舞城王太郎のレビュー一覧

  • されど私の可愛い檸檬

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    大好きな作家。
    たまに合わない作品もあるけど、これは大好きだった。
    本当に好みだなあとしみじみ思った。
    文章のテンポがピカイチ。特に一作目が好き。

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    2022年06月24日
  • 煙か土か食い物

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    面白かった。初の舞城王太郎作品。煙か土か食い物。文章が詰まっていて、少々読みにくいものの、慣れてしまうと主人公の思考を丸々追っているかのようなドライヴ感が楽しめる。自分とは似ても似つかない主人公だが、その一体感は必然的にとても読者に近い距離にあるものだと思う。又この小説はキャラクター小説とも言えるほど登場人物の背景がある。魅力的なキャラクター達が、その背景をもとにどういう感情で動いているのか。創作の物語という点からはごく当たり前のことなのだが、それが忠実的にこなされており、後半になればなるほど面白かった。

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    2022年06月02日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    ネタバレ

    テーマは、愛、もしくは人を愛すること。
    多分短編集。
    大抵、死にゆくパートナーか死んでしまったパートナーと対峙する「僕」の話なので、どれもそれなりに重い。
    精神状態が安定してる時に読んだほうがいい(舞城はいつもそうか)。
    どの話も特にオチがないというか解決しないというか答えがないというか、舞城作品にはこれまで感じなかった読後感かも。対峙してる「僕」の心情が吐露されることで、当事者の今を描いてる、のかな。
    舞城王太郎が大切な人を亡くしたのだろうか、とちょっと思ってしまった。

    自分が、大切な人が死にゆく時どんなふうになるか、と考えながら読んだ。

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    2022年03月25日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    2001年。第19回。
    覆面作家。タイトルの意味は「人間死んだら、火葬されて煙になるか、土葬されて土になるか、最悪動物に食べられるか」しかないじゃん。ってこと。
    四郎が主人公。アメリカ外科医。母が殴られて埋められる猟奇事件の被害者になったということで、帰国。福井へ。
    文字数がハンパない。改行

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    2022年03月29日
  • 淵の王(新潮文庫)

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    ネタバレ

    凄い!
     
    舞城王太郎さん。
    デビュー作の「煙か土か食い物」で度肝を抜かれたが、そのあとは意味がつかめない作品が多くてご無沙汰してましたが、久しぶりに手に取りました。
     
    怖い。というより不気味。
    個性的な3人が理不尽に異常な世界に引きずられる物語。
    そもそも誰が語っているのか分からない。
    二人称かと思ったがそうでもない。守護霊的なもの?

    ●中島さおり 「私は光の道をあゆまねばならない」18歳の秋に宣言した彼女は友人の危機に……。
     
    ●堀江果歩 負けず嫌いで努力家の少女はマンガ家を目指して……。
     
    ●中村悟堂 諦めない。呪いだろうが、怪異だろうが、友人を救い、惚れた女を取り戻すまでは!

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    2022年02月12日
  • 私はあなたの瞳の林檎

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    新感覚恋愛小説…!と、舞城王太郎の小説を読むたびに毎回思っている気がする。
    表題作は最後に林檎がいう「何をしても大丈夫、っていうのは怖い」に対して「愛するとはこれではダメなのだ」、となるのがものすごくドキっとした。無条件に相手を受け入れるのも、たしかに相手からすれば手放しに幸せと言えることではないのかも。
    あとは列車の話はこれぞ純愛、と思った。主人公達観しすぎてて感情移入できない話ではあるけれども、鴨がいないとダメだ、と最後の最後で自覚するところは何かグッときた。

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    2022年01月26日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    「誰かを殺そうとも、明かりというものはやはり美しく温かく人の気持ちを惹きつけるものだ。美と倫理は別のところにあるが、批評は倫理とともにある。」
    と言う部分が印象的だった。

    愛とは祈りで、彼にとって小説は祈りの手段だったのだろう。
    これは、恋愛と小説について、あるいは恋愛の終わりについての考察だったのかなと思う。
    頭がぐちゃぐちゃになって、感想もうまく言語化できないけど、心が洗われるような純粋さを感じる小説だった。

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    2022年01月14日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    大変面白かったです。
    自分にとってはホラーでした。
    一般的なホラーではなく。
    自分のいちばん黒いところを、えぐられるような作品でした。
    こんな良作には、滅多に出会えないです。

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    2021年07月21日
  • 九十九十九

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    ネタバレ

    ツライ。今回は辛さが勝(まさ)ってしまった。
    この場合の「ツライ」はしんどいとか悲しいとかの意味です。
    しばらく立ち直れないかもしれない。

    清涼院流水のJDCシリーズの二次創作なのかと思って読み始める。
    九十九十九が主人公で、美しすぎるって設定はそのままで、九十九十九が誕生するシーンから始まるんだけど、美しすぎて生まれた途端周りが失神して、美しすぎるので誘拐されて、美しすぎて顔を傷つけられたり折檻されたりして…って展開に、清涼院流水の世界ではまるっと無視されていた美しすぎることの現実(いやフィクションなんだけど)を突き付けられて、のっけから雲行きの怪しさを感じ取る。
    誘拐犯で虐待者である鈴木

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    2021年07月05日
  • 熊の場所

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    ネタバレ

    久々の舞城。
    エキセントリックでサイコ、それでいて最高な青春小説としての爽やかさを持っているのが舞城作品だと思います!
    まー君との奇妙な関係とか、フェラチオのチョコちゃんとか、共感は全然出来ないくせに、なんだか胸が熱くなる。この読み味が堪らない。
    相変わらず、句読点ガン無視の文章とか、クスッと笑える語彙やツッコミとか、舞城独自の文体は癖になるなぁ。マックをむしょーに食べたくなる感覚と似てる。読む麻薬。

    ・不安をすぐに取り去らなければという信念は非常に分かる
    ・猫のお化けとか、解かせる気のない見立てとか、普通反則なんだけど、舞城なら許せる。てかカモンという感じ
    ・バット男のNTR要素きつかった

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    2021年03月23日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。(中略)
    僕達はたまたまお互いのことを知らないけれど、知り合ったら、うまくすれば、もしかすると、さらに深く強く愛し合えるのだ。僕はだから、皆のために祈る。祈りはそのまま、愛なのだ。


    この序文が全て。ストーリーは覚えてない。

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    2021年01月26日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    僕は読む前からこのタイトルや表紙に惹かれてましたけど、読んだ後の方がしっくりくるな〜
    恋愛だからという建前じゃなくてもっと根本的な部分からの言葉に感じました曖昧な表現ですけども

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    2020年11月27日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    確か「阿修羅ガール」以来
    (内容は忘れている)

    一條次郎さんが話を進めるにつれて加速させるヤツ
    小山田浩子さんがじわじわ貯めて最後にゾッとしたものを置いてくような感じとすると、
    舞城王太郎さんの作品は、冒頭から飲み物のようにドドドドドドと流れ込んでイメージを連鎖させてくる。
    そしてガムみたいに噛むほど味がなくなってはまた別の味がして来てといった妙な感覚になる。
    「死」「愛」を扱った小説に対する怒りなのかな?と感じ、途中から頭の中での配役を映画版の「世界の中心で愛を叫ぶ」の二人に演じて頂いた。
    なので、良くある余命○○系に対しての読み方や、小説家自身の私事と小説に表現されることのイメージの差と

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    2020年10月31日
  • イキルキス

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    人のままならなさ、自分だけの文脈では世界はわからないということ、そして当たり前だけど他者を操ったり従わせたりは普通はできないよねということが書かれているように思った。
    舞城王太郎作品では、そこで暴力が生まれるのかもしれない。人を従わせたいと思って暴力は振るわれるのではなく、なんで従わないんだよと思って振るわれるように思う。
    「パッキャラ魔道」で慎吾くんがお父さんに「お前らもう少し人に対して優しくなんなさい」と言われて「そんなのお兄ちゃんに言ってよー」と言い返したらビンタされるのとか最高にリアル。だってお父さんの方が正しいもんね。でも、この時のお父さんの行動は間違いなのだ。
    「イキルキス」でも「

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    2020年10月17日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    男女間、兄弟間、様々な深い愛のお話。
    最後がとてつもなく良かった。
    小説家というド文学脳での、ある出来事に対する解釈が素敵すぎた。

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    2020年10月06日
  • 世界は密室でできている。

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    ネタバレ

    ミステリのン謎解きよりも、キャラが面白い。
    特に、狂ったねーちゃんの存在感が半端なく、クソ笑った。

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    2020年07月17日
  • 淵の王(新潮文庫)

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    どう評価すべきか迷う小説はだいたい良い小説だ。傑出したリーダビリティ、その速度から突如脱線する筋の奇妙さ、ロジカルな会話、などなど舞城らしさを感じずにはいられない。登場人物たちは何と闘っていたのか?僕は物語そのもの、想像力そのものだと思う。彼らを葬るのはだれか。作者か読者か、それとも。

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    2020年06月05日
  • 短篇五芒星

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    舞城王太郎は舞城王太郎でしかない。
    舞城王太郎の文体とリズム感、世界観が心地いい
    物語や台詞によってフォントを変える所なども好き。
    小説という名の作品だなぁ。と感じる

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    2020年05月07日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    久しぶりにこの作者の本を読んだけれど相変わらずのスピード感。上・中・下と割と長いのに全くそれを感じさせなかった。沢山のキーワードと大量の文脈があったけれどあまり混乱せずに最後まで読めたな。内容は読んだらわかるというかスケールがでかすぎる話。主人公ディスコも面白い奴だったけど水星C、お前最高に面白い奴だよ。

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    2020年01月31日
  • 山ん中の獅見朋成雄

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    久しぶりの舞城ワールドを楽しんだ。

    本作品も福井が舞台で福井弁で、いつもながらの圧倒的文圧で見開き2ページが文字で埋め尽くされてて、スピード感満載で、擬音だらけだけど的確なので本当に音が聞こえてくるようで、それでいて純文学ぽくもあってでも最後の方は結構しっちゃかめっちゃかで、しっちゃかめっちゃかなんだけどなんか爽やか系のようでいてでもグロテスクな場面もあったけど、やっぱり舞城王太郎は好きな作家の1人だ。

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    2019年10月22日