舞城王太郎のレビュー一覧
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ネタバレテーマは、愛、もしくは人を愛すること。
多分短編集。
大抵、死にゆくパートナーか死んでしまったパートナーと対峙する「僕」の話なので、どれもそれなりに重い。
精神状態が安定してる時に読んだほうがいい(舞城はいつもそうか)。
どの話も特にオチがないというか解決しないというか答えがないというか、舞城作品にはこれまで感じなかった読後感かも。対峙してる「僕」の心情が吐露されることで、当事者の今を描いてる、のかな。
舞城王太郎が大切な人を亡くしたのだろうか、とちょっと思ってしまった。
自分が、大切な人が死にゆく時どんなふうになるか、と考えながら読んだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ凄い!
舞城王太郎さん。
デビュー作の「煙か土か食い物」で度肝を抜かれたが、そのあとは意味がつかめない作品が多くてご無沙汰してましたが、久しぶりに手に取りました。
怖い。というより不気味。
個性的な3人が理不尽に異常な世界に引きずられる物語。
そもそも誰が語っているのか分からない。
二人称かと思ったがそうでもない。守護霊的なもの?
●中島さおり 「私は光の道をあゆまねばならない」18歳の秋に宣言した彼女は友人の危機に……。
●堀江果歩 負けず嫌いで努力家の少女はマンガ家を目指して……。
●中村悟堂 諦めない。呪いだろうが、怪異だろうが、友人を救い、惚れた女を取り戻すまでは! -
Posted by ブクログ
ネタバレツライ。今回は辛さが勝(まさ)ってしまった。
この場合の「ツライ」はしんどいとか悲しいとかの意味です。
しばらく立ち直れないかもしれない。
清涼院流水のJDCシリーズの二次創作なのかと思って読み始める。
九十九十九が主人公で、美しすぎるって設定はそのままで、九十九十九が誕生するシーンから始まるんだけど、美しすぎて生まれた途端周りが失神して、美しすぎるので誘拐されて、美しすぎて顔を傷つけられたり折檻されたりして…って展開に、清涼院流水の世界ではまるっと無視されていた美しすぎることの現実(いやフィクションなんだけど)を突き付けられて、のっけから雲行きの怪しさを感じ取る。
誘拐犯で虐待者である鈴木 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々の舞城。
エキセントリックでサイコ、それでいて最高な青春小説としての爽やかさを持っているのが舞城作品だと思います!
まー君との奇妙な関係とか、フェラチオのチョコちゃんとか、共感は全然出来ないくせに、なんだか胸が熱くなる。この読み味が堪らない。
相変わらず、句読点ガン無視の文章とか、クスッと笑える語彙やツッコミとか、舞城独自の文体は癖になるなぁ。マックをむしょーに食べたくなる感覚と似てる。読む麻薬。
・不安をすぐに取り去らなければという信念は非常に分かる
・猫のお化けとか、解かせる気のない見立てとか、普通反則なんだけど、舞城なら許せる。てかカモンという感じ
・バット男のNTR要素きつかった -
Posted by ブクログ
確か「阿修羅ガール」以来
(内容は忘れている)
一條次郎さんが話を進めるにつれて加速させるヤツ
小山田浩子さんがじわじわ貯めて最後にゾッとしたものを置いてくような感じとすると、
舞城王太郎さんの作品は、冒頭から飲み物のようにドドドドドドと流れ込んでイメージを連鎖させてくる。
そしてガムみたいに噛むほど味がなくなってはまた別の味がして来てといった妙な感覚になる。
「死」「愛」を扱った小説に対する怒りなのかな?と感じ、途中から頭の中での配役を映画版の「世界の中心で愛を叫ぶ」の二人に演じて頂いた。
なので、良くある余命○○系に対しての読み方や、小説家自身の私事と小説に表現されることのイメージの差と -
Posted by ブクログ
人のままならなさ、自分だけの文脈では世界はわからないということ、そして当たり前だけど他者を操ったり従わせたりは普通はできないよねということが書かれているように思った。
舞城王太郎作品では、そこで暴力が生まれるのかもしれない。人を従わせたいと思って暴力は振るわれるのではなく、なんで従わないんだよと思って振るわれるように思う。
「パッキャラ魔道」で慎吾くんがお父さんに「お前らもう少し人に対して優しくなんなさい」と言われて「そんなのお兄ちゃんに言ってよー」と言い返したらビンタされるのとか最高にリアル。だってお父さんの方が正しいもんね。でも、この時のお父さんの行動は間違いなのだ。
「イキルキス」でも「