江戸川乱歩のレビュー一覧

  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    今作品集は『押絵と旅する男』『踊る一寸法師』の2作が乱歩の推理小説以外の魅力を最大限引き出してくれているのではないだろうか。
    鮮明にそして反対にミステリアスにも描かれるグロテスクな描写、現実では考えられないような空想の出来事を現実に起きたことのようにリアルに不気味に描くことができる文才。
    傑作選とは反対に名作選の主役は推理ではなく、このオドロオドロしい表現の数々であろう。

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    2025年11月07日
  • 乱歩心象作品集

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    江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。

    江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。

    恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。

    また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編に

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    2025年11月03日
  • 孤島の鬼

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    幽霊塔から乱歩にはまって、さらに短編集を数編読んでからこの作品に入りました。「芋虫」「陰獣」と似た雰囲気で美しい人間と異形なるものの対比を描く乱歩のおどろおどろしい構図は不気味です。真夜中に読んでると殊さらにそれが際立つ。自分だったら作中の友人とこう向き合うだろうなとかすこし反発するところもありましたが、人間社会のいろんな不条理が混ざってて読み応えがありです。

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    2025年11月03日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    ネタバレ

    表題作『芋虫』はあまりにも凄惨を極めた内容で衝撃を受けました。評点は『芋虫』だけの評価。
    外界からの(性的)刺激を受信する感覚器官の欠損という点で『人間椅子』に通ずる異常性愛の形であると読み取ることもできます。
    『人でなしの恋』は性愛の異常さでいえば、『芋虫』には遠く及びません(我基準)が、両作ともに残された妻は生涯罪の意識に苛まれることでしょう。

    探偵小説的趣向が強いのは『夢遊病者の死』とせいぜい『双生児』くらいで他はほぼ怪奇小説。
    『芋虫』と『人でなしの恋』以外は正直微妙で、『踊る一寸法師』は結構よかったかな。元ネタのエドガー・アラン・ポー『ちんば蛙』も読まねばならん。

    あと巻末の三津

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    2025年10月31日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    国内最古の暗号と密室『二銭銅貨』『D坂の殺人事件』、明智のプロファイリング能力が光る『心理試験』などの有名な探偵小説寄りの代表作群に加えて 、乱歩の持ち味である異常心理・性愛・残虐嗜好が存分に活かされる『芋虫』『人間椅子』『鏡地獄』も揃ってて隙が無い。
    ただし『鏡地獄』があるならば、『目羅博士の不思議な犯罪』も収録しといて欲しかったかな。結構気に入ってるので。あと有名所で入ってないのは『押絵と旅する男』とか?
    何気に『パノラマ島奇談』がないのはかなり痛い。まあ、あれは短編とは呼べない分量だから仕方ないのかな?

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    2025年10月31日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    醜い容貌の家具職人。誰からも見向きもされない。そんな職人が思いもよらない目論見を。自分が作った椅子の中に身を隠し、その椅子に座る人との革一枚隔てて伝わってくる感触を楽しむように。ある日座った女性に名状しがたい熱情を抱くようになる。その思いをついに手紙で伝えて一度会いたいと。その手紙を受け取った女性は…。
    どんでん返しの結末に唖然とする

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    2025年10月26日
  • 悪霊物語(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    えっこれ続きは他の作家さんが書いたってこと?
    このシリーズで、こんな続き気になる形で終わると思わなかった…。
    面白かったー。江戸川乱歩いいなぁ。

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    2025年10月25日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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     両手両足を失った夫と献身的な妻の歪な夫婦関係、「自分は九十九人殺した」と宣う一人の男の体験談、どこか浮世離れした夫の異常な恋模様など怪奇幻想趣味とエログロが強烈な九編が収録された短編集で、どの作品も異常性に占められながらどこか美しさも感じられるものばかりで色褪せない面白さだった。

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    2025年10月22日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    ネタバレ

    人間であるということは、理性を備えているということだけでなく、乱歩の描く様な異常な本能・欲望をも持っているということなのだろう。

    赤い部屋の終盤では、読者の意表を突いてくるとともに、人間椅子のラストのように本当に創作だったのかという不安感も感じさせてくる。

    火星の運河や踊る一寸法師では、乱歩の巧みな描写により底しれぬ恐怖と歪んだ性愛を感じることができる。火星の運河のラストの女性への隠喩は、特段と美しい文だった。

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    2025年10月15日
  • 乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび【電子版特典付き】

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    中絶作『悪霊』を読むと確かに『孤島の鬼』級の畢生の大作になりそうな雰囲気がありますね。当時の読者が完結を待ち望んでいたことが容易に想像できます。
    序盤の密室殺人、異様な猟奇殺人、奇妙な暗号、乞食の謎、記述の不可解さなど広げすぎた風呂敷のほぼ全てに辻褄を合わせるだけでなく、乱歩の嗜好を真相の核に持ち込み、尚且つ『悪霊』の真の中断動機を荒唐無稽ながら提示しています。半端なデキでは許されなかっただろうし、恐ろしく高かったハードルを芦辺先生は見事に飛び越えたのではないかと率直に思います。
    大作家の中絶作に90年の時を経て挑むという偉業と偉大なる大作家へのリスペクト精神に星4

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    2025年10月15日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
    あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
    まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。

    なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
    抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。

    収録されて

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    2025年10月15日
  • 江戸川乱歩傑作集1 孤島の鬼【イラスト入り】

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    ネタバレ

    諸戸が簔浦に向ける恋情や執着にどきどきしながら読みました。
    双子の身にあった事など目を背けたくなるようなシーンもあったけれど読み進めるのを止められませんでした。
    2人が井戸に入って以降は閉塞感があり怖かった。閉所恐怖症になりそうです:(´◦ω◦`):

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    2025年10月07日
  • 黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション(5)

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    江戸川乱歩の書く文を変態的で気持ち悪いと思っているが今回も特にストーリー最後にかけてそれが発揮されていたと思う。
    変態的ではあるが読むと引き込まれる魅力がある。

    自身の作品である「人間椅子」を引用していたのには思わず笑ってしまった。

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    2025年10月02日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    イラストレーターのしきみさんの、乙女の本棚作品集です。どこか怪しい美しさのある、しきみさんのイラスト。作品の冒頭に、どういう意図でこのイラストを描いたのか、解説が入っていて、一度読んだことのある作品でも、新たに楽しむ事が出来ました。

    新規収録作品は、芥川龍之介の悪魔。短い作品ですが、インパクトがありました。最後の悪魔の表情が、文章を底上げしている気がします。
    素敵な作品集でした。


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    2025年09月26日
  • 縊死体 乙女の本棚作品集

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    ホノジロトヲジさんが描いた乙女の本棚の挿絵と、夢野久作の作品である、縊死体が収録された画集です。
    縊死体、夢野久作らしさ全開で意味が分かりません。読後の置いてけぼり感がすごかったです。挿絵はとても凝っていて、新聞の紙面風のデザインをよくよく見ると、別の夢野久作の作品のフレーズが隠れていたりして、そこでも楽しめます。妖しさも増々でした。

    画集としても、乙女の本棚シリーズの一冊としても楽しめるお得な作品でした。

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    2025年09月22日
  • 目羅博士の不思議な犯罪(乙女の本棚)

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    上野動物園で出会った不思議な男と夜の不忍池で話をする。彼の職場のそっくりな二つのビルと自殺者が3度も出た部屋の話を。
    タイトルの「目羅博士」も目を引く名前だが、この男ではない。ベートーヴェンの「月光」の曲のように、美しいけど、怪しくてちょっと怖い話だった。

    現在の東京の立地を考えると、丸の内のビル群の中の5階の陰気な部屋は、東京駅どまん前、皇居のそばだろう。
    そんな一等地がいつまでも空き部屋があるかな?という疑問は感じた。

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    2025年09月21日
  • 黒蜥蜴~江戸川乱歩全集第9巻~

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    有名な『黒蜥蜴』を読みたくて、手に取りました。
    面白い!黒蜥蜴!

    この『江戸川乱歩全集9』は、乱歩先生の自作解説も読めるのが、いい!!
    自作解説は、各話に続けて掲載されています!さすが、全集!!

    666ページからの解説は、新保博久。これを読んだら、三島由紀夫作の『黒蜥蜴』戯曲版も読みたくなってきた!演劇も観たい!!

    ケレン味がある、とは『黒蜥蜴』のためのことばだ!

    678ページからは、評論家・唐沢俊一の解説 私と乱歩『もっとも恐ろしいトリック』解説も面白い!

    解題(p614~)、註釈(p647~)も必見!

    出版社ごとに違う表現を、全集にする際にどう扱ったのか、歴史を感じます!

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    2025年09月21日
  • 新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選

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    ネタバレ

    推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。

    【◯看破 △引き分け ×お手上げ】

    ×高木彬光「妖婦の宿」
    名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
    気づかない伏線があったのかな

    〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
    イージー

    △土屋隆夫「民主主義殺人事件」
    冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた

    ×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
    穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった

    〇飛鳥高「車中の人」
    イージー

    ×佐野洋「土曜日に死んだ女」
    部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?

    ×菊村到「追悼パー

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    2025年09月13日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    江戸川乱歩の『人間椅子』を美しい絵と装丁で。
    この奇怪な話を最後まで読めたのは『乙女の本棚』シリーズだからこそ。
    挿し絵が繊細で、不気味さをもっと刹那的な美しさに昇華させてくれている。
    ラストのオチにうなり、考察を読みたくなりました。

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    2025年09月13日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    江戸川乱歩の理知性と怪奇性を堪能できる短編集。全ての作品において理論とサイコパスの要素が見事に両立しており、その世界観は非現実と現実の境界のギリギリを描き出している。

    超常現象ではなく、人間の内に湧く無限の想像や異常さを源泉として、理知的プロットに丁寧に納めている。

    知的好奇心を高めた先にある異常性と推理探偵的性格という2つの側面を全く違和感なく両立させており、この空気感こそが江戸川乱歩作品であろう。

    恐ろしさや気味悪さの奥にある、味わい深さや奥ゆかしさはクセにならずにはいられない。ファンが多いことにも頷ける。

    小学生時代の怪人二十面相以来久しぶりに江戸川乱歩作品をきちんと読んだが、本

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    2025年09月06日