感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2022年03月05日
これ、本当に疾走感があって好き。
まず僕は「ソニックブーム」という現象が好きだ。それが登場していて、なおかつ舞城王太郎さんの作品であるのだから本当にこの本は性癖に刺さりました。
Posted by ブクログ 2012年11月13日
成雄シリーズなんですねこれ。
他の作品とか読まずにこれから入りました。
帯の通り、
早い、速い、全部が。
成雄=五歳児のイメージで読んでた。
小さい男の子が、周りが見えずにだだーっと走ってる感じ。
自分は怖いモノがないから、前しか見えてなくても、周りはモノが倒れたり、ヒトにぶつかってたりしてるん...続きを読むだよ、
だから、もうちょっと周りを観なよって感じかなあ。
もしくは、
一ファンの気持ちの悪い感想としては、
作者の事なんかなあと。
なんにしても、
今の自分が勇気づけられた一冊(そして、面白かった)
Posted by ブクログ 2012年07月30日
講談社BOXとか言う、よく分からんボッタクリラノベレーベルから出ていた作品だったので未読だったが、文庫化されたのを機に購入。
相変わらず舞城作品にハズレは無い。
成雄サーガの一つに数えられる短編集で、彼を取り巻く人物が全7篇に共通して出てくるが、それぞれがパラレルワールド的な世界観になっているので...続きを読む、成雄と彼らの関係性もその都度違っている。
「どこまでも早く走れる少年」をモチーフに、今作も他の成雄サーガ同様フラットな価値観で善悪の判断に鈍い成雄が、他者との交流を通して精神面が徐々に成長していく物語。
自分を信じ続ける事で限界を超えていく成雄の凄まじさと、一方で自らを頂点と思っている為中々他人の意見に耳を貸そうとしない彼が、次第に世界との理解を深めていく過程が丁寧に書かれている。また一貫した世界観でない為、様々なシチュエーションの中でそれぞれの成雄が新しい価値観を会得していく様が面白い。
一気読み必死。
ある時は自衛隊に特別に雇われていたり、またある時は家族との関係に悩みを抱く(と言っても本人にその自覚は薄いのだが)中学生だったり、またある時は白い玉(?)に取り込まれた女の子を救う為に文字通り全力疾走したりと、相変わらずハチャメチャな舞城ワールド全開だが、「愛」を根底のテーマに置いたぶれない姿勢で、圧倒的な筆圧で語り切ってくれる。
分かりやすいゆえに読んでるこちらもスッキリするし、元気になれる。本を読むと言う行為は少なからず体力を消耗する作業なので、この感覚は珍しい。寧ろ舞城作品でしか味わっていないかもしれない…
Posted by ブクログ 2012年07月22日
『速く走ることに大事なのは筋肉でも技術でもない。血だ。血こそが全ての源泉なのだ。』
『人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。』
『人間の気持ちはすぐに満足するし、すぐに限界を感じる。もうこれでいい、もう無理だ、と思いやすき生き物なの...続きを読むだ。』
『あれが僕の本当の限界だろうか? よせよせ。そうなふうに考えることが限界を生むんだ。何度も言ってるだろう。信じるんだ。限界はない。』
『目覚まし以外の何かに起こされた朝は嫌な一日の始まりだ。』
『まあどうせ勝てると思ってたら勝てるし、負けてもいいかもと思うなら負けるかもしれないだけの話だ。足の能力の話じゃない。意志の強さや方向性の問題だ。』
『…謝っても済まないことがあるんですからね?』
『知ってるよ。でも謝らないといけないだろ? 何はともあれ』
『僕は自分の未知の部分を開発していく。未知の部分がまだまだあるのだ。』
『もう自分のやってることが何だか判らないが、それでいいんだ。自分に理解できてる範囲で何かをやってる間は、その範囲が自分の限界だ。』
『それはもう仕方がないと決めたのだ。いい悪いの問題じゃない。仕方がないのだ。』
『見なくてはいけないのは前だ。目標だ。これから自分のしたいことだ。』
『孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行ける。』
『やってやる。やれるところを見せてやる。やろうと思ってできないことはないって正面してやる。楠夏は何にもできないと思ってる。でも本当は、何にもできないと思ってるからこそ何もできないんだ。』
『僕のことが好きなんだろう?』
『何でそう思うの?』
『いや、ただそうだったらいいなってだけ』
『ちょっと何かを言ってみるなんて、他人相手だからこそだ。試しにぽんと言ってみて、様子を見たいんだ。判らないから。』
『何かを決めたかったら好きな子に相談するのが一番いい。』
Posted by ブクログ 2019年03月15日
自分で作っちゃった枷のはずし方。
弱い自分との戦い方。
なんて事考えずに、先ずはこの疾走感が好き。
ニヤッと終われる、ラストシーンも心地よかった。
Posted by ブクログ 2018年12月29日
舞城先生の話はいつも読み終わってから解説を探してしまう。
物語は分かりやすいし一つ一つの事象もシンプルなのに、全体像に震えのようなブレがあって、掴めそうで掴めない不思議な気持ちになる。
内容は、同じキャラクターが違うシチュエーションでアレコレ起こるのだけど、お互いの話は繋がらない。
共通しているのは...続きを読む主人公がめっちゃ速いってことで、そのスピード感は本編を読んで味わってほしいです。
Posted by ブクログ 2017年05月24日
本全体を貫く疾走感を感じた
収録作はどれも厳密に言えば独立した物語である
だが、登場人物が同じだったり共通点があったりで、読んでいる最中はまるで繋がりがあるように錯覚する、あるいは疑心を抱く
そして、1作目の強烈な疾走、読者をも置き去りにしかねない疾走
そういった、強烈な出だしと繋がっているような感...続きを読む覚がいい意味で頭を麻痺させてくれ、たっぷり舞城世界を堪能出来た
ちゃんとラストは、全体を包括するような(ように見える)物語で、疾走の流れも向きもそのままに幕を閉じる
それもまた悪くはない
Posted by ブクログ 2013年07月14日
少し前に福井で九十九橋を見かけたため
久しぶりに舞城氏が読みたくなった
相変わらずのぶっ飛んだ限界超過っぷり
その横にいる透明感のある女子も健在
確かに限界は自分および他人に
つくられるものなのかもしれないと思い
自分で限界を作っていた あることに
挑戦してみることを決めた
自己啓発本でうたって...続きを読むいる限界超過と
小説で見せつけられる限界超過は受け取り方が違う
小説の方が夢見がちだけど
案外、努力し続けるための納得度が高い気もする
Posted by ブクログ 2012年08月09日
私はあまり本を読むわけではありませんが、
舞城王太郎ほど感覚の言語化が鮮やかな作家を知りません。
世界は壁だらけでぐにゃぐにゃしていて、
それを越えるために他の作家が言葉や世界をこねくり回してあっちゃこっちゃぐるぐるしている間に舞城王太郎はジェットエンジンを持って飛んでいってしまう。
でも操作がう...続きを読むまくないからよく墜落している。
この作品は、まさに舞城王太郎といったもので、
とにかくストイックに、走るスピードを追求しつづけている。
しかしなぜかこの社会においては、足の速さと走るスピードは比例しない。それは周りの念が邪魔をするから。
とにかく常識だとかルールなんていうものは、こと早く走ることに対しては邪魔しかしない。周りに群れる大多数の凡庸の平均値だからね。
それに対する煩わしさの描写が実にすばらしい。
もしかすると舞城王太郎はものすごいスピードで走り続けて地球の接線方向に飛び出したまま宇宙の彼方へ飛び去るのではないだろうか。
(ミステリー作家ではないかという意見もあるだろうけど)
舞城王太郎はどちらかというと純文学作家というよりも詩人のように見える。
鮮やかに描いて、たどたどしく物語る。
あまりにも描写が鮮やかだっただけに、ラストのまずさが異常に際立ってしまう。
スピードを上げて上げて上げて、なんでその先に目的地があるのだろうか?否定したはずの異物の存在をなんで認めてしまうのか?
この、最後には必ず鮮やかな世界に取り残される消化不良感もいつもの舞城王太郎です。
それとも、このラストのちゃぶ台返しまで含めてすべてが一本筋の通った意図なのだろうか。
いずれにしても、世界がどう広がろうと私には絶対に手の届かないところに到達している作家であろうことは間違いありません。
そして、そう思わせてくれるのは舞城王太郎だけなのです。
Posted by ブクログ 2012年07月27日
個人的に舞城王太郎はとっつきにくいような内容を書く方だと思っていました。
今回この作品が初読みなのですが、結構満足しています。
異常に足が速い少年。
これを基本設定として各章で彼の心の変化を知っていける。
映像化すれば結構おもしろいと思います。
Posted by ブクログ 2015年12月12日
「山ん中の獅見朋成雄」と設定は共通している部分が多いものの、キャラクターの印象も異なり、世界観も違う。ただ、この作品でも倫理観を飛び越えてしまう成雄くんが描かれている。前作よりもその超越感はより顕著になっており、それは彼の能力がよりわかりやすい形で表現されているためだろう。
また、前作では彼自身が異...続きを読む様な世界(社会)に飛び込む展開だったが、こちらは逆で、日常的な世界で彼の異様な能力が浮き彫りにされている。同じような能力の仲間はいるものの、その中でも成雄くんの自我は一線を越えそうなのは、彼が他者の存在を必要としないためだろう。
それでも最後の最後ではやはり他者とのコミュニケーションを求めるし、だからこそコミュニケーションの難しさにぶつかる成雄くんが愛しい。彼の暗中模索は続くだろうけど、手探りの未来が待っているのも悪くない。
Posted by ブクログ 2013年06月23日
これはまた違った趣向の成雄シリーズ。過去に遡ったりしてるのか?と思ったけどパラレルなのかな。ちょっとずつ設定は違えど、結局は同じテーマというか、同じところに導かれている感じはする。「獣の樹」でもそうだったけど、「木」とか「森」がなんだか禍々しいものとして描かれているのが印象的。それにくらべると石は神...続きを読む聖かな。とにかくどの成雄も人の痛みには鈍感なようでいて、女の子を守ることには熱心。
Posted by ブクログ 2013年01月16日
薄っぺらくてとっつきやすそうな題材の割に、構成が難解だったなあ。。音速を超えちゃうような俊足のナルオくんの、あらゆる仮定の集積?みたいな。
ひしひしと孤独なナルオくんがようやく救われるエンドは、後腐れなくさっぱりしてはいるけど、なんだか違和感。
舞城王太郎の作品の中では、いまひとつかも…と思ったけれ...続きを読むど、もっともっと読み込んでナルオくんの境地に近寄りたいな~と思わせるあたり、やっぱり舞城王太郎すごい。
ヒュパパパパッ!
Posted by ブクログ 2013年01月20日
着想の奇抜さ、意想外の展開に一気に引きずり込まれる。常人には到底図り知ることができない非日常世界。異なる7つの短編は脈絡なく重なる。微妙な重なりが心地よい錯誤と混乱を生じせしめ不思議なファンタジーをより幻想的なものにする。さしたる根拠もなく限界を作る愚かしさ、限界を作るのも自分なら、それを突き抜ける...続きを読むのも自分。多くのメッセージがこめられており考察を深めることができた。
Posted by ブクログ 2012年09月24日
「孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行けるーーー。」
相変わらず文章のスピード感が駿足で滑る滑る早い早い爽快感!クールワード!
『山ん中の獅見朋成雄』、『獣の樹』とループしてる。楡?楠夏?も成雄と一緒に登場していて個人的にニヤニヤしている。作品の前後関係バラバラだ...続きを読むけど。
「僕が登場するまで皆が壁を破れなかったのは、それが無理だと思ってたからだ。壁を破ってみせたら、結構ついてくる人間も出てきた。人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。
では他人の意識はどうだろう?他人の意識は自分の身体にブレーキをかけるだろうか?」
「自問にはっきりした答がでないのも当然だ。
それを訊いている自分にも答えようとしている自分にも、いろんな自分といろんな他人がそれぞれいるのだ。
答がこんがらがるのも仕方がない。
何かを決めたかったら好きな子に相談するのが一番いい」
Posted by ブクログ 2012年07月31日
全七編の短編で構成されるお話。
全篇を通して主人公は成雄という少年であり、登場人物も変わらない。
しかし、パラレルワールド的な作りになっており、それぞれの話で主人公・成雄の立ち位置や他の人物との関係性はがらりとかわってくる。
どのお話でも、成雄は一貫して「速さ」を求めて行動する。
走って走って走って...続きを読む。遂には音速に到達する。
そうして手に入れた速さで成雄は何を得たのか。
終始荒唐無稽な世界観が展開されており、なんだこりゃと思う間もなく、主人公は次の行動に移っている。
それはそれで面白いんだけど、七編にわけるんじゃなくて、やっぱり長編で読みたいなと思った。
章が変わるたびに主人公の立場が変わるため、成長がわかりづらくなって全体の濃度が薄くなってしまっている。何よりテンポが悪くなっている。
全篇通して主題のブレはないけれど、伝わりにくいと感じた。
同じ舞城作品の成雄シリーズの「山ん中の獅見朋成雄」、「獣の樹」と比べる、とちょっと物足りないなあ。
Posted by ブクログ 2012年07月19日
速さを追い求めるというよりも、速いがゆえに孤独な主人公。強烈な才能は人を孤独にさせる。タイトル通りの疾走感。マイジョウの斜め上らへんに突き抜けた文章が苦手でなければすぐ読めてしまう。然しながらスピードを追い求めるならもっと荒ぶっても良かったのではと思う。「阿修羅ガール」を既読ならそう感じるところもあ...続きを読むるだろう。