舞城王太郎のレビュー一覧

  • SPEEDBOY!

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    私はあまり本を読むわけではありませんが、
    舞城王太郎ほど感覚の言語化が鮮やかな作家を知りません。

    世界は壁だらけでぐにゃぐにゃしていて、
    それを越えるために他の作家が言葉や世界をこねくり回してあっちゃこっちゃぐるぐるしている間に舞城王太郎はジェットエンジンを持って飛んでいってしまう。
    でも操作がうまくないからよく墜落している。

    この作品は、まさに舞城王太郎といったもので、
    とにかくストイックに、走るスピードを追求しつづけている。
    しかしなぜかこの社会においては、足の速さと走るスピードは比例しない。それは周りの念が邪魔をするから。
    とにかく常識だとかルールなんていうものは、こと早く走ることに

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    2012年08月09日
  • 熊の場所

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    物語の横糸として社会現象を織り込んで行くのがものすごくうまい。縦糸がしっかりしているから、単なる色物メタ小説で終わらない。本自体は薄くて読みやすいのに、とっても濃い読みごたえ。

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    2012年08月07日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    ダメだ、舞城王太郎が太田克史にしか思えなくなってきた。
    あと『短篇五芒星」に出てた本郷タケシタケシってここにも出てるんだね。

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    2012年07月30日
  • SPEEDBOY!

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    個人的に舞城王太郎はとっつきにくいような内容を書く方だと思っていました。
    今回この作品が初読みなのですが、結構満足しています。

    異常に足が速い少年。
    これを基本設定として各章で彼の心の変化を知っていける。

    映像化すれば結構おもしろいと思います。

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    2012年07月27日
  • スクールアタック・シンドローム

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    設定は相変わらずめちゃくちゃだし、筆致は独特なんだけれど、この人が言おうとしていることは、真っ当なんだよなあ。

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    2012年06月16日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    水曜日の次は木曜日とかになるシリーズモノかと思ったら、、

    普段どうりの舞城王太郎節。読んでて気持ちいい。

    内容よりも活字のリズムとかで好き。

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    2012年04月10日
  • 九十九十九

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    時系列めちゃくちゃだけど、一応どっかとどっかはつながってて整合性は保たれてる。

    嘘と気づけないならばそれは真実。
    ラストのゼノンのパラドックスの引用は渋い。
    まぁとにかく舞城氏は「書き出し」と「結び」がうますぎるので、どれだけ中身がぐちゃぐちゃしてても読めてしまうのが魅力かと。

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    2012年08月01日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    面白かった。推理モノという擬態をしていた上巻から、いよいよ奇天烈なプチ「セカイ系」スメルが香りはじめ、おお。そういえば舞城ってこんなだったかも。とノスタルジックな感傷を起こさせる中巻。でもところどころ「んん?」ってなり始めたところだったかな。

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    2011年12月28日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    相変わらずぶっ飛んだエログロナンセンス・メタ推理小説。これでいいのか芥川賞候補作家。愛してる。
    作風としては九十九十九に近い。調子のいいときの村上龍が書くファンタジーな雰囲気が少し。中だるみは数カ所。水星Cが良いキャラすぎる。

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    2011年12月25日
  • スクールアタック・シンドローム

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    表題作より、書き下ろしのソマリア・サッチ・ア・スウィートハートがおもしろい ぐろいけどファンタジー要素あり 題名もかわゆい

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    2011年11月05日
  • 山ん中の獅見朋成雄

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    らしい青春小説!独特の感じがかなり薄いです。が、読みやすいです。
    若者がくさくさと悩んだり試して見たりする末に舞城王太郎的エンドを迎えます。
    この人の書く人物からは、先真っ暗でもとりあえず進めば?という勇気を貰えます。

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    2011年10月10日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    この壮大な内容をこの文体で書ききったことを賞賛すべきだろう。
    舞城王太郎を一度でも読んだことのある人なら分かるだろうが、舞城の文体というのは、一人の人間の意識を途切れさせずに一本の糸のように描いていく。
    読者は一つの人格の思考をひたすら追いかけていくうちに、世界観の大きな変容とコペルニクス的転換を何度も何度も体験することができる。

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    2011年09月09日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    全体のレビューは下巻で。

    えええここで終わるの?
    すべて解決したような気でいたけれど終わったのは推理合戦と伏線回収「だけ」だったという。
    根本的解決はなにもしていなかったとかもうね…。
    にわかに終盤は時間モノ・SFチックになってきて予想を裏切られた。

    さて今後の展開のカギを握るのは水星Cだと思うんだがどうだろう。
    エンジェルバニーズの連中は本当にウザい。なにか意味があるんだろうか。それともただの大道具係なのか。

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    2011年09月05日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    全体のレビューは下巻で。

    とりあえず雑感。
    「九十九十九」がアクの強すぎる文体のため一時敬遠していたマイジョウワールド…だったが、印象が随分変わっていた。
    あくまで個人的感想だけれども、長々としたモノローグが読みやすいテンポに整理してあった、ような。冒頭の一文からそう感じた。

    どうでもいいが一番印象に残った名前は垣内万々ジャンプ。
    脇役に目がいってしまうのは悪いクセですね。

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    2011年09月02日
  • 九十九十九

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    ネタバレ

    前話が次の話の中で作中作として消化されていく入れ子構造をとったとんでもなくメタメタな作品。
    一見すると意味の見えない行動、現象もその後の話の中で見立てとして回収され、意味のないものを全て消し去る勢いであらゆるものに意味付けがなされていく。
    作品内で自分が登場する小説を読まされる九十九十九は読者の視点を共有しながらも自身が虚構内の存在にすぎないためどっちつかずの宙ぶらりんな状態に放っておかれる。
    その不安定さをだんだんと九十九十九自身自覚していき、最終的にはその不安定な状態を積極的に肯定する形で作品は終わる。
    東浩紀の『ゲーム的リアリズムの誕生』で取り上げられていた通りの解釈だけに留まる作品とは

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    2011年08月17日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    我思う、故にセカイ有
    そんな、セカイ系ロマンの実現したような世界で
    セカイ系犯罪者とセカイ系探偵が戦うスーパーセカイ大戦
    うんざりしつつもこれを書き上げたことに頭が下がる

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    2011年07月22日
  • 熊の場所

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    着眼点が流石にスゴイ。

    普通じゃない出来事に直面して、思わず「そこかよっ」って突っ込みたくなる感情を抱く博之だったり。

    まー君に殺されたい欲求を抱きつつも冷静な分析を行える沢チンだったり。

    説明のつきづらい感情を抱くそれぞれの主人公達なのに、何故か妙に自然にすっと受け入れられるのは、不思議な体験でした。きっとこの、へんてこな出来事に直面してもへんてこな感情を抱くのが、ありのままの人間なんじゃないかなーって感じました。そうだとして、そこに着眼点を見出したこの著者はスゴイなって思いました。

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    2011年07月02日
  • 山ん中の獅見朋成雄

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    まず特異な文体にやられます。次に独特の擬音にやられて、唐突すぎる展開の数々にとどめを刺されて、完全に物語世界に引き込まれます。かなり無茶な展開が数多くありますが、読み終わって振り返ってみるとしっかり筋が通ってるように思えるから不思議です。九十九十九よりはぶっとんでませんが。音、匂い、味など五感の表現が秀逸だと感じました。

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    2011年06月23日
  • みんな元気。

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    夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた――。あの日から本当に色んなことが起きた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった(表題作)。西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎(「矢を止める五羽の梔鳥」)。
    単行本『みんな元気。』から「みんな元気。」「Dead for Good 」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇をセレクト。

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    2011年07月28日
  • 九十九十九

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    『苦しみがあるのなら、その愛情は諦めて、別の相手を探した方がいい。世界には他にも自分の愛情を注ぎたくなる人間がたくさんいる。』

    『知識には必ず限界がある。それはちゃんと知っておかないとね。自分が何でも知ってると思ったら、それこそ無知の表れ。』

    『誰かと争ってるからいろんなものが見えなくなるんだよ。意味もなく争うのは控えなさい。争うのは、その争いが誰かを育てるときだけ』

    『言いたい言葉を捜して選んで直して整えているのだ。』

    『頭がいいのとは違う。僕は知ってることと知らないことをちゃんと分けてるだけ。他の人の中には、知らないことも知ってるつもりになる人がいて、そういうに人が間違えたり勘違い

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    2011年06月02日