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売れないもの書きの人見は、極貧生活を送っていたのだが、日がな彼独特の理想郷を夢想していた。ある日、学生時代の同窓生、自分とうり二つの億万長者が死んだことを聞き、恐ろしい企みを思いつく。
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Posted by ブクログ
江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」、夢野久作の「ドグラ・マグラ」。
「乱歩と久作を読まずに歳をとってはいけません」の松岡正剛氏の言葉に魅かれてこの本を手にしました。
江戸川乱歩の作品はかなり読んできましたが「パノラマ島綺譚」は読んでいませんでした。
人見廣介の妄想し続けてた理想郷を作るための荒唐無稽な企み。
狂気じみた世界観。妄想への人の執念は恐ろしく、かとて人は誰しも妄想するものであり。薄気味悪くも話に引きずり込まれる自分がいるわけで。
ミステリーとしてのストーリー自体もなかなか面白いのですが、主人公の妄想への飽くなき執念。そこに注目するとさらに面白さが感じれると思います。
Posted by ブクログ
『パノラマ島綺譚』と『石榴』の同時収録。
内容の共通点はあれどジャンルは前者は怪奇小説、後者は推理小説に近い。
「生と死を分つ境界は曖昧」というテーマが二作を通じて感じられる。
何もかもに退屈していると確かに生きながら死んでいるような気分になるのかもしれない。
皮肉にもそういう人に限って身近な他人に目を向けようとしなかったり、狭い視野しか持っていなかったりする。
『パノラマ島』も『石榴』も、そんな考えの人物が罪を重ねてしまう物語。
個人的には『パノラマ島』の方が好みだった。
ゾッとする情景描写はさすが乱歩。
生きた人間が芸術品のように扱われているのが不気味。
本人たちは金を約束されて自分の意思でやっているのだろうけど、それこそ生きながら死んでいるみたいなものだなと考えると死体を使うよりタチが悪い。
Posted by ブクログ
表題作を途中までなぜか村上春樹作品だと勘違いして読んでて (あれ?なんでこんな古風な言い回しなんだ?) と思ったら乱歩先生でした。でもそう思うくらい今まで読んできた乱歩作品とは雰囲気の異なるものだった。幻想的で耽美的。しかしラストの気持ち悪さに思わず笑い拍手してしまった。さすがっす先生。著者のエッセイでも書かれてたようだけど、パノラマ島の描写が確かに独特で想像力を要するので体力を使った印象。江戸川乱歩作品の推理やトリックを読みたい人にはあまりおすすめしないかも。
同時収録の「石榴」はコレコレコレィ!となるザ・推理小説。最後に始まる大どんでん返しの連続に「あっそういう…えっ違うの!?」と振り回されっぱなしで楽しい。
解説でも書かれてたけど、一人二役という共通点のある2作品を1つの本に収録してくださってることがおいしくてありがたい。
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