羽田圭介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
冒頭シーンはタイトル通り、御不浄すなわちトイレに走るシーンから。
教育機関専門の広告代理店だと聞かされて主人公の渡辺丈志が入社したのは、こども向けのペランペランの教材を150万円を超える金額で売りつけるブラック企業。誰もが半年と持たないなか、なぜか丈志は2年目に突入。同社としては前代未聞の大卒で経理部に回されたおかげで、嘘八百並べて教材を売りつける営業職に就かなくて済んだからだ。言い訳禁止、結果至上主義の会社にあって、丈志が憩いをおぼえるのはもはやトイレの個室の中のみ。
丈志のトイレ内での挙動を事細かに聞かされます。面白いっちゃ面白いけど、下ネタで笑いを取るのは卑怯といえば卑怯。う○こネタ -
Posted by ブクログ
芥川賞作家の羽田圭介、初めて読みます。もっと難解な文章を書く人なのかと勝手に思い込んでいました。なんとも読みやすくてサクサク進む。
主人公の「僕」にはつきあいはじめて7年になる同棲中の彼女がいる。お互いを束縛しない関係が気に入っていたが、僕が予定より早く帰宅した日、シャワー中の彼女のケータイに着信が。視界に入った送信者の名前は、もう何年も連絡を取っていない僕の友人。なぜあいつからメールが?ずっと彼女と連絡を取り合っていたのか?一旦気になりだすとどうにも止まらず、僕は夜な夜な彼女が寝入った隙を見計らってケータイを調べるように。
家庭内ストーキングを描く短編かと思いきや、1冊この僕の話のみで引 -
Posted by ブクログ
経済的な成功をおさめた奴も、そうでない奴もいるんだが
誰もがいまだモラトリアムを卒業できずにいて
いつまでも中学生みたいな話題で盛り上がっていられる自分でありたい、と
そんなことを願ってそうな若者たちのあつまりを描いた作品なんだ
そしてそのなかでも、ある種のナルシスト
あしたのジョーへの憧れにも似た求道的性向を持つ連中は
たとえばハイ・スピードの領域をぶっとばす時間のうちに
「本当の自分」を見出そうとするんだけど
あとに残るのは真っ白な灰ならぬ、焦げタイヤのゴム粉だったりするわけだ
タイトルにある「ビート」とは、ホンダの軽の銘柄で
ひょっとしたら「オン・ザ・ロード」のビートニクに引っ掛けた
オ -
Posted by ブクログ
又吉さんと一緒に芥川賞を受賞した作家さん、ということで名前を覚えて、テレビでたくさんおみかけするようになり、そのおもしろさにひかれて「本が読んでみたい!」と購入。
こんな感じの文章書くんだ~と新鮮でした。
しかしトイレ。
ビロウな話で恐縮ですが、私は自宅か実家、または旅行に行ってたらそこのホテルとかでしか大きい方はしません。
学校とか会社でもしたことない。
なので駅の(この場合駅ビルのだけど)トイレでなんてもってのほか。
朝トイレに並んでる人って本当にこんなにたくさんいるの? なんで家でしてこない!? と不思議でした。
この主人公はトイレでご飯も食べてる。
絶対無理。
アメとかガムとかだ -
Posted by ブクログ
よくわからないSMの世界を覗き込んだ…程度の感触しか持てなかった。ただ、作者がまっすぐに何かを訴えようとされていると感じた。それが、解説まで読んで少し腑に落ちた気もした。
スクラップ・アンド・ビルド以上に自分の名刺代わりにしたい作品という帯の言葉に惹かれて手にした。テレビのクイズ番組なんかで見かける作者が、この名刺を持っている人かと思うと、さらにわかりにくい人だという印象が強く残った。
ここまで自分を掘り下げないと生きている実感が持てない?この先に何が待っているのか見えないところまで行ってしまう?
スクラップ・アンド・ビルドが割と好きな作品だったので、ちょっと残念な気もする。これは全く個人的感