冲方丁のレビュー一覧
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購入済み
書きつくされたテーマだけに
川中島の合戦はあまりにも有名で書きつくされたテーマだけに、これだけの気鋭の作家を並べても「どこかで見たこと読んだことのある視点」と思えてくるのが残念。各作者の中で乾緑郎の作品が印象に残った。
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「心に触れる」ありきたりな言葉だが、本当にそんな本だった。
感動って、他人の「価値」(大切なもの)との邂逅とそれを自己消化することで起こると思う。それは、本書の中で言わせれば常に「在る」ものであり、気付くか気付かないかだけの違いであるらしい。
著者は本書に描いた千差万別の話の中にも共通点を見つけた。その共通点こそが人類共通の「良心」の存在だという。誰しも自分の良心に気付きさえすれば、これらの物語の主人公のように強くなれるんじゃないか。他人の「価値」を推し量り、後悔する前に伝えたい誰かに「ありがとう」を伝えられるんじゃないか。そう思った。 -
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ネタバレ清少納言のはなし。
彼女の他の人と違うところは、歌を詠む際に、ふつうは詠まれないような、微妙な、あや、を詠むことであった。誰も面白いとは思わないような、白黒さだかでない、うっすらと、ほのかなもの、花の色の濃淡、そういう例えようもないものに心が引かれるのである。
清少納言が仕えた一条帝の中宮定子様は一条帝の妻であり、恋人であり、おもてなしをする座の主ともなり、ときに舞台の演出を司り、教師として導き、そして、興味を共にする学友として交流する、そういう存在だった。そんな、中宮定子に仕え、また、気に入られた清少納言は、機転の利く歌を詠むことにたけており、中宮もたよりにするのであった。
清少納言は、一乗 -
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まあまあまあ、短篇は得手不得手があるので全体的な評価は 微妙になってしまいました。
しかし、自分が思い入れがある作品のサイドストーリーはやはり気になります。
百瀬~の田辺くんを主人公とした『鯨と煙の冒険』はよかった。百瀬~でも田辺くんのキャラクターは光っていたのでこの話が読めて嬉しかったです。
『多田便利軒、探偵業に挑戦する』は話はどうということもないのですが、相変わらずの多田×行天コンビにニヤつきます。
ただ全てのストーリーにJTの企画らしく必ず煙草、喫煙シーンがあって(不必要に)もうそれだけで気持ちが削がれた。
今の世にこういう企画は合わないと思う。 -
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企業の内部告発者ケネス・C・Oの行方を追う中で、ウフコックはパートナーのロックと弁護士のサムを〈クインテット〉に惨殺された。
保証人を失ったイースターズ・オフィスは事件不成立により調査を中断するが、ウフコックはサムの遺志を継いで〈クインテット〉への潜入調査を始める。
ハンターの緻密な戦略のもと、アンダーグラウンドを制圧する〈クインテット〉の悪徳を、ウフコックはただ傍観するほかなかった。
(あらすじより)
バロットが出てこないと物足りないです。
しかし、悪役でありアノニマスシリーズのもう一人の主人公ハンターは魅力的だ。
迷いがなく、思慮深く、紳士的。
しかし、目的のためならどんな残虐なことも -
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冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。
『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感じる時もあって、その辺はちょいと寒いかなと。
ただ②、③は戦闘より、ギャンブルのシーンが長く、ここがとにかく面白い。SFらしく特殊能力を使っているものの、それを凌駕するほど強いディーラーとの戦い。
“撃ったら引く(ヒット・アンド・ラン)。プレイヤーいつも不利な条件だから。自分よりも強い相手と戦うための戦法。” -
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枕草子で有名な清少納言の物語。
清少納言という名前は学生の頃、授業内でよく聞いたけど、実際どのような人生を送ったのかはなぞ名人物だった。
その人物を沖方庁が書いたということで読むことにした。
内容の大筋は清少納言が中宮定子に仕えるまでと、仕えてからどんなことを考えていたのか。
清少納言は、中宮定子を心のそこから尊敬していて、その念は、一生を奉げても何ら悔いないものであった。
清少納言の一人称で物語が進み、個人的感想としては、清少納言はそこまで定子を尊敬するのか?と思うほどだったが、人をそれほどまで尊敬できるのは、羨ましかった。
最後に思い出に残った言葉
「女は愛する者のために化粧