舞城王太郎のレビュー一覧
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なんだろう、町田康と村上龍にラノベ要素混ぜ込んだ、みたいな。
すごい目で追うのが必死になるような、勢いがある文章で、非科学も科学も、現実も妄想も柔軟に跳び越えていく感じが読んでいて気持ちいい。
あと、主人公の泣くところとかが、好き。Posted by ブクログ -
相対性理論が天下を獲ったこの現代に、時間や空間の概念そのものを覆した話をでっちあげたのがミステリ作家というのがまた面白いではないか。そりゃ、SF的視点から見ればパラドックスやラグナレク(時間の折り返し)のところは相当怪しいんだけれど、それもまたいいじゃないか。そこに近寄らせない勢いがこの作品にはある...続きを読むPosted by ブクログ
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中巻以降の展開が「世界の在りかた」講座になるとは思わなかった。でもこの舞城氏の超自慰的次元論が私には非常に面白かった。意識が空間を決定する、という考えは哲学的には古くからあるが、それを小説の中で物理学的に真理としたのはまさにエポックメイキングな発明で、そうなりゃ当然「なんでもアリ」になるのだけれども...続きを読むPosted by ブクログ
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上巻はまぁいい(良い、って意味ではない)。メタミステリかなんか知らんが、一冊まるまるおバカ探偵たちのおバカ推理合戦に使ってどうすんねん!とやり場のない怒りに悶えながら読んだ。だいたい私はあの見立て殺人とやらが苦手である。その苦手種目がこれでもかとばかりに延々と続いたとき、私にもちょっと世界の果てが見...続きを読むPosted by ブクログ
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物語の横糸として社会現象を織り込んで行くのがものすごくうまい。縦糸がしっかりしているから、単なる色物メタ小説で終わらない。本自体は薄くて読みやすいのに、とっても濃い読みごたえ。Posted by ブクログ
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個人的に舞城王太郎はとっつきにくいような内容を書く方だと思っていました。
今回この作品が初読みなのですが、結構満足しています。
異常に足が速い少年。
これを基本設定として各章で彼の心の変化を知っていける。
映像化すれば結構おもしろいと思います。Posted by ブクログ -
時系列めちゃくちゃだけど、一応どっかとどっかはつながってて整合性は保たれてる。
嘘と気づけないならばそれは真実。
ラストのゼノンのパラドックスの引用は渋い。
まぁとにかく舞城氏は「書き出し」と「結び」がうますぎるので、どれだけ中身がぐちゃぐちゃしてても読めてしまうのが魅力かと。Posted by ブクログ -
面白かった。推理モノという擬態をしていた上巻から、いよいよ奇天烈なプチ「セカイ系」スメルが香りはじめ、おお。そういえば舞城ってこんなだったかも。とノスタルジックな感傷を起こさせる中巻。でもところどころ「んん?」ってなり始めたところだったかな。Posted by ブクログ
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相変わらずぶっ飛んだエログロナンセンス・メタ推理小説。これでいいのか芥川賞候補作家。愛してる。
作風としては九十九十九に近い。調子のいいときの村上龍が書くファンタジーな雰囲気が少し。中だるみは数カ所。水星Cが良いキャラすぎる。Posted by ブクログ -
らしい青春小説!独特の感じがかなり薄いです。が、読みやすいです。
若者がくさくさと悩んだり試して見たりする末に舞城王太郎的エンドを迎えます。
この人の書く人物からは、先真っ暗でもとりあえず進めば?という勇気を貰えます。Posted by ブクログ -
雰囲気の違う短編が3つ入った話
【スクールアタック・シンドローム】
世界観が舞城だなぁ、と思いました。
事実として起こったことはやっぱり変態的なんだけど
父子愛というか信頼というか、ポップだけど暖かくなる話でした。
【我が家のトトロ】
すごい好きだ。
暖かい。
もしかしたら全部妄想の中の小説なの...続きを読むPosted by ブクログ -
この壮大な内容をこの文体で書ききったことを賞賛すべきだろう。
舞城王太郎を一度でも読んだことのある人なら分かるだろうが、舞城の文体というのは、一人の人間の意識を途切れさせずに一本の糸のように描いていく。
読者は一つの人格の思考をひたすら追いかけていくうちに、世界観の大きな変容とコペルニクス的転換を何...続きを読むPosted by ブクログ