舞城王太郎のレビュー一覧

  • 畏れ入谷の彼女の柘榴

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    タイトルのお話よ。
    なんちゅう胸糞ストーリーなの!!!
    なんか、本当に嫌な感じだった。
    妊娠した理由も。
    させた理由も。
    終わり方も。

    あなたの元奥さん、かなり悪いヤツだよ。
    なんで気づいてなかったの?
    結婚するくらい恋に恋してたから気づかなかったのかな。
    絶対(あんまり絶対って使わないけど、あえて使う)昔から人から嫌われるタイプだったはず。
    だってその片鱗ないとあそこまで考えなしの嫌なヤツにはなれないよ。

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    2024年10月02日
  • 短篇七芒星

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    どのお話も濃くてとても面白かったです!
    短編集はだいたい、好きなお話とそうでもないお話の差が激しかったのですが、この本はほんとに全部面白かったです。
    特に「代替」と「縁起」が好きです。

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    2024年09月28日
  • 短篇七芒星

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    読み終わったときに、自然に「面白かった。」って言ってしまった。
    パートナーさんの好きな作家さん。なんで今まで私が出会わなかったのか謎。スキ。
    この短編は、読んでいて同じ人が書いたの?…みたいな不思議な感じになった。
    スキ。
    ホラーやSFベースで、絶妙なグロ加減。そして、ちょっと甘酸っぱい青い春よ。
    なんだろ?
    大人になる前の少年の危うさみたいのが、直接的に描写はされてないんだけど、そこかしこに匂わせているように感じるところが凄く好き。
    ホラー、SF、グロだと思って読んでるんだけど、その中に感じる青春と恋愛。
    とりあえず、パートナーさんの家にあるやつ全部借りたい。

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    2024年09月16日
  • 短篇七芒星

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    話によって好みは分かれようが、どれも濃厚で満足度が高く、切り口と持ち味の違う話でたいへんよかった。

    個人的には一篇目が面白かったのがよかった。映画好きなら(さほどでも)だいぶニヤリと出来た。

    ホラー感ありつつも、「落下」「代替」もすごくおもしろかった。

    話によってはイマイチ突然終わった感、物足りなさがあるものもあったが、だらだら余計な理屈づけをしないクールさが良いという気もする。

    初めて読んだ作家だったので、他の作品もよみたくなった。

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    2024年07月13日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    ページにびっしりと文字が詰まっていて、圧迫感があって、翻訳本のような感じ。全体的にスピード感がありテンポが良いけれども、ほぼ回想なので本筋の話はほぼ進まず、不思議な感覚。

    最後のセラピーを受け、「生きることは無駄ではない」ということを認識し始めた時からの主人公の心の動きがとても重く感じた。今までせき止めていた感情がようやく流れ出すのに、それもどこか第三者の目線。最後の「俺は~15時間経ったのにまだ起きない。よっぽど疲れていたんだね。」には、一体これは誰が言っているのだろうかと、ぞわっとした。

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    2024年06月30日
  • 熊の場所

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    「熊の場所」と「バット男」は個人的に好きな内容でした。特に「熊の場所」はお父さんの話も興味深かったし、全体的にどうなるんだろうって久々にドキドキしながらページを進められてとても良かったです。収録されている「ピコーン!」はちょっと合わなくて残念です。

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    2024年05月31日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    ”愛”の存在自体は永続的とも言えるが、一瞬の感情の交わりで愛を成立させるのすらわりと無理だし、フィクション的だと言い続けたい。しかし、虚構もまた存在である。だから祈ったらいいよ。わたしも祈ってみようかな。愛について語る人は、愛を持ってる人と、そうでない人だが、後者のほうが自己愛が強そう。つまり愛だよ。

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    2024年03月25日
  • 世界は密室でできている。

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    舞城王太郎作品をおすすめしてもらったので読んでみました。

    序盤からどぎつくグロテスクな表現が続き、顔をしかめながら読み進めると、軽快な一人称の語り口に気づけば引き込まれています。
    ぶっ飛んでいながらも友情、恋愛、青春の機微が切なく描かれています。
    中毒性が高いと思います。

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    2024年03月05日
  • 畏れ入谷の彼女の柘榴

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    ネタバレ

    正しさと優しさは両立しないことの方が多いと、つくづく思った。不思議の中に優しい物語を入れ込むのが舞城王太郎の凄さ。

    「畏れ入谷の彼女の柘榴」
    タイトルの語呂が良くていい。でも、モヤモヤする話だった。千鶴が不倫して出来た子供を「おめでたい出来事」と言い、そこから夫婦の関係が悪くなっても「雨降って地固まる」とか言っちゃうのも、イライラしてしまったが、「どのようなバカにも存在意義があって、この世の中の幸福につながるチャンスがそれなりにあるんだという俺の祈りが叶いますように」という優しさはなくてはならないような気がした。

    「裏山の凄い猿」
    「困っている人を助けようって気持ちがなくなったら社会は終わ

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    2024年02月03日
  • バイオーグ・トリニティ 1

    匿名

    無料版購入済み

    とにかくついてこいと言わんばかりの破天荒な展開だが、きれいな絵と相まって、読み進めやすい。多用される見開きも素敵だった。

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    2024年01月06日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    個性的な文体で、スピード感があった。あまり改行もなく、文量が多いが不思議と読みづらいということはなかった。主軸が傷害事件と家族の話。主人公の語りも含め好感を持った。タイトルが祖母のセリフというのも印象的だった。

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    2024年01月05日
  • 煙か土か食い物

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    密度の濃い文章で、スピード感ある展開。
    タイトルは、祖母の死に際の言葉
    「人間死んだら、煙か土か食い物や」から。
    とても印象的で収まりの良いフレーズなので、どこか古典に出所があるのかと思いましたが、舞城さんの創作のようですね。
    アメリカで働く腕利の外科医四郎。本人は、神の一人とまで言う。そこへ、日本の実家から母親が事件に巻き込まれた連絡が入る。急遽、帰国。
    久しぶりの実家で、母親も含めた5人の女性の殴打生埋め事件の犯人探し。
    事件解決への見事な推理を展開しつつも、振り切った暴力描写に何故か溢れる家族愛。
    時折、ハイテンションな軽めの会話が入るけど、作者の頭の良さが滲んでいるから認めましょう。

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    2023年11月24日
  • されど私の可愛い檸檬

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    3つの話はどれも面白かった。
    特にトロフィーワイフが面白かった。
    「人はどんな状況でもある程度は幸せになる」っていうのは確かにそうだなって思った。その人がいないとダメだとか、その人がいるから特別幸せなんだっていうわけではないということがわかった。
    読み終わって、自分はその人とって特別じゃないんだって思う反面、相手の人に対しても、この人じゃないとダメだって思わなくてもいいんだっていう安心感?みたいなのがあった。
    とりあえず、言語化できないと思ってた気持ちをこの小説で明らかにすることができたし、理解することができた。

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    2023年10月25日
  • キミトピア

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    舞城王太郎作品では、感動と切り離されているようでいて人とは別の道で誠実さや愛にたどり着く主人公が多く登場するが、本作の主人公たちの世界や人間に対する興味のなさはかなり徹底していて突き放されているような冷酷な印象を受ける。特に「やさしナリン」や「あまりぼっち」「真夜中のブラブラ蜂」の主人公たちは冷たい印象で、「興味ないけど幸せになってね」ではなく「興味ないから」でおしまいにしてしまうようなタイプ。小説を読みながら彼らの思考に触れているとだんだん息苦しい気持ちになる。
    最後に収録されている「美味しいシャワーヘッド」という短編がそういう行き場をなくしている息苦しさの逃げ道を作ってくれるような話になっ

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    2023年09月29日
  • ビッチマグネット

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    舞城作品の中で特に好き。
    これまでの舞城作品では、どこかしらファンタジー的だったり、SF的な要素があったが本作はそういったものがほぼない。かなりリアリティラインが高く
    設定されている。本作の主人公は、ひたすらうじうじ悩むタイプ。卑屈さこそないけれど、自分で考えを広げた先から否定してその先に進もうとしない思考回路は、ドストエフスキーの『地下室の手記』を思い出した。序盤で登場する「夜の闇の中で、線路に沿って歩いていこうとするんだけれどその先がどうなっているかわからないといって引き換えしてしまう夢」は象徴的。そういった「象徴的な闇」に向かっておそるおそる一歩を踏み出すまでの、主人公の成長を描いた小説

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    2023年09月01日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    ネタバレ

    結構ポップというか軽い文体だけれど、起こっていること、主人公が小説に書くことの周囲との隔絶は結構辛いですね。

    自分の経験を元にしたことって、絶対に説得力が出るし、なにより、だからこそ書き残す意味があるんですよね。

    まあ、自己満足と言われればそれまでなのかもしれませんが…

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    2023年08月20日
  • スクールアタック・シンドローム

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    元々は『みんな元気。』という単行本で出版されたのが、文庫化にあたって『みんな元気。』と『スクールアタック・シンドローム』に分冊されている。『みんな元気。』の収録作は「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」。『スクールアタック・シンドローム』は「我が家のトトロ」「スクールアタック・シンドローム」に書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」だ。
    電子書籍で全部読もうとすると『みんな元気。』は単行本版で電子書籍化してしまっているので『スクールアタック・シンドローム』(文庫)は「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」を読むためだけに買うことになる。もう少しど

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    2023年08月14日
  • されど私の可愛い檸檬

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    3作品とも舞城作品の中でもかなり上位の完成度。
    どの物語の主人公たちも試行錯誤してたまに思い直したりを重ねながら"自分の本質"や"本意"にせまろうとしていく。そして、その果てに高度な言語化や行動化を行う姿はまるでドストエフスキーの登場人物たちみたいだ。そういった"純粋性の探求"は舞城作品ではかなり頻発するテーマ、と言うよりも作家性と言うべきものかもしれないが、本作ではその結末に"この部分は考えたけどよくわからん"というのが見つかる。そして、それを"これ以上は解き明かせないもの"として受け入れるこ

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    2023年07月24日
  • 私はあなたの瞳の林檎

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    とても良かった。
    中短編3作の短編集で、過去の作品ほどのぶっ飛んだ設定やキャラクターもなくて、文章も大きく規範から逸脱せず、構成も素朴なんだけど、過去作からも一貫した世界や私に対する肯定的な視点があって、読んでると穏やかな気持ちになる。
    舞城王太郎の他の作品のように劇的に世界に対する愛を語れるように、本作のように素朴に世界に対する愛を語ることもできて、そういう周波数の高低のどちらにも同じものが流れていることで、読んだ人としては全体的に祈る感じになると思う。

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    2023年07月07日
  • 世界は密室でできている。

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    青春カケル殺人事件
     冒頭の、肌を搔きむしって全身が乳首のやうになるシーンは、なかなか想像するとグロテスクだ。
     下品でくだらなくて気色悪いのだが、最後まで読むと、まあめちゃくちゃでヘンテコリンな小説だけど、アリかなといふ気がしてくる。

     登場人物はみんなどこかをかしい。けれど、まあツバキエノキ魅力的だしアリかな。連続殺人もバカミスすぎてアホらしい。けど、ここまで飛ばしてると、全体と調和してるしまあアリかな。で、最後もよく書けてゐる。
     いままで読んだ舞城王太郎のなかでいちばんおもしろかった。

     たとへばツバキさんが屍体を使ってしてしまったことが、たいへん狂ってゐる。度肝を抜いた。しかしそ

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    2023年06月09日