羽田圭介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ介護が必要となった祖父を孫である健斗が苦痛なく死なせるように努力する物語。
今19歳の若者である私は、健斗の考え方に共感する部分がよくあった。まだ若い健斗は資格の勉強や筋トレなどを通して成長していくが、歳をとり体も悪くなり弱音をよく吐く祖父に対してイライラしたり、また、このような長生きさせても待っているのは死しかない老人たちを支えるために年金を払うことに嫌気がさしたりなど、今の多くの若者が考えていそうなことに共感できた。主人公の健斗は、このような悩みから解放されるために、普段から死にたいと嘆く祖父の願いを叶える、という大義名分のもとに祖父をだんだん衰えさせていってるんだなと思った。
ただ、一 -
Posted by ブクログ
「ひいおばあちゃんもおじいちゃんも83歳で死なはったから、おばあちゃんも、って思ってたけど、全然お迎え来てくれはらんと、もう84歳になってしまったわ」
つい先日帰省した時、祖母が呟いた言葉である。
できるだけ自分のことは自分でやるように。毎日買い物に行って料理はしてね、そうしたらボケないから。主人公の母同様、私の母も口酸っぱく祖母にそう言う。おかげで祖母は元気な方で、まだ背骨は曲がっていないし週2で将棋にでかけ、調子のいい時は体操教室に参加する。そんな祖母でも、作中の祖父と同じようなセリフを吐くのだ。体調が悪い時に愚痴が多くなるのも同じだ。老人にしては充実している生活を送りつつも、そんなセリフ -
Posted by ブクログ
ネタバレ節約や投資にはまった気持ちがとてもリアル。一万円やそこらを節約するために友達をなくすのも現実のどこかにありそうな話。そんなケチケチ、ギスギス、計算たかくなってしまった子が自分や周りのためにお金を使えるようになっていくのが、なんだか救済に思えた。
また、今どきのSNSで初めて知った系の情報が、じつは過去に使い古された手で、界隈の人たちがバカにするテレビや新聞などのオールドメディアも見ている人からするとヤバイものなのに、知らずに取り込まれておかしくなっていく様も、怖いけど現実味はある。
知ることは本当に大事だ。自分の興味がないことも、知りたくなかったことも。怒りや不安を煽られて、誰かに搾取されない -
Posted by ブクログ
ミニマリスト的生活を送る男性主人公と、同じライフスタイルや価値観を持った人たちとのコミュニケーションがリアルに描かれている。
ここ最近は「ミニマリスト」という言葉も定着し、異端児扱いされることも少なくなったように思う。
本書に出てくる人物のように、ミニマリスト的生活を突き詰めると直面する「ジレンマ」や「空虚さ」を疑似体験できる。
モノに溢れた実家に帰り入浴した際、小さい頃からそのままの古びた椅子を見て、「むしろ自分の方が消費文化に加担しているのではないか」とハッとするシーンがある。自分も同じような感覚を持ったことがあって、所有物がミニマムでも、トレンドを追っていると消費量は決して少 -
-
-
Posted by ブクログ
中編と短編の2作品からなる。
表題で中編の御不浄バトルの主な舞台は、トイレの個室と職場。
主人公は、仕事に向かう途中で必ずトイレの個室で大便をすることが、
日常となっていた。
職場は、新卒で就職したが、とんでもない悪徳企業であった。
大卒ということもあって、悪徳業務ではない事務として採用されていた。
しかし、その悪徳業務に携わらざるを得なくなり、仕事を辞めるために翻弄する。
短編のほうは、ヤング男性向けファッション雑誌を出版している零細出版社に
務める社員と部下やバイトとのやり取りを描いた作品。
御不浄バトルでのトイレシーンがどうしても受け入れられない人も
いるかもしれないし、受け入れられ -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまた1年半くらい前に読んだ本。
「むらさきのスカートの女」に続く芥川賞受賞作品。
これまた意外と面白くて「死にたかー死にたかー、死なせてくれー死なせてくれー」って言う祖父と孫のやり取り。
いつもそんなことを言って気を引く割に、デイケアだったかどこかの介護してくれる女の子のお尻かなんかはしっかり触るっていう。
で、孫もいい加減にしろやーと。
でもそんな事を言いながら孫、なんだかんだ優しい。
最後は、なんだかえっていうぐらい、祖父がしっかりしてたというか、心がちゃんと祖父になってると思った気がする。
「意外と良かった。孫が清々しい。」というのが、読後残していたメモだった。
でも自分が介護