伊吹亜門のレビュー一覧
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ネタバレなんかミステリー読みたいなと探してたら、BLか同性愛か、まあブロマンスがあるらしいと聞き付けて読んでみた。
ネタバラシとして4話の露木視点で「恋をしていた。」と独白があるが、個人的にはそこまで沸き立つものは無かったが、まあ面白かった。
「うわん」
妖怪か人かの話。妖怪に見せかけた人による殺人だけど、凶器が蜂のアナフィラキシーというのが面白い。鯉城に示した露木の推理もまあ納得が行くけど、その後に死人が出ているので、そっちは自殺か他殺か気になるものの、まあいいかと思った。
「火中の蓮華」
鯉城に披露した、同じ火で死にたい狂った男の話は無理があるけど、狂ってるから狂った死に方というのも、まあありだなと思った。でもやっぱ下駄屋の男おかしくない?とも思った。
「西陣の暗い夜」
心中の後に、偽装して自殺説。ややこし。実際は強盗の後に自殺。強盗犯捕まんないのダメだと思うが、ここでは鯉城の心情が重要視されているので良かった。妻に蔑ろにされた与一に自分を重ねる鯉城。そのコンプレックスがちょっとよくわからない。弓枝という女性の具体的な人物像が出てこないので。
妻のことを本当に愛していたのか?とか。妻は幸せだったのか?何を後悔してるのかいまいちピンとこない。
妻が死んで悲しいのはわかるが、与一のように自分は妻を愛してる自分に酔っていたのでは?ということらしいが、なんかピンと来なかったな。というか、この時代なら周りが縁談持ってきそうだけど、露木が止めてんのかな。
「いとしい人へ」
焔と雪の由来の一つの焔がカルラである露木で良いとして、雪がわからん。最後のほう、雪降ってたけど。
露木のネタバラシ回。鯉城という読者を引き付けておくための推理が良い。鯉城を罪の意識から救うための推理が、この関係を維持するためのものであり、エンタメになっていく。
「青空の行方」
亡き妻である弓枝に似た女性を救うために、露木と同じように、彼女のための推理をする鯉城。
露木はそれに気付くが、鯉城は気付かない。ボーイは気付くと思うんだけどなあ。自分が指示された薬を幸助が持っていって死んだら、あれ?とならんか。
全体的に大正の雰囲気を感じさせる小物や地図で面白かった。鯉城のほうも露木に対して疑念があれば良かったかなあ。どうなんだろう。
歪な探偵と助手の関係なら、麻耶雄嵩の木更津やメルカトル鮎が大好きなので、それくらいのやりすぎさがあっても良いかなと思った。個人的には。
でもまあ、助手のための謎解きをする探偵も良いな。いつまでも親の庇護下にいてね、という傲慢さと依存さがある。 -
Posted by ブクログ
全編オリジナル(小説推理 双葉社には掲載)の贅沢な短編集。ただ、ちょっと胸くそ悪い系のお話が多かったので、好みは分かれるかも。双葉社のThe どんでん返しシリーズはこれが6冊目(自薦3巻+新鮮、特選、斬新)みたいですが、どの本も豪華な執筆陣なので、他にも手にとって新しい作家さんとの出会いを楽しみたいです。解説で本作品の解説とともに、他の著作に触れられているのも良かったです。
芦沢央「踏み台」
アイドルグループで巻返し必要な位置にいるみのり。色を出すために麻雀を趣味にして、そこで出会った洸平のことが好きになってしまい…。
阿津川辰海「おれ以外のやつが」
おれはカメラマンで殺し屋。今度の仕事は双子のコンビ作家の片方を殺すことだ。
伊吹亜門「遣使船は西へ」
嵐ではぐれ、荷を捨てた四の船遣唐使船で、追い討ちをかけるように起こった密室殺人。命運は?犯人は?
斜線堂有紀「雌雄七色」
母の遺品を整理し始めた息子が疎遠な父に送った母の書いた虹色の封筒。色の順に読むと気持ちが通じるという恋愛や本願成就の想いが込められた神社で売られているもの。
白井智之「人生館の殺人」
遭難し辿り着いた山荘は放置され、回りは人食いクマがいるとんでもない馬車だった。そこで起きる、物証の少し残った密室殺人。犯人は? -
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アンソロジー作品が新しい作家との出会いになり、更に決められたテーマでこの作家はどの様な作品を発表するのだろうという面白さに気がついてしまい、過去含め様々な作品集を読む事にした。今作はどんでん返しがテーマであり、短い作品、しかもどんでん返しがあると読者が分かっている状態でどれだけ読み手を感嘆させてくれるかが楽しみだ。
踏み台 芹沢央
アイドルを目指しアイドルになった女性。ストーカーの様になってしまった元彼。彼はプロ雀士の夢をもちながら、主人公はアイドルとしての武器を磨く為出会い、そして別れ、現在の様な関係になる訳ですが、設定はありきたりに見え、どの様にどんでん返しをするのかと興味津々だったが。主人公と同僚との争い、アイドルの厳しさからまさかこうなるとはと怒涛の展開。長さも読みやすく驚きも大きい面白い作品だ。人の人生は誰かの犠牲に成り立っていると痛感させられる作品で、ある意味完全犯罪型。
おれ以外のやつが 阿津川辰海
短編が面白くどんでん返しが上手いと評している阿津川辰海の作品だったが、やはり今回も好みにあった作品だった。
主人公が殺し屋綺羅(綺羅、星の如くの由来も好きだ)であり、表の顔はカメラマン、日本語に造詣の深い人物で、あらゆる糸を使い依頼をこなす。
人物像も魅力的でシリーズとしても、長編にしても面白そうな世界観で是非読んでみたいと思った。フーダニットの面白さ、真相の面白さが良く、下手に正義感の様なものがない事も好印象だ。
遣唐使船は西へ 伊吹亜門
設定は遣唐使時代の帆船の中。船団から取り残されてしまった一船。食料も底をつき、船員のモチベーションも落ちていく中、一人の僧侶が説法を説き、船員達は息を吹き返す。そんな折、僧侶の弟子が師の異変に気付き部屋を確認すると師が部屋で殺害されている事に気づく。部屋には小さい窓が一つ。入口は弟子が一日中監視の状況下、如何に、そして何故僧侶は殺されたのか。
設定の影響で読みにくいが、結末は納得してしまった。彼はこの後とどうなるのだろうか。
雌雄七色 斜線堂有紀
虹の色を模した7枚の手紙。亡くなった母親の遺品を整理し、離婚しており、有名な構成作家の父親へ息子が渡した手紙。虹の雌雄の話は知らなかったが、こういうタイプのミステリーだろうと想像はついてしまった。それぞれの色の手紙で語られる母親の真実。結末について、もっと恐ろしいものになるのではと期待していたが、そのまま真っ直ぐに着地してしまった。このくらいの話であれば面白いがどんでん返しには至らないと思った。
人喰館の殺人 白井智之
何だかめちゃくちゃにあれもこれも入れ込んだ作品。軸が整理されていない為、短編である事の必要性が感じられなかった。
地震で遭難し、近隣のホテルに避難した人々。脱出を試みるが外では巨大なヒグマがあらわれ人々を襲う。絶対絶滅の中、とある男女が性行為の最中に射殺され、更には救助隊と共に逃げようとしていた数人がヒグマに殺されてしまう。語り手もどんどん変わり、誰が死んでしまうかスリリングだが、長編でこその作品と感じてしまった。ヒグマの恐怖感がもっと強ければ少し印象が違ったが、あっさりヒグマが出てきて人間がぐちゃぐちゃになりましたでは面白さに欠けている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルどおり
どんでん返しを集めたアンソロジー。
「踏み台」芦沢央
「おれ以外の奴が」阿津川辰海
「遣唐使船は西へ」伊吹亜門
「雌雄七色」斜線堂有紀
「人喰館の殺人」白井智之
最初からどんでん返しがあるもの、という
前提で読み進めながらも楽しく読めました。
芦沢さん目当てで読んだので安定の面白さ。
しかし、主人公の顛末は自業自得にしか思えないので、
何を感傷に浸っているのだ、と思ってしまった。
「おれ以外」はハードボイルドで良かった。
主人公がやられてしまうのか?と
ヒヤヒヤしていたけれど、セーフ。
でも、最後はちょっと哀愁。
「遣唐使」は、今までみたことのない時代背景で
描かれたミステリー。犯人もこの話ならではの、でした。
「雌雄七色」
なるほどーと、なんとなく読み終えましたが、
改めて正しい順番で読んだり、最初のメールを
読み返してみたら、ああ…と思う…良作でした。
「人喰館」
よくできているけれど、エログロがきつくて
読み進めるのがきつかったです。最後まで。
復讐方法でぎょっとした時点で止めておけばよかったかも。展開は意外で面白い。でもえぐくてきつい。 -
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1結城さん
『真相をお話しします』と言う本を購入
こちらの本と同じ内容でした。
小説はとても面白いですが、別の小説かと期待した。
2東川さん
個人の感想です。
内容が細かく、その細かい内容は必要なのか?
っと、退屈になる。
3伊吹さん
個人の感想です。
時代モノなので面白いかとおもったが、
私には合わない
4福田さん
初めて読む作家さんでした。
とても面白い。次が気になりました。
別の本も読んでみたいです。
5中島さん
初めて読む作家さんでした。
とても面白い。次が気になりました。
別の本も読んでみたいです。
6くしきさん
初めて読む作家さんでした。
とても面白い。次が気になりました。
別の本も読んでみたいです。
7大山さん
初めて読む作家さんでした。
とても面白い。次が気になりました。
別の本も読んでみたいです。 -
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ますらおの 涙を袖にしぼりつつ 迷う心はただ君がため
「監獄舎の殺人」に惹かれてエンタメ推理小説のつもりで読み始めたので、本格時代小説でもあったことに驚いた。連作短編として読んでくると、「監獄舎」が終わったあたりで腰の据え方が変わってくる。江藤新平と鹿野師光というふたりの探偵役が、どうしてここに至り、どこへ行くのか。
しかし史実上の人物とオリジナルの探偵、という対比が非常に巧みで、師光を通して見る江藤新平の姿は傲岸不遜でありながら所々に感情的な綻びを見せ、当に「迷い」を体現するかのよう。司法制度の成立に生涯を掛けた人物だからこそ、その迷いが魅力的に響く。
にしても重かった…本格時代小説としても、新本格推理小説としても。密室あり、倒叙ミステリあり、推理合戦ありに政争あり。未だ幕末の動乱残る明治初期を舞台にしていることが、これでもかと活きている。
大満足でした。