伊吹亜門のレビュー一覧
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ゴールデンカムイ(漫画)本編では、あっという間に出てきてあっという間に散ったキャラたちがしれっと出てきて、まずそこに大興奮した。三島!小宮!前山さん!(どうしても"さん"付けしてしまうw)1〜3話目は確かにミステリだと感じたけれど、4〜5話は「ミステリ?」という感じがしなくもない。とはいえ、とても面白かったし、鶴見中尉の底知れない怖さとか非情さと、部下を思いやる姿という「共存するアンバランス」さが見事に表現されていて、拍手。どのキャラも、脳内で声が聞こえてくるくらい再現度が素晴らしくて、そういう意味でも素晴らしい。二◯三高地の悲惨さを決して美化せず、しかしキャラをブレさせず、というバランスが見事なスピンオフでした。野田先生のイラストも嬉しかったです!!
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憲兵の浪越大尉は渡辺教育総監からの密命により、内偵調査の任を受ける。しかし聴取のために訪れた彼が目にしたものは、思いがけない殺人現場だった。現場の不審な状況に疑念をおぼえた浪越は調査を進めるうちに、恐るべき謀略へとたどり着く。重厚な読みごたえの歴史ミステリです。
もちろん歴史ベースはそのままなので、この不穏な情勢の行く先に二・二六事件が起こるということは明らかなのですが。その裏で起こっていたとされる数々の事件もまた負けず劣らずの大事件。むしろこちらの事件の方が派手派手しく事は大きいものの、現代の視点からすると犯人の動機と狙いには共感できるかもしれません。一方で二・二六事件に際して浪越がとった決断の理由……これは当時の時代情勢がなければ、現代の者には共感しづらいのですが。しかし切実なものを感じました。 -
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超★5 激動の昭和初期にタイムスリップ、圧巻ストーリーテリングの歴史ミステリー #路地裏の二・二六
■あらすじ
昭和10年、陸軍省で相沢中佐が軍務局長の永田少将を殺害する事件が発生。憲兵である浪越は、この事件を訝しんでおり捜査を進めていた。
ある日、浪越は渡辺錠太郎陸軍大将から呼び出され、ある人物を調査するよう密命を受ける。陸軍参謀本部ではさらなる事件が発生、爆弾テロを扇動する国粋主義者が現れる。2.26事件が近づく昭和初期、浪越が見た事件の真相とは…
■きっと読みたくなるレビュー
超★5 おもろい!
二・二六事件って、どんな事件だったか説明できます? 恥ずかしながら、私はほぼ100%忘れてました。
歴史に興味がなくて、いつも学校の成績も悪かったんだよなー。こういう面白いエンタメとセットで歴史を教えてくれたら、もっと成績あがったと思うんですよ、うんうん。自らの不勉強さアピールは不要ですね、ごめんなさい。
激動の昭和初期、皇道派と統制派の対立から発生した二・二六事件を背景に、その裏で起こっていたもうひとつの事件を描いた歴史ミステリーです。
まず褒めたいのはストーリーテリングですよ、めっちゃお上手。主人公の浪越が私立探偵よろしく事件や人間関係を調べていくんですが、これが面白くってしょうがない。軍拡の皇道派と立法を重んじる統制派、その隙間から漏れ出る昭和初期の価値観の中で、隠された真実に対して鋭く切り込んでいくんです。
浪越は頭脳だけでなく腕力もパワフルなんですよ、派手なアクションもたっぷり。また友人である陸軍中隊長の麦島、彼も熱い男でいい奴。男同士の真摯なやり取りも読みどころですよ。まさに屈強の日本男児なんですよね、令和の草食系男子もいいけども、こういう男子もいいよね。
物語も中盤に入ると、少しずつ隠された秘密が明らかになってくる。危険度とサスペンス風味がどんどん増していき、どうなっちゃうのか怖すぎっ!
終盤、事件の背景が紐解かれると、なんだかもう溶けそうになっちゃう、マジかよと。そもそもの事件のきっかけがあまりにも低俗で、わなわなと打ち震えましたね。
そして怒涛のラストですよ、これまで読んできた昭和初期体験が一気に解き放たれ、あるべきところに着地するのです。なんつーか、涙が止まらないというか、素晴らしかった…
本作は参考文献がたっぷりで取材力もスゴかったですね、大戦前の日本が目に浮かんできます。新しい戦前と言われている昨今、こういう時代もあったと学び直さなければなりません。現代の日本人こそ読むべき一冊でした。
■私と物語の対話
大切な人を守りたい、困っている人を助けたい、たったそれだけのはずで、目的は見失っていないんです。でも、やり方を間違えるのは良くない。未来のある若者たちの不幸はもう見たくありません。
私たちが生きている現代でも、いつの間にか世界秩序が少しずつ変わっている。間違った方向へ行かないように、私たちひとりひとりが見て、考え、行動しなければいけないと思いました。