舞城王太郎のレビュー一覧

  • 世界は密室でできている。

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    密室、大量殺人、不倫、死体編集、めちゃくちゃつぎこんだ異常な展開と、流れるような冗長文に圧倒されるけど、当たり前の愛みたいなものが底にあるから、最後に力技で感動させられてしまう。
    当たり前のこと言うのに、わざわざ悪趣味な描写は不要ですって人には受け入れられないかもしれない。
    生理的な気持ち悪い描写や無慈悲な展開が、ただサディスティックに登場人物を陵辱するだけのものでないから、うへって思っても最後まで読んでしまう。
    んだけど、白いツブツブのくだりはさすがにうべえっと思った。気持ち悪いってば。

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    2013年05月12日
  • スクールアタック・シンドローム

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    自宅に闖入してきた犯罪者の耳をいきなり食べちゃうような、
    最悪な父親なんだけど、息子達にはしっかり善悪の指導をしてくれる。
    そして、息子のために学校の先生とも対決をしてくれる。
    良い選手は必ずしも良いコーチとは限らず、良い導き手は必ずしも聖人である必要は無い。
    良い選手に越したことはないのだろうけど…

    いつも舞城作品は、一人の人物に対して人格を二重にも三重にも被せてくる。
    それが逆に登場人物をリアルに感じさせているのかもしれない。

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    2013年12月09日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    読み始めは混乱しまくりで舞城原作じゃなかったら買わなかったし最後まで読むことも無理だったであろうと思われる。
    ざーっと読んで、さてもう一回、で、やっとすこし読み込めた気になる。
    手に穴が空いちゃう病気(?)があって、その穴から何かを融合することができて、その特質を使うことができる、仮想未来の話。

    トリニティって、たしか三位一体って意味だよね。藤井は、あとひとつ、何と合体するのかな。

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    2013年05月07日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    適度に舞城王太郎っぽいけど、大暮維人の絵でずいぶん違う印象。文字情報と画像情報だと舞城王太郎の、味わい方違うわ…(ちなみに西尾維新は同じ印象だと思う)後半クライマックスの展開は普通に熱かった!

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    2013年05月02日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    いやぁグレイトさんのセンスはさすがですわぁ。   
    舞城王太郎のことは知らないけど、とてもファッショナブルだということは分かりました。    
    もっとエロ多めでもいいんですよ?

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    2013年05月01日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    ネタバレ

    読む画集なんて呼ばれることもあるグレ吉の漫画だが、舞城王太郎とタッグを組んだことでどう変わるのか。

    人外や武器のデザイン・描き込みは健在で、設定も作り込まれているのでとにかく情報量が多い。
    その上台詞の大部分が(右綴じなのに)横書きという実験的なことをしているものだから、読み進めて世界観を掴むのに多くの人が苦労するだろうと感じた。

    この手法には賛否両論有るだろうが、縦書の台詞が際立つので個人的には有り。
    物語冒頭の見開きいっぱいに書かれた主人公の恋の苦悩(中央の文読めない・修正求む)や、1巻最後の合体直前のシーンが良い例だと思う。

    タイトルについては、バイオとオーグを合わせた造語なんだろ

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    2013年05月18日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    チェック漏れしてたー危ない危ない

    いやー、今回も各キャラいい味だしてるというか
    読んですぐに大暮ワールドに入りこまされる画力がスゴイ

    ストーリーの方は舞城さんが担当しているようで
    ノベルとはまた違った舞城作品が見られるというのも嬉しい。

    実力派同士のコラボってことでこれからも期待。

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    2013年05月07日
  • SPEEDBOY!

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    初めて舞城王太郎の作品を読んだが、びっくりした。
    よく分からないのに、何故か引き込まれてしまう。
    不思議な魅力を感じた。

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    2013年04月12日
  • キミトピア

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    どんどん内容がやさしくなってきますねー。
    好き好き大好き超愛してるも物凄く分かりやすく表現していましたけど、今回はさらに。
    これは中高生向きかもしれないですが、読み応えあって気持ち良かったです。
    舞城さんは女性一人称が巧みになってきて、谷崎めいてきましたな。

    13.03.20

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    2013年04月05日
  • キミトピア

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    冒頭に書かれてた「間違いの方が正しい答よりも正しい場合があって、これがそうなのである」これが全ての短編集。なので疲れるし納得出来なくてストレス溜まる。でも時折笑っちゃったり、ほほぅと思ったり、うーんと考えたり、でも読み終わるとそれぞれのラストにニヤッとしたりする。すっとこどっこいしょがいちばん好き。

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    2013年04月04日
  • キミトピア

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    芥川賞候補作wを含む7編の短編からなる今作。
    書き下ろしも3編含まれなかなか読み応えある
    ボリュームですが、あまり疲れる事なく、
    かといってサラリと読む...でもない割と
    充実した読書時間でした。単純に...面白いんですよね。

    人同士の繋がりや関係の中での自分...。人によっては
    甘くもあり厳しくもあるんでしょうが、自分というものと
    他人との関係を書かれた内容が多かった...気がします。
    家族、友人との関係の中で口論めいたやりとりが
    妙に印象に残り、自分のイヤな部分と各主人公の
    自分のこそが正論という主張が重なり...凹んでしまう。
    でも...言葉に出来ないんですが...「でも」と
    思ってし

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    2013年04月01日
  • 九十九十九

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    これはまた、あまりに難解で、何回読んでも(駄洒落じゃないよ)話の階層が把握できない、舞城ワールド全開の一冊でした。メタメタメタメタメタ構造、みたいな。第1話・第2話・第3話・第5話・第4話・第7話・第6話という目次の並びから、くらくらと眩暈。
    基本的には、各章が小説という形で次章の主人公=九十九十九に送られるっていうメタのマトリョーシカ的な構造になってるんだけど、章をまたいだタイムリープがあったり「創世記」と「ヨハネの黙示録」の見立てがメタ世界を繋いだり…と、まあとにかくなにがなにやら。
    でもカオス具合と世界観のでかさでは、『ディスコ探偵水曜日』が一枚上手かなあ。

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    2013年03月25日
  • キミトピア

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    7つの短編から成る。底を流れているのはいずれもYOUTOPIA。他者への現実的愛だ。妥協のないまっすぐな信念が個性を際立たせている。「やさしナリン」「添木添太郎」「すっとこどっこいしょ」「ンポ先輩」「あまりぼっち」「真夜中のブラブラ蜂」「美味しいシャワーヘッド」。タイトルを見ただけで期待感が喉元までせり上がってくる。いずれも玄妙なる深い意味がこめられているが、自分の想像するイメージとは悉くかけ離れており、どれもこれも綺麗に想定を裏切ってくれた。展開の飛躍はかなり抑制が効いており洗練された仕上がりにも好感を抱いた。芥川賞候補に4回ノミネートされる理由も判れば選に漏れる理由も判るような気がする。自

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    2013年04月29日
  • 獣の樹

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    なんだろう、町田康と村上龍にラノベ要素混ぜ込んだ、みたいな。
    すごい目で追うのが必死になるような、勢いがある文章で、非科学も科学も、現実も妄想も柔軟に跳び越えていく感じが読んでいて気持ちいい。

    あと、主人公の泣くところとかが、好き。

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    2013年01月19日
  • 九十九十九

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    ―――「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」。
    聖書/『創世記』/『ヨハネの黙示録』の見立て連続殺人を主旋律に
    神/「清涼院流水」の喇叭が吹き荒れる舞台で踊りつづける
    超絶のメタ探偵・九十九十九の魂の旅が圧倒的文圧で語られる。


    舞城王太郎二作目若干表紙に惹かれたとこもあるけど
    ちなみに読み方は「つくもじゅうく」

    もうね、ハンパじゃない
    現実と小説と嘘と真実とメタが
    何層も何層も折り重なって
    読んでるうちに、脳みそを直接揺さぶられてる感覚をあじわえた

    でも エログロ含め、あらゆる意味で
    露骨な表現が多用されてるから
    そういうのに免疫というか耐性のない人

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    2012年12月30日
  • スクールアタック・シンドローム

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    「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」
    なんだこれは?この読後感は?
    ザワザワした嫌な感じ。でも背けられない感じ。

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    2012年12月26日
  • スクールアタック・シンドローム

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    モラルとか目的とか感情抜きの暴力ってなんか美しいかも。
    『ソマリア、サッチ・ア・スウィート・ハート』が好き。

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    2012年09月27日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    相対性理論が天下を獲ったこの現代に、時間や空間の概念そのものを覆した話をでっちあげたのがミステリ作家というのがまた面白いではないか。そりゃ、SF的視点から見ればパラドックスやラグナレク(時間の折り返し)のところは相当怪しいんだけれど、それもまたいいじゃないか。そこに近寄らせない勢いがこの作品にはある。今はまだ習作の域を出ていないかも知れないが、この作者はいずれとんでもない傑作をものするに違いない。いや、ひょっとしたらもう書いているかも知れないわけで。そんなわくわくを感じることができた。80点(100点満点)。

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    2012年09月17日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    中巻以降の展開が「世界の在りかた」講座になるとは思わなかった。でもこの舞城氏の超自慰的次元論が私には非常に面白かった。意識が空間を決定する、という考えは哲学的には古くからあるが、それを小説の中で物理学的に真理としたのはまさにエポックメイキングな発明で、そうなりゃ当然「なんでもアリ」になるのだけれども、その「なんでもアリ」の中で大風呂敷をとんでもない大きさに広げきったあげくラストまでの綱渡りを渡りきる、という離れ業に成功している。80点(100点満点)。

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    2012年09月17日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    ネタバレ

    上巻はまぁいい(良い、って意味ではない)。メタミステリかなんか知らんが、一冊まるまるおバカ探偵たちのおバカ推理合戦に使ってどうすんねん!とやり場のない怒りに悶えながら読んだ。だいたい私はあの見立て殺人とやらが苦手である。その苦手種目がこれでもかとばかりに延々と続いたとき、私にもちょっと世界の果てが見えた気がした。ここだけ読むと本格ミステリへのアンチテーゼともとれるのだが、最後まで読むとそういうわけではなかったらしい。
    80点(100点満点)。

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    2012年09月17日