れられ -
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ネタバレこれまた1年半くらい前に読んだ本。
「むらさきのスカートの女」に続く芥川賞受賞作品。
これまた意外と面白くて「死にたかー死にたかー、死なせてくれー死なせてくれー」って言う祖父と孫のやり取り。
いつもそんなことを言って気を引く割に、デイケアだったかどこかの介護してくれる女の子のお尻かなんかはしっかり触るっていう。
で、孫もいい加減にしろやーと。
でもそんな事を言いながら孫、なんだかんだ優しい。
最後は、なんだかえっていうぐらい、祖父がしっかりしてたというか、心がちゃんと祖父になってると思った気がする。
「意外と良かった。孫が清々しい。」というのが、読後残していたメモだった。
でも自分が介護 -
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ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ
「兄弟喧嘩」をここまで魅せる…
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、執拗に監視・報復する兄。出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」。兄弟間の果てしない確執に終わりはあるのか?当時史上最年少十七歳・第四十回文藝賞受賞作!
⚫︎感想(⚫︎ネタバレ注意)
「兄弟喧嘩」をここまで発展させ、読者を最後まで惹きつける。小説家とはやはり感受性、想像力、表現力を併せ持つ特別な人々なんだなぁと改めて感じた。真剣でやばいのだが、ベースは兄弟喧嘩なので、ダークなんだけど、ちょっと笑ってしまうというか。そういったところは芥川賞受賞作の「スクラップアンドビルド」にも感 -
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トイレ(うんこ)という、表立って取り上げられることが少ない、しかしながら人々にとって極めて身近なテーマがタイトルになっている本作では、生活リズムの中で多くの人がすれちがう「公共の場所にあるトイレ」がキーポイントになっています。
会話をするわけでもなく、どこの誰か、何をしている日とかも知らないけれど、毎朝のトイレで顔を合わせたり、隣り合う個室で時間を共有する他人との時間や、職場のトイレでの一幕など、物語の要所要所ででてくるトイレでの過ごし方の描写は、生々しくリアルです。
ブラック企業で働く主人公を描いた「御不浄バトル」とそのスピンオフ作品である「荒野のサクセス」が収録されています。
たしかに -
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お仕事小説+SM、というなんとも想像しがたい内容の短編2作の物語。
1作目の主題作品、メタモルフォシスは、
金融機関で営業マンとしてネットが主流になりつつある中、
店舗に足を運んできたり、自宅に訪問したりで、対面での金融投資を
しようとする人たちにうまいこと営業をして儲けを出していくという
仕事をしている中で、SMのハードプレイを追い求めていく。
2作目のトーキョー調教は、
13年目のアナウンサーがメインの仕事とアナウンススクールの講師として
掛け持ちてる中で、SMのデリヘルを利用しながら展開していく・・・。
どちらもSM描写は慣れが必要って感じがあり、読むのに苦慮する人も
多くいそうで、 -
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