伊吹亜門のレビュー一覧

  • 刀と傘

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    まさに堂々たる歴史本格ミステリ! という連作短編集でした。

    舞台となる時代は、幕末から明治という日本の激動期。維新の志士の密室殺人から始まり、明治の日本の雰囲気を湛えた、風格あふれる短編がその後も続いていきます。

    史実やこの時代ならではの設定、そして人間感情を巧みに織り込みつつも、一方で本格ミステリとしての論理もおろそかにしない。本格ミステリの楽しみどころ王道は、だれが犯人か?のフーダニットと、どうやって犯行におよんだかのハウダニットだと思うけど、
    この小説ではそれに加え、この時代ならではの人の感情の機微や史実を織り込んだホワイダニットが、ミステリとしても、そして小説としても、話を深化させ

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    2024年03月13日
  • 焔【ほむら】と雪【ゆき】 京都探偵物語

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     伊吹氏の過去2作品には、実在の人物が登場したが今回は誰もいない。
    主人公鯉城武史は元刑事で、ある理由から警察官を退職した。

     露木という人物から声をかけられ、探偵事務所を開き共同経営をしている。屋号は、鯉城探偵事務所という。なぜか露木の名前が入っていない。物語を読み進めると、探偵の依頼を鯉城が受け、実際の調査活動も鯉城が遣っているからなのだろうと推測していた。

     露木は、事務所にも出勤していない。判断に困る案件があった時だけ、鯉城は露木の家を訪れ相談をしている。事件があっても現場には赴かず、主に鯉城から状況説明や資料を基に推理に徹している安楽椅子探偵なのだ。

     目次は以下の通り
     第一

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    2024年02月22日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    ゴールデンカムイが好きすぎて、だからこそ楽しみにもしていたけど、期待してなかったのだけど、とてもよかった。
    文体が読みやすくて、作家さんの独自の見解を入れず、各キャラクターの雰囲気をちゃんと味わえつつ、脳内補完の余地も残してくれてる気がした。

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    2025年12月18日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    2025.12.09 ★4.1

    「ゴールデンカムイ」のスピンオフ。
    第7師団の鶴見篤四郎中尉を筆頭に繰り広げられる前日譚ミステリー短編集。

    元の漫画の世界観を損なうことなく、むしろそのキャラクター世界を深く掘り下げるような物語ばかりで、ミステリーとしてもしっかりと読み応えのあるものだった。

    鶴見中尉とその配下が好きな人はぜひ読んでみて欲しい。


    ↓↓↓内容↓↓↓

    日露戦争のさなか。戦場という巨大な密室では、正気を失うことこそ美徳とされる。鶴見中尉と第七師団の面々が出会った、驚くべき事件の数々とは……。日露戦争での第七師団を描いた、初のスピンオフノベライズ!! 野田先生による描きおろ

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    2025年12月09日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    面白かった!
    しっかり金カムワールドでちゃんとミステリーしている。
    尾形可愛い。
    話としては月島の話が好きかな。

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    2025年12月04日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    二◯三高地を舞台とした第七師団のオムニバス。
    鶴見篤四郎を筆頭に大七師団が如何に凄惨な戦場を潜り抜けて来たかがミステリ仕立てで語られる上質なスピンオフだった。

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    2025年11月28日
  • 刀と傘

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    時は明治。
    維新後の日本は様々な矛盾を孕みながら近代化へと進む。
    新しい世界を目指し若者たちは京の外れに集い 熱く語り合う。そんな中同志が一人死んだ。隠れ住んでいた町家でたくさんの刀傷を受けて。

    「雨と短銃」を先に読んだのですが、どうもこちらの方が先だったらしく、短編ですがなるほど中心になる狩野師光さんが とても好ましい人物であるとよくわかる。
    今回はワトソン役でしょうかホームズ役に江藤新平なる佐賀脱藩浪人の頭キレッキレの男と共に謎に挑みます。

    この人を人とも思ってないような江藤さんが師光さんをめっちゃくちゃ気に入ってしまうんですね。
    でも片想いで いくら頭良くて舌鋒鋭くても 人の心は自由

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    2025年11月26日
  • 推理の時間です

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    推理作家さんたちの競演。
    トリックを当てるのか、犯人を当てるのか、色々と趣向が凝らされてます。せっかく出題編と解決編に分けてくれてますが、いつものようにそのままスルーで読みました。

    ペリーやナチスドイツ、旧日本軍など歴史を題材にしたミステリーが多くて、歴史好きのわたし的には満足でした。

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    2025年11月08日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    ゴールデンカムイの強烈なキャラクターたちがたくさん登場するけど、伊吹さんはどんなふうに描くのか楽しみに読んだ。
    コミックそのままのキャラクターで良かったし、ミステリと野田さんのイラストが楽しめてお得感があった。

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    2025年11月06日
  • 刀と傘

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    すごいミステリだった
    明治維新によって変貌する日本。かつての武士たちの覚悟と、うす汚ない策謀がぶつかり合う社会を、5つの短編で克明に描きだしている
    どの短編も素晴らしい完成度で、本格歴史ミステリの楽しさを教えてくれる

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    2025年10月30日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    第七師団で起きたミステリサスペンス。
    推しの尾形の話がもう一声欲しかった。
    個人的に宇佐美、菊田の話が好き。

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    2025年10月26日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    みんな大好き鶴見中尉のスピンオフ作品。
    金カムファンなら絶対読んでほしい、、!
    原作の第七師団は戦いのシーンがメインだけど、この作品はミステリー要素もあったから、小説でも読みやすかった。
    月島、宇佐美、尾形も知能高めだけど、そのさらに上をいく鶴見中尉がただただ怖いし、人の心に漬け込むのがうますぎる。

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    2025年10月26日
  • ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願

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    スピンオフ小説。ミステリ仕立てで面白かった。
    お馴染み第七師団の面々目線から描かれる事件の謎と”鶴見篤四郎”という謎。
    より鶴見中尉の解像度が深まる。
    二百三高地から奉天会戦の描写が凄惨で残酷。
    お気に入りは菊田特務曹長の「白い日本兵」です。

    惜しむらくは、オムニバス形式なのに同じ様な雰囲気で単調だったこと。
    特に第三話は、せっかくの宇佐美=探偵なのだから、思い切り遊んでもよかったのかな…と。
    いい意味でも悪い意味でも真面目でした。

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    2025年10月22日
  • 路地裏の二・二六

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    ネタバレ

    相沢中佐による永田少将惨殺事件。憲兵大尉・浪越は事件には語られない「真実」があると確信する。陸軍兵学校の教官の不審な死と関係者の死。

    軍人たちの面子だったり価値観が…。二・二六事件についての小説は面白いな。色々な事件が繋がっていく感じがとても良かった。

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    2025年09月26日
  • 焔【ほむら】と雪【ゆき】 京都探偵物語

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    ネタバレ

    普段推理小説はあまり読まないので、事件の真相にこじつけ感がある気がするが、創作だとこんなものなのだろうと思い込んだ。

    だから、第四話で全ての事件の真相はみ「鯉城のための作り話」と知ったときは、驚きで鳥肌が立った。この話からようやくページをめくる手がスラスラ進むようになった。

    タイトルの焔と雪。最初は表紙の構図をみて2人の位置に違和感があった。だけど、最後まで読むと、一見穏やかだけど心に熱い気持ちを隠す露木と、熱血漢に見えるが自身を冷たい人間だと思う鯉城を焔と雪に例えていることが分かる。深くていいタイトルだと思った。

    露木にとっての世界は鯉城のみだけど、鯉城にとってはそうでないのが切ない。

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    2025年09月01日
  • 斬新 THE どんでん返し

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    ネタバレ

    若手作家によるどんでん返しの短編集。
    どの短編も後味が悪く、面白かった。
    特に『遣唐使船は西へ』は殺人の動機が苦しく、希望もなかったし、『人喰館の殺人』は最後が狂気を感じて怖すぎる(自分を食べていたよね…?)

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    2025年07月12日
  • ミステリーツアー

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    ・青崎有吾・阿津川辰海・伊吹亜門・似鳥鶏・真下みこと、が15作のミステリーを2ページ以内で紹介した本。つまり、全部で75作。かなり、危険な本です。何故なら、読み終わると読みたい本が増えているから。悲しいことに、75作中、既読は一割位でした。お勧め文も勿論楽しめるので、ミステリー好きなら★5なのでは?
    本の紹介がすごく上手だなぁと思ったのは伊吹亜門さんで、読んでて面白かったのは似鳥鶏さんで、読みたい本が多かったのは真下みことさんです。
    さあ、これから、家みたくなった本をメモらなくては……。
    大人の本の紹介なので、高校生くらいから。中学校以上。

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    2025年06月11日
  • 推理の時間です

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    6人のミステリー作家による、フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットのアンソロジー。
    どの短編にも読者への挑戦状があり、問題編と解決編に分かれている。
    巻末には、それぞれの短編に対して他の作家による推理も掲載されている。

    普段ミステリーを読むと先が気になってどんどん読み進める感じがある。
    このアンソロジーは読者への挑戦状があって、普段よりも自分で考えながら注意深くゆっくり読み、ときには戻ったりしながら読んでいたように思う。
    自分で正解までしっかりたどり着けたものはなかったけれど、短編を読み終えるごとに全くの見当外れだったな、着眼点は悪くなかったな等思う楽しさがあった。
    作品に対して別の作家

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    2025年06月08日
  • だから捨ててと言ったのに

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    短編なのでサクサク読めた。
    今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
    誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
    アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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    ↓読んだ中で印象に残ったもの。

    ●良い話
    砥上裕將『母の箪笥』
    金子玲介『恋文』

    ●じわじわ来る系
    潮谷験『無理解』
    五十嵐律人『累犯家族』
    背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』

    ●設定の世界観が独特
    黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
    舞城王太郎『食パンと右肘』
    多崎礼『海に還

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    2025年05月31日
  • 路地裏の二・二六

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    2.26事件の裏で起きていたもう一つの事件。

    陸運省にて相沢三郎歩兵中佐が、軍務局長・永田鉄山少将を惨殺する事件が起きた。
    その後に続く幾つもの死は、語られていない真実が隠されていて…。

    浪越憲兵大尉を中心に動いていく不可解な事件の真相が明らかになるにつれ麦島妙子の関わりに驚愕する。

    昭和の大きな事件の裏…ということかもしれないが、これも時代が影響していたのかと感じた。


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    2025年05月23日