伊吹亜門のレビュー一覧

  • だから捨ててと言ったのに

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    不穏な話は少なめ。金子玲介さん『恋文』、舞城王太郎さん『食パンと右肘』、多崎礼さん『海に還る』、麻耶雄嵩さん『探偵ですから』が特に好き。

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    2025年04月01日
  • 路地裏の二・二六

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    歴史的な出来事の裏で起きた事件を描くのがお得意の伊吹さんの最新作。
    今回はタイトルで分かる通り、二・二六事件。

    冒頭から陸軍内で起きた殺人事件。直情径行型の軍人が、行き過ぎた愛国心で暴走した事件のように見えるが、その裏に事件を起こそうと誘導する人物も垣間見える。

    探偵役は憲兵大尉の浪越。思わぬ大物から間諜として二名の人物の内偵を命じられた彼だが、その中でまた殺人事件と出会う。

    探偵の仕事はタイムスリップに似ている。
    一つの事件を起点に、関係者たちの真実に迫ることは彼らの過去を遡ることでもあり、その捜査の中で新たな過去の事件にも出会う。
    皇道派と統制派の衝突や、そこに入り込む私欲に塗れた活

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    2025年03月22日
  • 路地裏の二・二六

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    二・二六事件の裏で起きていた「もう一つの事件」を虚と実を織り交ぜて描く歴史ミステリ。

    永田鉄山や渡辺錠太郎、相沢三郎など実在した人物のエピソードを盛り込みながら、フィクションとしての主役・浪越憲兵大尉が叛乱の裏で起きていたある事件を解明していくというミステリ。

    これほどの殺人事件を起こした犯人の動機が今ひとつ納得いかなかったけれど、真相が明らかになっていく過程はなかなかスリリングで面白かった。なぜわざわざこの時代背景?とも思ったけど、浪越のなんでもありの行動はあの時代じゃないと成り立たないし、何より浪越と麦島の同期の絆がもたらす感傷はあの騒擾が絡むからこそなんだろうなと納得。

    それにして

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    2025年03月16日
  • だから捨ててと言ったのに

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    すべて「だから捨ててと言ったのに」から始まる、複数作家の短編集。
    同じセリフから始まるのに、こうも多様な物語になるのかと驚きました。
    ちょっとよくわからないなという話もありましたが、おおむね読みやすく、飽きずに最後まで楽しめました。

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    2025年03月16日
  • 雨と短銃

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    ネタバレ

    薩長同盟を工作しているさなかに、長州の小此木が薩摩の菊水に切られた事件の解明を坂本龍馬に託された尾州の師光が、という幕末を舞台にした推理小説で、重厚で読み応えのある作品だった。

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    2025年03月15日
  • 焔【ほむら】と雪【ゆき】 京都探偵物語

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    ネタバレ

    medium霊媒探偵などと同じ二重推理もの
    大正時代の日本語の豊かさを感じられる

    しかし二重推理のカタルシスは上述の小説のほうがあった

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    2025年03月13日
  • 帝国妖人伝

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    ネタバレ

    明治から昭和初期までのとある小説家視点のミステリ。彼はどちらかというとワトソン役で、ホームズというか謎を解く探偵役はその都度登場していくタイプ。しかもその探偵は歴史に名を残すような偉人たち。主人公はそんな輝かしき偉人たちの側で、様々な役回りを果たしていく。尾崎紅葉に認められた最後の門下生という、言ってしまえばちっぽけなプライドだけで主人公は生きてきた。その矜持も悪くはないものの、総合的に彼は誰かしら、何かしらに流されてしまっている。だからこそ文壇で輝けなかったのかなあとちょっと思ってしまった。話の内容は面白かったんだけど、昔の表現方法が多いので読みづらさも少し感じた。

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    2025年02月27日
  • 帝国妖人伝

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    語り手が同じで、探偵役が毎回変わるという一風変わった連作短編集。
    どの作品もクオリティーが高い上に、各編の探偵役の正体が実は……というお楽しみまでついてくるので、2度楽しめる。
    歴史ミステリだけど、歴史音痴でも本書を楽しむのに問題はない。

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    2025年01月19日
  • 焔【ほむら】と雪【ゆき】 京都探偵物語

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    なるほどね。
    こういう切り口を時代ミステリでするんだ。
    要はこの連作短編集も、推理は一つではなく
    揺れる。解釈は数個もあるうちの閉じた人間にとっての都合のいい解釈が一つの推理になる。
    探偵とワトソンの関係も含めて揺れる物語で、よかった。

    2772冊
    今年211冊目

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    2024年12月30日
  • 幻月と探偵

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    二次大戦前夜の満州を舞台にした探偵小説。人種は入り乱れてるし、関東軍や憲兵などが幅を利かす剣呑な世界。現代にはない舞台設定も相まって、なかなか面白かったです。
    日本人は満州という国についてあまり学ぶ機会がありませんが、この小説は満州に興味関心を持つ入口にもなるかもしれません。

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    2024年12月17日
  • 斬新 THE どんでん返し

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    白井さんの短編が気になって購入。斬新どんでん返しではないけれど楽しめる一冊。
    白井さんのは短編でもしっかり多重推理入れてくるところが好き。あとわかっているのに、最初の方からあちこちに伏線ありまくりなのが、これこれ〜となる。内容が内容なので人には勧めにくいけれど好きだなぁ。

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    2024年12月14日
  • 焔【ほむら】と雪【ゆき】 京都探偵物語

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    スロースターター系ミステリー小説というか、途中まで感じる「なんか違和感が?あれ??これでいいのかな??」が綺麗にひっくり返った瞬間からが本番な一冊。
    ミステリーに触れる機会が多ければ多いほど見落としてしまいそうな"意図"が最後にじわじわ来るのがいいなぁ。

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    2024年11月10日
  • ミステリーツアー

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    ブックガイド。読みたい本が増えてしまった。阿津川さんは配信時に選ばれなかった本もコメントつけてくれてありがたい。まだまだ知らない作家さんいるな…。

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    2024年09月20日
  • 幻月と探偵

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    フィクションとノンフィクションが交錯したミステリーは真に迫るものがあり、背景描写もとてもリアルでこの時代の満州の不安定で混沌とした様子が目に浮かぶようだった。犯人の推理もとても面白く主人公の目線で考えを巡らせながらラストのどんでん返しに岸と一緒に驚愕した!

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    2024年09月11日
  • 推理の時間です

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    謎解き挑戦ミステリーアンソロジー。いわゆる「犯人当て」なのですが、当てるのは犯人だけとは限りません。フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットの三種類が各二作品ずつ。どれもこれも難問ぞろいでした……。
    とりあえず解答にたどり着けたのは法月綸太郎「被疑者死亡により」と田中啓文「ペリーの墓」。でもどちらも辛うじて核心部分は当てたと言えるものの、細部などは詰め切れませんでした。手掛かり部分等はわりと分かりやすいほうではあったと思いますが、決して簡単というわけではありません。
    謎が魅力的だったのは我孫子武丸「幼すぎる目撃者」。ホワイダニットって謎を作る方も解く方も一番大変なのではと思います。そんな中で

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    2024年08月31日
  • ミステリーツアー

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    ネタバレ

    五人の作家によるガイドブック。

    既読の作品はほうほうと、未読の作品はこんな面白そうな作品があるのかと楽しく読んだ。

    それぞれが短めの紹介のため作品数も多く満足。あえてなのかもしれないが、凄く有名な作品や王道の作品(所謂、必読の作品)みたいなものは少なめ。なので日頃全くミステリを読まない人は辛いかも。そもそも対象としていないかもしれませんが。。。

    海外作品が少なめだったことはちょっと残念。

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    2024年08月18日
  • 雨と短銃

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    時代本格推理というジャンルで、坂本龍馬や西郷が出てきます。時代小説好きだったな~と思い出させてくれた一冊!本格推理!私にとって贅沢な作品でした。『刀と傘』の前日譚となる話ですが、『雨と短銃』だけでも楽しめます。

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    2024年08月10日
  • 雨と短銃

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    いいな、このシリーズ。幕末のもやもやした空気の中で、尾張藩公用人が、時代のヒーローが交錯する切所を、粘り強い現地調査とヒアリングと推理力で解明し見届ける。作品としては負担にならない長さで、テンポも心地よい。筋立ては適度に込み入っており、京都の空間をあちこちと行きかう浮遊感が読書に没入させてくれる。土方や坂本、西郷らの造形は、もはや小説家としてあまりいじりようがないのか、よく言えば期待を裏切らないというのが、物足りないかもしれないけれど。

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    2024年07月08日
  • 幻月と探偵

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     史実を参考にしたハードボイルドの作風で『刀と傘』『焔と雪』の歴史×本格ミステリーとは違う描写や展開を楽しめた。最初の事件から第2の事件、それらのミッシングリンクなどが昭和の時代背景や満州の土地柄と相まって「この時代だからこそ成立する不可能犯罪」という側面も著者の作品の魅力だった。

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    2024年07月02日
  • 幻月と探偵

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    歴史ミステリと言うより、満州国を舞台にしたハードボイルド。巻末解説によると、作者さんはロス・マクドナルドを参考にしたそうだけれど、所謂正統ハードボイルドのお約束に従って物語が進む。まあ、警官(憲兵)に痛めつけられて、それでも怯まなかったりするのはアーチャーよりマーロウですかね。ミステリとしては少し軽めですが、それでも犯人の意表を突く動機が最後に明かされるホワイダニットとして読めば、これも愉しい。
     ☆

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    2024年06月20日