舞城王太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
間違いのほうが正しい答えよりも正しい場合があって、これがそうなのである。
(冒頭より)
やさしナリン
添木添太郎
すっとこどっこいしょ
ンポ先輩
あまりぼっち
真夜中のブラブラ蜂
美味しいシャワーヘッド
全てのお話で、誰かが何かしら混乱してて、それに共感したり、笑ってしまったり、なるほど〜と思わされたり。
始めの4篇が好きでした。
すっとこどっこいしょの「ニンニン」からの「くせ者ーっ」の流れとか大爆笑です。いやぁ、ますぅヤバイ。ヤバすぎる。
P116
神がごめんとひと言謝ってきたなら許さないでもないという気持ちで生きている。
P260より
言葉は間違える。
感情も間違える。
心も間 -
Posted by ブクログ
“榎本芙三歩のことを好きになってから僕はずっと落ちつかなくて、そわそわもぞもぞ、それは興奮していると言うよりいささか混乱しているのだった。なぜなら好きというのは僕の中に生まれた全く新しい気持ちだったし、僕はそれがこんなふうに乱暴でとっ散らかっててちっとも休もうとせずにぶくぶく脹らんでゴンゴンいろんなものにぶつかりかち合い僕の中にそもそもあった展望や計画や気分や価値観を無茶苦茶に壊してしまうとは知らなかったのだ。皆誰かのことが「好き」とか言って笑ってるときこんなふうに内心グルグルしてたのかよ、本当に?と僕は疑わざるをえなかった。”
やだ格好良い。
よく分からない世界観にぽいと放り投げられる感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む画集なんて呼ばれることもあるグレ吉の漫画だが、舞城王太郎とタッグを組んだことでどう変わるのか。
人外や武器のデザイン・描き込みは健在で、設定も作り込まれているのでとにかく情報量が多い。
その上台詞の大部分が(右綴じなのに)横書きという実験的なことをしているものだから、読み進めて世界観を掴むのに多くの人が苦労するだろうと感じた。
この手法には賛否両論有るだろうが、縦書の台詞が際立つので個人的には有り。
物語冒頭の見開きいっぱいに書かれた主人公の恋の苦悩(中央の文読めない・修正求む)や、1巻最後の合体直前のシーンが良い例だと思う。
タイトルについては、バイオとオーグを合わせた造語なんだろ -
Posted by ブクログ
芥川賞候補作wを含む7編の短編からなる今作。
書き下ろしも3編含まれなかなか読み応えある
ボリュームですが、あまり疲れる事なく、
かといってサラリと読む...でもない割と
充実した読書時間でした。単純に...面白いんですよね。
人同士の繋がりや関係の中での自分...。人によっては
甘くもあり厳しくもあるんでしょうが、自分というものと
他人との関係を書かれた内容が多かった...気がします。
家族、友人との関係の中で口論めいたやりとりが
妙に印象に残り、自分のイヤな部分と各主人公の
自分のこそが正論という主張が重なり...凹んでしまう。
でも...言葉に出来ないんですが...「でも」と
思ってし -
Posted by ブクログ
これはまた、あまりに難解で、何回読んでも(駄洒落じゃないよ)話の階層が把握できない、舞城ワールド全開の一冊でした。メタメタメタメタメタ構造、みたいな。第1話・第2話・第3話・第5話・第4話・第7話・第6話という目次の並びから、くらくらと眩暈。
基本的には、各章が小説という形で次章の主人公=九十九十九に送られるっていうメタのマトリョーシカ的な構造になってるんだけど、章をまたいだタイムリープがあったり「創世記」と「ヨハネの黙示録」の見立てがメタ世界を繋いだり…と、まあとにかくなにがなにやら。
でもカオス具合と世界観のでかさでは、『ディスコ探偵水曜日』が一枚上手かなあ。 -
Posted by ブクログ
7つの短編から成る。底を流れているのはいずれもYOUTOPIA。他者への現実的愛だ。妥協のないまっすぐな信念が個性を際立たせている。「やさしナリン」「添木添太郎」「すっとこどっこいしょ」「ンポ先輩」「あまりぼっち」「真夜中のブラブラ蜂」「美味しいシャワーヘッド」。タイトルを見ただけで期待感が喉元までせり上がってくる。いずれも玄妙なる深い意味がこめられているが、自分の想像するイメージとは悉くかけ離れており、どれもこれも綺麗に想定を裏切ってくれた。展開の飛躍はかなり抑制が効いており洗練された仕上がりにも好感を抱いた。芥川賞候補に4回ノミネートされる理由も判れば選に漏れる理由も判るような気がする。自