乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび【電子版特典付き】

乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび【電子版特典付き】

2,090円 (税込)

10pt

4.4

江戸川乱歩のいわくつきの未完作「悪霊」
デビュー百年を越え、いま明かされる、犯人・蔵の密室・謎の記号の正体。
そして、なぜ本作が、未完となったのか――

乱歩の中絶作を、芦辺拓が書き継ぎ完結させる! そのうえ、物語は更なる仕掛けへ……。


1923年(大正12年)に「二銭銅貨」でデビューし、探偵小説という最先端の文学を日本の風土と言語空間に着地させた江戸川乱歩。満を持して1933年(昭和8年)に鳴り物入りで連載スタートした「悪霊」は、これまでの彼の作品と同様、傑作となるはずだった。
謎めいた犯罪記録の手紙を著者らしき人物が手に入れ、そこで語られるのは、美しき未亡人が不可思議な血痕をまとった凄惨な遺体となって蔵の2階で発見された密室殺人、現場で見つかった不可解な記号、怪しげな人物ばかりの降霊会の集い、そして新たに「又一人美しい人が死ぬ」という予告……。
期待満載で幕を開けたこの作品はしかし、連載3回ののち2度の休載を挟み、乱歩の「作者としての無力を告白」したお手上げ宣言で途絶した。

本書は、『大鞠家殺人事件』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞した芦辺拓が、乱歩がぶちあげた謎を全て解き明かすと同時に、なぜ「悪霊」が未完になったかをも構築する超弩級ミステリである。


【電子版特典】
「芦辺拓+江戸川乱歩特別対談 ~「悪霊」の九十年ぶり完結を記念して~」 (※芦辺拓書き下ろし)

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乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび【電子版特典付き】 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月05日


    江戸川乱歩のもとに小説の材料として売り込まれた記録から話は始まる。資産家の美しき姉崎未亡人が密室の土蔵で全裸で殺されていた。現場に残されたメモに書かれた奇怪な記号。事件前に目撃された矢絣の女。死を予言した黒川博士の盲目の養女。邸前の空き地にいるいざりの乞食。未亡人を取り巻く心霊学会の仲間たち。心霊...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月09日

    ★5 江戸川乱歩の未完作『悪霊』 遂に続きと謎が明かされる!乱歩愛に満ち溢れる合作 #乱歩殺人事件

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ミステリー好きと言いながら、実は乱歩作品は傑作選にある有名どころの短編しか読んいない私…

    こんなにも面白いとはびっくり! 古典と言っても特段読みづらくもないし、むしろ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月31日

    1933年から雑誌「新青年」に江戸川乱歩が連載した『悪霊』の第一、第二、第三回と、第三回のあと掲載された連載を中絶するお詫び、そこに芦辺拓さんが原稿を追加した作品。
    さまざまな謎が取り残されたまま中絶された『悪霊』。
    そのトリック、動機、中絶に至った本当の理由が芦辺さんによって明かされる!
    ぶっとん...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月08日

    江戸川乱歩の未完の作品『悪霊』を芦辺拓が引き継いで“事件を解決”した一冊。公開済みの文章から謎や伏線を掬い上げる試みはこれまでにも乱歩ファンや研究家によって行われてきたが、本書が出色なのは「なぜ乱歩は一度始めた連載を中止したのか?」の真相にも新解釈を与えている点。しかもこれが多少ぶっ飛んではいるもの...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年04月02日

    謎解きに興味のない私は乱歩への関心に本書を手にとった
    中断した作品に作者が登場する。書き手のトリック、子どものトリックは名作にある
    だか、猟奇・欠損する人体・土蔵・覗き・変装・鏡・少年...と乱歩ワールドが展開する

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年03月03日

    乱歩先生が本当にここで休載したという連載小説の続きを今、芦辺先生が解決してくださった。
    なるほどこのような事情なのではさすが乱歩先生も休載せねばなるまいねという納得のゆく解決編でした。

    時を遥か超えそれでも紡がられてゆく一流の探偵小説にページをめくる手がとまらなかった。
    乱歩先生の時代のままにオド...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年03月14日

    江戸川乱歩の未完作「悪霊」。真相とされている「通説」をひっくり返し、それを踏まえて中絶の理由に言及している。

    フォントの違いや差別表現を含めた旧来の言葉遣いが雰囲気を出している。
    そして、作者が提示した真相は、(私が考えている)乱歩らしさがふんだんに盛り込まれていて、乱歩作品としてありそうだと思っ...続きを読む

    0

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