舞城王太郎のレビュー一覧

  • 畏れ入谷の彼女の柘榴

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    なんだこれ、すごい。想像してた展開をがんがん上回ってくる。
    表題作「畏れ入谷の彼女の柘榴」語呂が良すぎる。こっちの先入観を殴り殺してくる展開に文字通り畏れながら読んだ。殺すより強い生命の冒涜があるんだな……
    「裏山のすごい猿」ファンタジーでさるかに出てくるのにじっとり嫌な感じがつきまとってすっきりしない。
    「うちの玄関に座るため息」明らかに怪異系のホラー導入なのに着地!!!こんな夜中に感想書いて明日の朝後悔するだろうけど、それをわかっていてもこれも必要な後悔なんだなあ。自分の軸だからといってそれに支配されない、すべてにしない。

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    2024年05月04日
  • ID:INVADED(1) #BRAKE-BROKEN

    購入済み

    めちゃ面白い

    アニメのID:INVADEDの続編。アニメが好きだった人はもちろんのこと、アニメ未視聴の人にもおすすめ。この内容をOVAにしてほしい。

    #ドキドキハラハラ

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    2024年04月29日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    ネタバレ

    「愛は祈りだ。」
    こんなに痺れる小説の書き出しが他にあるかな。このフレーズも、一見敬遠されそうなバカみたいにまっすぐなタイトルも、文体も、あたしはぜんぶ大好き。舞城王太郎が大好き。

    ASMAの話、智依子が内側から光るASMAに照らされた自分の身体を眺めるシーンが美しくて切なくてずっと頭に残ってる。それと、柿緒の弟の賞太が火葬場で棺に飛び乗って燃やすなと泣いたこと、それを見て泣いた治の涙は悔し涙で、本当は僕がそれをやりたかったと思っていること! なんだか衝撃で、でもあたしも、そんなふうに思えるような恋がしたい。その人が死んだときにその人の肋骨を胸に突き刺すような、突き刺せなくても、突き刺したか

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    2024年03月17日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    サンディエゴで医者をやっている四郎のもとに、母親が事件に巻き込まれたとの知らせが届く。故郷に帰り、事件を解決しようと奮闘する物語である。
    しかし、そこに舞城王太郎先生の直接脳に意味が届くような文体と、四郎を始めとする登場人物の清々しいほどの暴力、暴言、天才的な比喩表現でスイスイと読めてしまう。
    小説、音楽、映画の名前が多数登場するため調べながら読みすすめるのも楽しかった。
    親、兄弟、友達への愛、恨み、怒りがダイレクトに伝わってくる本当にすごい作品でした。

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    2024年03月14日
  • 畏れ入谷の彼女の柘榴

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    読みながら感動した。
    短編集だけど、同じテーマが散りばめられている。

    正しさを押し付けること。
    1作目柘榴の登場人物は、全員自分にも他人にも正しさを押し付けるだけ。

    2作目で、他人に対して正しさを押し付けることの問題提起をする。優しさより正しさを先行する必要があるのか。
    「結婚て、奥さんと二人で話し合ったりしながらやってくもんやろ?そのとき奥さんに対してじゃなくても、誰かに対する優しさより在り方としての正しさを求められたら辛くなってくんでないかな」
    だから、「俺は優しさを発揮しなくてはならない」
    勇気を出して歩き続けるところが好き。舞城だー!って感じ。

    3作目で、正しさを自分に押し付ける

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    2024年01月12日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    阿修羅を、自分を壊すのだ
    それは割と誰にでもある欲求で
    とりあえずリセットして新しい自分に期待したいのだ

    舞城王太郎が好きだ

    自分と同じ名前の男が女に冷たかった

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    2024年01月03日
  • 畏れ入谷の彼女の柘榴

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    凄いお話です。3編とも、文章のリズム、ストーリーの荒唐無稽さ、「舞城さん、コレコレ」と思いながら読み進めつつ、どれも何かザワザワした感が胸の底にあって、「うちの玄関に座るため息」で思わずフーッとなった。

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    2023年11月26日
  • 私はあなたの瞳の林檎

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    全編よかった。悩む主人公もそれを暖かく包み込んだり押し返したりする登場人物も全部よかった。
    やりたいことは自分を信じられないうちはやらない。

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    2023年10月11日
  • されど私の可愛い檸檬

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    家族に関して描かれた3篇の小説集。
    簡単に関係を断ち切れない『家族』がテーマだからか、たくさん考えさせられたし文章が重く響いた。特に『ドナドナ不要論』は、自分の今の年齢や家族構成に近いキャラクターの話だったので身近に感じたし共感しやすかったと思う。
    親やきょうだいは選べないし、配偶者選びだって正解は誰にもわからない。家族を愛し自分が置かれた環境でもがくしかない。私はとても好きだったけど、読む人によってはとんでもなく苦しい小説ではないかと思った。

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    2023年08月27日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    「愛は祈りだ。僕は祈る。」という屈指の痺れる1文から始まり、ページの隅から隅まで祈りと愛がこれでもかと詰まっている。1つの文章にこれ以上愛を詰め込むのは無理だろうと思う。
    さらにこの小説は構成さえも祈りになっている。一見バラバラの短編が詰め込まれているようにみえるが、そうではない。恋人をなくした小説家の物語が一応は主軸になっており、ほかのエピソードは作中作と"しても"読めるようになっている。全ての物語は、死に行く想い人の前でなにもできない男の物語として緩くリンクしており、いずれの物語も恋人をなくした小説家の想いの発露としての読解可能であるからだ。一方で、作中の小説家の自己言

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    2023年07月08日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    とても良かった。

    どんな状態になってもいいから死ななでくれ
    と私だったら言われたいんじゃないだろうかと読みながら思った。


    最初の話の途中で「二階で自分の伯母さんを飼っていたのだが……」は二度見したが、ツッコミどころ満載の話もまるで当たり前の普通の事のように、すんなりと読み進めてしまった。

    他の女性を好きになるかもと思うのに、治を薄情とは思えない。
    素直すぎるぐらい素直な治の思考を見た気がした。

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    2023年05月18日
  • 私はあなたの瞳の林檎

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    初めて舞城王太郎さんの本を読んだけど、今まで読んだ本の中で、文章の書き方とか表現の仕方が独特だった。どの話も面白かったけど、最後の「僕が乗るべき遠くの列車」が良かった。自分の考えと重なる部分があって、共感できるところが多かった分、胸に刺さるところが多かった

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    2023年04月27日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    大暮維人の絵は相変わらず好き。
    どうやって描くんだろう、こんな絵を。

    そして、序盤の読者おいてけぼり感からの展開も舞城王太郎的で大好き。横書きの吹き出しも個人的にはそんなに違和感なかったし、この漫画や良し

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    2023年03月26日
  • されど私の可愛い檸檬

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    ネタバレ

    「愛」「哀しい・悲しい」という言葉の解釈を解釈にしては長い物語に載せて著している
    舞城さんがこれらの言葉の意味をどのように噛み砕いて再構築しているのかがよくわかる作品。興味深かった。

    『トロフィーワイフ』
    愛情の捉え方の違い
    あたかも善いように振る舞っている人の言動が受け手にとっては苦しいことなのかもしれない。しかし、拒絶する理由が明確にないことからその人の善意ありきの行動に染まった生活に沈んでいってしまう。

    『ドナドナ不要論』
    「悲しい」「哀しい」という言葉は一体どのような状況のことを表すのか。「ドナドナ」というかなしいと感じる曲をあえて聴く(自らかなしい思いをする)のはなぜかということ

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    2023年03月06日
  • JORGE JOESTAR

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    怪作。

     確かにジョジョではあるものの、確実にジョジョとは別の〝何か〟。ここにジョジョファンが求めるものは存在しない(と思う)ものの、そーゆーのを特に気にもしないジョジョファンである私は非常に楽しめた。
     まずとにかく笑える。カーズ先輩は何かスゲーいい奴になってるし、荒木飛呂彦のキャラクターでも舞城王太郎のキャラクターでもない清涼院流水の九十九十九(あくまで同名の別人だけど)は登場しちゃうし、「ぼくのかんがえたさいきょうのすたんど」みたいなのが登場するし、各部のボス同士が戦うし、杜王町とネーロネーロ島は足が生えて動き始めるで、とにかく笑える。2022年で一番笑った小説は本作だろう。
     洪水の

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    2022年12月28日
  • 煙か土か食い物

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    テーマは暴力と家族愛。ミステリーを期待して読んだら全然ミステリーではなかったけど、これはこれで面白かった。圧倒的なスピード感で最後まで一気に読めてしまった。こういう文章を書ける人に憧れる。

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    2022年12月03日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    最高。基本ユニークな表現とセリフで笑わせてくるのに、最後の四郎怒涛の緊急施術の嵐で涙ぐんでしまった。
    ヘンテコミステリーを求めてこの作品を手に取ったのに、ド級の家族愛パンチを喰らってしまった。奈津川兄弟大好きだ!

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    2022年08月15日
  • されど私の可愛い檸檬

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    3作品とも好き。
    とくに心に突き刺さったのは「ドナドナ不要論」
    この世にかなしみはたくさんある。かなしい思いは少しでも減らしたいし、できることならしたくない。でも、かなしいだけじゃなく、そこには美しさもあるかもしれない。
    「されど私の可愛い檸檬」は身近にいる人を思い出してしまってなんだかかなしくなった。でも、それも悪くない。

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    2022年06月30日
  • 私はあなたの瞳の林檎

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    You are the apple of my eye という慣用表現にぴったりなほど、登場人物が可愛くて愛おしい。恋愛としての好きなのか好きじゃないのかはよくわからない中でも、そこには愛が溢れていた。舞城王太郎の愛の物語はとても好き。

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    2022年06月26日
  • 淵の王(新潮文庫)

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    どうしてなのか自分でもよく分からないけど、読み終わった後しばらく心に居座り続ける本がある。これもそうだった。

    話は3つに分かれていて、それぞれの主人公を見守る『何か(もしくは誰か)』が物語を語る珍しい二人称の小説。

    色々な解釈の仕方があるだろう。こういう不思議な掴みどころのない話は。
    『これはこうだからこうなのだ』というほとんどの人が辿り着くような明確な結論はなく、悪意の近くに吸い寄せられるように現れるブラックホールのようなものの正体も、そしてその空間をいったりきたりする裸の男が誰なのかも分からない。
    文章なのにそれらはわたしの頭の中でビジョンとして居座り続けるから、ついついそのことについ

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    2022年05月31日