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Posted by ブクログ
切ない。紛れもない怪奇小説であると同時に、世間の普通の基準から外れた人々への乱歩からのラブレターであるようにも感じた。
特筆すべき点は、当時は性的倒錯者としてみなされていた同性愛者が、多面的で魅力的なキャラクターとして物語の中心人物を担うところにあると思う。
本作には奇怪な身体的障がいを持つ人々が登場する。
そして見た目で判別できないとしても、同性愛者は同じように嫌悪の対象だったという描写がある。
そんな立場である諸戸が探偵役として華麗な推理を見せることで、世間の偏見との間に齟齬が生まれ、必然的に他の“はぐれ者”たちに対する偏見を薄れさせる。
所謂奇形の人々が読者を恐怖させるための道具としてではなく、尊ばれるべき人間として描かれているところが怪奇ジャンルとして新鮮に感じた。
なぜ諸戸が箕浦にそこまで惚れ込んだか最後まではっきり説明されないのが個人的に好きなポイント。
なぜなら読んでいる側にはきっちり伝わっているから。
諸戸に迫られても関係を切ったりせず友人として大切に扱い続け、障がい者の秀ちゃんと恋に落ち、恋人を殺した少年にすら同情できる。
言わば心がめちゃめちゃ綺麗。
しかも本人は全く自覚してないっぽいので罪な男だ…。この人たらし!
Posted by ブクログ
途中からどんどんドライブがかかって読める感じ。
前半で様々な事が起こり(本の厚さの1/5くらい?)、
この犯人探しであと4/5も保つの??って思ったけど、
そこからの展開が想像以上にスゴ過ぎた。
生い立ちの不幸から性嗜好が歪んだと思ってしまった諸戸、
育った環境が明るみになるにつれ本当に心が痛くなる。
犯人探しも主体は諸戸だし、
『私』からも故意に弄ばれたり軽くあしらわれたり、
諸戸の気持ちを想うと読んでてツラくなる。
変にナルシストで優柔不断な『私』に腹が立ったりもする。
そんな諸戸への想いが連なって、
ラスト危うく泣くとこだったよ。
幸せにしてあげて欲しかったな。
しかし本当に思いもよらぬ展開で驚きの連続。
よくもまぁこんな事が考えられたものだと感心。
自分は江戸川乱歩のこういう感じの作品が好きだと確信。
初代→しょだいとほぼ毎回読んでしまって、
その度に自分にガッカリする始末。
Posted by ブクログ
密室殺人・衆人環視下での殺人、この2つのトリックを使った殺人事件は……序章に過ぎなかった!
故人から送られてきた謎の手記に乱歩独特のおどろおどろしい猟奇あり!
先祖代々受け継がれてきた家系図に、意味深な書き付け!謎解き宝探しあり!
不気味な見た目の住人がいる孤島で行われている恐ろしいビジネスの正体とは!?
さらに小悪魔系主人公(男)と、みんな大好き諸田くんとのBL要素……。
さすが乱歩に「自身の長編の中では1番出来がいい」と言わしめた作品だけあって、すこぶる楽しめた。上にあげたような、普通なら1つのテーマで1話作っちゃうような話がこの長編には詰まっている。最後に怒涛の伏線回収がすごい。いっぱいあったのに全部綺麗に収まった不思議。諸田くんのその後のお話で、色物のハズのBL要素も読後感にかなり大きな影を落とす。
最終的には世間狭過ぎ!!というツッコミがないわけでもないけど、それを含めて島の因縁や血筋の呪いなのかと考えれば、納得できる。
奇形や不具者が出てくるので、ドクターモローの島から取って諸田くんでいいのかな。
とても面白かった。
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