【感想・ネタバレ】スクラップ・アンド・ビルドのレビュー

あらすじ

「じいちゃんなんて、早う死んだらよか」。

ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のために面接に臨む日々。
人生を再構築していく中で、健斗は祖父との共生を通して次第に変化していく――。

瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、青年の稚気と老人の狡猾さを描ききった、羽田圭介の代表作。

新しい家族小説の誕生を告げた第153回芥川賞受賞作が待望の文庫化!

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Posted by ブクログ

健康とは負荷をかけられる状態と最近ラジオで聞いた。負荷をかけてかけて強くなって、それが生きるということで、何の緊張にも晒されなくなってしまったら人間どんどん腐っていってしまうんだな。

使われない筋肉が急速に萎縮していく感覚は、受験を終えて競争から解放された附属校に入った時、部活を辞めた時、仕事を長期間休んだ時、数えきれないシーンと共に蘇る。

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2025年07月10日

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袋小路にしか見えない人生に胸が苦しくなる。介護のストレスがリアルに描かれている。昔の実家に左半身がほぼ動かない祖母が居た時のことを思い出す。もっと優しくしていれば。でも出来なかった。

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2025年06月04日

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どこの老人も一緒なのかもな。
俺のおじいちゃんは特別だけど、他の人から見たらおんなじおじいちゃんかもしれないな。
おじいちゃんは好きだけどね。
つい一昨日、おじいちゃんのアップルウォッチから心房細動の通知が13回。すぐさま病院へ。異常なく安心。本当に生きててくれて良かった。
現在、28歳の僕。91歳のおじいちゃんの前でイラつく55歳の母親に、読み終わったこの本を渡しました。
母へ、あなたはこのように映っていますよ。

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2025年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「じいちゃんなんて、早う死んだらよか」。

ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のために面接に臨む日々。
人生を再構築していく中で、健斗は祖父との共生を通して次第に変化していく――。

新しい家族小説の誕生を告げた第153回芥川賞受賞作
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題名を見て、この本が介護系の内容と思わなかった。
孫の健斗を通して、介護リアルを描いていて、とてもおもしろかったし、自分も筋トレするぞって思った。
身体がしっかりしてないと、老後のQOLを上げることはできない。「死にたい」という言葉を発することのない自分でいたい。

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2024年10月30日

購入済み

介護虐待のメカニズム

老祖父を介護する若者の物語。認知症老母を同居介護している身として、介護問題を考えつつ読む🤔この物語の老祖父も我が家の老母も、常々「死にたい」旨を口にする。しかし、両名ともに内心では「まだまだ自儘に生きたい」と思っているようだ。尊厳死選択の難しさを想う😓また、親子介護は嫁姑介護より惨況になるという。被介護者が自儘を言い易いからだ。老母は介護サービスを介護職員等に気を使うからイヤだと言うが、裏を返せば子供のカピバラKSには気を使っていないのだ。介護虐待のメカニズムが垣間見える😮‍💨 

#深い

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2023年12月21日

購入済み

空の飛行機と雲

祖父は自分より弱い存在として若者の
誇りを語り手に与えてもくれる。その
祖父が泣き言の他に時折見せる
大人らしさはどの程度本物なのだろうか。
帰宅時の素早い動きの主は謎だが、
まさか祖父だったのだろうか?
この謎は極めて興味深いと思う。
語り手の彼女は性欲の対象として以外
書かれていない。この後もうまく
つきあっていくのか知りたい。
まだ左程しっかりしているとは思えない
語り手は就職の地に旅立つが、
空のセスナや、雲の形は、
祖父の特攻のことや、彼女を想起させた。
読んでいくうちにだんだん
他人事とは思えなくなった。
語り手は、先人に教えられた、
力を持って耐えるしかないと、と言う。
これって、あの事があった時、
祖父の態度から学んだのだろうか。


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2023年07月31日

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コントのような、日記のような作品でした。

受容と拒絶で考えると、他者から見ると受容が優しさに見えるが、相手のことを考えること一概にそれが優しさとは言えないよなぁ。
でもそんな思考は施す側のエゴであって…

でも善行はそれ単独で評価されて、その行動の理由って考えられないですよね。主人公の内面描写を通して悪意の善行って矛盾が見えるのがよかったです。

みんな必死に生きてて、ズルしながら、矛盾して生きてる。
それがちょっと笑えて、ちょっと笑えない。
でも人生ってそんなことの繰り返しなのかもしれないと感じました。

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2025年12月01日

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第153回芥川賞受賞作。死にたいと毎日のようにぼやく祖父を穏やかな死に導こうと企む主人公は、日々筋トレに励みつつ、転職の為、手当たり次第に面接を受けまくる。タイトルが絶妙。

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2025年11月04日

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年老いていくことに関して色々と考えさせられる作品でした。
最後のおじいちゃんの言葉は孫への愛情だったのかなと思いたい自分は浅はかなのかな笑

若い頃は今は亡き自分に甘い自分の祖母を残念に思っていたけど、このような作品を通して祖母の当時の気持ちを少しだけでも感じることが出来た気がする。

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2025年06月09日

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ネタバレ

介護が必要となった祖父を孫である健斗が苦痛なく死なせるように努力する物語。

今19歳の若者である私は、健斗の考え方に共感する部分がよくあった。まだ若い健斗は資格の勉強や筋トレなどを通して成長していくが、歳をとり体も悪くなり弱音をよく吐く祖父に対してイライラしたり、また、このような長生きさせても待っているのは死しかない老人たちを支えるために年金を払うことに嫌気がさしたりなど、今の多くの若者が考えていそうなことに共感できた。主人公の健斗は、このような悩みから解放されるために、普段から死にたいと嘆く祖父の願いを叶える、という大義名分のもとに祖父をだんだん衰えさせていってるんだなと思った。
ただ、一見非人道的に思える計画を実行に移す中で、文章の中で描かれる健斗の善人の部分が見られたのがよかった。祖父がよく吐くありがとう、すみませんのような意味の無い形式的な言葉のように死にたいと言っていたと考えたり、健斗の行動が原因で祖父が死にかけたり溺れかけたりした時に祖父が健斗を責めなかった時に罪悪感のようなものを感じていたりと、健斗の中で葛藤が見られた。これによって、健斗の人間らしい部分が垣間見えたのがよかった。
また、最後の健斗が就職先の茨城県に向かっている電車の中で、周りの人々をみて劣等感を感じるシーンが心に残った。これは、体が弱って周りからの介護が必要だった祖父を助けているうちに、健斗の心の中に、「やってあげている」、「してあげている」といったような傲慢な心が生まれていたのではないかと思った。

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2025年02月12日

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「ひいおばあちゃんもおじいちゃんも83歳で死なはったから、おばあちゃんも、って思ってたけど、全然お迎え来てくれはらんと、もう84歳になってしまったわ」
つい先日帰省した時、祖母が呟いた言葉である。
できるだけ自分のことは自分でやるように。毎日買い物に行って料理はしてね、そうしたらボケないから。主人公の母同様、私の母も口酸っぱく祖母にそう言う。おかげで祖母は元気な方で、まだ背骨は曲がっていないし週2で将棋にでかけ、調子のいい時は体操教室に参加する。そんな祖母でも、作中の祖父と同じようなセリフを吐くのだ。体調が悪い時に愚痴が多くなるのも同じだ。老人にしては充実している生活を送りつつも、そんなセリフが出てくる気持ちが分かる気がして、少し切なくなる。
主人公は、やや考えが偏りすぎで気持ち悪めなところもあるが、祖父の発言をうまく流しあしらう様子は自分自身と重なるところがあり、読みながら少し罪悪感を感じた。これでは、祖母が逝ってしまった時に、本当に後悔しそうだ。

不安な人生の中に変わらずそこにいる弱々しい祖父は、主人公が存在意義を感じることができる唯一の現実逃避可能な場所でもあったのだな。

なんだかなあ。この読後感をもう少し言語化したいのだが、もう少し考えて後程付け足そうと思う。

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2025年01月23日

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足し算の介護という恐ろしい言葉
早く死なせるために介護するという

社会保障費の在り方を考えさせられた。
経済と倫理のせめぎあい。
人間が合理的であれば社会保障費なんて全然要らないんだろうな

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

この本を読んでから上り下りでエレベーターを使わずに階段を使ったり、家で筋トレをするようになった。使わない器官は衰えてしまうので。

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2024年10月22日

Posted by ブクログ

自分的にはすごく面白かった。物語としての面白さの一方で、介護者の葛藤をちょっと笑える要素も入れながら、リアルに描かれている。

何よりも良かったのが、介護老人を過剰に甘やかして、補助することこそ、本人の自主性や社会性を奪い、老衰させる一番鋭いナイフであるということを介護施設で働く友人から聞いて、それを自分の祖父に試してみる。という羽田圭介さんらしい毒性になんとも言えない気持ち悪さと、リアリティーを感じました。

最後の終わり方が、ちゃんと爽やかでよかったなぁと思いながら終れたのも良かったです。         

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2024年05月27日

Posted by ブクログ

現実的なだけど、非現実的。よくある「心が通い合う老人と若者」の綺麗事が排除されてる感じが、ユニークだと感じました。悲しいというには、悲しみきれないけど、不穏な感じもありつつ、これが現実。笑って良いのか悪いのかわからない他人事じゃない感じ。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

主人公の、生真面目さゆえの拍子外れた野望が、現実味を帯びて感じられるのは何故だろう。
きっと、主人公のような“優しい“性格の孫であるならば、この目標に至る過程も納得できるからなのだろう。
じいちゃんがかわいい。が、実際にともに暮らせば多くの人が、主人公の母のようなアウトプットになるだろう。
そんななか、じっと、静かにじいちゃんを観察する主人公の目線ににやついてしまう。
ラストの拍子抜け感も小気味いい。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これまた1年半くらい前に読んだ本。
「むらさきのスカートの女」に続く芥川賞受賞作品。
これまた意外と面白くて「死にたかー死にたかー、死なせてくれー死なせてくれー」って言う祖父と孫のやり取り。
いつもそんなことを言って気を引く割に、デイケアだったかどこかの介護してくれる女の子のお尻かなんかはしっかり触るっていう。
で、孫もいい加減にしろやーと。
でもそんな事を言いながら孫、なんだかんだ優しい。

最後は、なんだかえっていうぐらい、祖父がしっかりしてたというか、心がちゃんと祖父になってると思った気がする。

「意外と良かった。孫が清々しい。」というのが、読後残していたメモだった。

でも自分が介護をしていて触られたら絶対にいやだ。
歳をとったらしょうがない、はないと思う。

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

第153回(2015年)芥川賞受賞作品。

あらすじ
主人公の田中健斗28歳は、母親とその父に当たる祖父と3人で東京の南西部の集合住宅に住み、失業中ではあるが資格試験の勉強をしながら、就職活動もしている。
祖父には5人の子供がいて、その内の1人である主人公の母の所に今は住んでいる。祖父は88歳になり、もう死にたいなどと言いながら家族の世話になり、介護施設を利用して生きている。
娘に当たる健斗の母は祖父に冷たく接する。健斗はその介護についてある考えに到達する。老人を手厚く介護すれば弱り、死にたいという老人の思い通りになるのではないかという考えである。

広辞苑によると、スクラップ・アンド・ビルドの意味は、古くなった設備を廃棄し、新しい設備を設けること、とある。
この作品に即して考えると、祖父と主人公との関係になっていて、日頃祖父が弱音を吐きながら死にたいと言い衰えて行くのに対して、自分は筋力トレーニングニングなどで鍛えて強い自分を作り上げている。

この小説で重要な要素となっているのは、行動理念である。
老人を始め人に優しく接するという一般的な行動理念と、それに対して祖父のように死にたいという老人の望み通りにするために、優しく対応することで、つまり身体の負担を取り除き弱らせ死に近づけるという行動理念である。
どちらも共通しているのは優しくすることであるが、人に優しくすることは一般に早く希望通りに死に向かわせることではない。

もう一つ、使わない能力は衰える。医学用語に廃用性萎縮というのがあるが、使わない身体部位は弱くなり衰える。

以下、引用したくなった表現である。

「健斗は自分の今までの祖父への接し方が、相手の意思を無視した自己中心的な振る舞いに思えてくるのだった。家に生活費を入れないかわりに家庭内や親戚間で孝行孫たるポジションを獲得し、さらには弱者へ手をさしのべてやっている満足に甘んじるばかりで、当の弱者の声など全然聞いていなかった。」

「そんな究極の自発的尊厳死を追い求める老人の手助けが、素人の自分にできるだろうか。」

「後期高齢者の介護生活に焦点を絞った場合、おそらく嫁姑間より、実の親子のほうがよほど険悪な仲になるのではないか。」

「全世界老人はごまんといてこれだけの情報社会になっているというのに、老人に穏やかな尊厳死をもたらしてやるための現実的手段についての情報がない。」

「『人間、骨折して身体を動かさなくなると、身体も頭もあっという間にダメになる。筋肉も内臓も脳も神経も、すべて連動してるんだよ。」

「過剰な足し算介護で動きを奪って、ぜんぶいっぺんに弱らせることだ。使わない機能は衰えるから。要介護三を五にする介護だよ。バリアフリーからバリア有りにする最近の流行とは逆行するけど」

「柔らかくて甘いおやつという目先の欲望に執着する人だからこそ、目先の苦痛から逃れるため死にたいと願うのだ。」

「祖父が社会復帰するための訓練機会を、しらみ潰しに奪ってゆかなければならない。」

「使わない能力は衰える。」

「生きたい者にはバリアを与え厳しくし、死にたい者にはバリアをとり除き甘やかすというふうに、個別のやり方を考えるべきだろう。」

「なにより、健斗は筋力トレーニングを行ってから数時間は続く、肉体と精神に活力が漲る感覚にはまっていた。」

「使わない機能は衰える。今までがそうであったなら、その逆をゆくしかないのだ。」

「ぽっちゃりな身体を作ってしまう豚のようなメンタリティーは心底嫌い。」

「つまりここでも人真似などせず、個別の相手にあわせた自分なりのやり方を見つけなければならないのだ。」

「苦痛なき死という欲求にそうべく手をさしのべる健斗の過剰な介護は、姉たちによるなにも考えていない優しさと形としては変わらないが、行動理念が全然違う。」

「誰にも命令されないのに死ぬほど辛い鍛錬をやる自己規律、精神性の高さでは明らかに自分のほうが勝っている。」

「祖父は苦痛や恐怖のない死を求めている。孫としてはそれを助けなければならない。」 

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

介護される老人とその孫の関わりについての話。
少子高齢化が進む現代、病気でない老人が在宅で尊厳死を迎えるのは難しい。
思うように動かない身体、楽しみもなくただ生きるだけの毎日に対する精神的苦痛から、生への絶望を感じるのは理解できる。
だが、祖父の隠された本心は「死にたい」ではなく「生きたい」であった
健斗は足し算の介護によって祖父のできることを狭めるはずだったが、祖父の本心を感じ衝撃を受ける…

健斗は家族には誰も相談せず尊厳死に向けて動くが、何だかんだで一番祖父を大事にしているようにも見え、信頼関係も感じられる。
誰でも24時間の介護を続けていれば苛立つことはあるし、その中で健斗は懸命にやっているように思えた。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ちょっと物足りなかったかな。
もう少しなにかが欲しかったな。
もっと若い時に読んでたら感じ方が違ったのかもしれない。
と、思うのは介護経験者だからおじいちゃんの事が気になってしまうからだろうか?

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

老人の描写がなんともイラつく。他者の前では自分を卑下しつつ、本当はそんなこと思っていない。自分が一番かわいくて、自分はもっとできると思っているのが人間。でもふとした変化や危機的な状況に接すると何気ない日常がすごくありがたく感じるが、そのありがたさも一週間もすると慌ただしい日常に流されて何もなかったようになってしまう。あの時の思いが風化せずに残ってくれたらよいけど、いつまでも気持ちが変わらなくても嫌になってしまう。よくできていると思う。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

第153回芥川賞受賞作。
あまり普段、芥川賞を獲るような純文学系の本は読まないのですが、今一番気になるワードとして「スクラップアンドビルド」があるので、タイトルに惹かれて読んでみました。ページ数も少ないのでね。

老齢になり、できないことも増えてきて、
周りから疎ましく思われることで
「早く死にたい」と口癖のようにつぶやくじいちゃんと、
その想いを遂げてあげたいと願う孫が日々暮らす中で、
お互いの想いを交錯させ変化していく物語。

孫の脳内描写と、行動のギャップが凄く違和感。
温度差というか、チグハグな感じがしたが、
それもおそらく意図的かなと思う。
未熟な青年の、思いが行動に伴わない感じが、
少しもどかしくも、リアルさがある。

じいちゃんは、日々感情の変化があり、定まらない。

人生の再構築の中
祖父との生活で、自分の人生に変化はあるのか。

読みやすいけど、特にそれほど何も心に残らなかったという印象。だから何?と思ってしまった。
介護による、それに関わる人の人生を描いた作品はたくさんあるので、そちらの方が良かったなという感想です。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

2015年上半期芥川賞受賞作。
現代社会のアンタッチャブルに触れる感じ
審査員に老人はいないのか?それが評価できる老人なのか?が気になるが…

結末が気になって気になって…焦らされて…
家でて終わりか〜い!ってのが、感想。
それが小説と言われればそうなのかも知れない。

薬漬けで自由も効かず、厄介者として生きるのはヤダな〜と改めて思う。その時がきたら何の判断もできない。先送りは若い時のツケが回ったとも言える

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実はじいちゃん、全然心配するほど弱ってなかったんじゃないか?健斗が弱いと思い込んでた説ある。
さようならの時も、送り出してた。
本当にボケてくると叫び出すし徘徊する。孫が誰だかわかってるし、全然認知症ではない、、。
お見舞いした時、周りの病室と比べなかったのか、見て見ぬふりしたのか。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

祖父の本心も過去も、真実は何も明かされない。
でも、生に執着した。それだけは事実。

健斗のやり場のない怒りがひりひり伝わってくる一冊。

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2025年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事をやめて無職の28歳の主人公と、要介護3認定の87歳の祖父。物語でありながらも、どこで起こっていてもおかしくないようなリアリティのあるストーリーだった。毎日天からのお迎えを待つしかないという地獄を生きる祖父を楽にしてあげるため主人公は行動を起こす。それが彼自身の生活に弾みをつけ、彼自身が変化するきっかけとなる。

筋組織を破壊して再構築することを繰り返し、ストイックに自分を追い込んでいく主人公。トレーニングに限らず、生活習慣やものの考え方、所有物に関してもスクラップ&ビルドの姿勢はある程度必要なものだと感じた。

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2024年11月17日

Posted by ブクログ

たまに思い出す小説。読んでる間は介護がベースの小説だからしんどかった。読み終わったら読んでる間の淀みがなんか昇華されてて、あ、これは良い小説かもと思った

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2024年10月07日

Posted by ブクログ

※表題作のみのレビューです。
153回(2015年上半期)芥川賞受賞作

ストーリー  4
登場人物   4
世界観    4
構成力    3
文章力    3
メッセージ性 4
※5段階

リアルな描写と、主人公に感情移入しやすい話で、すいすいと読めました。
ただ、最後はこれで終わりなのという感じでした。
短編小説として余韻を残したということかもしれませんが、打ち切りのドラマを見たような印象でした。

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

修飾語を多用し、一つの文にありとあらゆる情報を盛り込んでいます。さすが賞をもらうだけの文章力だなあと思いました。

主人公は祖父のことを慕っているのかそうでないのか…長生きしてほしいのか、そうではないのか…ずっと疑問に思いながら読んだけど、最後にわかりました。

人はこうやって老いていくのかと学びながら自分の生に果敢に生きていく…的なことがテーマなのかな。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

死にたいという祖母と重なり、どこまで本気でどこまで冗談なのか。直接手をくださず弱る老人の補助をする。決して生きることに前向きにさせない。

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2024年05月13日

身体と幸せはつながっているらい

健斗は失業中。花粉症もひどくて心の状態も最悪だった彼はふとしたことで自分の体を追い込むことから心にエネルギーがみなぎる経験をする。体についての知識を持ち、鍛えていくことが人生を切り開くことに繋がる、という作者の信念が伝わってくる。

でもどんなに健斗がこの先身体を鍛えていっても、いつの日か身体は祖父の様に老いるだろう。身体の調子が悪い、何も人の役にたてない、そんな老人期の長い時間をどうやって耐えていくべきなのだろう。


家族の介護って大変だ。健人も、健人の祖父にに毒づきながらも健人の母も、結局やることすごくよくやっ

「確かに卑屈はひとをイラつかせる」みたいな言葉がどこかにあったな。慰められることを期待した自虐の言葉って面倒臭いし。

ちなみに健斗が祖父の性欲を目撃して強い嫌悪感を抱くところには反発を覚えた。健斗自身が性欲の重要性を認識して、性欲全開で生きていながら、これはおかしいと思った。性は人間の一番深い、一番長く続くエネルギーの源ではないか。健斗も老人の性にたいする日本人的な偏見に強く囚われている。

健斗の亜美との付き合いには心の交流の描写がない。会った。ホテルに直行した。食事はどんなところでした等々。これでは亜美に遠ざけられても仕方がない。

性とは、性と人格の絡みとは、老人の生きがいを性や対人関係から模索していけないだろうか、そんな色々な事を考えさせてくれる本だった。

#シュール #タメになる #ドロドロ

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2024年04月19日

Posted by ブクログ

若い主人公のまっすぐでパワーある生き方、祖父の老いていく中にも柔軟でどこかつかみどころがない生き方、対比しながら描かれているようでした。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

主人公の健斗を通し、日本が抱えるあらゆる社会問題を取り上げた作品。しかし、どの問題に対しても結論に触れずぼやっとした終わり方をしている。そのスッキリしなさが、リアルな日本を表現している。読後、答えのない『その後の健斗や祖父の人生』を想像してみている。

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2024年02月18日

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