【感想・ネタバレ】孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7)のレビュー

あらすじ

幼い頃に親に捨てられ、古い謎の系図だけが身元の手がかりという女と恋に落ちた蓑浦。その女が密室殺人で死んだ。残した系図を手に死の真相に迫る蓑浦に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた……。

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Posted by ブクログ

途中からどんどんドライブがかかって読める感じ。
前半で様々な事が起こり(本の厚さの1/5くらい?)、
この犯人探しであと4/5も保つの??って思ったけど、
そこからの展開が想像以上にスゴ過ぎた。

生い立ちの不幸から性嗜好が歪んだと思ってしまった諸戸、
育った環境が明るみになるにつれ本当に心が痛くなる。
犯人探しも主体は諸戸だし、
『私』からも故意に弄ばれたり軽くあしらわれたり、
諸戸の気持ちを想うと読んでてツラくなる。
変にナルシストで優柔不断な『私』に腹が立ったりもする。
そんな諸戸への想いが連なって、
ラスト危うく泣くとこだったよ。
幸せにしてあげて欲しかったな。

しかし本当に思いもよらぬ展開で驚きの連続。
よくもまぁこんな事が考えられたものだと感心。
自分は江戸川乱歩のこういう感じの作品が好きだと確信。

初代→しょだいとほぼ毎回読んでしまって、
その度に自分にガッカリする始末。

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2025年01月17日

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ネタバレ

諸戸のねちねちとした愛とても良かった
無理矢理迫ることもあるが好きな人の手紙を抱きしめて名前を呼んでいる純粋な感じもあってとても良かったし諸戸のしゃべりかたがとてもいい撫でるようなやしいくちょうがぎゃくにぞわぞわする。
また傀儡が人工的に欠けた人たちを作っているのが面白い。
いろんな愛が絡み合っておもしろい!

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2024年12月20日

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この作品を読んだ後、私は諸戸道雄に思いを馳せずにはいられなんだ。

久しぶりに推理小説を読んだけどこんなに面白いとは。
思いもよらぬ方向に転がっていくストーリーに夢中になって手が止まらなかった。


諸戸が様々な苦悩を抱えながらも、もがき続けた姿に美しさを感じた。何もかも捨てて生きていて欲しかった。

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2024年07月21日

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同性愛・密室殺人・愛する人の死・サーカスの子供・私立探偵の死・離小島・美しく醜い双生児・せむし男・宝探し・出口の無い洞窟・カタワ者・出生の謎と、てんこ盛りの95年前に書かれた大エンターテイメント小説。

何だこの面白さ。やめられない止まらない。

乱歩のベスト小説だと思います。

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2024年07月21日

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密室殺人・衆人環視下での殺人、この2つのトリックを使った殺人事件は……序章に過ぎなかった!

故人から送られてきた謎の手記に乱歩独特のおどろおどろしい猟奇あり!
先祖代々受け継がれてきた家系図に、意味深な書き付け!謎解き宝探しあり!
不気味な見た目の住人がいる孤島で行われている恐ろしいビジネスの正体とは!?
さらに小悪魔系主人公(男)と、みんな大好き諸田くんとのBL要素……。

さすが乱歩に「自身の長編の中では1番出来がいい」と言わしめた作品だけあって、すこぶる楽しめた。上にあげたような、普通なら1つのテーマで1話作っちゃうような話がこの長編には詰まっている。最後に怒涛の伏線回収がすごい。いっぱいあったのに全部綺麗に収まった不思議。諸田くんのその後のお話で、色物のハズのBL要素も読後感にかなり大きな影を落とす。

最終的には世間狭過ぎ!!というツッコミがないわけでもないけど、それを含めて島の因縁や血筋の呪いなのかと考えれば、納得できる。

奇形や不具者が出てくるので、ドクターモローの島から取って諸田くんでいいのかな。
とても面白かった。

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2024年02月01日

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ネタバレ

 鬼というフレーズが作中何度も出てきますが、みんな鬼であり人間です。良い意味でも悪いでも、一度執着したものを忘れることなんて出来ないんですね。道雄の蓑浦くんへの愛も、蓑浦くんのどこまでも初代と初代と同じ血の緑への愛も、そのまた丈五郎の復讐心も。
 個人的には蓑浦くんの、諸戸さんが自分のことをを好きであるということを自覚した上でそれを利用している部分も、死に際にも諸戸の愛を受け流すことはできても受け入れることはできないと逃げ出す場面が印象的ですね。ただ、そんな不思議と周りを振り回すかのようなどこか少年心を感じさせる蓑浦くんに諸戸さんも心離れられなかったのでしょうか。諸戸さんにとっての幸せとはなんなんだろう?

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2023年11月09日

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諸戸をホスト部の環先輩、簑浦をXXXHOLiCを四月一日で想像した。
江戸川乱歩って感じのグロさがでていてよかった。

孤島の鬼をエゴサしたらサジェストに「諸戸 かわいそう」ってでてきてちょっと笑った。それな。

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2023年05月27日

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感動するほど面白かったです。ただのミステリーではなく、切ない恋愛やハラハラドキドキの冒険、その他色んな要素が詰め込まれていると感じました。

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2023年01月11日

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最高すぎる、大好きな要素がてんこ盛りのちらし寿司!考察もいくらでもできる。諸戸さいこう…
映画化は難しいだろうから、ストップモーションアニメとかにしたい…

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2022年02月11日

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主人公は30にならぬ年でありながら、全頭白髪。また美しい妻の大腿部には、まるでそこに足が生えていて切り取ったかのような傷跡がある。この訳はいかに、というところから物語は始まる。初代と出合い幸せ真っ只中の主人公の人生が道雄の求婚から狂いはじめた。初代の変死を胸に素人探偵、久保木を頼るも同様、変死してしまう。道雄と共に変死の犯人を突き止めるが、それは悪夢の始まりに過ぎなかった。世を恨んだ片輪者が、人工的に片輪者を製造するという地獄。財宝を求めて洞窟に閉じ込められてしまう恐怖。絶え間ない戦慄が続く中、合間に各々の倒錯した愛が挟まり、全体的に気味悪くドロドロとした人の気持ち悪さそのもののような様相を帯びていく。しかし、目を離すことはできない。
珍しくラストがハッピーエンドで丸く収まっているのだが、それまでオドロオドロしすぎているので物足りない感じはなく、むしろほっと安心する

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2022年06月30日

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最初の文章から引き込まれる文体なので最初からとても楽しめます。また主人公が謎に迫っていくのを第三者目線で追っていけるため読みごたえがあります。

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2021年11月30日

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ネタバレ

ただのミステリーでは語れない、情念や色香。
登場人物たちの魅力にグイグイ引き込まれる傑作です。
ただ、道雄にも幸せになって欲しかったなと思う。最後の一文を読み終えたときの切なさが、いつまでも余韻を引く作品でした。

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2021年10月02日

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ネタバレ

再読

今読んでも最高のミステリ・冒険譚
途中(深山木の変死)を境にテーマがガラリと変わる

しかし、ここに世にも恐ろしい企てを画策する傴僂男・丈五郎や、本作のもう1人の主役である諸戸道雄の性的倒錯が加わり単なる王道小説に終わらない。

蓑浦のイメージは初めて読んだ時から東京喰種の金木研

諸戸道雄の一途と秀ちゃん(緑)の可愛らしさに乾杯
諸戸の生き様は一生忘れないだろう

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2021年08月09日

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今まで色んな人のミステリーを読んできたけどやっぱり江戸川乱歩しか勝たん、とこの本で再確認。
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深山木の殺され方が本当にわからなくて、え、どうやった??ってなってたけど読み進めていく内に納得。
だいたいのミステリーってこの人犯人っぽいな、って人が最初から居たりするけど江戸川乱歩作品は全然犯人が読めないから面白いんだよな(この作品はなんの関係もなさそうな人が真犯人だから尚更)
次は黒蜥蜴読みたい

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2021年07月09日

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ネタバレ

20年ぶりぐらいに読んだ江戸川乱歩作品(小学校の図工の授業で乱歩作品を題材にした絵を書いた記憶がある)。
面白いー!!!こんなに面白かったのか。

ちなみにこれは穂村弘さんが好きなミステリに挙げてたので読んでみた。好きな文章を書く方のおすすめはやはり良い。

乱歩といえばちょっとグロテスクで、人の感情に訴えるような作風がなさそうなイメージだったけど、人間の心の歪さや汚さ、弱さを感じられてとても良かった。


文章もそこまで古臭さを感じなかったし、テンポがよくて読みやすかった。
それにそれぞれの章の副題よ。目次見るだけで面白そうだと思えるのすごい。

それにしても諸戸はあんな悲惨な環境で育ったにもかかわらず、なんて真っ直ぐで強くて礼儀のある男なんだ。しかも最後、、泣ける。切ない。
蓑浦くんへの愛情を所々に晒しながらも、女嫌いゆえか(?)清潔感のあるところに好感を持てた。好きなキャラクター。

全然キャラ違うけど、その不思議な存在感から手塚治虫のMWの結城を思い出した。

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2021年06月13日

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再々読くらい。
その出生に謎多き恋人を密室殺人で喪った主人公。
事件の解明を友人の探偵に依頼するも、今度はその探偵が衆人環視の中殺害されてしまう。
主人公の行手に度々現れる因縁の男の怪しげな挙動。
彼の目的とは……?

教科書通りなミステリ展開を見せる前半と、鬼気迫る冒険譚の凄まじさに打ちのめされる後半の対比は、ドイルの初期長編を思わせるが、ドイルの場合は探偵小説単体だと受けが悪いという些か悲しい理由によるもの。
乱歩のほうはかなりスムーズにプロットが繋がっていて、伏線回収もバッチリ。
トータルバランス的に完成度高し。

そして本当に素晴らしいのがラストに配された一文。
推理あり冒険ありの一大長編小説、実はこの最後の一文のためにあるのではと思えてならない。

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2021年01月31日

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ネタバレ

初めての江戸川乱歩。とっっっっても面白かった。

個人的なイメージとして、江戸川乱歩っておどろおどろしいイメージがあって読みにくそうだと思っていたが、そんなことない。とても良い。
第一と第二の殺人については、全然分からなかったけど、話が進むにつれて恐ろしい事実が見えてきて…ドキドキしてページを捲る手が止まらなかった。

主人公の亡き恋人を想う気持ちがとても凄い、いや重い。
灰を飲み込んで復讐心を抱き、転げ回る…
そして、諸戸道雄の主人公への想い…
また、恋慕とは全く以って違うが、あの鬼と言うべきあの人物の、呪いと言っても過言ではない思い…

ミステリの中に、そういった人間の様々な思いが溢れていて、読んでいるうちに、あの洞窟の渦のように、物語に飲み込まれてしまった……
さて…次はどの乱歩を読もうか……

私としては、諸戸道雄の最期がとても悲しかった。
彼には主人公と結ばれなくとも、幸せになって欲しかったと思う。

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2020年12月28日

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あらすじ、序章を読んだだけではタイトルの意味が全く分からず、話の展開が読めないので続きが気になって一気に読んでしまいました。中盤の今までバラバラだった内容が一つに繋がる辺りが最高でした。一晩で白髪になってしまった理由が思っていたほどではなかったことや、ラストはどうなんだろと思いましたが、話がしっかりまとまっていたり、島の描写の素晴らしさなどから、今まで読んだ乱歩の作品で一番面白いと思いました。

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2020年07月26日

Posted by ブクログ

いやー、おんもしろかったー。
読みたくて買ったくせに、「江戸川乱歩か…今じゃないんだよな…」状態で積読して約2年。
今だ!と思って読んだらタイミングが良かったのかすごい楽しめた。もちろん江戸川乱歩がすごいのだけど。
昔の作家で長編っていうのもあって少し肩に力入ってたんだけど、全然読みやすかったしページをめくる手が止まらないタイプの本だった。
最初は普通に自分も推理しながら読んでたけど、途中から雰囲気が変わってくる。

怖い。

怖いのか不気味なのか気色悪いのか変な感じ。夜読むのちょっとだけ怖かった。笑
怖いけど面白い。一気に読んだ。
色んな要素がちらほらあってただ単に怖いホラーではなかったから私でも楽しめたかも。
こりゃ今の時代じゃ書けない。
面白かった〜。これは読み返したい本。

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2025年11月08日

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それぞれのキャラクターが立っていて面白かった。
ミステリであり、冒険譚でもあり、ページを捲る手が速くなった。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんのきっかけで購入したかは忘れたけど、長い間眠っていた積読を手に取った。
最初はあんまり物語に入り込めず、わたしは一体なにを見せられてるんだと思っていたけど、初代が殺されて探偵役の友人が出てきたところから面白さが加速!!!しかも最初にその探偵役も死ぬって特大のネタバレ文章があるから、最初からハラハラドキドキしながら読んだ。(横溝正史といい、偉大なる文豪のミステリーは序盤で手口を明かす潔さがある。なのに面白いからすごいよな~)
そして諸戸の登場からさらに物語は面白くなる。主人公を恋愛対象としてひたむきに愛すけなげな男……!!願わくば諸戸にも幸せになってほしかった。
秀ちゃんの手記は思わず悲鳴が出た。吉ちゃんって男なの!?!?き、きもちわり~~~!!!さすが江戸川乱歩、とんでもないキモイ話を平然とぶち込んでくる!
それから島と諸戸の秘密を知り、宝探しが始まり、洞窟に閉じ込められ……面白い要素がてんこもりすぎる。前半と後半でまったく雰囲気が変わる。探偵小説と冒険小説、そして切ない恋愛も含む。
洞窟の中での諸戸の切実な想い、そして最後の二行。胸が締め付けられる切なさ。主人公のことがまったく好きになれなかったので、何度もこんな男のどこがいいの!?と諸戸に訴えた。届かぬ思い、無念である。

次はどの話を読もうかな~

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2025年02月03日

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以前この作品の朗読劇に行ったので原作を読んだ。江戸川乱歩の作品は「人間椅子」を読んで以来だけど、ミステリーという一言では表せないジャンルだな。京極夏彦の作品に近いと思うのだけど、どうだろう。どちらも私の精神が健康な時に読まないと作品の世界に引き摺り込まれそうな雰囲気がある。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

怪奇も含んだサスペンスストーリーで読者にも呼びかけるような文調で淡々と読む手が止まらなかったです。最終に戦慄する様なバッドなどんでん返しも想像したけど、その裏切りは無くて前向きな終わり方でよかっだです。

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2023年08月16日

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ネタバレ

色々と考えさせられる話でした。

結局、蓑浦くんが一番の鬼なんじゃないか……?と思ってしまう。
今では妻がいる、という出だしからの最愛の恋人の死……とか言い出しててもう読者としての私の心は「えっ?」だったし、道雄くんの気持ちや行動を考えるともう少し受け入れてくれても、なんて気持ちになってしまうので。
そして途中で本人も言っていたけれど、蓑浦くんが発端の殺人が起こりすぎた。

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2022年12月30日

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密室殺人、衆人環視の中での殺人、二人の探偵役、謎めいた屋敷…とミステリらしい語句を並べてみたが、もう、読後は諸戸道雄可哀想に尽きる。
あれだけ尽くしているのに、箕浦の冷たい所業。
諸戸の気持ちを知っているから都合の良い時に頼るだけ頼って、でもやっぱり受け入れられない、尊敬してるし友達としてなら平気だけど、愛情は無理って。一般的な感情なのだろうけれど、諸戸に同情してしまう。

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2021年11月13日

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ネタバレ


主人公の自分語りから始まる本書は、読み始めてすぐに乱歩の世界に入り込んでしまった。

同性愛と障がい者がテーマのミステリーで、後半点と点が繋がっていく様は、読んでいてワクワクし、時に息が詰まりそうになった。
タイトルや表紙の意味が分かった時は気持ちが良く、芋虫や人間椅子が有名であるが、個人的に乱歩の中で1番面白いと思った。


【以下ネタバレ含む】
乱歩が描く恋は、どれも純粋で激しく、今で言う重いものだと思う。
主人公が亡くなった初代の骨の灰を飲み込んだり、主人公に想いを寄せる諸戸の言動など。
人を愛するが故に、理性が飛び、狂い、時に人を大きく変える。
その描写が濃く描かれ、ミステリーの謎解き以上に惹かれるのだ。
諸戸の父の過去や怨念による事件の意味など、想像以上の展開で読み応えがあった。
障がい者製造など恐ろしい考えであり、解説にも記載があった通り、昔他国で似たようなことが実際あったことに、ゾッとした。

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2020年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★★★☆☆ 3.7くらい
殺人事件の解決よりもその背景にある妙な因縁が恐ろしかった。道雄が不憫で仕方ない。

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2021年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

繋がりが無さそうな人達の死、不気味な登場人物たち、先が気になる不気味なお話!

2代目探偵の諸戸道雄さんが背負うものがだいぶ重いっ……
悪逆非道な実父、男性(蓑浦)への恋心……
蓑浦さんも婚約者を殺されてなかなか辛い経験してたけど、1番切ないの諸戸さんでしょう?

乱歩さんは諸戸さんの同性愛の要素は邪魔物と語ってるようだけど、諸戸さんのこの切なさがなかったらなかなか単調な物語になっちゃっただろうな。

主人公の手記で淡々と進んでいって、途中から復讐心よりも好奇心なのが読んでいてわくわく。
婚約者の妹だからと言ってすぐに好きになるもんかね……?そこだけ不満(笑)
どうにか諸戸さんを幸せにしてあげたい。悔いが残る。

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2021年11月04日

Posted by ブクログ

これぞ、ザ・江戸川乱歩!不具者が跋扈する怪しい島、土蔵に閉じ込められ、学校どころか人間すら見たこともないシャム双生児、抜け出せない井戸の地下迷路、とにかくとにかくオドロオドロしいことこの上ない‼︎時代なんだろうけど、このオドロオドロしさが大好きです☆

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2021年11月01日

Posted by ブクログ

諸戸道雄にも幸せになって欲しかった。最後の文で彼の思いの強さを再確認し、彼こそこの物語の主人公だったのではないかというくらい心に残ったキャラクターになった。

正直、はじめての江戸川乱歩作品で想像以上の気持ち悪さと、その当時の時代背景もあると思うが、差別用語の多さから、読むのが辛いと感じる時もあった

でも、後半の伏線が綺麗に回収されていくところは流石としかいいようがない。

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2021年07月06日

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