舞城王太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読む画集なんて呼ばれることもあるグレ吉の漫画だが、舞城王太郎とタッグを組んだことでどう変わるのか。
人外や武器のデザイン・描き込みは健在で、設定も作り込まれているのでとにかく情報量が多い。
その上台詞の大部分が(右綴じなのに)横書きという実験的なことをしているものだから、読み進めて世界観を掴むのに多くの人が苦労するだろうと感じた。
この手法には賛否両論有るだろうが、縦書の台詞が際立つので個人的には有り。
物語冒頭の見開きいっぱいに書かれた主人公の恋の苦悩(中央の文読めない・修正求む)や、1巻最後の合体直前のシーンが良い例だと思う。
タイトルについては、バイオとオーグを合わせた造語なんだろうが、バイとトリの後にスペースが有るのが気にかかる。ダブルミーニングを仕込んでいるのだろうか?トリニティは言葉だけ出てきた三天狗?
まだ判らない事だらけで、主人公も漸くスタートラインに立ったところなので、今後に大いに期待。 -
Posted by ブクログ
芥川賞候補作wを含む7編の短編からなる今作。
書き下ろしも3編含まれなかなか読み応えある
ボリュームですが、あまり疲れる事なく、
かといってサラリと読む...でもない割と
充実した読書時間でした。単純に...面白いんですよね。
人同士の繋がりや関係の中での自分...。人によっては
甘くもあり厳しくもあるんでしょうが、自分というものと
他人との関係を書かれた内容が多かった...気がします。
家族、友人との関係の中で口論めいたやりとりが
妙に印象に残り、自分のイヤな部分と各主人公の
自分のこそが正論という主張が重なり...凹んでしまう。
でも...言葉に出来ないんですが...「でも」と
思ってしまう自分がさらにいる訳で...。いつまでも
こうやってもがいていく事しか方法がないんだなぁ...と。
単純にどのストーリーも何かしらの爪痕を残す
面白い作品で、スピード感やカオス感はないですが
温度と奥行きを感じる...アナログちっくな作品集
というイメージです。 -
Posted by ブクログ
これはまた、あまりに難解で、何回読んでも(駄洒落じゃないよ)話の階層が把握できない、舞城ワールド全開の一冊でした。メタメタメタメタメタ構造、みたいな。第1話・第2話・第3話・第5話・第4話・第7話・第6話という目次の並びから、くらくらと眩暈。
基本的には、各章が小説という形で次章の主人公=九十九十九に送られるっていうメタのマトリョーシカ的な構造になってるんだけど、章をまたいだタイムリープがあったり「創世記」と「ヨハネの黙示録」の見立てがメタ世界を繋いだり…と、まあとにかくなにがなにやら。
でもカオス具合と世界観のでかさでは、『ディスコ探偵水曜日』が一枚上手かなあ。 -
Posted by ブクログ
7つの短編から成る。底を流れているのはいずれもYOUTOPIA。他者への現実的愛だ。妥協のないまっすぐな信念が個性を際立たせている。「やさしナリン」「添木添太郎」「すっとこどっこいしょ」「ンポ先輩」「あまりぼっち」「真夜中のブラブラ蜂」「美味しいシャワーヘッド」。タイトルを見ただけで期待感が喉元までせり上がってくる。いずれも玄妙なる深い意味がこめられているが、自分の想像するイメージとは悉くかけ離れており、どれもこれも綺麗に想定を裏切ってくれた。展開の飛躍はかなり抑制が効いており洗練された仕上がりにも好感を抱いた。芥川賞候補に4回ノミネートされる理由も判れば選に漏れる理由も判るような気がする。自分はとことん好きだ。
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Posted by ブクログ
『ユートピア』を何となく『YOUTOPIA』だと思い込んでいて、大好きなあなたと一緒にいられるのならそりゃその場所は楽園だわなと考えていた。≪君とピア≫の≪ピア≫が何のことかは判らないけれど語感は明るいし何だか可愛いし。
でも君が笑って指摘する。
『ユートピア』は『UTOPIA』で、イギリスの政治家トマス・モーアが16世紀初頭に書いた小説のタイトルで、理想郷としての共産主義社会のことだし、語源としては『どこでもない場所』になるんだよ、と。
え、ちょっと、何その余計な蘊蓄。
僕は言う。
じゃあ僕のキミトピアはユートピアじゃなくてその反対だな。
僕と君が一緒にいる場所はひたすら現実的な場所だもんね。政治は常に完璧なんかとは程遠いし、人の気持ちも考えもはっきりしないし落ち着かないし、正しいも間違いも曖昧だもんね。
ふふふ、と君が笑う。あなたが言うと、現実の場所も能天気に聞こえるねえ。
まあね。
どんなにバカップルのぽわーっと間の抜けた言葉に聞こえようとも、僕はキミトピアを信じていて、そこに住み着くつもりなのだ。
わーははは。
間違いのほうが正しい答えよりも正しい場合があって、これがそうなのである。
以上(『キミトピア』冒頭引用) -
Posted by ブクログ
―――「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」。
聖書/『創世記』/『ヨハネの黙示録』の見立て連続殺人を主旋律に
神/「清涼院流水」の喇叭が吹き荒れる舞台で踊りつづける
超絶のメタ探偵・九十九十九の魂の旅が圧倒的文圧で語られる。
舞城王太郎二作目若干表紙に惹かれたとこもあるけど
ちなみに読み方は「つくもじゅうく」
もうね、ハンパじゃない
現実と小説と嘘と真実とメタが
何層も何層も折り重なって
読んでるうちに、脳みそを直接揺さぶられてる感覚をあじわえた
でも エログロ含め、あらゆる意味で
露骨な表現が多用されてるから
そういうのに免疫というか耐性のない人にはオススメできない