羽田圭介のレビュー一覧

  • Phantom ファントム

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    ネタバレ

    節約や投資にはまった気持ちがとてもリアル。一万円やそこらを節約するために友達をなくすのも現実のどこかにありそうな話。そんなケチケチ、ギスギス、計算たかくなってしまった子が自分や周りのためにお金を使えるようになっていくのが、なんだか救済に思えた。
    また、今どきのSNSで初めて知った系の情報が、じつは過去に使い古された手で、界隈の人たちがバカにするテレビや新聞などのオールドメディアも見ている人からするとヤバイものなのに、知らずに取り込まれておかしくなっていく様も、怖いけど現実味はある。
    知ることは本当に大事だ。自分の興味がないことも、知りたくなかったことも。怒りや不安を煽られて、誰かに搾取されない

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    2024年11月25日
  • 滅私(新潮文庫)

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    ミニマリスト的生活を送る男性主人公と、同じライフスタイルや価値観を持った人たちとのコミュニケーションがリアルに描かれている。


    ここ最近は「ミニマリスト」という言葉も定着し、異端児扱いされることも少なくなったように思う。


    本書に出てくる人物のように、ミニマリスト的生活を突き詰めると直面する「ジレンマ」や「空虚さ」を疑似体験できる。


    モノに溢れた実家に帰り入浴した際、小さい頃からそのままの古びた椅子を見て、「むしろ自分の方が消費文化に加担しているのではないか」とハッとするシーンがある。自分も同じような感覚を持ったことがあって、所有物がミニマムでも、トレンドを追っていると消費量は決して少

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    2024年11月24日
  • 三十代の初体験

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    羽田圭介さん初読み。
    ずっとやってみたいと思ってたけどできていなかったことを、満を持して実際に体験してみるエッセイ。
    年齢を重ねて自分が作られていくと、決めつけや固定概念が多くなってしまう。
    本書は新しい価値観や流行り物を一歩引いた視点から冷笑するのではなく、実際に体験し感じたことを素直に綴られている。
    ネイルに臨んだり女子高生向けの映画を鑑賞するのには驚いた。
    なんてバイタリティ…
    自分も先入観を打ち破るべくいろんなことに挑戦したいと思わせてくれた。

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    2024年11月06日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    足し算の介護という恐ろしい言葉
    早く死なせるために介護するという

    社会保障費の在り方を考えさせられた。
    経済と倫理のせめぎあい。
    人間が合理的であれば社会保障費なんて全然要らないんだろうな

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    2024年11月03日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子さん、朝井リョウさん、加藤千恵さん、羽田圭介さんなど、多数の著名な作家さんとのトークがとにかく面白い。
    みなさん言葉選びが秀逸で何気ない話でも深さが出て思わず笑ってしまう。
    親交の深い若林さんだからこそ聞ける攻めた質問も多数あって興味深かった。
    いろんな作家さんの人間性が垣間見れる。
    マイルールやオススメの一冊などを紹介してくれていて、読みたい本も見つけらた。

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    2024年11月03日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    この本を読んでから上り下りでエレベーターを使わずに階段を使ったり、家で筋トレをするようになった。使わない器官は衰えてしまうので。

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    2024年10月22日
  • 5時過ぎランチ

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    1.グレーゾーン
    洗車依頼の車に血痕と思しきものが付着しているのを見つけてしまった、
    女性アルバイト。
    2.内なる殺人者
    小麦アレルギー持ちの殺し屋。
    3.誰がための朝食
    国家権力を敵に回した写真週刊誌の女性編集者。

    表題作は存在せず、3篇を読めば、タイトルの意味が解ります。
    って1篇読めば理解するかもしれませんね。
    1作目のグレーゾーンは、ちょっとばかし村田紗耶香のコンビニ人間
    に似てる部分もあるかなって感じました。
    エンタメ性が強く、純文学だとしてもだいぶ読みやすい作品。

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    2024年10月01日
  • 滅私(新潮文庫)

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    話の筋はあってない様なものだと思う。カバーや帯には「不穏さ」とあるが、何かそら恐ろしさを感じる事が出来たら著者の意図に少しでも近付けたのではないか、と感じた。

    本書からは逸れるが、自分は家族で住む家をワンルームや大空間にまとめ上げようとする考えにそら恐ろしさを感じてしまう。ベンサムのパプティコンの様に家族を監視下に置きたいという深層心理が滲み出ている様な感じがして。新たな家父(母)長制の一種ではないか、とすら思ってしまう。

    喜久屋書店阿倍野店にて購入。

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    2024年09月04日
  • 滅私(新潮文庫)

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    持たない暮らしを推奨するウェブサイトの運営などをしている30代前半のミニマリストの男が主人公。
    ミニマルな生活の良さを説く小説かと思いきや、物語の中でどんどんミニマリズムの欠点や矛盾を炙り出していく。
    確かに不用品を捨ててしまうと見せ場はもう終わる、コンテンツにあげることがなくなってしまうからミニマリストインフルエンサーたちはみんなグッズプロデュースをしたりするのか…
    読み終わって自分の価値観や物を見る目がちょっと変わった気がした。
     

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    2024年08月07日
  • ご本、出しときますね?

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    面白い企画。小説家2人とオードリー若林の鼎談。
    お互いへの質問、それぞれのマイルール、おすすめ本という流れで、読みたい本が増えた。
    村田沙耶香さんがすごく個性的で面白い。

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    2024年06月29日
  • ポルシェ太郎

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    太郎がよい具合にいらっとするキャラなので、早く悪いことが彼の身に起きてほしいと願ってしまい、それが見事にかなえられる本。
    太郎、明らかに犯罪に巻き込まれているのにそこまで恐怖していないのは、太郎が男性だからなのか未来を不安に思わない性質だからなのか…
    女体と金の交換、その結果としての離別、ホモソーシャル階層の中で右往左往する太郎、乗用車ヒエラルキー(プリウスよりポルシェは高価だが、ポルシェより高価な車もまた…)に負ける太郎…等、太郎君の”負け”を楽しく消費させていただきました。

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    2024年06月24日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    自分的にはすごく面白かった。物語としての面白さの一方で、介護者の葛藤をちょっと笑える要素も入れながら、リアルに描かれている。

    何よりも良かったのが、介護老人を過剰に甘やかして、補助することこそ、本人の自主性や社会性を奪い、老衰させる一番鋭いナイフであるということを介護施設で働く友人から聞いて、それを自分の祖父に試してみる。という羽田圭介さんらしい毒性になんとも言えない気持ち悪さと、リアリティーを感じました。

    最後の終わり方が、ちゃんと爽やかでよかったなぁと思いながら終れたのも良かったです。         

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    2024年05月27日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    現実的なだけど、非現実的。よくある「心が通い合う老人と若者」の綺麗事が排除されてる感じが、ユニークだと感じました。悲しいというには、悲しみきれないけど、不穏な感じもありつつ、これが現実。笑って良いのか悪いのかわからない他人事じゃない感じ。

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    2024年05月15日
  • 御不浄バトル

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    中編と短編の2作品からなる。
    表題で中編の御不浄バトルの主な舞台は、トイレの個室と職場。
    主人公は、仕事に向かう途中で必ずトイレの個室で大便をすることが、
    日常となっていた。
    職場は、新卒で就職したが、とんでもない悪徳企業であった。
    大卒ということもあって、悪徳業務ではない事務として採用されていた。
    しかし、その悪徳業務に携わらざるを得なくなり、仕事を辞めるために翻弄する。

    短編のほうは、ヤング男性向けファッション雑誌を出版している零細出版社に
    務める社員と部下やバイトとのやり取りを描いた作品。

    御不浄バトルでのトイレシーンがどうしても受け入れられない人も
    いるかもしれないし、受け入れられ

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    2024年05月13日
  • 黒冷水

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    当時、自分と重ねて読んでいた。描写をイメージさせられた記憶がある。怖さを感じたが、それでも楽しませてもらった。

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    2024年04月21日
  • 黒冷水

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    やられたら、やり返す!という復讐の無意味さを兄弟喧嘩という全世界共通な普遍的イベントに落とし込みながら嫌味ったらしく、バイオレンスに描いた内容は強烈!
    256ページからのリスタートな展開には絶句。からの着地に感服。綺麗事じゃない世界観が好み。これを17歳でカマした羽田圭介ヤバいでしょ。傑作!

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    2024年03月14日
  • スクラップ・アンド・ビルド

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    ネタバレ

    これまた1年半くらい前に読んだ本。
    「むらさきのスカートの女」に続く芥川賞受賞作品。
    これまた意外と面白くて「死にたかー死にたかー、死なせてくれー死なせてくれー」って言う祖父と孫のやり取り。
    いつもそんなことを言って気を引く割に、デイケアだったかどこかの介護してくれる女の子のお尻かなんかはしっかり触るっていう。
    で、孫もいい加減にしろやーと。
    でもそんな事を言いながら孫、なんだかんだ優しい。

    最後は、なんだかえっていうぐらい、祖父がしっかりしてたというか、心がちゃんと祖父になってると思った気がする。

    「意外と良かった。孫が清々しい。」というのが、読後残していたメモだった。

    でも自分が介護

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    2024年01月28日
  • 羽田圭介、クルマを買う

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    この人はいつになったら車買うんだよ(笑)、と思いながらも読ませる文章で、また、しっかりとマニアックに走り味をこだわりながら比べる様は面白かった。

    無事に買えたようで良かったなあ、と思うと共に、有名人が車を買うのは一般人が買うのとはまた少し違う要素が販売上にはあるんだなあとか、ディーラーによって色々と差異化する部分が違うんだなあとか発見もあって良かった。

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    2024年01月18日
  • メタモルフォシス

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    ネタバレ

    主人公がSM嬢に調教されながら色々と考える話。お仲間は過激な快楽を追い求めて死んでしまい、自分はどうするかなーって感じで考える。

    羽田圭介さんの作品は初めてなので他作品のことをわからないのだが、SMというアングラな題材を、あえて高尚な文体を用いて難解にしてギャップを生み出し、一つの作品として成立させているような気がした。

    プレイの様子がドギツいので見るのは覚悟が必要

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    2024年01月16日
  • 黒冷水

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    「兄弟喧嘩」をここまで魅せる…

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    兄の部屋を偏執的にアサる弟と、執拗に監視・報復する兄。出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」。兄弟間の果てしない確執に終わりはあるのか?当時史上最年少十七歳・第四十回文藝賞受賞作!

    ⚫︎感想(⚫︎ネタバレ注意)
    「兄弟喧嘩」をここまで発展させ、読者を最後まで惹きつける。小説家とはやはり感受性、想像力、表現力を併せ持つ特別な人々なんだなぁと改めて感じた。真剣でやばいのだが、ベースは兄弟喧嘩なので、ダークなんだけど、ちょっと笑ってしまうというか。そういったところは芥川賞受賞作の「スクラップアンドビルド」にも感

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    2023年11月13日