舞城王太郎のレビュー一覧

  • 熊の場所
    「熊の場所」ってなんだろう?と思ってたんだけど、なるほどなるほど。恐怖に打ち勝つってすっごく難しいけど、これを読んで、私も苦手な子にもちゃんと接しようと思った。ちゃんと、本質を見なきゃ。
  • みんな元気。
    舞城さんはタブーを軽々と破壊していくようなエピソードを出してくるけれど、そのわりには文章のそこここに精神の健全さがにじみ出ているように思う。軸足はあくまでモラルに置いていますって感じなので、下劣あるいはスプラッターな描写もつい穏やかな気分で読んでしまう。「山ん中の〜」は前半の怒濤の勢いが、「みんな元...続きを読む
  • 九十九十九
    小説の中に小説が入り込む。意味がわからないのではない。"小説"における常識的な事が徹底的に覆されている。
    自分が出会った事の無い小説。
  • みんな元気。
    「みんな元気。」
    夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった…。
    今までに増して意味が分からない。舞城作品は分からないとこがよいのだけどこれはちょっといろいろ詰めすぎたかもしれない。たぶ...続きを読む
  • 九十九十九
    いつもの舞城作品と同じく、うねりにうねるドライブ感で600ページも一気に過ぎていく。
    この作品では小説内における登場人物の「自分」とは何かについて書かれているように思う。
    各章ごとにおいて主人公もその他の登場人物も違った役割を演じているし、それぞれの章が入れ子のようになっていて、彼らは死んではまた別...続きを読む
  • みんな元気。
    前半は山口家が楽しすぎてスリリングで竜巻で迫力。
    あえて特別な能力を持っていない主人公がまぶしい。
    裏表紙にもあるとおり、愛と選択と、あと可能性の物語。

    MVP:朝ちゃん
  • 九十九十九
    清涼院流水の流れで読んではみたものの
    舞城のすごさに圧倒された感がある。
    流水とはまったく違う。
    しかし、これはこれでありだわなあ・・・
  • 世界は密室でできている。
    出てくる人々は(実は主人公も含め)みんな発想がぶっ飛んでるし、起こる密室事件もわけの分からないシチュエーションのものばっかりで、読んでる途中はずっと頭の中を嵐がかき乱してるような感覚だった。でも読み終わるとなんか頭の中にひっかかってるものがあるのが舞城王太郎。それは、まあ他の方々が書いてるように、愛...続きを読む
  • 山ん中の獅見朋成雄
    まずもって、舞城王太郎の魅力は文体につきるといっても過言ではあるまい。
    というのも、舞城の作品からこの文体を取り去ると、なんじゃこれ、というような「誤解」を、何よりも先に、受けてしまうからである。

    いつもと同じように、福井の田舎から物語は始まる。
    そして、ある青春真っ直中の少年の、ひたすら疾走する...続きを読む
  • 九十九十九
    わっけわかんない
    と思いつつもページをめくる手が止まらない
    純文学だけが文学だ!って人には受け入れられないだろうけど、こういうのもアリだと思う
  • 山ん中の獅見朋成雄
    なんだか幸せな気分になる。
    これが、舞城王太郎の小説を読んだときの読後感である。
    この物語も今までと同じような語り口で、SF小説のような展開で話が進んでいく。
    しかし、言いたいことは伝わる。
    はっきりとした形を取ることは出来なくても、しっかり伝わってくるのである。
    と、主張してみたところで、何も分か...続きを読む
  • みんな元気。
    「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」の3話を収録した短編集。
    短編だから、壊してしまった物語を回収できていないような気もする。
    しかし、それがいいような気もする。
    何か考えさせられてしまう短編集。
  • 山ん中の獅見朋成雄
    久々の長編。主人公の鬣のある少年の青春にかこつけた、カニバリズムの是非を問うファンタジー作品。こんなのも書けるのかと呆然。すごい。最後は結局パーソナルなラヴで解決(?)しちゃうあたりも舞城らしい。面白さだけなら9点級だけど、量が物足りなかったので減点。省略が多いのはドライヴ感を出すためなのかもしれな...続きを読む
  • 熊の場所
    猫の尻尾を集める少年との交流を描いた『熊の場所』、バットを持ちながら自衛できない浮浪者を客観視する『バット男』、熱烈フェラチオ少女の愛のカタチ『ピコーン!』の三作で構成される短編集。傑作。舞城はエンタメ作家に見えてかなりの社会派だから侮れない。バット男の小説構造なんてほんと視線が鋭い。こんなにがちゃ...続きを読む
  • みんな元気。
    13冊目。

    表題作、『Dead for Good』、『矢を止める五羽の梔鳥』3編を収録。

    表題作は人が空飛んだりパラレルワールドが交錯したりかなりSFチック。

    『みんな元気』は言葉足らずな朝ちゃん(5歳)のお別れの言葉から来ているんですが、素敵な響きですね。

    僕もこれからもそして今まで...続きを読む
  • みんな元気。
    “みんな元気。”と“Dead for Good”と“矢を止める五羽の鳥梔鳥”の3つからなる本。

    もう、この人の書く本に常識とか一般とか普段生活する上で必要不可欠な概念が通用しないのが改めてよく分かる一冊です。
  • 山ん中の獅見朋成雄
    相変らずのまいじょー文体。
    他のまいじょー作品に比べれば、確かに目立たない。

    けれど、目立たないからといって駄作なわけでは決して無い。
    読めば分かる。
  • みんな元気。
    お気に入りの舞城さん。
    短編を3篇収録なのですが、なかなか。
    愛をテーマにしてるんですかね?そういう意味ではいつもとちょっと色が違ったかも。少し爽やかなようなそうでもないような。後の2つは短すぎて難しかったなぁ。
    だけど好き。癖になるよね。
  • 九十九十九
    こんな人に薦められない小説ないなあと。

    小説読んでると、空気を掴むような話でさっぱり意味わかんないとかよくあるじゃないですか!
    でもこれはそんなんじゃなくて普通に話が難しすぎてよくわからない。1話の内容は実は二話の主人公のもとに届いた小説の内容で、実際その二話の主人公(1話の主人公と同一人物)...続きを読む
  • 山ん中の獅見朋成雄
    <僕の首の後ろにも、他人よりもちょっと濃いめの産毛が生まれたときから生えていて、これが物心ついたころから僕の抱えた爆弾だったのだけれど、十三歳になってすぐのある晩、自分の鎖骨をこすっていて、そこにいつもとは違う感触を感じてうつむいて、首元に赤くて長くてコリコリと固い明らかな鬣の発芽を確かめたとき、そ...続きを読む