舞城王太郎のレビュー一覧

  • バイオーグ・トリニティ 7

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    "「オレ
    フミホに恋してはじめて自分が生きてるって知ったんだ。」
    だからオレはきっと死なない。"

    どきどきが止まらない。
    物語の進む方向が決まった感じする。
    最後の穂坂がとても格好いい。

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    2015年08月03日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    舞城節が唸りを上げてますね〜終盤まで何が何だか全然分からないんだけど、たくさん散らばる訳分からない荒唐無稽なピースを一気に収斂させてストンと落ち着かさせるのはほんとスゴイ。自分の存在とは…哲学的な問いかけに対して現代の女子高生の言葉や思考回路を通して語り上げるような舞城王太郎節…私は結構好きです。面白いです。

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    2015年08月02日
  • みんな元気。

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    表題作は、まるでコマ割りのない漫画を読んでいるような文章だった。舞城さんの文章は思考と理屈と情景が感覚的なのが魅力だけど、特にこの作品はその境界線が限りなく曖昧である。
    けれども、読んでいて理屈は理屈とわかる。 

    個人的には、「みんな元気。」は非常に身につまされる話だった。選択しなかったということも、選択に含まれること。
    人生は一度きりで、やり直しはできない。<私>以外の人生を<私>が生きることだって、不可能だ。
    私たちは生きている限り選び続けなくてはならないし、たとえ選ばなかったとしても、否応なしに人生は続く。失敗しても、間違っても……家族が家族でなくなってしまっても。

    平行世界が文字通

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    2015年06月27日
  • イキルキス

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    問題が起き、思慮を廻らせ、自分の中で折り合いがつき、救済がやってくる。そんなストーリーの繰り返しにより短編は紡がれる。「無駄口を数える。」は「微温的」な超短編ながら、言葉にならない言葉を言葉にするという空気感が圧巻。

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    2015年05月22日
  • バイオーグ・トリニティ 6

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    "「好きだからな!!
    せっかくあきらめてやろうと思ったけどおまえのことやっぱり好きでいてやるからな!!
    ずっと ずっとだ!! 死ぬまでだ!!! 覚悟しとけコノヤロウッ!!!!」"

    読むたびの新たな面にいつもどきどきさせられる。
    委員長……。

    "「よく組み立てられるねこんな土の破片から」
    「え?わかるっしょ?文様入ってるし…ホラこことか」
    「いやっわかんないよっモンヨー?どこ?この穴ボコのこと?」
    「…そっか わかんないんだ
    どんなにバラバラになっても コウ君はコウ君なのになー」"

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    2015年05月14日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    困った。面白い。
    どんどん後退していく真実。いや、真実ってなんだ。
    哲学に、基礎付けが要求され、基礎付けの基礎付けが要求され、基礎付けの基礎付けの基礎付けが要求され……という無限後退、無限背進の議論があるけれど、それを思い出した。

    なんでもっと早く読んでおかなかったのか。。

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    2015年03月22日
  • バイオーグ・トリニティ 6

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    愛と物語の物語。舞城っぽくなってきた。なんだか良く分かんないけどクライマックス感。でもそもそもなんだかよくわからないように作られている感じがする。語義の説明が物語の後になってからなされたりすることも多いし、読み返さなきゃ。

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    2015年03月20日
  • みんな元気。

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    【みんな元気。/Dead for Good/矢を止める五羽の梔鳥】家族もの。超展開ばかりだけど表題作は比較的綺麗にまとまっていた感じ。愛に溢れている!

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    2015年02月28日
  • 世界は密室でできている。

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    いいなぁ舞城作品。大好きだ。そう思うお話だった。

    ミステリー的な部分は、はっきり言ってどうでもいい。この年頃の男の子の生き生きしたかんじ、女の子のわけわかんないかんじ、親との葛藤。いろんな気持ちをわーって叫びたくなったり、でも閉じ込めちゃったり。
    読み終わると「ああ、ルンババ~」と思う。ああ~。この本が舞城さんの著作で一番好き、という人がいるのもわかる。青春。

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    2015年02月22日
  • ビッチマグネット

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    弟を持つ一人の女の子の物語。両親が離婚する話なのに、何故か暗さが無いのが良い。むしろ爽やか。
    タイトル?って感じだけど、途中で分かる。本文中で解説あります。
    後半は文字を太字にしてまで人生で大事な教訓を問いてくれる。全く同じ文章が二回出てきて、これが筆者の伝えたいことなんだろうなと思った。
    でも一箇所文字でか過ぎ笑

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    2015年01月11日
  • スクールアタック・シンドローム

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    この本収録の、「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」を読んで、おおいに頭を抱えた。この後味の悪さ。優しさ。無力感。
    自分の生きている世界こそが現実なのに、その現実はなんとグロテスクで即物的なのだろう。私達はこの現実に対して、どうやって立ち向かえばよいのだろう?

    「でね、あんたが言うの。どんなに綺麗な夕日よりも私の人生は美しいんだから、そんなちっちゃい夕焼け空なんて拝んでないで生きようぜって」

    でも、どうして守りたいものを守れないの? どうして助けたい人のことを誰もが助けたいと思わないの? 私のこの気持ちも嘘で、ただの偽善=ポーズなの?

    なぜ物語が必要なのか、どうして私達は物語るのか、

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    2014年12月27日
  • 山ん中の獅見朋成雄

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    鬣とカニバリズムとエトセトラ。めまぐるしく変わるスピーディーな展開で成雄の疾走は続く。そのままのスピード感で終わったのが気に入った

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    2014年11月17日
  • バイオーグ・トリニティ 5

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    "「おまえがアタシのことなんとも思ってなくても
    アタシがおまえを好きでいつづけるのは自由だろ?
    アタシの恋のジャマをしないでください」"

    今巻も最高に格好良い!
    藤井くんの穴の中で大戦争。

    "「ここだ
    やっぱりここから…この中から聞こえる…!!」
    聞こえるんだ
    オレのずっと奥の方から
    いつだって フミホの声が聞こえてくるんだよ"

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    2014年10月21日
  • ビッチマグネット

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    舞城王太郎の作品の読後ってなぜこんなにも生きる力が湧きあがってくるのだろうか。しかも、ジワジワと…ではなく、ぐわぁぁあー!っと。エナジードリンクを飲んでも感じたことのない、この走り出したくなる気持ち。

    アンビバレントな気持ち。
    決定的に自分の価値を無駄にした人が、自分を振った人だ。そんな人にまだ気持ちを持っていかれること。

    人間としての価値や評価に友達の数は関係ない。
    正論は正すためにあるのではなく、あくまでも自分という潜水艦の周囲の状況を確かめるために発信するソーナー。
    人にはそれぞれの考え方、感じ方、価値観、行動原理があるってのは基本前提として誰にでも話も備わっているのだ。お互いの違い

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    2014年10月10日
  • イキルキス

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    おもしろかったよ全編よかったよ!
    舞城王太郎を読んだ後って良くも悪くも影響されてまうよね。改行をせずにぶぁーって文字を打ちたくなるというか。んで打ってしまってから自分にゃ無理だ、つって圧倒的力の差を痛感するよね。

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    2014年12月24日
  • ビッチマグネット

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    よかった!
    何かを吹っ切るための小説。

    ふわふわ頭の中を漂っているようなもやもやしてくろいくろいやつが、何か一つだけ、消えたような気がするのです。

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    2014年09月09日
  • ビッチマグネット

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    割と順不同に読んでいる舞城作品。
    「あたたかい水の~」系統で、もっと昔にこういった小説を読めていたら、と思うのです。

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    2014年09月08日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    新書だとすっごく分厚くて買うのも借りるのも躊躇していたので、文庫でとりあえず上巻だけ。
    相変わらず異常が常識だし、ギリギリ推理についていけない感じだけど、どんどん続きが読みたくなる不思議な魅力があった。
    舞城さんの描く女子はなんだかリアルな感じがして好き。

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    2014年08月31日
  • スクールアタック・シンドローム

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    【本の内容】
    崇史は、俺が十五ん時の子供だ。

    今は別々に暮らしている。

    奴がノートに殺害計画を記していると聞いた俺は、崇史に会いに中学校を訪れた。

    恐るべき学校襲撃事件から始まった暴力の伝染―。

    ついにその波は、ここまでおし寄せてきたのだ(表題作)。

    混沌が支配する世界に捧げられた、書下ろし問題作「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」を併録したダーク&ポップな作品集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    わけわかんねえ、でもなんか、心の芯に突き刺さってくるんだよなぁ、という感じがとっても気に入っている舞城王太郎さんの文庫最新刊。

    「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトト

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    2014年08月29日
  • 世界は密室でできている。

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    【本の内容】
    十五歳の僕と十四歳にして名探偵のルンババは、家も隣の親友同士。

    中三の修学旅行で東京へ行った僕らは、風変わりな姉妹と知り合った。

    僕らの冒険はそこから始まる。

    地元の高校に進学し大学受験―そんな十代の折々に待ち受ける密室殺人事件の数々に、ルンババと僕は立ち向かう。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    「煙か土か食い物」「暗闇の中で子供」に続く三作目のこの作品は、前二作の”奈津川一族物語”の番外編といってよいと思う。

    二作目の作品中で奈津川三郎が執筆する推理小説が「ルンババ12」であり、そのルンババの実体(?)が活躍する青春小説といったところか。

    ほんのわずか「奈津川」の

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    2014年08月27日