伊吹亜門のレビュー一覧
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ネタバレ普段推理小説はあまり読まないので、事件の真相にこじつけ感がある気がするが、創作だとこんなものなのだろうと思い込んだ。
だから、第四話で全ての事件の真相はみ「鯉城のための作り話」と知ったときは、驚きで鳥肌が立った。この話からようやくページをめくる手がスラスラ進むようになった。
タイトルの焔と雪。最初は表紙の構図をみて2人の位置に違和感があった。だけど、最後まで読むと、一見穏やかだけど心に熱い気持ちを隠す露木と、熱血漢に見えるが自身を冷たい人間だと思う鯉城を焔と雪に例えていることが分かる。深くていいタイトルだと思った。
露木にとっての世界は鯉城のみだけど、鯉城にとってはそうでないのが切ない。
続編を読みたいと思ったが、二人の関係が変わらないことを示唆する終わりが、1番綺麗かもしれないとも思ってしまう。
時代ものだからか、現代ではあまり使わない言葉や漢字が多く、読むのに苦労したけど、諦めず最後まで読んでよかったと思える作品だった。 -
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・青崎有吾・阿津川辰海・伊吹亜門・似鳥鶏・真下みこと、が15作のミステリーを2ページ以内で紹介した本。つまり、全部で75作。かなり、危険な本です。何故なら、読み終わると読みたい本が増えているから。悲しいことに、75作中、既読は一割位でした。お勧め文も勿論楽しめるので、ミステリー好きなら★5なのでは?
本の紹介がすごく上手だなぁと思ったのは伊吹亜門さんで、読んでて面白かったのは似鳥鶏さんで、読みたい本が多かったのは真下みことさんです。
さあ、これから、家みたくなった本をメモらなくては……。
大人の本の紹介なので、高校生くらいから。中学校以上。
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6人のミステリー作家による、フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットのアンソロジー。
どの短編にも読者への挑戦状があり、問題編と解決編に分かれている。
巻末には、それぞれの短編に対して他の作家による推理も掲載されている。
普段ミステリーを読むと先が気になってどんどん読み進める感じがある。
このアンソロジーは読者への挑戦状があって、普段よりも自分で考えながら注意深くゆっくり読み、ときには戻ったりしながら読んでいたように思う。
自分で正解までしっかりたどり着けたものはなかったけれど、短編を読み終えるごとに全くの見当外れだったな、着眼点は悪くなかったな等思う楽しさがあった。
作品に対して別の作家の方の推理を読むことができたのも、作家さんの想像力が垣間見える贅沢さがあったなと感じる。
また、自分はこれまで時代設定が現代ではないミステリーを読む機会が少なかったので、今回現代が舞台ではないミステリーを読む機会になったのも良かった。
作家の方達の負担はかなり大きい形式であるようだけれど、またこういった形式の作品が読めたら良いなと思う。 -
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短編なのでサクサク読めた。
今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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↓読んだ中で印象に残ったもの。
●良い話
砥上裕將『母の箪笥』
金子玲介『恋文』
●じわじわ来る系
潮谷験『無理解』
五十嵐律人『累犯家族』
背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』
●設定の世界観が独特
黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
舞城王太郎『食パンと右肘』
多崎礼『海に還る』
麻耶雄高『探偵ですから』
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個人的には、金子玲介さんの『恋文』が一番馬鹿っぽく軽いテイストが面白かった。
また、多崎礼さんの『海に還る』は短編の設定にしては面白い。短いから逆に良かったのかな?
潮谷験さん『無理解』と、五十嵐律人さん『累犯家族』は、表題テーマらしいイメージ。 -
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アンソロジー作品。
問題編と解答編に分かれていて、豪華な作家陣の作品を自分でも推理する事ができます。また、参加している作家さん同士でお互いの作品の推理した回答が掲載されており、思考を覗き見するようで面白かったです。
普段、推理小説を読んでも推理しないのですが、この作品は問題編が比較的短く、自分でも挑戦してみようと思えました。いくつか挑戦してみましたが、少し真相に近付けたり、全く思い浮かばなかったり…と様々でした。推理に挑戦した結果、より丁寧に作品を読み込む事につながり、読後の満足感が上がったように思います。
推理が苦手な人も、気軽に挑戦できるのでおすすめです。
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歴史的な出来事の裏で起きた事件を描くのがお得意の伊吹さんの最新作。
今回はタイトルで分かる通り、二・二六事件。
冒頭から陸軍内で起きた殺人事件。直情径行型の軍人が、行き過ぎた愛国心で暴走した事件のように見えるが、その裏に事件を起こそうと誘導する人物も垣間見える。
探偵役は憲兵大尉の浪越。思わぬ大物から間諜として二名の人物の内偵を命じられた彼だが、その中でまた殺人事件と出会う。
探偵の仕事はタイムスリップに似ている。
一つの事件を起点に、関係者たちの真実に迫ることは彼らの過去を遡ることでもあり、その捜査の中で新たな過去の事件にも出会う。
皇道派と統制派の衝突や、そこに入り込む私欲に塗れた活動家、彼らが使う愚連隊の少年少女たち…人間関係が広がりそうで、実は本質は狭いところにあったというのが興味深い。
また、この時代と浪越の環境ならではの捜査ということもあり、事件は隠蔽されているものが多いし、資料も簡単には見せてもらえない。憲兵はどこに行っても嫌われ者だが、警察の方もなかなかやり手で面白い。
途中、伊吹作品に出てきた探偵・鯉城が登場したので浪越のバディとなるのかと期待したが、ただの通りすがりだった。また彼の活躍も見たい。
何となく途中から真相の一端というか、キーパーソンは見えてきたのだが、終盤は切ない。
その後の歴史を知っているだけに、浪越がどう頑張ってもこの事件を止められるわけではないことは分かっているのだが、だからこそ男臭い友情もきれいに見えてくる。
しかし依頼者の最期についての浪越の行動の原理は理解出来ない。犯人の行動原理はやり過ぎとは言え理解できなくもない。
だがやはり人が簡単に死に過ぎる。そういう時代だった言うなら、そんな時代は二度と来てほしくない。 -
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二・二六事件の裏で起きていた「もう一つの事件」を虚と実を織り交ぜて描く歴史ミステリ。
永田鉄山や渡辺錠太郎、相沢三郎など実在した人物のエピソードを盛り込みながら、フィクションとしての主役・浪越憲兵大尉が叛乱の裏で起きていたある事件を解明していくというミステリ。
これほどの殺人事件を起こした犯人の動機が今ひとつ納得いかなかったけれど、真相が明らかになっていく過程はなかなかスリリングで面白かった。なぜわざわざこの時代背景?とも思ったけど、浪越のなんでもありの行動はあの時代じゃないと成り立たないし、何より浪越と麦島の同期の絆がもたらす感傷はあの騒擾が絡むからこそなんだろうなと納得。
それにしても簡単に人を殺しすぎだし、陸軍も隠蔽し過ぎかな〜笑
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ネタバレ明治から昭和初期までのとある小説家視点のミステリ。彼はどちらかというとワトソン役で、ホームズというか謎を解く探偵役はその都度登場していくタイプ。しかもその探偵は歴史に名を残すような偉人たち。主人公はそんな輝かしき偉人たちの側で、様々な役回りを果たしていく。尾崎紅葉に認められた最後の門下生という、言ってしまえばちっぽけなプライドだけで主人公は生きてきた。その矜持も悪くはないものの、総合的に彼は誰かしら、何かしらに流されてしまっている。だからこそ文壇で輝けなかったのかなあとちょっと思ってしまった。話の内容は面白かったんだけど、昔の表現方法が多いので読みづらさも少し感じた。