【感想・ネタバレ】阿修羅ガール(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的(ガーリッシュ)に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪! グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう? 東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは――。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

...続きを読む

「減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。」
から始まるこの小説。一目で引き込まれるこの軽快なリズムは、物語の終盤まで常に刻まれ、ずっと心地いい。しかし、ここで起こることは全然軽快ではなくて、好きでもない男とのセックス、バラバラ殺人事件、インターネットでの過剰な煽りから生まれた集団リンチなど、非情でアンハッピーなものばかりである。
そして、そんな世界に生きる主人公のアイコ自身も、大人から見たら支離滅裂で頭のおかしい女の子なのかもしれない。でも、彼女の怒涛のモノローグに耳を傾けてみてほしい。支離滅裂でも情緒不安定でも、一生懸命に考えて今を生きている彼女に愛らしさを見出したとき、あなたもアイコの虜になっているに違いないと思う。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一人称小説の語り手って大体クールな感じだけど、この小説の語り手はただのアホなJKって感じで小説ってこんなこともできるんだと思った。面白かった。

0
2024年06月08日

Posted by ブクログ

阿修羅を、自分を壊すのだ
それは割と誰にでもある欲求で
とりあえずリセットして新しい自分に期待したいのだ

舞城王太郎が好きだ

自分と同じ名前の男が女に冷たかった

0
2024年01月03日

Posted by ブクログ

女性主人公が女性らしく強かに成長する話が好きな人におすすめ

主人公のわざと悩みつつもそこで成長を感じさせるのが大好き。

主人公の気持ちも行動も強く共感できるし、文章が文語体で読みやすく、勢いもある。
何度読み返しても新しい発見があり、読む度に感動してる。

0
2020年02月28日

Posted by ブクログ

★あらすじ★
 アイコは片思い中、でも他の男の子とやっちゃった、最低最低返して私の自尊心!その間街ではバラバラ殺人は起きるは同級生は誘拐されるは子ども達はアルマゲドンをやりはじめる始末。東京と魔界を彷徨い、妄想と現実を彷徨い、アイコが見つけるものとはーーー?

感想
 若者の話し言葉がそのまま綴られたかの如き文体は、一見ただのライトノベルのよう。しかしこれはただのラノベではない。独特でスピーディーな文体は、読む側に問うてくる。カラダと意識が分離したら、手足と脳みそが分離したら、いったい自分は誰で、どれが自分なんだろうということを。
 淡々として跳ぶような文体と自己の定義という重厚な主題のミスマッチが目に新しい。また、ラノベによく見受けられる、「文字の大きさを変える」という技を効果的に使用している点も素敵(バリバリ純文学ではありえないんじゃないか?)。文字という羅列が持つ視覚的効果も十分に利用している点は前例がない(ような気がする)。
 形態はラノベでありながら中身は純文学、という、枠にはまることのない素晴らしい一品だと思う。

0
2019年01月16日

Posted by ブクログ

好きでもない同級生と寝てしまったことで自己嫌悪するアイコは密かに陽治に想いを寄せている。調布アルマゲドンとかグルグル魔人とかでストーリーは尻上がりにカオスな展開に。その人を食ったようなストーリーは好き嫌いが分かれるだろう。どこまで本気なのか、ハチャメチヤだけど何か筋は通ってる。

0
2025年02月26日

Posted by ブクログ

キュートでポップでテンポ感の良い文章、なのにとってもおどろおどろしくてどこか恐くて、とにかく強烈な印象を受ける作品だった。
利己的で弱くて脆いっていう誰にでもある一面を精一杯肯定して強かに自分のあるがままに生きる、生きようともがくアイコはほんとにすごいと思う。
世界観もはちゃめちゃでよく分からないままどんどん話が展開していく感じ、中々ない読書体験だった。
作中に出てくる映画いつか全部みたいなー

0
2023年04月28日

Posted by ブクログ

疾走感とハチャメチャ感が満載! パンクでキュートな少女の思考を味わえる作品 #阿修羅ガール

またもや変態世界に引き込まれてしまった…

相変わらずのグルーヴ満載の文章で、もはや文字の麻薬。少女のパンクな脳みその中を、山盛りで堪能させていただきました。

本作はなんといっても主人公の少女が最高!

彼女はなにもかも楽しいことが最優先で、自分の気持ちに鬼正直。純粋で幼稚で馬鹿な魅力がたっぷり伝わってきました。しかしこれは真理だと思いますよ。

仕事、政治、人間関係、経済、社会、戦争、宗教などなど、生きていると考えないといけないことがいっぱいあるけれど、楽しんで生きなきゃ自分に嘘をつくことになる。所詮、生命が尽きるまでの暇つぶし。死ぬのも含めて楽しめば最高ですわな。

でも「愛」に関しては、乙女な部分を持ってる。めっちゃキュートで愛くるしいの。完全に爆裂少女に翻弄されまくった作品でした。

例によって完全に人を選ぶ舞上先生の純文学でしたが、私は大好きです。

■推しポイント
我が国 日本には死刑制度というのがあります。
賛否ありますが、現存している以上、現代にも必要なんでしょう。
ただ本書を読むと、主人公の少女から伝わってくる想いがひとつあります。

どんな奴でも良いところがひとつくらいあるでしょ。前向きに楽しく生きようよ。

これが人としての素直な願い、人を思いやる気持ちだと思いますね。
まぁもちろん、悪いことなんてやらないで欲しいけどさ。なかなか難しいですね。

0
2022年11月22日

Posted by ブクログ

大変面白かったです。
自分にとってはホラーでした。
一般的なホラーではなく。
自分のいちばん黒いところを、えぐられるような作品でした。
こんな良作には、滅多に出会えないです。

0
2021年07月21日

Posted by ブクログ

最近の、林檎のと檸檬のがとても好きで
舞城王太郎3冊目!
最初の方はやっぱりこの人最強〜
好きな作家発見〜って思ったけど、
だんだん変な展開になり、、
最初の感じで進んで欲しかったなぁーと思ったけど。。
おもしろかった。
他のも読んでみたい。

0
2019年05月22日

Posted by ブクログ

一度読むと、作者とは住んでる次元が違うのではないかとすら思えてくる。
二度読むと、それが確信に変わる。

0
2016年08月18日

Posted by ブクログ

再読。
パンチきいてる…。
でも、すごく乗っ取られる。
ノリというか。
そしてなんだか次の日は元気に職場に行けたのです。
愛だよって言いたいくらいの感じで。
愛をもらったのかもしれない。

0
2015年10月09日

Posted by ブクログ

舞城節が唸りを上げてますね〜終盤まで何が何だか全然分からないんだけど、たくさん散らばる訳分からない荒唐無稽なピースを一気に収斂させてストンと落ち着かさせるのはほんとスゴイ。自分の存在とは…哲学的な問いかけに対して現代の女子高生の言葉や思考回路を通して語り上げるような舞城王太郎節…私は結構好きです。面白いです。

0
2015年08月02日

Posted by ブクログ

好き好き大好き超愛してるで芥川賞の候補になるも選ばれなかった舞城さんの小説。出だしからつかみはOKで、女子高生の主人公のセリフに無理がないのもいいです。同時収録の短編も好きです。この人他には軽めの推理小説もかいていて映像化されるそうですがわたくしはこういう小説のほうが好きですね

0
2022年07月21日

Posted by ブクログ




#阿修羅ガール
#舞城王太郎

人からの勧めと三島由紀夫賞入口で読み始めた1冊。

殴り書き感想文失礼します。

雰囲気に慣れるまでちょっと時間がかかったけど、内側から物語を読み進めれるようになってからは本当に一瞬で読んでしまった

浴びるほどの言葉の流れの中から
たまに顔見知りの感情を見つけたり。

話し言葉のような文章で主人公の軽さ?を感じるのに、起こってることはかなり重い。
そのギャップに戸惑いながら、続きが気になってどんどん読み進めてしまったという点ではかなり面白い読書体験だった。

なんというか本がずっと喋り続けてくるような小説だった。笑
急な坂道で何気なく走り出してみたら止まらなくなって、どんどん勢いが増してくあの感じでずっと読んでた、疾走感がすごい。秒速120メートルくらいで転がってった。

夢の中の中学生強いのツボだった
中学生、頑丈。

奇譚でしたわ。

0
2025年01月28日

Posted by ブクログ

舞城王太郎は2冊目だけど、この人結構好きだ!
書き方はティーン小説というか、ラノベのような感じ?
背面のあらすじでファンタジーかな?と思ったけど、これはファンタジーだったのか…?
終始何が何だかよく分からなかったけど、分からなくてつまらないではなく、分からなくてなんか面白いって感じだった。
最後までよく分からないまま終わるのも良かったな〜

0
2024年01月13日

Posted by ブクログ

なんか分からんけど、次の展開が気になるようなパワーを感じた
だから三島由紀夫賞受賞したのだと思う
それよりも一緒に併録された「川を泳いで渡る蛇」の方が個人的には刺さったかな

0
2023年11月06日

Posted by ブクログ

そういえば読んだことないかも、と思って。
なんか人間のイヤなところ、生臭いところを執拗に描いた作品で(そういうのを続けて読んでしまったのもあるが)少々胸やけがした。
「川を泳いで渡る蛇」はちょっと好き…かな。

0
2023年08月26日

Posted by ブクログ

星2つにしようかと思ったけど、表紙の山口藍さんの画が好きなのでプラス1点。

割と面白かった第1部と、
読み易い文体なので、退屈はしないんだけど、読み終わった後に「こんな描き方する必要あった?」と思ってしまう第2部。
第3部は元々短いんだけど、早く読み終えて次の本に行きたくて、飛ばすように読んだ。

そんな本。

でもアイコの生き方は嫌いじゃないよ。

0
2022年06月05日

Posted by ブクログ

「熊の場所」の書き直し
 前回三島賞候補になった「熊の場所」は、選評での指摘どほり、神戸の酒鬼薔薇事件を扱った。しかし、選評を読むと銓衡委員の不満が窺へた。

 で、今回阿修羅ガールをよんでみて、また酒鬼薔薇事件を扱ってるではないかと思った。
 舞城が熊の場所の選評に反応したとしか思へない。

 構成は複雑ではなく、言葉づかひも思ひのほかわかりやすかった。

 宮本輝が相変らず受賞に反対してゐて、島田雅彦が輝サンは筒井康隆の首を締めさうだった。と書いてゐる。
 創価学会の宮本輝だから106頁の宗教の記述が気に入らなかったのかもしれない。と思った。

 しかし読んでも、なんでこれが舞城の代表作と言はれてゐるのか釈然としない。
 三島賞は、文春の芥川賞に対抗して新潮社が設立した新人賞だ。阿修羅ガールの選評を読むと、他の候補がよくなく消去法で選ばれたことがわかる。

0
2022年05月09日

Posted by ブクログ

冒頭、びっくりさせられるよね。
二昔前ならあばずれ(死語)の言う言葉。
しかし、生き生きとした文章になっているよ。

明治時代の言文一致運動を彷彿させるというのはおおげさかな。
当時の新聞連載の大衆小説とかの会話の部分はかくやと思う。(徳田秋声「あらくれ」とか泉鏡花「婦系図」二葉亭四迷「浮雲」田山花袋「蒲団」などをおもしろく読んだのでなお思う)

高橋源一郎さんもあるコラムにて太宰治の「女生徒」高橋治「桃尻娘」と上げておとめ言葉の変遷をおもしろく書いてらしたし、私も「桃尻娘」は痛快だったのだ。シリーズ完読したもの。

そう、現代はやり言葉の語りとしてはいい、「あいこ」の素直な生き方みたいなものはよくわかるし、これからもっと成長するだろうなーという予感がして好もしい。「ばか、うざい!」っていわれそうだけれど。「森」はこの小説の意味を深める童話。しかし「あいこ」言葉で語ってほしかったような。大きい活字も一行か二行で止めておけばいいのにとも思った。でも、コミックもろくろく読んでいない私にはコミック的でもあったし、おおいに珍しかった。

難はきっかけになった「佐野」事件のゆくえがはっきりしなくて何か物足りない。私など犯人は「陽治」などと途中で勘ぐった次第。深読みしすぎ。

あ-あ、それにしても『減るもんじゃねーだろ...』ってほんとに一気読み、時間が減らない面白さではあった。

0
2021年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここのところ舞城王太郎中毒で、順番に読んでるんだけど、このネット社会で舞城王太郎が覆面作家であり続けてるのは奇跡なんじゃないかと思っていろいろネットサーフィン(死語)してたら、舞城王太郎女性説に遭遇した。
軽くショック。全くその発想は無かった。
でもその後で舞城王太郎のTwitterアカウントを知って見てたら自画像を女性の姿で描いてるし、女性説の根拠も説得力あって、ひょっとしてあるのか?女なのか?と疑い出した。
そしたら読書家の友人が「そう言われるとそうかもしれないと思う。前に読んだ女性一人称の作品、全く違和感なかった」と言う。
それがこの作品なのかは確かめてないけど、私にとっては初めての女性一人称の舞城王太郎作品。

なんか、変な話だった。
平たく言うと、女子高生の精神世界を書いた話。
いろいろえげつなく人が死んだり殺されたりするけど、特に解決しない(ぐるぐる魔人の事件くらいか)し、けっこうファンタジーなことが起こるし。
ヒトの内面なんて見たことないから、こういう造り(?)の人も居るかもしれない、とは感じた。
で、個人的にエロ話する女が苦手なので、この作品はあまり好みではなかった。ただ、確かに女性一人称としては違和感はなくて、今では舞城王太郎はほぼ女性なんじゃないかと思うようになった。
残念。
なんだろ、男性だったら許容できた自分がいる。そういう先入観?で判断されたくないから舞城王太郎は覆面作家であり続けるんだろうし、性別で好き嫌いが変わるのはどうかしてると分かっちゃいるけど、そう思っちゃったんだから仕方ない。
まぁとにかく、男だとしても女だとしても舞城王太郎の一人称は男性目線がしっくり来る。私にとって。

あらすじを説明するのが難しい。文庫本のウラスジが良く描けてる。
舞城王太郎4作目なので読んでる方にも慣れが来たのか、それほどインパクトを感じなかった。これ以前の作品のような強いメッセージも受信しなかった。
そういう意味じゃ穏やかな作品かもしれない。
あと、アイコがラストで得た「人間は100%悪くはなくて芯の芯に良いところがある」ってのは、確かにそうだけど残忍な殺人者に当て嵌めるとなると私は抵抗力の方が勝る。

好きって感情が原動力となってるわけじゃないのに他人のために動ける陽治が一番ホトケだった。

0
2021年06月23日

Posted by ブクログ

裏表紙のあらすじはカオスでハチャメチャでめっちゃそそるけど、いざ中身を読むとなんかずっと怖いし熱の時の夢みたいで非常に気持ち悪かった
それでもグイグイ読まされるのはやっぱり凄いなって思うあとなんと言うか愛や強い思想がこの世に留まらない感じ?みたいなものが舞城味を感じたかなり適当なこと言ってますが…

0
2020年12月18日

Posted by ブクログ

ようやく読み終わった。舞城王太郎は基本的に混沌としていて荒唐無稽だ。それでも作者の言葉遣い、論理は読者を離さない。特に表題作ではない「川を泳いで渡る蛇」が好きだった。蛇の神話と僕たち人間による行動は神に見られているのか。それらを織りなす短編が美しい作品。

0
2020年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何故こんなに下品である必要があるのだろう、という感じで第1章を読んでからの第2章で一気に引き込まれる。こんなところで、やかまし村の子供たちの世界に出会えるとは思わなかった。グロテスクで根源的な恐怖がひたひた迫るような筆力。この章でこの作者のすごさが分かった気がする。
10年ぶりくらいに舞城さんの作品を読んだけれど当時より何倍も楽しめた。

0
2017年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「人間、楽しむと言うことが最優先だし、そう心がけなくても、最優先している」

若者言葉の文体に唐突に変わる場面。多大な情報を消化できないまま次に進むようで、読むのに疲労が伴った。第二部山門の森で出てくる音と声を支配する怪物は本当に怖かったし、快楽的な殺人者の考え方は理解に難しかったけど、しかしだからこそ現代的な作品の一つなのかもしれない。

0
2017年03月31日

Posted by ブクログ

意味不明だけど、テンポがいいからすっと読める。助長な部分もあるけど。
若者言葉を文字にするとなんかいい。ムカつき面白い。シェチュネ〜とか。
最後の章で主人公アイコによる大筋解説があるが、やっぱりしっくりこない。

0
2017年02月27日

Posted by ブクログ

最初の章では若者言葉についていけず、嫌悪感。
でも確かにこんな感じだろうって思う。
BBSの書き込みってこんな感じだ。
内面のあふれ出る心情の勢いが強くて、溺れそう。
何だかダメな自分を魔界で見つめなおす物語?
あまりに奇想天外なので、夢で見たことをつなげた物語??
と思ってしまう。

0
2016年09月23日

Posted by ブクログ

キモチワルイ。覚せい剤キメた人の思考を覗いたような。
……………でも読み切れる。ふしぎ。気持ち悪い。



 どうせ自分もほかの読者と変わらないレビューを書いているのだろう。ということはこの本は成功だ。



「人が人で足りえるのは社会性を持っているからである。
 だから本能丸出しの人間の行動や言動は気持ち悪くてしょうがない。なぜならそれは、人のカタチをした人ではない何かクリーチャーがうごめいて見えるから。」

 この文言を思い出したな。人なのに人じゃないから気持ち悪いんだな。よく表現できるな、むき出しの本能なんて。





 そしてこの本を読んですっきりしてしまった人は「赦し」を求めていたんだろうな。

 これを読み切れれば、すべてを受け入れられる気がする。

0
2016年09月22日

Posted by ブクログ

可もなく不可もなく。
日常が壊れる感じはそれなりに愉しめたけれど、中盤以降はなんだかなぁって感じ。
文学屋さんは、その中盤の地獄巡りみたいなところを評価するんだろうけど、この作者に期待しているエンタメ的なところから見ると、ちょっと冗長にすぎるというか、全体的に尻すぼみだなぁって印象だけが残りました。
出だしは良かったんだけどなぁ。

0
2015年07月11日

Posted by ブクログ

誰とでもセックスしちゃうアホな女子高生の自分語りなので軽い印象だけど読み進めると濃い。疾走感がある文章なのに所々読みづらい。狙っているのか。

以前読んだ作品は死と愛がテーマだった。今回は人間の心の闇について書いている。

とある事件がきっかけになって発生した中学生狩りが大きくなって収拾つかなくなってアルマゲドンという更に大きな事件になっていく様がリアルだった。天の声という某掲示板に似た存在も真実味を作るうえで一役買っていた。

グッチ裕三がパパっていうありえない設定も普通に受け入れてるのが夢っぽい。

ビッグ・リボウスキ、ブシェーミ、ジョン・グッドマン、自分の好きな映画ネタが出てきて嬉しかった。

第二部『森』はこわい。でもよい。ここだけでも読む価値があるくらいよかった。なんでもあり感のなかの妙な秩序が余計にこわい。

お兄ちゃんのトマトソース美味しそう。

0
2015年05月12日

「小説」ランキング