江戸川乱歩のレビュー一覧
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江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。
江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。
恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。
また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編に -
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ネタバレ表題作『芋虫』はあまりにも凄惨を極めた内容で衝撃を受けました。評点は『芋虫』だけの評価。
外界からの(性的)刺激を受信する感覚器官の欠損という点で『人間椅子』に通ずる異常性愛の形であると読み取ることもできます。
『人でなしの恋』は性愛の異常さでいえば、『芋虫』には遠く及びません(我基準)が、両作ともに残された妻は生涯罪の意識に苛まれることでしょう。
探偵小説的趣向が強いのは『夢遊病者の死』とせいぜい『双生児』くらいで他はほぼ怪奇小説。
『芋虫』と『人でなしの恋』以外は正直微妙で、『踊る一寸法師』は結構よかったかな。元ネタのエドガー・アラン・ポー『ちんば蛙』も読まねばならん。
あと巻末の三津 -
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中絶作『悪霊』を読むと確かに『孤島の鬼』級の畢生の大作になりそうな雰囲気がありますね。当時の読者が完結を待ち望んでいたことが容易に想像できます。
序盤の密室殺人、異様な猟奇殺人、奇妙な暗号、乞食の謎、記述の不可解さなど広げすぎた風呂敷のほぼ全てに辻褄を合わせるだけでなく、乱歩の嗜好を真相の核に持ち込み、尚且つ『悪霊』の真の中断動機を荒唐無稽ながら提示しています。半端なデキでは許されなかっただろうし、恐ろしく高かったハードルを芦辺先生は見事に飛び越えたのではないかと率直に思います。
大作家の中絶作に90年の時を経て挑むという偉業と偉大なる大作家へのリスペクト精神に星4 -
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まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。
なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。
収録されて -
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有名な『黒蜥蜴』を読みたくて、手に取りました。
面白い!黒蜥蜴!
この『江戸川乱歩全集9』は、乱歩先生の自作解説も読めるのが、いい!!
自作解説は、各話に続けて掲載されています!さすが、全集!!
666ページからの解説は、新保博久。これを読んだら、三島由紀夫作の『黒蜥蜴』戯曲版も読みたくなってきた!演劇も観たい!!
ケレン味がある、とは『黒蜥蜴』のためのことばだ!
678ページからは、評論家・唐沢俊一の解説 私と乱歩『もっとも恐ろしいトリック』解説も面白い!
解題(p614~)、註釈(p647~)も必見!
出版社ごとに違う表現を、全集にする際にどう扱ったのか、歴史を感じます!
註 -
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ネタバレ推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。
【◯看破 △引き分け ×お手上げ】
×高木彬光「妖婦の宿」
名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
気づかない伏線があったのかな
〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
イージー
△土屋隆夫「民主主義殺人事件」
冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた
×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった
〇飛鳥高「車中の人」
イージー
×佐野洋「土曜日に死んだ女」
部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?
×菊村到「追悼パー -
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江戸川乱歩の理知性と怪奇性を堪能できる短編集。全ての作品において理論とサイコパスの要素が見事に両立しており、その世界観は非現実と現実の境界のギリギリを描き出している。
超常現象ではなく、人間の内に湧く無限の想像や異常さを源泉として、理知的プロットに丁寧に納めている。
知的好奇心を高めた先にある異常性と推理探偵的性格という2つの側面を全く違和感なく両立させており、この空気感こそが江戸川乱歩作品であろう。
恐ろしさや気味悪さの奥にある、味わい深さや奥ゆかしさはクセにならずにはいられない。ファンが多いことにも頷ける。
小学生時代の怪人二十面相以来久しぶりに江戸川乱歩作品をきちんと読んだが、本