羽田圭介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第153回芥川賞受賞作。
あまり普段、芥川賞を獲るような純文学系の本は読まないのですが、今一番気になるワードとして「スクラップアンドビルド」があるので、タイトルに惹かれて読んでみました。ページ数も少ないのでね。
老齢になり、できないことも増えてきて、
周りから疎ましく思われることで
「早く死にたい」と口癖のようにつぶやくじいちゃんと、
その想いを遂げてあげたいと願う孫が日々暮らす中で、
お互いの想いを交錯させ変化していく物語。
孫の脳内描写と、行動のギャップが凄く違和感。
温度差というか、チグハグな感じがしたが、
それもおそらく意図的かなと思う。
未熟な青年の、思いが行動に伴わない感じが、
少しもどかしくも、リアルさがある。
じいちゃんは、日々感情の変化があり、定まらない。
人生の再構築の中
祖父との生活で、自分の人生に変化はあるのか。
読みやすいけど、特にそれほど何も心に残らなかったという印象。だから何?と思ってしまった。
介護による、それに関わる人の人生を描いた作品はたくさんあるので、そちらの方が良かったなという感想です。 -
Posted by ブクログ
面白い。お金というものが、人によっていかに捉え方や意味、価値観が全く異なるかについて改めて意識させられる作品だった。
主人公の華美は可処分所得のほとんどを投資に費やし、毎晩米国株式市場の取引時間をチェックしたり頭の中ですぐ複利計算する癖がある程の投資ガチ勢。毎年の配当金が自分の年収と同等になるだけの投資資産=「分身」を作ることを生き甲斐にしている。その為には切り詰められるところはできるだけ切り詰める生活を送っていて、現在の人間関係や小さな快適さを犠牲にしていたりする。
自分も投資はしているし、普通の貯金だけでは蓄えられない富を得たいと思っているけど、ここまでは徹底できない。
そんな彼女が目指す理想の生活を達成した老人達に会うシーンが実に風刺的で良かった。
いかにもなオンラインコミュニティにハマっていく彼氏との対比も鮮やかで分かりやすい。けど後半の非現実的なドタバタは少し違和感を覚えなくもなかった。作者はこういうオンラインコミュニティ運営者が個人的に嫌いなんだろうか?モデルはこの人なんだろうなと浮かぶ人はいるけど…。
最後に余談だけど華美さんの実写化は菜々緒さんのイメージだ。
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Posted by ブクログ
株式投資による資産形成を「人生の正解」と信じ、毎日を投資行動優先で生きる女性と、「お金はただの手段」と考え、そんな彼女を馬鹿にしながら徐々にカルト集団にのめり込んでいく彼。
カップルの二人は地方都市の外資企業(米国)の工場で働き、年収は低く、「ただ真面目に働いているだけでは豊かな生活は望めない」という点が共通している。
真逆な二人の価値観が交錯するも、ラストの展開は決してハッピーエンドとはいえない。
お金とは何なのか。自分は人生の何に幸福を感じ、追究していくのか。
正解は無いが、極端な行動に出ることの危うさを気づかせてくれる。
と同時に、どんな境遇にある人も、幸福かどうかは「捉え方次第」であることを、登場人物の発言やライフスタイルから感じ取ることができる。
もし自分の子どもが金銭面で人生に行き詰まったら、ぜひ読んでみて欲しいと思う。 -
Posted by ブクログ
最近お金の勉強を初めて、投資に興味を持ち出して色々やっている上で、友達や家族にその話をした時に自分のどこかうさんくささを感じ、投資に否定的な小説と聞いてぜひ読んでみたいと思った。
月極今を大切にするか、将来を大切にするかの話だと思うが、健康には気を遣うべきだなとは強く感じたし、お金は手段であって人と人との人間関係こそがより、人間の本質的なものになるのではないかという示唆には共感できた。ただやっぱり私は一人が好きで、人間関係を強固にしたいとは思えない。
お金を貯めることに意識しすぎて目の前の楽しみを奪わないようにしようとは思った。
ただそれ以上のメッセージ性は感じなかったかな...。 -
Posted by ブクログ
ネタバレYouTuberが絶賛していたのでどんなものかと読んでみた本。
主人公は高配当株への投資により、自分と同じだけの収入を稼ぐ「システム(分身)」を作ることを目論んでいるが、投資セミナーで知り合った資産家である高齢者たちの生活ぶりに衝撃を受ける。彼らは日々の倹約により資産1億円以上を築いたが、その生活レベルは生活保護受給者と同じようなもので、主人公は将来このような生活を送るために今節約や投資に励んでいるのかと疑問を抱く。
健康で文化的な最低限度の生活レベルであったとしても、生活保護受給者と資産家では心のゆとりが違うのだろうし、服装に興味がなく、株主優待を活用することが彼らの幸せなのであればそれで良いと思うが、私もお金があるならある程度小綺麗な格好をしたいし、株主優待を優先するがあまり飲み屋の選択肢が限られるのは嫌だな。
個人的にはこの投資セミナーの気付きがこの小説のハイライトで、その後の宗教チックな団体からの彼氏奪還の話はあまり興味が持てなかった!