舞城王太郎のレビュー一覧

  • SPEEDBOY!

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    『速く走ることに大事なのは筋肉でも技術でもない。血だ。血こそが全ての源泉なのだ。』

    『人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。』

    『人間の気持ちはすぐに満足するし、すぐに限界を感じる。もうこれでいい、もう無理だ、と思いやすき生き物なのだ。』

    『あれが僕の本当の限界だろうか? よせよせ。そうなふうに考えることが限界を生むんだ。何度も言ってるだろう。信じるんだ。限界はない。』

    『目覚まし以外の何かに起こされた朝は嫌な一日の始まりだ。』

    『まあどうせ勝てると思ってたら勝てるし、負けてもいいかもと思うなら負けるかもしれないだけの話

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    2012年07月22日
  • スクールアタック・シンドローム

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    ネタバレ

    舞城王太郎という作家を好きになりました。
    すべての作品に流れる非日常とは言えないが、決して日常とは呼べない風景に酔いました。
    最初は「ちょっとおかしいんじゃない?」と思うような主人公の言動とかにも、そういう見方もあるのか、と思うようになる会話術というか読ませ方というか。
    大津でいろいろ騒いでるときに読んだのも大きいですね。

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    2012年07月14日
  • 九十九十九

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    こりゃもうほんとに衝撃だった。
    初の舞城王太郎体験。

    息苦しいほどに句読点もなく詰め込まれた文章、
    だけど謎のスピード感にどんどん読んでしまう。
    「読めてしまう」んでなく、「読んでしまう」。

    グロくてクレイジーで限りなく悲しくて意味不明で。

    元ネタを全く知らないけど、
    メタ的に進むストーリィに引きこまれた。

    何度巡っても、世界の形は残酷で、悲しみが広がる。
    九十九十九がどんな存在だったとしても、
    直視すれば気絶するほどの美形だろうが、
    三ツ頭の恐ろしい存在だろうが変わらない。

    物凄く力のある現代ポップアート(しかも露悪的なやつ)を見た感じ。

    本当に衝撃のひとことに尽きる。

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    2012年06月08日
  • みんな元気。

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    ネタバレ

    単行本『みんな元気。』より、「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇を収録。

    『阿修羅ガール』のアイコもそうだったけど、舞城の書く女子主人公ってどうしてこんなにも身に積まされるんだろう。って云うか舞城本当は女性だったらどうしよう。とあらぬ妄想が始まってしまう位、女の子の描き方とか考え方が生々しい。
    「ぺろっとめくれて表と裏反対に……」ってならねーよ!ならねーけど何か言われてみればあーなるほど納得しちゃいそう。みたいな。

    「Dead…」「梔鳥」では文章のドライブ感を満喫。
    特に「梔鳥」の見立て?こじつけ?とにかくそれをあのスピードでやられてポカーンとするの

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    2012年06月24日
  • スクールアタック・シンドローム

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    ネタバレ

    単行本『みんな元気。』より、「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトトロ」を収録。に、加えて書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」。

    数年振りに読み直したら初読の時より10倍くらい面白く感じた。
    自分が作品に追いついたようで嬉しい。

    「スクールアタック…」の暴力性、「トトロ」の観念的な雰囲気は、どちらも舞城入門としてうってつけ。まだ舞城読んだことないんだけど私舞城好きになれるかなー?という人にオススメしています。
    コレ読んでグロすぎ!とか意味わかんねー!って感じるんだったら多分体質的に舞城向いてないよ無理して読まない方がいいと思うよっていう。

    「ソマリア…」は私の中

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    2012年06月24日
  • 熊の場所

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    書店でバイトしていた頃、年上の後輩に勧められて購入。
    正直、舞城は代表作とされる「阿修羅ガール」の時点でいまいちピンと来てなくて、この作品も1年近く積読状態にあったんだけど、読んでみたら、どの作品にも愛と暴力が溢れていて、良いじゃないですか!

    短編がいいのかな、舞城は?

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    2012年05月30日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    舞城王太郎作品を読むのは初めてだったけど、予想以上に面白くてぶっ飛んでた。ぶっ飛び過ぎてて理解が曖昧のまま読み終えてしまったけど、それでも面白かったと言えるし、分からないままでも読ませる勢いがある。「踊り出せよディスコテック」でシビれた。

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    2012年04月01日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    『違う。何ができるかじゃない。何かをするんだ。何でもするんだ。』

    『世界は人の信じるように在り、その世界観は絶えず他人によって影響され、揺らいでいる。』

    『深刻ぶってたって問題は解決しねえぞ? 罪悪感だか自己憐憫だか知らないけど、くだらねえ情緒的な苦しみなんか苦しんでないで考えろよ。』

    『何しろ知識も経験も論理も時間も、全て積み重ねなんだからな。』

    『親は頑固でも意地っ張りでもないし世界を敵に回しても構わないとも思ってない…護りたいものを護るだけなのだ。』

    『俺に正しく強い意志があれば、運命はちゃんとついてくる。』

    『…え?酷いって、どれくらい』
    『世界が終わるくらいだよ』

    『俺

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    2012年01月08日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    『そんなのちゃんと説明してあげれば大した罪にはなるはずないよ。女の子の恋心を誰が責められるの?』

    『梢のためと言われたら俺に躊躇はない。何でもする。何でもだ。』

    『影響? お前みたいな奴が何をベラベラ喋ってようが俺の世界はびくともしねえよ』
    『しますよ。他人の存在って大きいんです。そして世界は絶えず揺らいでいる』

    『怯えるんじゃねーよ探偵 ー 怯えてるうちは十分戦えねーよ』

    『信じるも良し、信じないのも良しだ。大事なのはどっちかに決めることなんだよ。いつまでもどっちにしようか迷ってるからいちいち動揺したり考え込むんだ。ビシッとしろ!』

    『いつも俺が仕事に向かうときに言ってくれる台詞だ

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    2012年01月06日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    『いろいろあって、風が吹いたら桶屋が儲かる的に迷子捜し専門の探偵になる。俺のキャデラックのボディには俺の名前と事務所の住所と電話番号の上に「ベイビー、あんたが探してんのは結局あんた自身なのよ」って書いてある。』

    『餌で釣るような真似をしたくないのと同じで、電気ショックで柵に近づけさせないみたいなことはしたくない。』

    『この世の出来事は全部運命と意志の相互作用で生まれるんだって、知ってる?』

    『とにかく何がこれから起こるか判ってるよりも、何も判らない方がいいよね。恋愛だって悲しい結末なら、ない方がいいってもんじゃないかな』
    『人は、自分より先に死んで悲しいに決まってるペットを、それでも飼う

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    2012年01月01日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    文句なしの舞城節。でも久しぶりだったのでついていくのちょっと息切れ。でもまあこんときは良かった。まだ全然良かった。

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    2011年12月28日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    ミステリー作家・暗病院終了こと三田村三郎の死の謎を名探偵が次々に推理していくが、その後に自ら目を潰していく名探偵たち……いよいよ皆に煽られたディスコがとうとう推理を始めた♪ てことで、福井県西暁町パインハウス事件解決☆ くわぁ〜まじイカれ過ぎ!! 伏線の散らばりようがハンパない(≧ω≦)b さぁー頑張れー迷子探偵ディスコ・ウェンズディ(p^-^)p いざ!! 完結編【下】へ進めε=ヾ(*~▽~)ノ

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    2011年12月25日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    2年前に単行本【上】を読んだが、【下】を読む機会を逃し完結知らずのまんまだったから文庫本で再読。やっぱりディスコかっこいい♪ 梢かわいい♪ マイジョウ天才だぁ♪ 一瞬にしてマイジョウワールドに引き込まれ一気読み!! このまま【中】【下】に続けε=┌( ^^)┘

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    2011年12月25日
  • みんな元気。

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    『目を覚ますと、隣で姉の体がベットからだいたい十五センチくらい浮いている。』

    『あのさ、これ、ゆりちゃんに内緒な ー だってやっぱ可哀想だろ、夜中に浮いてたなんて。恥ずかしいじゃん』

    『昔の恋愛なんて、全部架空の話みたいなもんだからさ ー お互いが好きだったらこうなるっていう、条件結果の話だろ?恋愛のことって。好きっていう前提がなくなったら、起こったことだけが残って、起こった理由とか根拠とかなくなってるから、凄い宙ぶらりんな感じなんだよな。やっぱりいくら事実でも、それが起こるための前提とかなかったら、小説読んだのと感覚変わんないよ』

    『南田の大学時代の彼女は秋元則子って名前で、それを聞い

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    2012年12月23日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    事件の裏には、超常的な何らかのルールが働いているようだ
    名探偵という名のパラノイア共がぞろぞろ顔を出すものの
    新事実も後出しジャンケンのようにぼろぼろこぼれ出てくるもので
    ことごとく推理は否定されていく
    推理を外した奴は死ぬ、なぜか

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    2011年05月13日
  • 山ん中の獅見朋成雄

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    普通の小説と思いきや途中からどんどんおかしな展開になっていきますが、いえいえ、それでも舞城らしくぐいぐいと、山ん中でのアリエナイ空間が当たり前のように、どんどん進んでいって、成雄も成雄で適応していって、それでもやっぱり、ちゃんと進むべき道を歩く、いや、突っ走る物語。

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    2011年05月16日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    この本を読んでる最中に「JOJOノベライズ」の発表を知った。参加した作家は三人。おおっ上遠野浩平!作品からリスペクトがあふれてるもんな。西尾維新!自身が尊敬する上遠野先生と一緒に大好きな漫画をノベライズするなんてヤバい。舞城王太郎…?えっ?以外ッ!!そう思ってた時期が僕にもありました。しかし、時空を超える能力をディスコが得るプロセスと丞太郎がザ・ワールドを得るプロセスはなんだか似ていると気づいてしまった。ぶっ飛んだ会話と世界観も近いかも?え?本の感想?舞城スゲェっすよね。

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    2011年04月17日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    ネタバレ

    上中下巻の「下巻」

    ≪あらすじ≫
    時空探偵となったディスコは過去へ未来へ飛びまくり。
    パインハウスの31人失踪事件
    パイナップルホームとムチ打ち男爵
    ≪吊るされた男≫自殺事件
    ラミア症候群(3億人の子供攫い)
    すべての謎を解決すべくディスコは未来のJJのもとへ向かう。

    そして明らかになる子供の虐待を商売とする『梢式』。
    梢が起こした魂の分裂よろしく
    子供を虐待することにより魂を人間に入れ出し空の肉体を作成し
    需要者は意識の転送を行うことにより不老状態となる。
    それを商売とし億万長者となったJJ。

    子供を虐待していたのはブラックスワン(黒い鳥の男)であり
    その計画を防ごうとラミア症候群・子

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    2011年04月11日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    ネタバレ

    上中下巻の「上巻」

    ≪あらすじ≫
    主人公のアメリカ人迷子探し専門探偵・ディスコ水曜日 は
    織田建治に盗まれた6歳の幼女・山岸梢 を保護し
    親の元へ返すが、すったもんだで東京で共に暮らすことに。

    ある日、梢が急に17歳の少女に変身!
    彼女曰く、【パイナップルトンネル】を通過して
    未来から来た梢本人であるらしい。

    そして、心身共に6歳と17歳を交互に繰り返す梢が6歳のとき
    14歳の少女・島田桔梗の魂が移り住む。
    彼女は連続魂泥棒事件『パンダラヴァー』の被害者だった。

    桔梗により梢の意識の闇【黒い鳥の男】の存在を知り
    梢の子宮から人間の指が4本産まれる。

    桔梗の魂を戻すべくパンダラヴァー事

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    2011年04月01日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    ネタバレ

    「九十九十九」と「ルンババ12」と「愛媛川十三」。なんなんだっ?今までの舞城作品はこの作品のタメにあったんじゃないのかよオイっ!というくらい集大成的な作品だろコレ。結局何をしにパインハウスにきたんだ?ってなるくらい探偵達による推理合戦で読んでるコッチもディスコも忘れかけてしまうけど結局梢のためなんだよね。最後の方の怒濤の伏線回収は流石だなぁ。一見意味がないように見える推理の応酬は梢を助けるという目的を撹乱させるためのミスリード?なんだろう。いやしかしいいとこでおわったなー。いやまだこれからが本番か。

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    2011年03月24日