伊吹亜門のレビュー一覧
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ますらおの 涙を袖にしぼりつつ 迷う心はただ君がため
「監獄舎の殺人」に惹かれてエンタメ推理小説のつもりで読み始めたので、本格時代小説でもあったことに驚いた。連作短編として読んでくると、「監獄舎」が終わったあたりで腰の据え方が変わってくる。江藤新平と鹿野師光というふたりの探偵役が、どうしてここに至り、どこへ行くのか。
しかし史実上の人物とオリジナルの探偵、という対比が非常に巧みで、師光を通して見る江藤新平の姿は傲岸不遜でありながら所々に感情的な綻びを見せ、当に「迷い」を体現するかのよう。司法制度の成立に生涯を掛けた人物だからこそ、その迷いが魅力的に響く。
にしても重 -
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ネタバレ2026.01.22 (木)
短編で手に取りやすく読んだことのない作家さんも多い中、読みやすかった。
金子玲介目当てで購入したけど、いくつか気に入った作品があって嬉しかった。
岡崎隼人 「パルス、またたき、脳挫傷」
砥上裕將 「母の箪笥」
五十嵐律人 「累犯家族」
荒木あかね 「重政の電池」
金子玲介 「恋文」
背筋 「こわくてキモくてかわいい、それ」
多崎礼 「海に還る」
柾木政宗 「切れたミサンガ」
夕木春央 「擲たれた手紙」
麻耶雄嵩 「探偵ですから」
この作品たちが好きだった。なかでも 「重政の電池」が1番良かったかも。余韻も好きだった。 -
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作家那珂川二坊の人生を軸に時系列に関わった事件について綴る趣向
短編5本でそれぞれに後に著名になる人物が関わるミステリー。
一冊の構成がサービス精神旺盛だなぁって思いました。ストーリーテラーとなる那珂川氏はそれほど有名ではない作家でイマイチ売れてない上に病気がちの細君もいるため、新聞記事かいたりルポを書いたり探偵物を書いてみたりと志と違うもので糊口をしのいでいる。職業作家ならではの苦悩も抱いている。第二次大戦前後の多くの日本人はこうだったかもしれないという暮らしぶりや情緒もあらわされていて、ミステリー仕立てでいながら当時の風俗が浮かぶ 多角的に興味深い作品群でした。
多角であるがゆえに純粋に謎 -
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時は幕末
薩長同盟を成すべく奔走する坂本龍馬と斬られた侍と消えた犯人
お尋ね者の龍馬が表立って動けず呼ばれたのは、尾張藩公用人狩野師光
短躯で愛嬌のある見かけによらず剣は立つし頭も切れる また情に厚い男が事件を暴く
長州、薩摩、土佐、朝廷、幕府、新撰組 様々な思惑が入り乱れる 新しい世界を作るべく志あるもの誰もが考えを持ち動きぶつかり といった世情でままならぬ人々の平和への願い
そんな舞台装置のミステリー。
犯人消失ですね。
幕末好きではないので ふわっと雰囲気で読んでしまったため謎解きも人間関係もふわっと流した感。
この時代が好きな人はもっと楽しめるのだろうなと思いました。
この作品のおか -
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