あらすじ
僕が住む中野は再開発の真っ最中だ。サンプラザが閉館し、高層マンションの建設が進んでいる。そんなこの街が戦前、満州国と電信ケーブルで繋がっていたらしい。不妊治療手術を受けた僕は、断絶した歴史と接続してしまったのだろうか――。芥川賞作家の想像力が、中野区を舞台に爆発する。第2回東京中野文学賞大賞受賞作。
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Posted by ブクログ
主人公は30代後半の僕(毅志)。夫婦で不妊治療中で、原因の1つかもしれない精索静脈瘤の手術シーンから本書は始まる。
多分、メインのストーリーはここ(不妊治療)にあるのだが、中野という土地についての現在・過去・未来、音楽、交友関係など、あっちこっちに話は飛ぶ。まとまりがないといえばそうだが、読んでいてそれが妙に心地よい。後半にかけての盛り上がり(ドタバタ)は意表を突かれた。人と自分の距離感が裏(?)テーマなのかな。
芥川賞作家に対して失礼だが、これまで読んだ羽田さんの作品の中で一番純文学っぽかった。
Posted by ブクログ
中野駅が舞台。主人公目線の日常が淡々と描かれている。だいぶ後半でイベントが起こったが、そこ以外はゆったりとした時間感覚で読みやすい。中野駅周辺が詳しく描かれていて行きたくなった。
Posted by ブクログ
まずは女性側で不妊治療を経験した視点からの感想として、、
男性側が、不妊治療に向き合う上での心情の変化がとてもリアルに感じた。
上手くいかなかったことを受け入れる覚悟をした矢先。本来は喜ばしい妊娠発覚だが、奥様の心境の変化にもついていけず、取り残されたような感覚に。最後は突拍子もない行動に出るも、結局は変化してしまった世界を受け入れる覚悟をしたのかな?と読み取りました。
周りの人間に色々な変化・出来事が起こる中で、最後まで回収されないことも多く、どういう感情で読めば良いものか難しいなとも思いましたが、いろんな感情が交錯しよくわからなくなってるところが、人間のリアルだな〜と思い、一気読みさせていただきました。