舞城王太郎のレビュー一覧

  • ディスコ探偵水曜日(中)
    全体のレビューは下巻で。

    えええここで終わるの?
    すべて解決したような気でいたけれど終わったのは推理合戦と伏線回収「だけ」だったという。
    根本的解決はなにもしていなかったとかもうね…。
    にわかに終盤は時間モノ・SFチックになってきて予想を裏切られた。

    さて今後の展開のカギを握るのは水星Cだと思う...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(上)
    全体のレビューは下巻で。

    とりあえず雑感。
    「九十九十九」がアクの強すぎる文体のため一時敬遠していたマイジョウワールド…だったが、印象が随分変わっていた。
    あくまで個人的感想だけれども、長々としたモノローグが読みやすいテンポに整理してあった、ような。冒頭の一文からそう感じた。

    どうでもいいが一番...続きを読む
  • 九十九十九
    前話が次の話の中で作中作として消化されていく入れ子構造をとったとんでもなくメタメタな作品。
    一見すると意味の見えない行動、現象もその後の話の中で見立てとして回収され、意味のないものを全て消し去る勢いであらゆるものに意味付けがなされていく。
    作品内で自分が登場する小説を読まされる九十九十九は読者の視点...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(下)
    我思う、故にセカイ有
    そんな、セカイ系ロマンの実現したような世界で
    セカイ系犯罪者とセカイ系探偵が戦うスーパーセカイ大戦
    うんざりしつつもこれを書き上げたことに頭が下がる
  • 熊の場所
    着眼点が流石にスゴイ。

    普通じゃない出来事に直面して、思わず「そこかよっ」って突っ込みたくなる感情を抱く博之だったり。

    まー君に殺されたい欲求を抱きつつも冷静な分析を行える沢チンだったり。

    説明のつきづらい感情を抱くそれぞれの主人公達なのに、何故か妙に自然にすっと受け入れられるのは、不思議な体...続きを読む
  • 山ん中の獅見朋成雄
    まず特異な文体にやられます。次に独特の擬音にやられて、唐突すぎる展開の数々にとどめを刺されて、完全に物語世界に引き込まれます。かなり無茶な展開が数多くありますが、読み終わって振り返ってみるとしっかり筋が通ってるように思えるから不思議です。九十九十九よりはぶっとんでませんが。音、匂い、味など五感の表現...続きを読む
  • みんな元気。
    夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた――。あの日から本当に色んなことが起きた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった(表題作)。西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎(「矢を止める五羽の梔鳥」)。
    単行本『みんな元気。』から「み...続きを読む
  • 九十九十九
    『苦しみがあるのなら、その愛情は諦めて、別の相手を探した方がいい。世界には他にも自分の愛情を注ぎたくなる人間がたくさんいる。』

    『知識には必ず限界がある。それはちゃんと知っておかないとね。自分が何でも知ってると思ったら、それこそ無知の表れ。』

    『誰かと争ってるからいろんなものが見えなくなるんだよ...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(上)
    ハードボイルド主人公の前に未来から来た少女が現れて新たなセカイの扉が開く
    草食系ではなくおっさんってところがミソだ
    80年代の伝奇コミックでたまにそういうのあったな・・・
  • ディスコ探偵水曜日(下)
    武者震いで進める下巻。
    ちょっと悪が弱い気もするけれど、
    世界と時間を向こうにまわしてなので、
    楽しめた。
  • ディスコ探偵水曜日(中)
    上中下巻の「中巻」

    ≪あらすじ≫
    『パインハウス殺人事件』を解決すべく
    集結した名探偵がそれぞれ解答を導き出すもすべてがハズレ。

    更には過去名探偵が係わった事件とも繋がりをみせ
    名探偵の「九十九十九」(←JDCシリーズより)と
    「ルンババ12」(←世界は密室でできている。より)
    が登場!

    ≪占...続きを読む
  • 熊の場所
    バット男のラストのセリフが胸を打つ。
    小説が空想の世界のことだけを描く、わけではない。どんなに突拍子もないほら話であっても、その根底にあるのは人間なら誰しも経験するであろう心の動きだ。
  • ディスコ探偵水曜日(下)
    前半の推理合戦を読むのがつらくて、いつ投げ捨てたろうかなと思いながら読んでいたけれど、たまに出てくる笑いどころで、ぶふぉあと笑ってしまい、また読み進んでしまう。だけど、中巻の後半、第四部方舟の手前から怒涛の展開で、ここからは結構面白い(それまでも面白いけど)。
    ロバート・ランキン「ブライトノミコン」...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(中)
    怒涛の485P! 上巻以上に読み疲れるぞーw。グルグルと回る
    パインハウスでのまるでセオリー無視の異能の推理合戦を
    伏線にしつつ、意識が空間を決定する...という哲学的な
    着地をすることによって、パインハウスでの事件の真相を
    解くとともに、この物語を更に無限な広がりを持たせ、
    よりカオスに雪崩れ込む...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(上)
    いつか読もうと思っていたんですがタイムリーに文庫化(上・中・下とは
    思わなかったけどw)されたのでこれチャンスと読み始めましたが...
    つ、疲れるーw。ミステリ的な入り口から、パラドックス満載なSFに
    展開し、更にはもっとカオティックなもはや何だか分からない
    世界にスピードを伴って突入する、唯一無二...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(中)
    話が無尽蔵に広がるけど、続きが気になってズイズイ読んでしまう。
    膨大な用語、トンデモ設定…世界観に馴染んだのか、上巻よりのめり込み度がアップ。
    ようやく折り返し地点だけど、下巻も楽しみ。
  • 熊の場所
    『恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐに戻らねばならない。』

    『死に物狂いでやってて気迫が足りないくらいなら死んだ方がマシだろう。』

    『人生には正しいも間違っているもない。物差しは結局のところ自分の価値観しかないのだ。』

    『二人の無意味で不必要なすれ違いがこれで終わりますように。』

    『弱...続きを読む
  • みんな元気。
    『みんな元気。』は舞城王太郎の短編小説集。文庫版は、単行本と収録作品が異なるそう。さて、僕は日本現代文学の中で、今一番舞城王太郎に萌えています。村上春樹とか村上龍とか阿部和重とかは売れている(阿部和重は微妙だけど)から教養として読んでいるという感じ。中原昌也は好きだけど、読むと影響で、仕事中すごい体...続きを読む
  • スクールアタック・シンドローム
    どれも良かったんだけど、特に「これが好きだー!!」っていうものも無かったかも。相変わらず舞城王太郎は凄いなぁ好きだなぁって感じで、特に新しい驚きや衝撃はなかった。

    トトロ好きなこともあって「我が家のトトロ」が1番印象に残る。
    飼い猫をトトロだと言いはる娘。その父親の“僕”は脳外科医にならなければな...続きを読む
  • 熊の場所
    熊の場所だけなら☆5つだけど、他の収録作品は好きじゃなかったから☆4。「熊の場所」はこれから生きて行くのに役立つ本だった。