舞城王太郎のレビュー一覧

  • キミトピア

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    舞城王太郎の最新短編集。
    相変わらず面白すぎる。

    軽快な言葉遊びと少し不思議な人間たちが織り成す物語は一見ファンタジックなんだけど、実は普通に人生を送っている僕らの「生きること」「他人との付き合い方」の本質を突いてくる。

    それが痛快でもあるし、図星だからこそ心をヒリッとさせられたりもする。

    芥川賞の候補になった「美味しいシャワーヘッド」はさすがの出来で、舞城作品にしては漫画のタイトルやバーなどの固有名詞が連発される珍しい作品だが余計にリアリティが増す。
    主人公の小澤に共感してしまった。舞城作品で一番共振できたキャラだ。

    芥川賞取れてたら帯の文句も変わってただろうに。賞レースに乗るには覆

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    2013年02月16日
  • キミトピア

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    『ユートピア』を何となく『YOUTOPIA』だと思い込んでいて、大好きなあなたと一緒にいられるのならそりゃその場所は楽園だわなと考えていた。≪君とピア≫の≪ピア≫が何のことかは判らないけれど語感は明るいし何だか可愛いし。
    でも君が笑って指摘する。
    『ユートピア』は『UTOPIA』で、イギリスの政治家トマス・モーアが16世紀初頭に書いた小説のタイトルで、理想郷としての共産主義社会のことだし、語源としては『どこでもない場所』になるんだよ、と。
    え、ちょっと、何その余計な蘊蓄。
    僕は言う。
    じゃあ僕のキミトピアはユートピアじゃなくてその反対だな。
    僕と君が一緒にいる場所はひたすら現実的な場所だもんね

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    2013年02月16日
  • キミトピア

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    ネタバレ

    書き下ろし3編を含む短編7編。
    いずれも相変わらずのスピード感で、ほどよい読み応えもあり、面白い。最近の舞城の描く世界は、何気ない日常が、ふとしたことでどんどん逸脱していって、その逸脱を収束させようと頑張って思考する、という1つのパターンがある。この「逸脱」が、「やさしナリン」だったり「穴食い虫」だったり、「気持ちの搾りかす」だったり、人と人との関係性の中で顕在化するちょっとしたズレにスポットを当てて独特の言葉でその本質を追究していく感じがとても面白い。

     冒頭の「ユートピア=YOUTOPIA」についての記載が、昔あった「ぴあ」の「はみだしYou とぴあ」を連想した人も多かったんじゃないかと

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    2013年02月10日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    SFっぽくもあり探偵ものでもあり、エログロ暴力哲学がここぞとばかり入り乱れる。ジャンル分類不可能な、舞城王太郎ワールド全開の1冊。
    広がりまくった風呂敷が、<意志>と<運命>のもと、下巻で一気にたたまれていく様は圧巻。衝撃だった〜。

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    2013年01月10日
  • スクールアタック・シンドローム

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    【スクールアタック・シンドローム】題名からしてもっとどうしようもない話だと思っていたのですが至極まっとうな話でした。親子愛にほっこり。好き。【我が家のトトロ】りえがいい女すぎる。これも家族愛が感じられて良かったです。りえと主人公のやりとりでなんか泣きそうになってしまった。こういう風に生きていけたらいいんだろうなと思う【ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート】グロいってか痛い。正直知りたくなかったことが書いてあったりしたけど主人公がアドレナリン全開になるさまとかすごく面白かった。色んなことを考察してまた読む必要がありそう。

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    2012年12月08日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    おもしろかった~!
    超展開からのどんでん返しの連続で、下巻まで一気に読んだ。
    梢は救われるのかな…と、最後までどきどきした。
    他の舞城作品を読んでいたので、名探偵がどんどん登場してくる場面は凄く嬉しかった。

    そして、水星Cさん格好良過ぎ。
    最後まで格好良過ぎ。

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    2012年11月20日
  • SPEEDBOY!

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    成雄シリーズなんですねこれ。
    他の作品とか読まずにこれから入りました。

    帯の通り、
    早い、速い、全部が。

    成雄=五歳児のイメージで読んでた。
    小さい男の子が、周りが見えずにだだーっと走ってる感じ。
    自分は怖いモノがないから、前しか見えてなくても、周りはモノが倒れたり、ヒトにぶつかってたりしてるんだよ、
    だから、もうちょっと周りを観なよって感じかなあ。

    もしくは、
    一ファンの気持ちの悪い感想としては、
    作者の事なんかなあと。

    なんにしても、
    今の自分が勇気づけられた一冊(そして、面白かった)

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    2012年11月13日
  • 獣の樹

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    『歯磨きというものは途中で終わらせることのできない営みなのだ。』

    『悪いってそういうものなの。見た目には判んないものなんだよ』

    『疑わない奴は考えられない奴だよ。賢くなろうと思ったら、まずはいろいろ疑いな』

    『私がここで大変だみたいに勝手に言わないでよ。決めつけないで。私の状況は私が作ってる状況なんだから。』

    『次第に涙も引いてくる。良かった。僕はゆっくり全身が溶けて全て涙になっちゃうのかと思ったのだ。』

    『これは命令ではありません。トマス・ホッブスは言いました。「命令とは、それをいう者の意志以外の何らかの理由も予想せず、これをせよとかこれをするなとか言う場合である。すなわち、命令す

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    2012年09月17日
  • SPEEDBOY!

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    講談社BOXとか言う、よく分からんボッタクリラノベレーベルから出ていた作品だったので未読だったが、文庫化されたのを機に購入。
    相変わらず舞城作品にハズレは無い。

    成雄サーガの一つに数えられる短編集で、彼を取り巻く人物が全7篇に共通して出てくるが、それぞれがパラレルワールド的な世界観になっているので、成雄と彼らの関係性もその都度違っている。

    「どこまでも早く走れる少年」をモチーフに、今作も他の成雄サーガ同様フラットな価値観で善悪の判断に鈍い成雄が、他者との交流を通して精神面が徐々に成長していく物語。

    自分を信じ続ける事で限界を超えていく成雄の凄まじさと、一方で自らを頂点と思っている為中々他

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    2012年07月30日
  • SPEEDBOY!

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    『速く走ることに大事なのは筋肉でも技術でもない。血だ。血こそが全ての源泉なのだ。』

    『人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。』

    『人間の気持ちはすぐに満足するし、すぐに限界を感じる。もうこれでいい、もう無理だ、と思いやすき生き物なのだ。』

    『あれが僕の本当の限界だろうか? よせよせ。そうなふうに考えることが限界を生むんだ。何度も言ってるだろう。信じるんだ。限界はない。』

    『目覚まし以外の何かに起こされた朝は嫌な一日の始まりだ。』

    『まあどうせ勝てると思ってたら勝てるし、負けてもいいかもと思うなら負けるかもしれないだけの話

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    2012年07月22日
  • スクールアタック・シンドローム

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    ネタバレ

    舞城王太郎という作家を好きになりました。
    すべての作品に流れる非日常とは言えないが、決して日常とは呼べない風景に酔いました。
    最初は「ちょっとおかしいんじゃない?」と思うような主人公の言動とかにも、そういう見方もあるのか、と思うようになる会話術というか読ませ方というか。
    大津でいろいろ騒いでるときに読んだのも大きいですね。

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    2012年07月14日
  • 九十九十九

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    こりゃもうほんとに衝撃だった。
    初の舞城王太郎体験。

    息苦しいほどに句読点もなく詰め込まれた文章、
    だけど謎のスピード感にどんどん読んでしまう。
    「読めてしまう」んでなく、「読んでしまう」。

    グロくてクレイジーで限りなく悲しくて意味不明で。

    元ネタを全く知らないけど、
    メタ的に進むストーリィに引きこまれた。

    何度巡っても、世界の形は残酷で、悲しみが広がる。
    九十九十九がどんな存在だったとしても、
    直視すれば気絶するほどの美形だろうが、
    三ツ頭の恐ろしい存在だろうが変わらない。

    物凄く力のある現代ポップアート(しかも露悪的なやつ)を見た感じ。

    本当に衝撃のひとことに尽きる。

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    2012年06月08日
  • みんな元気。

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    ネタバレ

    単行本『みんな元気。』より、「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇を収録。

    『阿修羅ガール』のアイコもそうだったけど、舞城の書く女子主人公ってどうしてこんなにも身に積まされるんだろう。って云うか舞城本当は女性だったらどうしよう。とあらぬ妄想が始まってしまう位、女の子の描き方とか考え方が生々しい。
    「ぺろっとめくれて表と裏反対に……」ってならねーよ!ならねーけど何か言われてみればあーなるほど納得しちゃいそう。みたいな。

    「Dead…」「梔鳥」では文章のドライブ感を満喫。
    特に「梔鳥」の見立て?こじつけ?とにかくそれをあのスピードでやられてポカーンとするの

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    2012年06月24日
  • スクールアタック・シンドローム

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    ネタバレ

    単行本『みんな元気。』より、「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトトロ」を収録。に、加えて書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」。

    数年振りに読み直したら初読の時より10倍くらい面白く感じた。
    自分が作品に追いついたようで嬉しい。

    「スクールアタック…」の暴力性、「トトロ」の観念的な雰囲気は、どちらも舞城入門としてうってつけ。まだ舞城読んだことないんだけど私舞城好きになれるかなー?という人にオススメしています。
    コレ読んでグロすぎ!とか意味わかんねー!って感じるんだったら多分体質的に舞城向いてないよ無理して読まない方がいいと思うよっていう。

    「ソマリア…」は私の中

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    2012年06月24日
  • 熊の場所

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    書店でバイトしていた頃、年上の後輩に勧められて購入。
    正直、舞城は代表作とされる「阿修羅ガール」の時点でいまいちピンと来てなくて、この作品も1年近く積読状態にあったんだけど、読んでみたら、どの作品にも愛と暴力が溢れていて、良いじゃないですか!

    短編がいいのかな、舞城は?

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    2012年05月30日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    舞城王太郎作品を読むのは初めてだったけど、予想以上に面白くてぶっ飛んでた。ぶっ飛び過ぎてて理解が曖昧のまま読み終えてしまったけど、それでも面白かったと言えるし、分からないままでも読ませる勢いがある。「踊り出せよディスコテック」でシビれた。

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    2012年04月01日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    『違う。何ができるかじゃない。何かをするんだ。何でもするんだ。』

    『世界は人の信じるように在り、その世界観は絶えず他人によって影響され、揺らいでいる。』

    『深刻ぶってたって問題は解決しねえぞ? 罪悪感だか自己憐憫だか知らないけど、くだらねえ情緒的な苦しみなんか苦しんでないで考えろよ。』

    『何しろ知識も経験も論理も時間も、全て積み重ねなんだからな。』

    『親は頑固でも意地っ張りでもないし世界を敵に回しても構わないとも思ってない…護りたいものを護るだけなのだ。』

    『俺に正しく強い意志があれば、運命はちゃんとついてくる。』

    『…え?酷いって、どれくらい』
    『世界が終わるくらいだよ』

    『俺

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    2012年01月08日
  • ディスコ探偵水曜日(中)

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    『そんなのちゃんと説明してあげれば大した罪にはなるはずないよ。女の子の恋心を誰が責められるの?』

    『梢のためと言われたら俺に躊躇はない。何でもする。何でもだ。』

    『影響? お前みたいな奴が何をベラベラ喋ってようが俺の世界はびくともしねえよ』
    『しますよ。他人の存在って大きいんです。そして世界は絶えず揺らいでいる』

    『怯えるんじゃねーよ探偵 ー 怯えてるうちは十分戦えねーよ』

    『信じるも良し、信じないのも良しだ。大事なのはどっちかに決めることなんだよ。いつまでもどっちにしようか迷ってるからいちいち動揺したり考え込むんだ。ビシッとしろ!』

    『いつも俺が仕事に向かうときに言ってくれる台詞だ

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    2012年01月06日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    『いろいろあって、風が吹いたら桶屋が儲かる的に迷子捜し専門の探偵になる。俺のキャデラックのボディには俺の名前と事務所の住所と電話番号の上に「ベイビー、あんたが探してんのは結局あんた自身なのよ」って書いてある。』

    『餌で釣るような真似をしたくないのと同じで、電気ショックで柵に近づけさせないみたいなことはしたくない。』

    『この世の出来事は全部運命と意志の相互作用で生まれるんだって、知ってる?』

    『とにかく何がこれから起こるか判ってるよりも、何も判らない方がいいよね。恋愛だって悲しい結末なら、ない方がいいってもんじゃないかな』
    『人は、自分より先に死んで悲しいに決まってるペットを、それでも飼う

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    2012年01月01日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    文句なしの舞城節。でも久しぶりだったのでついていくのちょっと息切れ。でもまあこんときは良かった。まだ全然良かった。

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    2011年12月28日