舞城王太郎のレビュー一覧

  • この恋はこれ以上綺麗にならない。 1

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    主人公のキャラクター良い。

    のだけど、ジャンプ的な展開に転がってくなら興味がないのだけど、どう続くんだろう。

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    2019年06月18日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    『好き好き大好き超愛してる。』でみせた「愛は祈りだ。僕は祈る。」の信念を、言葉だけでなく実践してみせた、怪作にして舞城の最高傑作。
    序盤は村上春樹的な奇想のロードムービーをやり、中盤ではがっつり密室モノのミステリをしつつ序盤の奇想までもを伏線として回収してゆく。大勢の"名探偵"たちによる壮大な推理合戦は、その論理が披露されるごとに新たな真相がアップデートされてゆく。この感じは麻耶雄嵩が『翼ある闇』で試みたそれと近いものがあるのだけど、本作においてはその推理は十三回にもおよび、長大だ。「名探偵は必ず真相を解き明かすがゆえに名探偵である」という循環論理はメタ的には真理で、そのこ

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    2019年02月13日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    女性主人公が女性らしく強かに成長する話が好きな人におすすめ

    主人公のわざと悩みつつもそこで成長を感じさせるのが大好き。

    主人公の気持ちも行動も強く共感できるし、文章が文語体で読みやすく、勢いもある。
    何度読み返しても新しい発見があり、読む度に感動してる。

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    2020年02月28日
  • 淵の王(新潮文庫)

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    twitter文学賞受賞作ってことで。舞城作品は、だいぶ前に『煙か~』を読んで以来。それなりに楽しめたものの、読書巧者がこぞって誉めそやすほどには入れ込むことが出来ず、数作品買ってはみたものの、どうにも手が伸びず、今まで距離を置いてきてしまっていた。自分も読書キャリアを経てきたし、作者もどんどん円熟度を増しきてるだろうし、っていう風に双方の良い条件が重なったおかげもあってか、本作は上記作品よりも遥かに楽しめました。内容は、珍しい(そして難しいであろう)二人称で描かれる、中編×3編から成るもの。各主人公の背後霊的な”淵の王”目線で、ちょっとホラー寄りの物語が語られる。登場人物の造形やら、ホラーの

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    2019年01月15日
  • みんな元気。

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    自己の周囲に家族を置いて
    それとの関係に正しさを見出して駆動する作者に良くみられる形式は謎
    そこが根底であるのはなぜだろう

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    2019年01月12日
  • バイオーグ・トリニティ 14

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    全然わけわかんねー!!! と思ってましたが読み終わってみれば良かったと思える不思議。全然可愛くなかったフミホの空っぽさにちゃんと理由があって、そこが満たされてゆく終盤でどんどん魅力的になっていって嬉しかった。
    まさかこれが密室×ループものの亜種になるとは……

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    2018年08月15日
  • バイオーグ・トリニティ 14

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    完璧、舞城作品は全部読んでいるけれど全作品中でもTOP5も出来映えだと思う。描いているのが大暮維人で良かった。この情報量、この画力でなければ収まらない。最後に入っている舞城掌篇もとてもよかった。生きてて良かったなあ。

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    2018年06月13日
  • 淵の王(新潮文庫)

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    名前のない二人称は主人公を愛し、慈しみ、彼らの魔と悪への対峙を見守る。二人称のその無力さが、読む者が必然的にもつ無力さとシンクロするため、読後に不思議な余韻を残すのだと思う。
    ストーリーにわかりやすい対立構造をもつ「さおり」と、インパクトのある強敵と格闘する「悟堂」に比べて、「果歩」には明確に対立する敵や実体化した敵が登場しない。広瀬や絵の少女がそうかというと違う気がする。強いて言えば自分自身の意識下にある何か、または健全な外観からは見えない悪なるものである。それに気づかない者は、恐らく生涯気づかない。また気づいたときには「怖いことを考えることそのものが、悪い影響を持つ」というテーゼのもと、す

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    2018年04月22日
  • 世界は密室でできている。

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    青春小説?そんなこと全く思わなかった。
    密室というミステリーにおける鉄板ネタを、あれやこれやと否定否定。バカなトリック。だけど愛おしい。しかも家族とかけて再生の物語なんて、舞城天才かよ。

    名探偵ルンババといいキャラの破天荒。ストーリーのはじっけっぷり。そこにドライブ文体。
    井上姉妹の心情は、西加奈子や川上未映子っぽさがあり、女性作家?いやいや、友紀夫とルンババの笑いのセンスは男性作家?相変わらず不思議な作家だ。

    久しぶりな舞城作品は愛も変わらず、愛の話。そこにミステリーのエッセンスがあるのだから、楽しいに決まっている。

    おススメマラソンその④
    杏仁さんより紹介いただきました。感謝。

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    2018年03月21日
  • 淵の王(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これはいち舞城ファンの感想なんですけど、舞城作品って物理攻撃に近い気がする。読んでいる間中ずっと、胸倉を掴まれてブンブン引きずり回されてる感じ。この感覚は短編であるほど強いような。
    じゃあ「ホラー長編」であるところの本作はどうだったかと言うと、やはり何か恐ろしく強いものに首根っこを押さえられているようで、早い話が途中で読むのを止める事ができませんでした。

    影、暗闇、真っ黒坊主――……。
    突如現れる黒々とした穴が、主人公たちの日常を侵食する。

    主人公?主人公かあ。うーん難しい。
    3つのパートは「中島さおり」「堀江果歩」「中村悟堂」という人名を冠してはいるんだけど、それぞれの物語を語るのは名前

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    2017年12月10日
  • バイオーグ・トリニティ 1

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    第一印象は、小難しくてオシャレな話。
    軽く一度 読んだだけでは理解できない…。

    けど、何度か読む内に
    とてつもなく切ないラブストーリーなんだと認識させられます。

    噛めば噛むほど味の出る作品です。
    玄人向け。

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    2017年07月08日
  • 世界は密室でできている。

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    完全にやられた。面白い!
    青春ミステリーチックだけど、文章のポップさとたまにかっこいい言い回しはクセになる。
    ふざけっぱなしだったのに、最後はほろっとお涙頂戴。確かに世界は密室でできている。とんでもない鉄格子に囲まれ囚われても、乗り越えて生きていく。

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    2017年07月03日
  • 短篇五芒星

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    超非日常だけれども、それが日常に溶け込んでいる異常さが読んでてハラハラドキドキわくわくする笑
    姉が鮎と結婚する話の、最後の何故なら何も決まってないからだ、本当に。みたいなさらっとしたまとめや、悪はこの世の一部で存在していいけど放っておくと増長するから叩くとか、そして悪も感情だしみたいな切れ味の良さ、他のどの小説にもない面白さがあった。

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    2017年06月03日
  • バイオーグ・トリニティ 10

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    むっちゃ盛り上がってきたクライマックス。愛と世界の物語にどんな決着がつくんだろう。
    ホサが覚醒する10巻。

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    2017年04月13日
  • 九十九十九

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    九十九十九はその名前を理由に3人いる。最後にラスト6話の九十九十九と前章7話の九十九十九が戦って、更には1話から通して世界を経験している九十九十九とも戦う。戦いを通じて、ラスト6話の九十九十九は次の新7話に移行することを拒む。だけどなんだかんだ6話にいちゃいけないと6話のお嫁さんに説得されて新7話にいくことを決意する。まだアポカリプスの見立ては終わってない。
    家族愛の存在を信じ、その在りかを求める九十九十九永遠の旅。
    登場人物はオリジナルでなくJDCものなので、この後のディスコ探偵水曜日のための習作なのかなと思う。

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    2017年06月04日
  • ディスコ探偵水曜日(下)

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    ネタバレ

    中巻の続きから始まらない上になかなかエグい展開だと思ったら、ディスコの現実逃避!
    でも、読み終わってから振り返ると、これも後の展開につながってる。

    未来のディスコの「よう、これが合図だ。動き出せ。踊り出せよディスコテック。急いでな。恐怖に立ちすくむような贅沢なんて、お前にはもう許されてないんだ」って台詞が好き。そして、未来のJJに会ったあたりからさらに面白くなってきた。上巻、中巻の内容がちゃんと活かされているのがいい。というかよくこんなの考えたなー…。
    ハッピーエンドといえるのかわからないけど面白かった。

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    2016年12月06日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    相変わらずの勢いとエロとグロ。
    これが真実だったのか!って思ったら、あっさり覆されて別の真実が出てきて…の繰り返し。
    水星Cのキャラが意外に好き。
    どういう風に話が終わるのかまったく想像できない。
    ただ、これは読むのに時間がかかる…w

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    2016年10月23日
  • 短篇五芒星

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    何かを読んで心を動かされるのにも2種類あって、ひとつは作品と自分の中身がマッチした心地よい心動かされ方、もうひとつは心なんか動かされたくないのに無理やりに、強制的に、ほとんど暴力的にその辺を引きずり回されるような、そんな凶暴な感動だと思っているんですけど、私の中で舞城作品は完全に後者。小説と云うより劇物と呼びたいくらいです。

    で、『短篇五芒星』。

    5篇全てが芥川賞候補作!と言われても文学賞に疎い私には、それがどんだけのどういう事なのかちょっと分からないんですけど、読んでみてなんかスゲー!というのは思い知らされました。

    言ってる事もやってる事も推理も結婚も要は起も承も転も結も突拍子もなくて

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    2016年09月25日
  • バイオーグ・トリニティ 7

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    ネオ・セカイ系の様相を見せ始めたクライマックス。理屈っぽい世界観設定も展開もようやくここでシンプルになる。恋は自分を、世界を壊す。すべては愛だ。愛せよ藤井。愛せよフミホ!
    アクションも加速して最高のクライマックス。終幕や如何に!

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    2015年07月20日
  • 世界は密室でできている。

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    『何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。』

    『でも僕までここで一緒に泣いていたら、誰が明るい明日を運んでくるんだ?』

    『ポテトチップスさえあれば全てがOK。』

    『頭働かせよう、何かちゃんと考えようと思って考えるのが最近習ったばかりの受動態の構文で、ビーサプラチズドアット、ビープリーズドウィズ、ビーボーンインとか一生懸命唱えちゃって訳が判らない。ビーパンチトバイやげ俺。』

    「ふざけんなって、ねー?奥さん妊娠させといてこっちも妊娠させようって、それは虫が良すぎるってもんでしょ。こっちの子宮は甘くないっつの」

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    2015年07月18日