舞城王太郎のレビュー一覧
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ユートピアはYOUTOPIAではなかったのかと、アホな私はドキッとした。
この冒頭のポワーッとした感じが、とても好きだ。
舞城先生の言葉はおもしろくて、分かり易くて、語感が良くて、頭にスッと入るので、何だかテンションが上がってくる。
それで誰かに話したくなって、きっかけを作ってくれる。
書下ろしの方が好きかな。
特に「添木添太郎」と、「真夜中のブラブラ蜂」が好き。
この2作品は、私の心を抉ってきた。
進んでいくときの寂寥感というか、寂しさというか、そんなのを感じる。
あと「すっとこどっこいしょ。」
面白い♡♡♡
表紙は調布のようで、いつか西暁町も見てみたいなと思った。
ブラブラっと行ってしまいたいね。 -
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舞城王太郎の最新短編集。
相変わらず面白すぎる。
軽快な言葉遊びと少し不思議な人間たちが織り成す物語は一見ファンタジックなんだけど、実は普通に人生を送っている僕らの「生きること」「他人との付き合い方」の本質を突いてくる。
それが痛快でもあるし、図星だからこそ心をヒリッとさせられたりもする。
芥川賞の候補になった「美味しいシャワーヘッド」はさすがの出来で、舞城作品にしては漫画のタイトルやバーなどの固有名詞が連発される珍しい作品だが余計にリアリティが増す。
主人公の小澤に共感してしまった。舞城作品で一番共振できたキャラだ。
芥川賞取れてたら帯の文句も変わってただろうに。賞レースに乗るには覆面じゃダメなんだろう。 -
Posted by ブクログ
『ユートピア』を何となく『YOUTOPIA』だと思い込んでいて、大好きなあなたと一緒にいられるのならそりゃその場所は楽園だわなと考えていた。≪君とピア≫の≪ピア≫が何のことかは判らないけれど語感は明るいし何だか可愛いし。
でも君が笑って指摘する。
『ユートピア』は『UTOPIA』で、イギリスの政治家トマス・モーアが16世紀初頭に書いた小説のタイトルで、理想郷としての共産主義社会のことだし、語源としては『どこでもない場所』になるんだよ、と。
え、ちょっと、何その余計な蘊蓄。
僕は言う。
じゃあ僕のキミトピアはユートピアじゃなくてその反対だな。
僕と君が一緒にいる場所はひたすら現実的な場所だもんね。政治は常に完璧なんかとは程遠いし、人の気持ちも考えもはっきりしないし落ち着かないし、正しいも間違いも曖昧だもんね。
ふふふ、と君が笑う。あなたが言うと、現実の場所も能天気に聞こえるねえ。
まあね。
どんなにバカップルのぽわーっと間の抜けた言葉に聞こえようとも、僕はキミトピアを信じていて、そこに住み着くつもりなのだ。
わーははは。
間違いのほうが正しい答えよりも正しい場合があって、これがそうなのである。
【やさしナリン】
『これまでも嘘はついてない?』
『いや~無理。俺櫛子には嘘はつけないよ。今回マジできつかったもん。絶対ないよ』
『じゃあ、嘘はついてないけど、私に話してないことない?』
『そうよね。夫婦だもんね。性格とか性質とか、そういうことじゃないもんね、妨げになるのは。本当に困ってるのは上手く話し合えないってことでしょう?』
『どうしてそこまで…。夫婦の問題って、そこまで普遍的っていうか…』
『単純なものなのよ。そりゃそうよ。夫婦ってのはお互い話し合いながら一緒に生きていこうって契約だからね』
【添木添太郎】
『証明できないネガティブな断言なんて単なる呪いだ。』
『新一くんの凄いところは、私の病気のことを無視してるわけじゃないのに、何でもないことみたいに感じさせてくれるとこだよ』
『僕が槻子に言ったあの台詞を思い出し、泣きそうになるが、でもこれは余韻みたいなもので、本物じゃないから泣きたくない。』
『私たち、ちゃんと自分の気持ちで生きていこうね』
『うん。それ以外は嫌だよ』
【すっとこどっこいしょ。】
『なんだこいつらうぜえ♡♡♡人の困難に自分の薄っぺらいプライドかぶせてくるんじゃねえよ♡♡♡♡♡』
『ゆっくり自分の進む道考えな。考えても出てこなかったら、まあ流れに任せるのもありだけど、でも流れに任せる任せないも自分の選択だからね。変に流されたって人のせいにしないようにね?』
『暗い屋根裏部屋で金谷と俺に会話ゼロ!空気重い♡♡♡』
『アウト!アウトーッ!浮気決定!金谷もういいぞ!カモン!俺もうこれ以上見ると性的に歪んじゃいそう!!』
『別にあんたのことは好きじゃないよ♡♡♡』
【ンポ先輩】
『精神っていうのは意識と無意識を合わせた、人間の内的世界の全てを表していて、心っていうのは、気持ちと感情で動かされた言葉が作った世界のことを言うんじゃないかと…』
『…精神は頭の中にあって、心は胸の中にあると思ってます。心の働きを常に精神が受けているので、密接に結びついてるけれども、別物じゃないでしょうか?』
【真夜中のブラブラ蜂】
『それはそれ、これはこれだ。』
『他の人の普通を演じるために人生があるわけじゃありません』
『自分の愛情を証明するためのセックスなんてしたくない。そんなことしなくても判っててもらいたい。』
『私、あなたのことが好きで愛してたから純一を作ったの。私の暇つぶしのための子供なんかいらないから』
『…何で目的が必要なの?何かを生まなきゃいけないの』
『虚しくないの?網子、何にも残してないじゃん。写真も撮らないし、何の記録も残してない。スケッチもしないし日記も書いてない。何が残ってるの?』
『何にも残ってないよ。記憶も忘れちゃう。それが?』
『それが虚しいだろって言ってるの。ただ時間だけが過ぎてるじゃん』
『虚しくないよ。私は楽しんでるもん。虚しいってのは信介の想像だけだよ。人の楽しみを虚しいなんて決めつけないで』
『でも実際に何も残ってない。記録も記憶もない』
『何で何かを残さなきゃいけないの?そうしないと価値がないの?』
『私は死にたくない。自分を長い時間かけて無痛のまま殺していくようなことをしたくない。本当にこの一心だ。』
『私たちはいつの間にか、純一を育てるための装置みたいになっちゃったんだよ。愛情が、その装置の、潤滑油としてしか働かなくなっちゃってた…』
『電話を切り、私は泣く。何で泣いているのかは判らない。でも私のための涙だ。』
【美味しいシャワーヘッド】
『いなくなると困るという寂しさと、一緒にいて欲しいという愛情を混同すべきじゃない。』
『あのね、思い出とかお話とかって、結局心を揺さぶられてないと思い出せないのよ。言葉とか、風景とかもそうだね。どんなことも、単に記憶はできても、自分では取り出すことができない。思い出せるのは、心の揺さぶられたものだけ』
『…じゃあ、俺は結構、毛利に揺さぶられてるのか、な』
『私としてはね、揺さぶられなくても憶えておいてもらえるような女の子になりたかったよ』
『言葉を尽くそうとしてみて初めて、僕は苛立ち、その焦りの中で毛利樽歩の話を思い出し、心をちゃんと動かしていない者には何かを思い出すことも叶わないと知り、それが絶望になり、そして同時に大きな慰めにもなる。今悲しくて、悲しいからこそ憶えておけるのだ。』
『思い出も思いも空想も行われなかったことも秘密も、全部言葉で語られるが、言葉にされない物事もある。言葉では掬いきれない小さな、細やかないろいろだ。でもそれらは記憶に残っていないんじゃなくて言葉にできないだけで、全部僕の中にあるはずだ。あるなら、いい。なくしてしまったわけではないのだ。』 -
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ネタバレ書き下ろし3編を含む短編7編。
いずれも相変わらずのスピード感で、ほどよい読み応えもあり、面白い。最近の舞城の描く世界は、何気ない日常が、ふとしたことでどんどん逸脱していって、その逸脱を収束させようと頑張って思考する、という1つのパターンがある。この「逸脱」が、「やさしナリン」だったり「穴食い虫」だったり、「気持ちの搾りかす」だったり、人と人との関係性の中で顕在化するちょっとしたズレにスポットを当てて独特の言葉でその本質を追究していく感じがとても面白い。
冒頭の「ユートピア=YOUTOPIA」についての記載が、昔あった「ぴあ」の「はみだしYou とぴあ」を連想した人も多かったんじゃないかと思うが、ここにある言葉
どんなにバカップルのぼわーっと間の抜けた言葉に聞こえようとも、僕はキミトピアを信じていて、そこに住み着くつもりなのだ。
っていう境地ってすごい心地よい。
「ンポ先輩」で出てくる「怪談っぽい世界」。言葉や感情が内包する嘘や間違いから生まれる心の穴に気づいてあげられれば哀しみが減る。
すべての小説世界に共通して流れているのは、こういう「人と人がすれ違うもとになる目に見えないモノ」であろう。それを「怪談っぽい」と表現する。舞城の小説の中には、解離性同一性障害であったり、強迫神経症だったり、明らかに精神疾患を意識した人物がよく登場すると思うのだが、作者は、これら1編1編の作品の中で、その得体の知れないモノに名前を付けて「気づきやすい」ようにしてくれている。
だからこそ、この人の作品は妙にポジティブな読後感を与えてくれるのだろう、とそう思う。 -
Posted by ブクログ
『歯磨きというものは途中で終わらせることのできない営みなのだ。』
『悪いってそういうものなの。見た目には判んないものなんだよ』
『疑わない奴は考えられない奴だよ。賢くなろうと思ったら、まずはいろいろ疑いな』
『私がここで大変だみたいに勝手に言わないでよ。決めつけないで。私の状況は私が作ってる状況なんだから。』
『次第に涙も引いてくる。良かった。僕はゆっくり全身が溶けて全て涙になっちゃうのかと思ったのだ。』
『これは命令ではありません。トマス・ホッブスは言いました。「命令とは、それをいう者の意志以外の何らかの理由も予想せず、これをせよとかこれをするなとか言う場合である。すなわち、命令する人は彼自身の利益を望んでいるに過ぎない」のだ、と。「忠告を与えるものは、彼がそれを与える相手の利益だけを、望んでいる」』
『はじめまして。牛山罰太郎です。「罪と罰」のバツです』
『名前だの血液型だの生まれたときの星座だの、そういう属性や情報に意味を見出してくってのは自分の殻に閉じこもってくってことでさ、そういうのって人生の複雑さを無視した話だし、まあそもそも遊びなんだからさ、いつか飽きるのよどうせ。んでさ、飽きればいいのよ別に。』
『世界をちゃんと理解しようと思ったら疑わなあかんのやし、疑わな考えられんし、考えれんと信じられんやろ?まずは疑うことから始まるんや。だからほやで、疑うことは義務に近いもんでねえ?ちゃんと生きるためにさ。』
『僕は世界のことはまだよく判らないよ。知らないことばっかりだから、疑うことも難しいんだよ』
『そうじゃないんだったら放っておいてよ』
『…そうじゃなかったから、じゃあ放っておくわ』
『梨木由和や。ブルーフェアリーに頼らない、不屈のゼペットじいさん』
『新しい蛇には名前を付けました。ミッフィーです。ウサギのあれからとりました。』
『…成雄、何してもいいで、とにかく死ぬなよ。危ねえと思ったら、即座に逃げていいでな。恋愛も正義も自分の生き様も大事やけど、死んだら元も子もねえんやでな。逃げろ。死ぬな。これはお願いでなくて命令やでな。兄貴として命令するから、絶対に死ぬなよ』
『そうだ。楡は僕を裏切らない。僕は嬉しい。何もかもがあやふやで謎めいていて不安定で恐ろしげなこの世界で、僕には楡がいて、楡だけは信じていいのだ。』
『なあ楡、戦争がもしこれから起こるとしても、それは楡のせいじゃないよ。皆が楡の操り人形じゃない。皆自分で考えていろんなことを決めてるんだ。楡が責任を感じる必要なんてないよ』
『でも全てこれでいいのだ。僕の経験と感覚の全てに意味がある。』
『ある日、川のほとりで向こう岸に渡りたいのに泳げなくて困ってるサソリがいた。そこにカエルが泳いでやってきた。サソリは背中に乗せて川を渡すように頼む。そんなことしたら自分を尾の毒針で指すだろうとカエルは
拒む。そんなことをするはずがない、とサソリは言う。そんなことしたら自分も一緒に川で溺れてしまうじゃないか。なるほど、と思いカエルはサソリを背中に乗せて川を渡り始める。川の途中でカエルの背中に激痛が走る。サソリがやはり毒針で刺したのだ。どうして刺したんだ、溺れながらカエルは責める。仕方ないじゃないか、とサソリも溺れながら言う。それが僕の性なんだから。』
『人間も結局自分の性に従って生きてるだけだ。自分に正直に、自分を偽りつつ、複雑で、難解で、でもそれを踏まえれば大まかには単純で、判りやすい性を。』 -
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講談社BOXとか言う、よく分からんボッタクリラノベレーベルから出ていた作品だったので未読だったが、文庫化されたのを機に購入。
相変わらず舞城作品にハズレは無い。
成雄サーガの一つに数えられる短編集で、彼を取り巻く人物が全7篇に共通して出てくるが、それぞれがパラレルワールド的な世界観になっているので、成雄と彼らの関係性もその都度違っている。
「どこまでも早く走れる少年」をモチーフに、今作も他の成雄サーガ同様フラットな価値観で善悪の判断に鈍い成雄が、他者との交流を通して精神面が徐々に成長していく物語。
自分を信じ続ける事で限界を超えていく成雄の凄まじさと、一方で自らを頂点と思っている為中々他人の意見に耳を貸そうとしない彼が、次第に世界との理解を深めていく過程が丁寧に書かれている。また一貫した世界観でない為、様々なシチュエーションの中でそれぞれの成雄が新しい価値観を会得していく様が面白い。
一気読み必死。
ある時は自衛隊に特別に雇われていたり、またある時は家族との関係に悩みを抱く(と言っても本人にその自覚は薄いのだが)中学生だったり、またある時は白い玉(?)に取り込まれた女の子を救う為に文字通り全力疾走したりと、相変わらずハチャメチャな舞城ワールド全開だが、「愛」を根底のテーマに置いたぶれない姿勢で、圧倒的な筆圧で語り切ってくれる。
分かりやすいゆえに読んでるこちらもスッキリするし、元気になれる。本を読むと言う行為は少なからず体力を消耗する作業なので、この感覚は珍しい。寧ろ舞城作品でしか味わっていないかもしれない… -
Posted by ブクログ
『速く走ることに大事なのは筋肉でも技術でもない。血だ。血こそが全ての源泉なのだ。』
『人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。』
『人間の気持ちはすぐに満足するし、すぐに限界を感じる。もうこれでいい、もう無理だ、と思いやすき生き物なのだ。』
『あれが僕の本当の限界だろうか? よせよせ。そうなふうに考えることが限界を生むんだ。何度も言ってるだろう。信じるんだ。限界はない。』
『目覚まし以外の何かに起こされた朝は嫌な一日の始まりだ。』
『まあどうせ勝てると思ってたら勝てるし、負けてもいいかもと思うなら負けるかもしれないだけの話だ。足の能力の話じゃない。意志の強さや方向性の問題だ。』
『…謝っても済まないことがあるんですからね?』
『知ってるよ。でも謝らないといけないだろ? 何はともあれ』
『僕は自分の未知の部分を開発していく。未知の部分がまだまだあるのだ。』
『もう自分のやってることが何だか判らないが、それでいいんだ。自分に理解できてる範囲で何かをやってる間は、その範囲が自分の限界だ。』
『それはもう仕方がないと決めたのだ。いい悪いの問題じゃない。仕方がないのだ。』
『見なくてはいけないのは前だ。目標だ。これから自分のしたいことだ。』
『孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行ける。』
『やってやる。やれるところを見せてやる。やろうと思ってできないことはないって正面してやる。楠夏は何にもできないと思ってる。でも本当は、何にもできないと思ってるからこそ何もできないんだ。』
『僕のことが好きなんだろう?』
『何でそう思うの?』
『いや、ただそうだったらいいなってだけ』
『ちょっと何かを言ってみるなんて、他人相手だからこそだ。試しにぽんと言ってみて、様子を見たいんだ。判らないから。』
『何かを決めたかったら好きな子に相談するのが一番いい。』 -
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こりゃもうほんとに衝撃だった。
初の舞城王太郎体験。
息苦しいほどに句読点もなく詰め込まれた文章、
だけど謎のスピード感にどんどん読んでしまう。
「読めてしまう」んでなく、「読んでしまう」。
グロくてクレイジーで限りなく悲しくて意味不明で。
元ネタを全く知らないけど、
メタ的に進むストーリィに引きこまれた。
何度巡っても、世界の形は残酷で、悲しみが広がる。
九十九十九がどんな存在だったとしても、
直視すれば気絶するほどの美形だろうが、
三ツ頭の恐ろしい存在だろうが変わらない。
物凄く力のある現代ポップアート(しかも露悪的なやつ)を見た感じ。
本当に衝撃のひとことに尽きる。 -
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ネタバレ単行本『みんな元気。』より、「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇を収録。
『阿修羅ガール』のアイコもそうだったけど、舞城の書く女子主人公ってどうしてこんなにも身に積まされるんだろう。って云うか舞城本当は女性だったらどうしよう。とあらぬ妄想が始まってしまう位、女の子の描き方とか考え方が生々しい。
「ぺろっとめくれて表と裏反対に……」ってならねーよ!ならねーけど何か言われてみればあーなるほど納得しちゃいそう。みたいな。
「Dead…」「梔鳥」では文章のドライブ感を満喫。
特に「梔鳥」の見立て?こじつけ?とにかくそれをあのスピードでやられてポカーンとするのが好きだ。
『スクールアタック・シンドローム』に収められた2篇「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトトロ」に比べると、こっちの方が遥かに舞城舞城していて、薦める時は相手を選ばないと……。 -
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ネタバレ単行本『みんな元気。』より、「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトトロ」を収録。に、加えて書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」。
数年振りに読み直したら初読の時より10倍くらい面白く感じた。
自分が作品に追いついたようで嬉しい。
「スクールアタック…」の暴力性、「トトロ」の観念的な雰囲気は、どちらも舞城入門としてうってつけ。まだ舞城読んだことないんだけど私舞城好きになれるかなー?という人にオススメしています。
コレ読んでグロすぎ!とか意味わかんねー!って感じるんだったら多分体質的に舞城向いてないよ無理して読まない方がいいと思うよっていう。
「ソマリア…」は私の中で”読んだだけなのに傷付けられたような感覚に陥る作品”として分類されています。大ダメージ。
他の方のレビュー見て思ったんですが、舞城好きな人が舞城に大興奮して文章書くと、もれなく文体が舞城舞城しちゃってるのが興味深い。 -
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『違う。何ができるかじゃない。何かをするんだ。何でもするんだ。』
『世界は人の信じるように在り、その世界観は絶えず他人によって影響され、揺らいでいる。』
『深刻ぶってたって問題は解決しねえぞ? 罪悪感だか自己憐憫だか知らないけど、くだらねえ情緒的な苦しみなんか苦しんでないで考えろよ。』
『何しろ知識も経験も論理も時間も、全て積み重ねなんだからな。』
『親は頑固でも意地っ張りでもないし世界を敵に回しても構わないとも思ってない…護りたいものを護るだけなのだ。』
『俺に正しく強い意志があれば、運命はちゃんとついてくる。』
『…え?酷いって、どれくらい』
『世界が終わるくらいだよ』
『俺には誰かを愛するための愛情があり、それを小枝に注いでみたい。』
『弱いのが悪いなら、悪は弱いんだよ』
『小枝が隣で笑っていてくれるのだけが俺の救いだ。毎日の希望そのものだ。』
『いつもピンチになれば必ず俺が来ると思うなよ』 -
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『そんなのちゃんと説明してあげれば大した罪にはなるはずないよ。女の子の恋心を誰が責められるの?』
『梢のためと言われたら俺に躊躇はない。何でもする。何でもだ。』
『影響? お前みたいな奴が何をベラベラ喋ってようが俺の世界はびくともしねえよ』
『しますよ。他人の存在って大きいんです。そして世界は絶えず揺らいでいる』
『怯えるんじゃねーよ探偵 ー 怯えてるうちは十分戦えねーよ』
『信じるも良し、信じないのも良しだ。大事なのはどっちかに決めることなんだよ。いつまでもどっちにしようか迷ってるからいちいち動揺したり考え込むんだ。ビシッとしろ!』
『いつも俺が仕事に向かうときに言ってくれる台詞だ。いつも寂しいのを我慢して言ってくれる《いってらっしゃい》。』
『強い意志が運命を引き寄せるなら、ある出来事は、その鉄の意志だけの力で起こすことができるのだ。』
『慣れてることだけで生きてっと鈍るし腐るな。壊して新しいもん作ってる奴だけが本物だ。お前に和菓子作りは無理だぜ? あれは本物だけが就ける仕事だからな』
『どっちにしろ行くのだ。運命も意志も揃ってしまっている。』
『意志と運命が俺をそこに連れて行ってくれる。鉄の意志。それが肝要だ。』
『人には、時空を超える方法を教えることはできても、何かを愛する方法を教えることはできないんです』
『私にとって、本当のことはディスコなの。私ちっちゃかったけど、本気でディスコのことが好きだったの。愛してたの。本気だよ? お願いだから馬鹿にしないでね。これしか私、ないんだから』 -
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『いろいろあって、風が吹いたら桶屋が儲かる的に迷子捜し専門の探偵になる。俺のキャデラックのボディには俺の名前と事務所の住所と電話番号の上に「ベイビー、あんたが探してんのは結局あんた自身なのよ」って書いてある。』
『餌で釣るような真似をしたくないのと同じで、電気ショックで柵に近づけさせないみたいなことはしたくない。』
『この世の出来事は全部運命と意志の相互作用で生まれるんだって、知ってる?』
『とにかく何がこれから起こるか判ってるよりも、何も判らない方がいいよね。恋愛だって悲しい結末なら、ない方がいいってもんじゃないかな』
『人は、自分より先に死んで悲しいに決まってるペットを、それでも飼うんですよ』
『言葉は神で、無から有を創り出す。』
『やめとけやめとけ。全部自分のせいだと発想するのは子供じみていて、恥ずかしいものだ。』
『意志と運命が全ての出来事を作るのだ。でも俺は今運命に意思を揺さぶられている。』
『そんなの記憶も証拠も蓋然性もなければ、可能性ですらないと思うよ、私は』
『とにかく動こう。忘れているなら思い出そう。勘をなくしているなら取り戻そう。』
『何をどうすればいいのか判らないことを判らないままにとにかく始めることを《何とかする》って言うんだよ。覚えとけ』
『こいつにとっては倫理も知識に過ぎないんだ。』
『俺はもう若くはないけど、若さというものを覚えてはいる。あのときの気分を思い出せ。』
『ただいま三朗は殺されております。犯人は谷口徹です。あなたが谷口徹なら、発信音の後に懺悔の言葉を、他の人ならお悔やみを入れてください。P。』
『「でも今じゃないしここじゃない」。それはもっと暖かい、明るい場所で、自分が愛情に包まれてると梢自身にはっきりと判るようなところで行われるべきなのだ。』